ケルセチン配糖体は、マメ科植物のエンジュから抽出したルチンを加水分解酵素でイソクエルシトリンとした後に、デキストリンの存在下で糖転移酵素を作用させ、グルコースを付加したものであり、イソクエルシトリンおよびイソクエルシトリンに1~7個グルコースがα-1,4結合したものである。酵素処理イソクエルシトリンとして既存添加物名簿に収載されており、飲料をはじめ、各種食品に広く使用されている食品素材である。
ケルセチン配糖体は脂肪分解酵素を活性化させる作用を有し、脂肪分解を促進することが報告されている (1) 。また、ケルセチン配糖体は脂肪燃焼を高め、脂肪の代謝を促進することが報告されている(2)。
(1) 薬理と治療, 37(2), 123-131 (2009) (2) 薬理と治療, 36(10), 919-930 (2008)
関与成分の分析は、高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により行い、ケルセチン配糖体をイソクエルシトリンに換算して求める。
研究1: 対象:BMIが25 kg/m2以上30 kg/m2未満に属する年齢20歳以上65歳未満の男女200名。 方法:ケルセチン配糖体 (イソクエルシトリンとして) を110 mg配合したカフェインを含まない茶飲料 (被験飲料) または対照飲料を1日1本 (500 mL) 、12週間継続摂取させた。 結果:理学所見、臨床検査値、自他覚症状において、被験飲料に起因すると考えられる有害事象は認められなかった (1) 。 研究2: 対象:BMIが18.5 kg/m2以上30.0 kg/m2未満に属する年齢20歳以上65歳未満の男女48名。 方法:ケルセチン配糖体 (イソクエルシトリンとして)を 330 mg配合したカフェインを含まない茶飲料 (被験飲料) または対照飲料を1日1本 (500 mL) 、4週間継続摂取させた。 結果:理学所見、臨床検査値、自他覚症状において、被験飲料に起因すると考えられる有害事象は認められなかった (2) 。
(1) 薬理と治療, 43(2), 181-194 (2015) (2) 薬理と治療, 43(3), 389-396 (2015)
研究1: 対象:BMIが25 kg/m2以上30 kg/m2未満に属する年齢20歳以上65歳以下の男女200名。 方法:ケルセチン配糖体 (イソクエルシトリンとして) を110 mg配合したカフェインを含まない茶飲料(被験飲料)または対照飲料を1日1本 (500 mL) 、12週間継続摂取させた。 結果:被験飲料群では、対照飲料群に比較し、摂取8週および12週目において、全脂肪面積、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積の減少を示した。
(1) 薬理と治療, 43(2), 181-194 (2015)