難消化性デキストリンは、デンプン由来の水溶性食物繊維の素材である。水溶液は無色透明で耐熱性、耐酸性に優れている。また、ミネラルの吸収阻害はなく、FDA (米国食品医薬品局) のGRAS (Generally Recognized As Safeの略称。米国における食品安全性に関する審査制度) にリストされた安全性の高い素材である。
一般に、水溶性食物繊維の食後血糖上昇抑制効果は、消化管内でゲルを形成することによる胃内滞留時間の延長や、栄養素の拡散阻害などによるものと言われている。しかし、難消化性デキストリンは水に溶解させても粘度がほとんど変わらず、ゲルを形成しない。さらに、糖負荷試験において二糖類~多糖類に対して選択的に作用を示すことが示唆されている (1994027466) 。田代らはin vitroにおいて、難消化性デキストリンが二糖類分解酵素であるマルターゼおよびスクラーゼ活性を阻害する事を報告している (1999133671) 。また、ラットに難消化性デキストリンを反復摂取させ、小腸各部位のスクラーゼ、マルターゼ、イソマルターゼの活性を比較したところ、難消化性デキストリン摂取群では回腸のマルターゼおよびイソマルターゼの活性が増大し、空腸と回腸の二糖類分解酵素の活性の差が小さくなることが報告されている (1) 。これらの結果から、難消化性デキストリンは食事に含まれる糖質の消化・吸収速度を遅延させ、その主要な消化・吸収部位を回腸まで含めた広い領域に移行させることによって食後の血糖上昇を抑制すると考えられている。
(1994027466) 日本栄養・食糧学会誌 1993 46(2) 131-137. (1999133671) 日本栄養・食糧学会誌.1999:52(1);21-29. (1) 第58回日本栄養・食糧学会大会講演要旨集. 2004,273.
低分子水溶性食物繊維を含む食品に適用される酵素-HPLC法に準じ、下記の操作を行う 。 1.酵素処理液の調製およびたんぱく質の消化:各種酵素により炭水化物およびたんぱく質の消化を行う。 2.高速液体クロマトグラム用溶液の調製:脱塩カラムにより電荷をもった不純物 (たんぱく質、有機酸、無機塩類等) の除去を行い、難消化性デキストリン溶液を濃縮する。 3.高速液体クロマトグラムで定量:得られた高速液体クロマトグラムより三糖類以上の画分中の難消化性デキストリン画分を求める。
研究1: 成人男女20名を対象に、本品500 mLを1日3回 (1日摂取目安量の3倍量) 、4週間にわたり、食事と一緒に摂取させる試験を実施した。試験の結果、試験参加者20名のいずれも過剰摂取に伴う医学的に問題のある変化は認められなかった。 ※本食品は規格基準型であり、過剰摂取試験により安全性を確認している。
(1) ヒト安全性検証試験. 社内報告書. 2015
特定保健用食品 (規格基準型) のため省略
特定保健用食品 (規格基準型) のため省略 ※本食品は規格基準型で、その関与成分につき国が有効性に関する 知見の蓄積が十分であるとして規格基準を定めており、消費者委員 会の個別審査なく、許可されている。
特定保健用食品 (規格基準型) のため省略