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シンガポールHSAが医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む製品に注意喚起

更新日:2021/03/05

■注意喚起および勧告内容
2021年3月1日、シンガポールHSA (Health Science Authority) が医薬品成分 (シブトラミンなど) を含む2製品 (下記の一覧参照:写真はシンガポールHSAウェブページより加工転載) に注意喚起。当該製品との因果関係が疑われる健康被害が1件報告されている。

製品名
検出された医薬品成分
写真
Bobba Fitz シブトラミン
Bobba Toxx センノシド

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■解説
当該製品は、天然素材含有などと称し、痩身効果を標ぼうしてウェブサイトやソーシャルメディアを介してセット販売されていた。
・女性1名 (年齢不明) が、当該製品を併用したところ (摂取量、期間不明) 、動悸、気分のむらを生じ、摂取中止により改善した。HSAによる検査の結果、「Bobba Fitz」からシブトラミン、「Bobba Toxx」から通常量の約4倍のセンノシドが検出された。

シンガポールHSAは、消費者に対し、当該製品を使用しないように、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告し、大げさに有効性をうたう健康製品を使用しないよう注意を促している。

■関連成分
シブトラミン (sibutramine)

シブトラミンは、1997年に肥満抑制薬としてアメリカFDAの許可を受けたが、日本では未承認。副作用として血圧上昇および心拍数増加などが報告され、心臓病の方は服用を避けたほうがよいとされている。アメリカ国内ではFDAの許可後、2003年8月までに54例の死亡事例 (うち30例は心血管が原因) が報告された。2005年8月、FDAはシブトラミンの使用停止に関する消費者団体の請願書に対し、シブトラミンの使用に細心の注意を呼びかけ、その安全性を監視することにより、引き続き医薬品として承認していくことを公表した。しかし、心血管疾患歴のある患者では心血管疾患再発リスクが高くなるという欧州で実施されたSCOUT試験 (Sibutramine Cardiovascular OUTcome Trial) の結果をうけ、2010年10月、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでメーカーによる任意回収が決定。開発したメーカーはすでに販売・流通を中止している。2010年11月、インド医薬品規制当局 (Drugs Controller General of India、DCGI) も販売を禁止した。

センナ
小葉はセンノシドを含み、生薬として用いられる。古くから下剤として便秘の改善とそれに伴う頭痛、のぼせ、肌荒れ、痔の改善などに使用されてきた。わが国では、果実・小葉・葉柄・葉軸は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に該当する (莢は果実に含まれる) ため、食品に使用することはできない。詳しくは、素材情報データベースの「センナ、アレキサンドリアセンナ、チンネベリセンナ」を参照。

■関連情報
シンガポールHSAウェブページ (2021年3月1日、英語) →「Consumer Experienced Palpitations and Mood Swings After Taking ‘Bobba Fitz’ – HSA Tested Product to Contain Banned Substance Sibutramine」
外国製健康食品の入手や個人輸入等についての注意事項等→「健康食品や医薬品、化粧品、医療機器等を海外から購入しようとされる方へ (厚生労働省作成2012年版) 」

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