サラシア属植物のうちインド、スリランカ等アジアに分布するレティキュラータ種の根や幹のエキスは伝承的に血糖値によい素材として知られていた。近年サラシアのエキスにスルホニウム化合物の一種サラシノールが発見され、糖類を消化する酵素α?グルコシダーゼを阻害する効果があることがわかった。
【関与成分の構造式】 |
食事で摂取した糖質は酵素により消化され、ブドウ糖 (単糖) として血中に吸収されて血糖値が上昇する。α-グルコシダーゼは二糖類を単糖に分解する消化酵素で、サラシノールはこれを阻害する。動物実験でサラシノールと単糖または二糖類を食べさせた時、単糖では血糖上昇を抑制せず、二糖類では血糖上昇を抑制したことから、サラシノールが生体内でα?グルコシダーゼを阻害して、食後の血糖上昇がゆるやかになることが確認された (PMID:11886816) 。
(PMID11886816) Bioorg Med Chem. 2002;10(5):1547-1554.
高速液体クロマトグラフ質量分析法
(PMID:24816820) Phytochem Anal. 2014;25(6):544-550.
研究1: 健常者および血糖値が高めの男女を対象に「トク牛サラシアプレミアム」の3倍量のサラシア由来サラシノールを配合した食品の4週間連続の過剰摂取試験を行った。本品に起因する有害事象は認められず、理学検査、血液学的検査、血液生化学検査、尿検査で安全性に問題ないことを確認している (2018344518) 。 研究2: 健常者および血糖値が高めの男女に「トク牛サラシアプレミアム」の12週間連続摂取試験を行った。本品に起因する有害事象は認められず、理学検査、血液学的検査、血液生化学検査、尿検査で安全性に問題ないことを確認している (2018344518) 。 研究3: 健常者および血糖値が高めの男女を対象に、「トク牛サラシアプレミアム」の有効性確認を行った試験において、本品はインスリン抵抗性を有する人でより顕著な食後血糖値の上昇抑制効果を示し、インスリン抵抗性のない人では血糖値を低下させなかった。よって正常にコントロールされている血糖値をさらに下げることはなく、安全性が高いと考えられた (2018212370) 。
(2018344518) Glycative Stress Res. 2017;4(4)279-291. (2018212370) Glycative Stress Res. 2017;4(2):117-123.
研究1 サラシノールを含むサラシアエキス末1200,1500,1800 mg/kg/dayをラットに13週間反復経口投与し、その安全性を検討した。一般状態、体重、摂餌量、血液学的検査、血液生化学検査ならびに病理解剖学的検査を行った。今回の試験条件下において血液学的検査や器官重量測定のいくつかの項目に変化は見られたものの、それに付随する他の検査において対応する変化が見られなかったことから、サラシアエキス末投与の影響と考えられる毒性変化は認められず、無毒性量は雌雄とも1800 mg/kg/dayを超える量であると推察された (1) 。 研究2: サラシノールを含むサラシアエキス末配合食品を用いて、ラットの二糖類負荷試験を行った時、経口糖尿病薬 (α-グルコシダーゼ阻害剤;ボグリボース) と併用しても低血糖を示すことはなかった (2006006513) 。
(1) 社内資料 (2006006513) 機能性食品と薬理栄養. 2005;3(1)25-30.
研究1 健常者及び血糖値が高めの男女に「トク牛サラシアプレミアム」と白飯または対照食と白飯を摂取させ、クロスオーバー比較試験を行った。その結果2時点以上で食後の血糖値上昇を対照食よりも低くし、AUC (血糖曲線下面積) 及び食後血糖ピーク値も有意に低下させた。「トク牛サラシアプレミアム」は白飯摂取による糖質の吸収を抑え、食後血糖値をゆるやかにすることを確認した (2018212370) 。
(2018212370) Glycative Stress Res. 2017;4(2)117-123.
研究1 サラシアレティキュラータ種のエキスはラット小腸由来のα-グルコシダーゼに対し阻害活性を示した (1999073217) 。 研究2: サラシノールを含むサラシアエキス末がラットの二糖類負荷試験で血糖値上昇を有意に抑制することを確認した。でんぷん負荷した場合にも血糖値上昇を抑制した (2006006513) 。
(1999073217) 日本栄養・食糧学会誌. 1998;51(5)279-287. (2006006513) 機能性食品と薬理栄養. 2005;3(1):25-30.