いわゆる「健康食品(サプリメント)」は、含有成分の「成分名」表示があったとしても、実はその「含有量」については不明なものがほとんどです。
含まれている単位 (1個あたりや100 g当たりなど) も含めて、含有量が表示されていないのは、「どれくらい入っているか、分からない」ということです。
例えば、製品中に含まれる特定成分の割合が、
「200 ccのコップにスプーン1さじ」なのか「1,000 Lタンクにスプーン1さじ」なのかが分からないようなものです。
しかし、「200 ccのコップにスプーン1さじ」でも「1,000 Lタンクにスプーン1さじ」でも、「入っている」ことに間違いはありませんので、成分名の表示は嘘ではありません。
健康食品(サプリメント)の有効性や安全性を判断するためには、「量」の情報が必要条件ですが、製品に含まれている特定成分の「量」が明確でないということは、有効性も安全性も「分からない」ということになります。
健康食品(サプリメント)を摂取して何かの効果を期待する場合、その成分含量が何らかの生理作用を起こす量に達していなければ期待する効果は得られませんが、有害な作用が起こる可能性も低いといえます。
一方、含有成分が何らかの生理作用が起こる量に達していれば、期待する効果は得られるでしょうが、摂り過ぎによる体調不良を起こしやすくしたり、利用者の体質などによる有害な影響 (アレルギー症状や胃腸障害などの健康被害) が生じたりすることも・・
特に注意したいのは、「病院で薬をもらっているが、もっと早く、よくなりたいので、主治医に黙って健康食品(サプリメント)を買って食べている」という方です。
健康食品(サプリメント)と医薬品がお互いに影響しあって、飲んでいる薬の効果が得られなくなってしまったり、薬が効きすぎてしまい、かえって体調を崩してしまったりすることがあります。
「もっと早くよくなるように」とご本人が思っていても、製品中に含まれている成分量がわからないときには、「薬の服用と同時進行でその健康食品(サプリメント)を食べた結果が、よくなるのか、変わらないのか、悪くなるのか、薬と健康食品(サプリメント)の影響はどうなのか」、といった判断が全くできないからです。
また、含有成分が「天然のもの」などと表示があるからといって必ず安心とは言えません。
天然の動植物から抽出したエキスなどは、季節や天候や環境などによる「成分含有量のばらつき」が必ずあることが理由のひとつです。
「含有量が不明である」ということには、「品質が一定していない可能性がある」という意味も含まれています。
健康食品、サプリメントだから大丈夫、と過信しないことが大切です。