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ビタミンB6

ビタミンB6

分類:水溶性
更新日:2020/11/05

もくじ

 

ビタミンB6とは?

 ビタミンB6は水溶性のビタミンで、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンと、これらのリン酸エステル型であるピリドキシン-5’-リン酸 (PNP) 、ピリドキサール-5’-リン酸(PLP)、ピリドキサミン-5’-リン酸 (PMP) の総称です (1) 。体内ではPLPとPMPの形で多く存在し、主な役割は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素、神経伝達物質である生理活性アミンの代謝の補酵素、ホルモン調節因子などとして働いており、不足すると皮膚炎などが起こることが知られています (2) 。

 

ビタミンB6の供給源になる食品

 主な食品のビタミンB6含有量は以下の通りです (3) 。

 

植物性食品
食品名 1食あたり
の重量(g)
ビタミンB6(mg)
 1食あたり  100gあたり
 バナナ 100 0.38  0.38 
 フライドポテト 100 0.35  0.35 
 玄米めし 150 0.32  0.21 
 さつまいも(蒸し) 100 0.27  0.27 
 じゃがいも(蒸し) 100 0.22  0.22 
 西洋かぼちゃ(ゆで) 100 0.19  0.19 
 トマトジュース 200 0.18  0.09 
 ピスタチオ(いり味付け) 15 0.18  1.22 
 茎にんにく(生) 50 0.16  0.31 
 アボカド 50 0.15  0.29 

(「日本食品標準成分表2020年版 (八訂)」のデータより引用)

 

動物性食品
食品名 1食あたり
の重量(g)
ビタミンB6(mg)
 1食あたり  100gあたり
 豚ヒレ(焼き) 100 0.76  0.76 
 びんながまぐろ(生) 70 0.66  0.94 
 かつお(生) 80 0.61  0.76 
 くろまぐろ(赤身) 70 0.60  0.85 
 鶏むね 皮つき(焼き) 100 0.60  0.60 
 しろさけ(焼き) 80 0.46  0.57 
 牛ヒレ(焼き) 100 0.45  0.45 
 はまち(生) 80 0.42  0.53 
 さんま(焼き) 100 0.42  0.42 
 まさば(焼き) 70 0.38  0.54 

(「日本食品標準成分表2020年版 (八訂)」のデータより引用)

 

ビタミンB6の特性 (単位・化学的安定性)

 ビタミンB6は白色から微黄色で水に溶けやすく、エタノールには溶けにくい性質を持ちます。また、光に対し不安定です (4) 。

 

ビタミンB6の吸収や働き

 摂取したビタミンB6は小腸で吸収されます。吸収されたビタミンB6は肝臓に運ばれ、肝臓の細胞中でピリドキサールキナーゼにより、リン酸化されます (2) 。生体内では主に、ピリドキサール-5’-リン酸 (PLP) とピリドキサミン-5’-リン酸 (PMP) が、アミノ酸代謝におけるアミノ基転移反応や、生理活性アミン (セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ヒスタミンなど) の合成に必須な脱炭酸反応、その他ラセミ化、および脱水素反応の際に補酵素として働きます (2) (5) 。また、PLPには、ホルモンの作用を調節する働きがあります (2) 。

 

ビタミンB6不足の問題

ビタミンB6不足はどのような時に起こるの?

1.ビタミンB6が不足した食生活を続けた時
2.以下のような、ビタミンB6の阻害剤を摂取した時 (2)

ビタミンB6不足の問題についての画像

 

 しかし、ビタミンB6が単独で不足することは少なく、他のビタミンが不足したときに、同時に起こります (6) 。

 

ビタミンB6が不足すると、どのような症状が起こるの?

 湿疹、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、貧血、麻痺性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫力低下などが起こります。また、ビタミンB6依存症として、貧血、キサンツレン酸尿症、ホモシスチン尿症などが知られています (2) 。

 

ビタミンB6過剰摂取のリスク

 ビタミンB6は水溶性ですが、過剰摂取時 (数 g/日を数ヶ月程度) には、感覚神経障害、末梢感覚神経障害、骨の疼痛、筋肉の脆弱、精巣萎縮、精子数の減少などを起こすことが知られており、食事摂取基準でも上限量が設けられています (2) 。

 

ビタミンB6はどのぐらい摂取すればよいの?

