ショ糖を原料として果糖転換酵素を働かせて得られるショ糖にフルクトース (果糖) が少数つらなった糖である。ビフィズス菌増殖効果、難消化性、難う蝕性等の生理的特性を持つ (1) 。
フラクトオリゴ糖は難消化性のオリゴ糖であり、そのため上部消化管をそのまま通過し、盲腸、大腸に至る。そこで初めて腸内細菌、特にビフィズス菌により選択的に資化・発酵され、ビフィズス菌が増殖する。腸内菌叢でのビフィズス菌の比率の増加、それによる発酵生産物、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸等の増加、ウェルシュ菌、大腸菌等の腐敗菌の抑制、糞便量増加、腸内滞留時間短縮、腸内腐敗物の低減などによる腸内の清浄化という作用を持つ (2) 。
(1) フラクトオリゴ糖.菓子用新素材の適性利用技術シリーズNo.11,社団法人 菓子総合技術センター,1988. (2) Journal of Nutrition, 119, 553-559, 1989.
検体の適当量 (フラクトオリゴ糖0.2~2 g含む量) を正確にはかりとり、これに水約20 mLを加えて溶解する。5%グリセロール20 mL (グリセロールとして1000 mg) を加えた後、水で約100 mLに希釈して、試験溶液とする。試験溶液をミクロフィルターで濾過し、HPLC分析に供する。フラクトオリゴ糖の標準液にて検量線を作成し、検体の濃度を算出する。
研究1: 機能的便秘症成人20名にフラクトオリゴ糖を4週にわたり摂取させ、アンケートにより排便回数、便性状などを調査した。慢性機能的便秘症に対しての有効率は70%で、臨床上問題となる随伴症状は認められなかった。フラクトオリゴ糖としての摂取量は4.6~9.2 gとした (1) 。
(1) 臨床栄養,68,823-829,1986.
研究1: マウスまたはラットを用いて急性毒性試験、亜急性毒性試験、下痢試験を実施した。急性毒性試験によりLD50は9 g/kg以上、フラクトオリゴ糖4.5 g/kgで6週間投与した亜急性毒性試験では毒性的異常はなく、下痢誘発能はソルビトール、マルチトール以下であった (1) 。 研究2: ラットに対し、2年間摂取させたところ、臨床観察、血液学検査、生化学検査など臨床上問題となる症状は認められず、癌原性もないと判断された (2) 。
(1) ネオシュガー研究会報告,ネオシュガー研究会,p.17-27,1982. (2) 第3回ネオシュガー研究会報告,ネオシュガー研究会,p.45-59,1988.
研究1: 健常成人27名を3群に分け、フラクトオリゴ糖1 g,3 g,5 gの各投与量で2週間摂取してもらった。投与期間前後2週間は非摂取期間として計6週間で評価した。各期間の最終日前日に便を全量回収して腸内金叢を分析した。フラクトオリゴ糖摂取によりビフィズス菌は増加し、摂取中止により摂取前量に戻った。またビフィズス菌の増加量は投与量に依存していた。つまりフラクトオリゴ糖摂取により、便通・便性改善効果を認めた (1) 。
(1) ビフィズス,6,p.143-150,1993.
研究1: ウィスター系ラットに対して、基本飼料を2週間摂取させた後、試験飼料 (各フラクトオリゴ糖0.4、2、10%の混餌飼料) を2週間、その後基本飼料に戻し2週間飼育した。この結果フラクトオリゴ糖摂取によりビフィズス菌など腸内有用菌が増殖し、揮発性脂肪酸の生成が増殖し、盲腸・大腸のpH低下が起こり、それにより有害菌の生育が抑制される結果、糞便・尿中腐敗物の生成が低下し、腸内を清浄化する作用が認められた (1) 。摂取量の目安は、ビフィズス,6,p.143-150,1993.から引用し設定した。
(1) Bifidobacteria Microflora, 5, 37-50, 1986.