お子さまにサプリメントが必要かも・・と思ったことはありませんか。
ここでは、サプリメントの効果や安全性のほか、お子さまの食事についてとりあげます。
※食品のうち、カプセルや錠剤・粉末・顆粒・抽出エキスなど、通常の食品とは異なる形態をしたものをサプリメントと呼ぶこととします。
サプリメントの効果
お子さまのいるご家庭では、背が伸びないなど発達の遅れがあれば「不足している栄養素があるからではないか」、中高生の方であれば「手軽にダイエットしたい」という思いからサプリメントを購入したくなるかもしれません。
実際のところ、サプリメントに効果はあるのでしょうか。
背を伸ばす効果を期待したサプリメントについてみていきましょう。
日本小児科内分泌学会によると、「カルシウム製剤は骨を強くするが、成長促進作用はない。アルギニン製剤はサプリメントとして含まれているのはごく少量であり、成長ホルモンの分泌を促進するとは考えられない」との見解を示しています (1) 。
また、サプリメント全般について、日本医師会では、「サプリメントがふつうの食品よりも、健康に効果があるかどうか、科学的根拠があるかどうかは必ずしも十分ではない」 としています(2) 。
サプリメントの効果は、薬のようにはいかないといえそうです。
サプリメントの安全性
サプリメントを利用する理由の一つとして、簡単に効果が欲しいということはありませんか。
ダイエット系のサプリメントには処方薬などが隠れて混ざっていることがあります (3) 。思わぬ副作用がでることもあり危険です。
また、発達によいとされる鉄分は、過剰に摂りすぎると腸などの臓器が損傷されます (4) 。
さらに子どもは成長段階であるため体の機能は未熟であり、副作用の出現のしかたは、大人と異なることもあります。特に幼児では要注意です (3) 。
いかがでしょうか。サプリメントは安全といえるでしょうか。
子どもと食事
一番大切なことは、3食をバランスよく摂ることです。その近道として、まず、朝食を摂ってみませんか?
朝食を摂っていない小中学生は約4.5~7%となっています (5) 。
また、国民健康・栄養調査によると、思春期 (12~14歳) では、男の子ではカルシウム、女の子では鉄分が特に不足しているとのことです。
忙しくてほとんど朝食を摂っていないというご家庭でも、牛乳、じゃこ、チーズトースト、ヨーグルト、プルーンなど、朝食を少しずつ取り入れてみませんか。
それでもサプリメントを摂りたいという場合は、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。
まとめ
子どもにとってサプリメントの安全性は定かではなく、必ずしも効果があるとはいえないようです。
まずは、毎日の食事の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
参考文献
(1)日本小児科内分泌学会 「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解(2013年3月29日公表)
(3)厚生労働省eJIM 小児および10代の若者のサプリメント利用について知っておくべき10のこと
(4)メルクマニュアル 第18版