EPAやDHAのようなn-3系多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪の低下、不整脈の発生防止、血管内皮細胞の機能改善、血栓生成防止作用等いろいろな生理作用を介して生活習慣病の予防効果を示すことが知られている。
【関与成分の構造式】 名称:イコサペンタエン酸(IPA、慣用名:エイコサペンタエン酸、EPA)、本製品の成分表示では慣用名を使用する。 IUPAC名称:(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ- 5,8,11,14,17-ペンタエン酸、組成式:C20H30O2 名称:ドコサヘキサエン酸(DHA) IUPAC名称:(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸、組成式:C22H32O2 |
EPA とDHAの中性脂肪低下作用の機序としては、肝臓での中性脂肪合成低下、VLDLの代謝亢進、脂肪酸合成の低下、中性脂肪分解酵素の活性亢進などが述べられており、脂質合成の抑制には脂質合成転写因子SREBP-1cの核内への移行阻止などが示されている。
1)厚生労働省、日本人の食事摂取基準2010年版 P.85 2)横山光宏、アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学会雑誌5(1)54-58,(2009) 3)Terry A Jacobson、Am J Clin Nutr;87(Suppl):1981S-90S(2008)
ガスクロマトグラフィー
梶島俊樹 他、日本油化学会誌45(4)、335-339(1996)
研究1:過剰摂取の安全性 血中中性脂肪値が120 mg/dLから200 mg/dLの範囲の者を中心とした 42名の男女被験者を対象に、本製品あるいはプラセボ飲料を1日3本 (本製品ではEPAとして1,800 mgおよびDHAとして780mg) 、4週間連日摂取する無作為化比較試験により本製品の過剰摂取の影響を検証した。摂取終了2週目までの後観察期間を含め、身体測定、理学的検査及び臨床検査 (血液学的検査、血液生化学検査、血液凝固系検査および尿検査) および臨床症状において、本製品の過剰摂取と関連して臨床上問題となる有害事象は観察されず、本試験条件下での過剰摂取の安全性に問題がないことが示された (1) 。 研究2:長期間摂取の安全性 血中中性脂肪値が120 mg/dLから200 mg/dLの範囲の者を中心とした 113名の男女被験者を対象に、本製品あるいはプラセボ飲料を1日1本 (EPAとして600 mgおよびDHAとして260 mg) 、12週間連日摂取させ、さらに摂取終了4週 (摂取開始16週) 後までを観察期間とする無作為化比較試験を実施した。その結果、本製品摂取による有害事象は観察されなかった。また、本製品の摂取期間中に低下した血中中性脂肪値は摂取終了後上昇することが観察された。このことからも本製品の中性脂肪低下作用がEPA・DHAの摂取によるものであることが支持される (2) 。
(1) 日本水産株式会社資料 (2011) (2) 藤本祐三 他、日本臨床栄養学会雑誌33(3,4) 120-135, (2011)
本製品に関与成分として使用した精製魚油に付き以下の試験を行った。細菌を用いた変異原性試験、動物試験ではラット急性毒性試験、ラット13週間反復経口投与毒性試験を実施した。いずれの試験でも毒性変化は観察されなかった (1) 。
(1) 日本水産株式会社資料(2009~2010)
研究1: 血中TG値が120 mg/dLから200 mg/dLの範囲の者を中心とした 113名の男女被験者を対象に、本製品 (EPAとして600 mgおよびDHAとして260 mg) あるいはプラセボ飲料 (対照食) を1日1本、12週間連日摂取させ、さらに摂取終了4週 (摂取開始16週) 後までを観察期間とする無作為化比較試験を実施した。本製品摂取群では血中TG値が摂取前値と比較して摂取開始4週後 20%、8週後19%、12週後20%、さらに摂取終了4週後 (摂取開始16週後) 12%、それぞれ有意に低下した。一方、対照食群ではいずれの時点でも摂取前値からの有意な変化は見られなかった。本製品摂取群は対照食群と比較して4週、8週および12週後の各時点において、摂取前値からのTGの変化量 (低下量) は有意に大きかった。また、血中のEPAとDHAは共に摂取前値と比較して4週、8週および12週後の各時点においてそれぞれ有意に上昇し、摂取前値からの変化量 (上昇量) は摂取期間中のいずれの時点においても対照食群より有意に大きかった。 出典: (1) 藤本祐三 他、日本臨床栄養学会雑誌33(3,4) 120-135, (2011)
多種多様な報告がなされているがここでは省略する。