私たちは、健康で豊かな生活を送るために毎日の食生活の中で、食べやすさやおいしさを増すために、または、消化・吸収しやすくするために、様々な食品を組合せて料理、加工したものを摂取しています。これらの食品には、生命維持のために人間に必要な栄養素としての一次機能、嗜好面として味覚、臭覚に訴える二次機能の他に、特定保健用食品に代表されるような生体調節機能としての三次機能があります。
健康志向の高まりから、この三次機能ばかりに気を取られて、一次機能や二次機能を無視してしまうと、食生活はバランスを欠くこととなり、かえって健康を害したり、食生活が味気ないものとなってしまいます。このことから、三次機能を重視した「健康食品」を摂取することは、必ずしもいろいろな食品を取ることの代わりにはなりません。つまり、「健康食品」だけでは、健康で豊かな生活を送ることはできません。やはり、基本は、毎日の食生活により、通常の食生活の中でバランスのとれたメニューを考えて頂くことが大切です。
また、「健康食品」を利用する場合も、その健康機能ばかりに目を向けることなく、その食品の熱量やたんぱく質、脂質、ナトリウム、糖分といった栄養成分がどれだけ含まれているのか (栄養プロファイルの考え方) 一日当たりどの程度とることが適切なのか、といった点を注意深く確認することが大切です。