「実験で〇〇の効果があった」「効果は実験で証明ずみ」などの宣伝や表示が多いのがいわゆるサプリメントの特徴で、これにも注意しましょう。
食品の有効性や安全性を評価するには、通常「試験管内での実験→動物実験→人を対象とした試験」と3段階もの実験が必要です。
試験管の中と人間の体の中では、環境や状況がまったく違いますし、
人間には、年齢、性別、遺伝的要素、生活習慣など、結果に影響を与える因子がたくさんあるからです。
試験管内の実験で「効果があった」としても、その成分が、実際に人の口に入り、胃や腸を通過し、消化吸収の過程をたどったときに、「試験管の中と同じことが起こるかどうか」は、臨床試験をしてみないと分かりません。つまり、試験管の実験結果や動物実験の結果だけでは、人に対する効果の有無は判断できないということです。
ですから、国が認める「特定保健用食品 (トクホ)」は、実際に人に対して臨床試験を行うことが表示の条件になっています。
臨床試験の結果を統計学的に処理した結果、効果があったといえるものだけに、トクホの表示が許可されているのです。
効果を示す「実験結果」があっても、それが「どの段階の実験か」を知ることは、健康食品を選択する上で重要な情報です。
「実験で効果があった」という表示をみかけたら「どの実験か?」を気にかけるようにしましょう。
健康食品とサプリメントの違いとは