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健康食品はお薬の代わりにはなりません

更新日:2021/09/06

もくじ

 

健康食品のなかには、錠剤やカプセル形状など、見た目が医薬品とよく似ているものがあります。また、コンドロイチン硫酸のように、医薬品と同じ成分 (原材料) を含む健康食品も販売されています。しかし、健康食品と医薬品とは使われる目的が異なるため、健康食品を医薬品のかわりに使用することはできません。ここでは、健康食品を利用する際の注意すべき点について解説します。

 

健康食品の種類の図1

 

日本では、健康食品と呼ばれるものについて法律上の定義がありません。広く健康の保持・増進に資する食品として販売、利用されるものが健康食品と呼ばれています。このうち、国によって制度化されているものには、特定保健用食品 (トクホ) などの保健機能食品があり、それ以外はいわゆる健康食品と呼ばれます (図1) 。保健機能食品であっても、いわゆる健康食品であっても、医薬品の様に病気の治療に用いることはできません。健康食品の制度について詳しく知りたい方は「健康食品」に関する制度の概要をご参照ください。

 

健康食品の利用目的別フローチャートの図2

 

 

 

医薬品は、病気の方が治療のために使用するものです。実際に病気の人を対象とした臨床試験が実施され、病気を持つ患者さんが安全に使用でき、効果が得られることが証明されています。
一方、健康食品は、健康が気になる方が、健康の維持・増進のために使用するものです。多くの製品では、そもそも人での効果は調べられていない場合がほとんどです。一部の製品では「臨床試験済み」という広告で宣伝されていますが、試験の内容は医薬品とは全く別物で、誰にでも効果があるわけではありません。
健康食品を利用したいと思ったときは、図2のフローチャートでご自身の利用目的を改めて考えてみてください。

  • 病気を治したい場合
    健康食品を使用することはできません。
    健康食品を病気の人が使用した場合の安全性は調べられていません。病気の人が使用すると、病気の状態に悪い影響が出たり、医薬品の効果に影響したりする可能性があります。持病がある場合や医薬品を服用している場合は、健康食品を自己判断で利用するのは避けましょう。
  • 利用目的がわからない、なんとなく体に良さそうだからという場合
    使用前にもう一度、何のために使いたいのか、本当に健康食品が必要なのかを考え直してみましょう。
  • 健康の維持・増進が目的の場合
    まずは食生活を見直し、バランスの良い食生活を心がけた上で取り入れるようにしましょう。
    適切な利用方法については、「もっと詳しく知りたい方はこちら」 をご参照ください。

 

病気になるとだれしも不安になり、そんな時に「健康食品で病気が治った!」という宣伝広告を見るとつい試したくなると思います。しかしながら、健康食品は病気の治療のために作られたものではないため、宣伝広告で病気の治療効果をうたう事は医薬品医療機器等法(薬機法)違反となり、違法な製品となります。そのため、病気の治療効果を明らかにうたっているものや、効果を暗示させるような広告を見かけたら、それを信じて利用するのではなく、あやしい製品と疑って、利用しないようにしてください。

 

健康食品は、あくまでも食品です。病気の治療には使えません。医薬品のかわりにと健康食品を摂取することは避けましょう。体調に不安がある場合は、医療機関で受診しましょう。また、病気の治療を行っている方が健康食品を利用したい場合は、主治医や薬局の薬剤師に必ず相談してください。

 

 

 

比べてみよう 医薬品と健康食品

以下に、医薬品と健康食品の特徴をまとめました。

  医薬品

いわゆる健康食品

利用する人 病気の方 健康が気になる方
利用の目的 病気の治療 健康の維持・増進
利用環境 医師の処方に基づき、薬剤師の管理の下で適切に利用できる体制が整っている。
安全に使用するための情報が充実している。
消費者の自己判断で利用されることが多い。
品質 製造管理と品質管理の基準 (GMP) に従って、一定の品質の製品が製造されている。 同じ製品でも品質は一定とは限らない。
有効と思われる成分がほとんど入っていない製品や有害物質が混入している製品もある。

※GMP:Good Manufacturing Practice 医薬品の製造管理、品質管理に関する要件。「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)」によって定められている。

 

健康維持・増進のための健康食品の使い方

健康食品は医薬品と異なり、多くの場合、利用する方の自己判断で選択、使用されています。健康維持や増進の目的のために役立てるためには、まずは健康的な食事、適度な運動、適度な休養のバランスを整え、あくまでもそのサポートとして使用するようにしましょう。また、健康食品の表示をしっかりと確認して、記載されている注意事項を守ること、そして使用状況や使用中の体調変化について記録をとることが大切です。使用記録のつけ方はこちらのページをご参照ください。使用について、わからないことや不安なことがある場合は、薬局の薬剤師や管理栄養士など、専門的な知識をもつ方に相談しましょう。

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