グルコシルセラミドは、長鎖塩基であるスフィンゴイド塩基と脂肪酸が酸アミド結合したセラミド残基とグルコースがグルコシル結合した糖脂質の構造をもつ。
【関与成分の構造式】 |
グルコシルセラミドの摂取は、表皮での角層細胞間脂質であるセラミドの合成を促進し、角層細胞の周辺帯の形成を促進し、顆粒層のタイトジャンクション形成に寄与することで、皮膚バリア機能を改善する。
(PMID:22621186) Exp Dermatol. 2012:21(6);448-52. (PMID:21416143) Lipids. 2011:46(6);529-35. (PMID:21821935) Biosci Biotechnol Biochem. 2011:75(8);1516-23.
標準試薬品としてコメから分離された精製グルコシルセラミドを用いて蒸発光散乱検出器付き高速液体クロマトグラフィー(HPLC-ELSD)分析条件下で定量する。
(1) 日本食品科学工学会誌. 2012:59(1);34-39.
研究1: 成人男女24名を対象に、米胚芽抽出物 (グルコシルセラミド1.8 mg) 配合の粉末顆粒1.5 gを、5倍量 (グルコシルセラミド9.0 mg) で4週間連続摂取させ、過剰摂取時の安全性の確認を行った。その結果、重篤な有害事象はみられず、計測及び臨床検査値に副次作用は認められなかった (1) 。 研究2: 乾燥などによる肌荒れを自覚している者のうち、経表皮水分蒸散量 (TEWL) が高い健常者133 名を対象に、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を行った。米胚芽抽出物 (グルコシルセラミド1.8 mg)配合の粉末顆粒1.5 gを12週間摂取させた後4週間の非摂取期間を設け、対照品群には米胚芽抽出物を配合しない粉末顆粒を摂取させた。その結果、皮膚科専門医による皮膚所見の評価において因果関係が認められたとする副次作用は認められなかった (2014086609) 。 研究3: 成人男女23名を対象に、米胚芽抽出物 (グルコシルセラミド1.8 mg) 配合の粉末顆粒1.5 gを12週間摂取させた後4週間の非摂取期間を設けて長期摂取時の安全性の確認を行った。その結果、重篤な有害事象はみられず、計測及び臨床検査値に副次作用は認められなかった (2) 。
(1) 社内資料 (2014086609) 薬理と治療. 2013:41(11);1051-9. (2) 社内資料
研究1: チャイニーズ・ハムスターの培養細胞を用いる染色体異常試験 (1) 。 研究2: マウスを用いる小核試験 (2) 。 研究3: マウスを用いる単回投与試験 (2) 、ラットを用いる単回投与試験 (3) 。 研究4: ラットを用いる90日間反復投与試験 (1) 。
(1) 平成16年度食品添加物安全性確認費 調査研究報告書 (2) 社内資料 (3) 社内資料
研究1: 乾燥などによる肌荒れを自覚している者のうち、経表皮水分蒸散量 (TEWL) が高い健常者133名を対象に、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を行った。米胚芽抽出物 (グルコシルセラミド1.8 mg) 配合の粉末顆粒1.5 gを試験品として12週間摂取させた後4週間の非摂取期間を設け、対照品群には米胚芽抽出物を配合しない粉末顆粒を摂取させた。その結果、TEWLの変化量について、試験品群は、対照品群に比較し、摂取開始4週、8週、12週目の上背部、肘部及び頬部に改善が認められた。同様に摂取開始4週、12週目の頸部及び8週、12週目の足背部に改善が認められた (2014086609) 。
(2014086609) 薬理と治療. 2013:41(11);1051-9.
研究1: 雄性ヘアレスマウスから作製したアトピー性皮膚炎様皮膚モデルマウスにトウモロコシ由来グルコシルセラミド (0.1%飼料) を投与した。その結果、投与開始3日後及び6日後にTEWLの低下が認められ、セラミドキナーゼの発現の減少及びセラミド合成酵素3及び4 (CerS3及びCerS4) の発現の増加が認められた (22621186) 。 研究2: 雄性ヘアレスマウスにトウモロコシ由来グルコシルセラミド (0.1%飼料) を投与し、2週間後にテープストリッピングによって背側皮膚の角層を除去した。その結果、投与2週間後にはTEWLの低下が認められ、テープストリッピングによる角層の除去後のTEWLが低かった (PMID:22621186) 。
(PMID:22621186) Exp Dermatol. 2012:21(6);448-52.