難消化性デキストリンは、アミラーゼ等の消化酵素により分解されにくい難消化性の食物繊維で、水溶性、低粘性、低甘味、熱、酸に対して安定で保存性にも優れている (1) 。また、アメリカ合衆国FDAにおいてGRAS (一般に安全とみなされた食品) に分類されている (2) 。
難消化性デキストリンは、腸内細菌によって資化され、その結果産生される短鎖脂肪酸が内容物のpHを低下させ、腸の蠕動運動を賦活化して排便を促し、あるいは腸内フローラの改善により便通状態を改善する可能性が考えられている (1994001855) 。
(1) 澱粉科学. 199037(2);107-114. (2) J Appl Glycosci. 2006:53(1);65-69. (1994001855) 栄養学雑誌. 1993:51(1);31-37.
「特定保健用食品 (規格基準型) 制度の創設に伴う規格基準の設定等について」食安発第0701007号 (平成17年7月1日) の「 (別紙) 成分規格 難消化性デキストリン」の「定量法」に準じて行う。
研究1: 健常成人17名を対象に、難消化性デキストリン (食物繊維として5 g) を含有する飲料を1日摂取目安量の3倍量にあたる1日3本 (食物繊維として15 g) 、4週間連続摂取させた。その結果、試験期間中に問診、BMI、血圧・脈拍数、体温、血液学検査、生化学検査、尿検査、自他覚症状で問題となる所見及び変動は認められず、3倍量の過剰摂取において安全性に問題ないことが確認された (1)。
(1) 佐藤製薬株式会社 社内試験実施報告書 ※本食品は規格基準型であり、過剰摂取試験により安全性を確認している。
研究1: ICRマウスに難消化性デキストリンを5、10及び20 g/kg (食物繊維として4.6~18.3 g/kg) で単回経口投与し、7日間状態観察を行った。試験期間中に死亡例はみられなかったことから、LD50値は20 g/kg以上と推定された。また、細菌を用いる復帰変異試験により変異原性の有無を検討した結果、微生物突然変異誘起性は陰性であった (1993209896) 。 研究2: SD系雄性ラットに難消化性デキストリンの5、10及び20% (食物繊維として9.2~18.3%) 水溶液を給水し、5週間飼育した結果、体重、血清総タンパク質、カルシウム、GOT及びGPT活性に影響はみられなかった (1994001198) 。
(1993209896) 食品衛生学雑誌. 199233(6);557-562. (1994001198) 日本栄養・食糧学会誌. 1991:44(6);471-478.
特定保健用食品 (規格基準型) のため省略 ※本食品は規格基準型で、その関与成分につき国が有効性に関する知見の蓄積が十分であるとして規格基準を定めており、消費者委員会の個別審査なく、許可されている。
研究1: SD系雄性ラットに、難消化性デキストリン2 g (食物繊維として1.8 g) を単回投与した結果、投与後72時間の難消化性デキストリンの糞便への排泄率は36.1%であった。また、SD系雄性ラットに、難消化性デキストリンを連続投与した結果、用量依存的に盲腸重量の増加、盲腸内容物のpHの低下が確認され、さらに消化管通過時間が短縮された (1993209896) 。
(1993209896) 食品衛生学雑誌. 1992:33(6);557-562.