関与成分はサイリウム種皮由来の食物繊維である。本成分は水和し、透明なゲル状の塊となる。その構成糖はキシロース、アラビノース、ラムノース、ガラクチュロン酸であり、その溶液はチクソトロピック性を有する(1)(2)。
食物繊維の有する脂肪吸着作用により摂取した食品中の脂質の吸収を阻害すると同時に、胆汁酸の再吸収並びに外部から摂取したコレステロールの吸収を阻害する。その結果、血中脂質調整作用を有する(3)(4)(5)(6)
(1) J,F.,Kennedy.,et.al Carbohydrete Res., 75,265 (1979) (2) J.N.BeMiller: Industrial Gums second edition:Academic Press (3) F.W.Sosulski,et.,al: J Food Sci.,47,1472 (1982) (4) C.Kies: ACS Symp Ser No.214, 61(1983) (5) R.G.Smith,et.al: Age and Aging,9,267(1980) (6) B.H.Arjmani, et.al: J Nutur.,122,1559(1992)
食物繊維の定量法であるProsky法(AOAC)に従って定量する。
Asp,N.G.,et.al: J Agric.Food Chem., 31,476(1983) Prosky,L.,et.al: J Assoc.Off.Anal. (3) Chem.,67,1044(1984) ,68,677(1985) ,69,259(1986) AOAC International:”Official Methods of Analysis of AOAC INTERNATIONAL, 16thEd.”,45.4.07(1995) 日本薬学会編:“衛生試験法・注釈”、295、金原出版(1990)
研究1: 成人男女38名を対象にサイリウムの8g/日、2週間投与の安全性を調べた結果、重篤な副作用は観察されなかった。 研究2: 高脂血症を有する成人26名を対象にサイリウム8g/日、6週間の投与を行った結果、血液一般検査、生化学検査、尿検査において有意な変化は認められなかった。また摂取中に随伴する身体症状などを呈したものは認められなかった。 研究3: 報告されたサイリウムの安全性に関する試験結果(17件)に基づいて、サイリウムの安全性を評価した結果、サイリウムは合理的に見込まれる摂取レベルにおいて、ヒトに対する危険を疑う合理的な根拠を立証あるいは示唆する根拠はなかった。
(1) 高田秀穂:日本大腸肛門病学会雑誌,第50巻,第9号(1997) (2) 土田隆ら:治療と新薬,第36巻,第5号(1999) (3) anonymous(FDA):U.S.Department of Commerce, National Techncal Information Service
申請以前より、ヒトでの20g/日、6週間での安全性が報告(NATURAL MEDICINES COMPREHENSIVE DATABASEにも掲載)されており、左記ヒト試験:研究3の項でFDAによる調査で過去にヒトでの危険性を疑う根拠が見当たらないとされることから、動物での安全性試験は実施せず。
研究1: 繊維成分であるインド産Ishabgol(Isapgola)6g/日を、5週間、健常男性に投与した結果、体重、血中トリグリセライド、空腹時血糖に低下傾向が認められ、また、HDL増加傾向、VLDL+LDL減少傾向が認められた(1)。 研究2: 高コレステロール血症患者28名を対象にサイリウムの効果を調べる二重盲検試験を行った結果、総コレステロール、LDLコレステロールに有意な低減作用が認められた(2)。 研究3: 成人85名を対象にサイリウムの効果を調べた結果、サイリウム群ではコントロール群(セルロース・ペクチン・小麦フスマ、Rice Bran、Corn Bran)に比して、通過時間短縮、糞便量及び糞便水分の増加、血清コレステロール及びトリグリセライドの減少が認められた(3)。
(1) 中村治雄他臨床栄養,第57巻,第7号,753(1980) (2) James W. A.,et al.,:Arch Inten Med, 148, 292 (1988) (3) C.Kies: ACS Symp Ser No.214, 61(1983) その他の資料: 大迫文麿他:内科宝函,第29巻,第8号,465(1982) R.Burton et al.,:Acta Med Scand(SUPPL) 668,91(1982) G.Enzi et al.,:Pharmatherapeutica Vol.2, 7,421(1980) J.E.Garvin et al.,:Proc Soc Exp Biol Med,120, 744(1965) L.P.Bell,MD et al.,:JAMA,June 16,261,23,3419, (1989) A.C.Frati-Munari et al.,:Archivos Investigation Medica,14,3,259(1983) S.E.Fagerberg,MD:Current Therapeutic Research,31,2,166(1982) R.G.Smith et al.,:Age and Ageing,9,267(1980) Lieberthal,M.M. et al.,:Digestive Disease,20, 469(1975) A.Danielson et al.,:Acta hepato-gastroenterol, 6,148(1979) Forman D.T.et al.,:Proc Soc Exp Biol Med,127, 1060(1968)
研究1: ラットで10%NDFを含む飼料を給餌した結果、サイリウム群では他の繊維原料群より糞便水分、糞便乾燥重量が多く、血清トリグリセライドの低下に効果があった。 研究2: ラットを用いてサイリウムの効果を調べた結果、サイリウム投与群では、対照(セルロース)群に比して、肝臓コレステロール低減作用、肝臓脂肪低減作用が認められた。
(1) F. W. Sosulski and A. M. CaddenJournal of Food Science, Vol.47,1472(1982) (2) Armando B. H..,et al.,:J. Nutr,122,1559(1992)