 各年齢別のビタミンB6の食事摂取基準 (日本人の食事摂取基準2020年版) は以下の通りです (5) 。

 

<ビタミンB6の食事摂取基準 (mg/日) 1>
性別 男性 女性
年齢等 推奨量
(RDA)
目安量
(AI)
耐容
上限量2
(UL)
推奨量
(RDA)
目安量
(AI)
耐容
上限量2
(UL)
0~5 (月) 0.2 0.2
6~11 (月) 0.3 0.3
1~2 (歳) 0.5 10 0.5 10
3~5 (歳) 0.6 15 0.6 15
6~7 (歳) 0.8 20 0.7 20
8~9 (歳) 0.9 25 0.9 25
10~11 (歳) 1.1 30 1.1 30
12~14 (歳) 1.4 40 1.3 40
15~17 (歳) 1.5 50 1.3 45
18~29 (歳) 1.4 55 1.1 45
30~49 (歳) 1.4 60 1.1 45
50~64 (歳) 1.4 55 1.1 45
65~74 (歳) 1.4 50 1.1 40
75以上 (歳) 1.4 50 1.1 40
妊婦 (付加量)   +0.2
授乳婦 (付加量) +0.3

推奨量 (RDA,recommended dietary allowance)
 ある性・年齢階級に属する人々のほとんど (97~98%) が1日の必要量を充たすと推定される1日の摂取量。
目安量 (AI,adequate intake)
 ある性・年齢階級に属する人々が、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量。
 (特定の集団において不足状態を示す人がほとんど観察されない量)
耐容上限量 (UL,tolerable upper intake level)
 ある性・年齢階級に属するほとんど全ての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことがないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
1:たんぱく質の推奨量を用いて算定した (妊婦・授乳婦の付加量は除く) 。
2:ピリドキシン (分子量=169.2) の重量として示した。

 

ビタミンB6の摂取状況

 2019 (令和元) 年の国民健康・栄養調査では男性で平均1.26 mg/日、女性で平均1.09 mg/日摂取しています (8) 。

 

栄養機能食品としての関連情報

ビタミンB6は基準値を満たした場合に栄養機能食品として表示することができます。

  • 下限値:0.39 mg、上限値:10 mg
  • 栄養機能表示
    「ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」
  • 注意喚起
    「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。」

 

 栄養機能食品の表示に関する基準の詳細についてはこちらの資料をご参照ください。

 

その他の情報

医薬品としてのビタミンB6製剤は、以下の症状の治療薬として用いられます (4) 。
1.ビタミンB6欠乏症の予防および治療 (薬物投与によるビタミンB6欠乏症を含む)
2.ビタミンB6の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
3.ビタミンB6依存症 (ビタミンB6反応性貧血等)
4.次の疾患のうち、ビタミンB6の欠乏または代謝障害が関与すると推定された場合:口角炎、口唇炎、舌炎、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、接触性皮膚炎、末梢神経炎、放射線障害

(ビタミンB6の医薬品名)
塩酸ピリドキシン

  • 長期間・大量に投与すると手足のしびれ、知覚異常等の末梢神経障害が起こります (9) 。
  • レボドパ (パーキンソン病・症候群治療薬) と併用すると、レボドパの代謝が亢進して作用部位への到達量が減少し、レボドパの薬効を減少することがあります (10) 。

 

関連情報

 

参考文献

(1) 生化学辞典 第4版:東京化学同人
(2) ビタミンの辞典:朝倉書店
(3) 日本食品標準成分表2020年版 (八訂)
(4) 日本薬局方解説書:廣川書店
(5) 日本人の食事摂取基準 2020年版
(6) ヒューマン・ニュートリション 第10版:医歯薬出版
(7) 専門領域の最新情報 最新栄養学:建帛社
(8) 令和元年 国民健康・栄養調査報告
(9) 今日の治療薬2010:南江堂
(10) 薬理書 第9版:廣川書店

 

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