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国内外で注意喚起されたサプリメントによる健康被害の特徴

更新日:2024/03/26

もくじ

  1. はじめに
  2. 当サイトに掲載している注意喚起情報の特徴
  3. 日本での注意喚起情報の特徴
  4. 健康被害にあわないためのポイント
  5. おわりに

 

1.はじめに

  インターネットの普及とともにサプリメントの人気が高まる一方で、利用による体調不良などの健康被害も発生しています。この中には、サプリメントの利用で特徴的な事例として、違法に医薬品成分を添加した製品による健康被害もあります。当サイトの「被害関連情報」では、国内外の注意喚起情報を集めて掲載しています。そこで、これまでに掲載した注意喚起情報からサプリメントの利用による健康被害の特徴をまとめ、みなさんが健康被害に合わないためのポイントをお伝えします。

 

2.当サイトに掲載している注意喚起情報の特徴

 2021年1月から2023年12月に掲載した情報は国内外合わせて434件です。
その多くは行政機関が摘発した違反製品や業者による自主回収の情報で365件ですが、その中には実際に製品の利用によって発生した健康被害が42例ありました。
健康被害があった42例のうち、違法に医薬品成分が加えられた「無承認無許可医薬品」によるものが34例で8割程度と最も多かったです(図1)。

注意喚起情報が出された無承認無許可医薬品である製品の特徴としては、性機能改善をうたった製品が最も多く、この他、ダイエット効果をうたった製品が続きました。

 

3.日本での注意喚起情報の特徴

 2021年1月から2023年12月に掲載した日本国内の公的機関から出された注意喚起情報は33件で、このうち健康被害は6例ありました。

 この6例の内訳は、ダイエット効果をうたった違法に医薬品成分が加えられた「無承認無許可医薬品」によるものが4例と多かったです(表1)。また、6例のうち4例は、インターネットを利用してサプリメントを購入していました。

表1 日本国内においてダイエット効果をうたった「無承認無許可医薬品」による健康被害事例
(集計期間:2021年1月~2023年12月)
掲載日       成分 食品形態  性別 年齢 摂取量 摂取期間 健康被害 対応/転帰 入手/
販売経路
2022/06/08 シブトラミン ゼリー 不明 不明 不明 2週間 動悸、口渇、頭痛、めまい 摂取中止により回復 SNS
2022/06/08 シブトラミン ゼリー 不明 不明 不明 不明 頭痛、動悸、ほてり、吐き気 摂取中止により回復 インターネット
2022/06/15 シブトラミン ゼリー
チョコレート
女性 不明 不明 不明 食欲不振、倦怠感、息苦しさ、
貧血
摂取中止したが通院中 SNS
2022/06/16 シブトラミン
フェノールフタレイン
ゼリー 不明 不明 不明 不明 不明 不明

 

4.健康被害にあわないためのポイント

 無承認無許可医薬品等の違反製品は、見た目で判別することができません。
しかし、これまでに報告された健康被害の事例では共通した特徴がみられ、特に日本では同じような製品による同じような被害が何回も繰り返し発生しています。
 その特徴を参考に、違反製品による健康被害にあわないようにしましょう。

 

  • ポイント1: 海外製品の個人輸入には細心の注意を

 海外製品もインターネットで簡単に購入(個人輸入)できるようになりました。
 海外製サプリメントの中には、日本では医薬品に該当する成分が含まれている場合があります。海外での注意喚起情報は、国内に比べてかなり件数が多くなっています。そのため、インターネット購入する際には十分に注意しましょう。
 家族や親しい知人からのすすめであっても、安易に利用しないようにしましょう。

 

  • ポイント2:治療効果や劇的な効果をうたう製品は疑ってみる

 市場では、「これを飲めばがんが治る」といったようにあたかも病気の治療効果をうたったサプリメントが見受けられます。
 しかし残念ながら、サプリメントには薬のような効果は期待できません。
 また、「飲むだけで体重マイナス○○kg」といった劇的な効果をうたっている製品にも注意が必要です。
医薬品の成分等が違法に含まれている可能性があります。
 強い効き目をアピールしたサプリメントは、安易に利用しないようにしましょう。

 当サイトの「健康食品はお薬の代わりにはなりませんをご活用ください。

 

  • ポイント3:行政機関の注意喚起情報を参考にする

    国内外の行政機関が公表する注意喚起情報の多くは製品名とともにパッケージの写真が公開されています。同じ名称の製品で繰り返し被害が発生していることや、過去に注意喚起を受けて回収された製品がその後も違法に医薬品を添加して販売されている実態も報告されていることから(1)(2)、行政機関から出される注意喚起情報を参考にして、注意喚起を受けた製品や名称・外観の似ている製品を使用しないようにしましょう。

    ポイント1.にあるように、インターネットでは海外の業者から簡単に製品を購入することができます。また、国内の店舗で売られている製品は日本の法律にもとづいて規制が行われていますが、店舗での買上調査でも無承認無許可医薬品にあたる海外製品が発見されています。このため、国内の店舗で販売される製品であっても、特に海外製品では、国外での摘発情報にも注意を向ける必要があります。

    当サイトの被害関連情報データベースをご活用ください。 

 

5.おわりに

 サプリメントによる健康被害にあわないようにするためには、効き目などの良い面だけではなく、発生しうる悪い影響についても考えることが重要です。
  注意喚起された違反製品の存在を確認するのもその一つです。
 健康被害を生じるリスクの高い違反製品の使用を避けるために、当サイトの情報を参考にしてみてください。

図1 参考資料

1)無承認無許可医薬品として使用されていた医薬品の成分リスト

2)健康被害の報告症例リスト
  健康被害の報告症例リスト2021年
  健康被害の報告症例リスト2022年
  健康被害の報告症例リスト2023年

参考文献

(1) (PMID:25335153) JAMA. 2014 Oct 22-29_312(16)1691-1693
(2) (PMID:30422217) JAMA Intern Med. 2018 Dec 1_178(12)1721-1723

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