ビタミンCが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して効果があるようにうたう宣伝が見受けられますが、
現時点ではそのような効果は確認されていません。
同じウイルス性感染症であるインフルエンザの予防に対する効果を検討した論文を検索したところ、論文は見つかりませんでした。
ビタミンCは風邪に良いと言われていることから、風邪を含むウイルス性上気道感染症への効果を解析したメタ分析 (複数の試験を総合的に評価した結果) について調べたところ4報の論文が検索され、1報では急性呼吸器感染症の発症リスクの低下との関連が認められましたが、3報では風邪を含む上気道感染症の発症率との関連は認められませんでした。
このように、現時点では、インフルエンザやウイルス性上気道感染症の予防に対して「ビタミンCが効く」といえる十分な情報は見当たりません。
新型コロナウイルス感染症に対して検討した論文も見当たりませんので、情報の拡大解釈にはご注意ください。
新型コロナウイルスに対しては、手洗いなど、正しい予防を心掛けましょう。
新型コロナウイルス感染予防のために (厚生労働省)は、こちら
(参考文献)
・上気道感染症の発症に影響はなかったが、症状持続時間を短縮させた
(PMID:30465062)Eur J Clin Pharmacol. 2019 Mar;75(3):303-311.
・風邪の発症に影響はなかった
(PMID:30113569)Medwave. 2018 Aug 6;18(4):e7235.
・風邪の発症に影響はなかったが、症状持続時間を短縮させた
(PMID:23440782)Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jan 31;(1):CD000980.
・急性呼吸器感染症の発症リスクを低下させ、症状持続期間を短縮させた
(PMID:33472840)BMJ Glob Health. 2021 Jan;6(1):e003176.
<国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所>
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