【関与成分の構造式】 |
セサミンは2分子のコニフェリルアルコールラジカルがβ-β-(8-8)位で縮合した物質で、代表的なリグナン構造を有している。きわめて疎水性が高いため、結晶状に得られやすい。セサモリンはセサミンの化学構造の一方にアセタール酸素架橋をもつユニークな構造をしている。 セサミン及びセサモリンがコレステロールの生合成に関与する酵素の発現に作用することが、動物を用いた試験で確認されている。また、セサミン及びセサモリンが脂肪酸のβ酸化に関する酵素の活性を有意に高め、脂肪酸合成や脂質生合成に関する酵素の遺伝子発現を有意に抑制するとの報告がある。
(1) ゴマの機能と科学 食物と健康の科学シリーズ.2015,朝倉書店,56-60. (PMID17217563) British Journal of Nutrition. 2007:97;85-95. (PMID:1856608) Journal of Lipid Research. 1991:32;629-638.
高速液体クロマトグラフィー
研究1: LDLコレステロール値が高めの成人男女22名を対象に、申請食品の純正ごま油を一日当たりの摂取目安量14 gの3倍量42 g (内、関与成分セサミン233.5 mg、セサモリン86.1 mg) を4週間摂取させた。その結果、有害事象は22名のうち8名に13件発現した。いずれも程度は軽度であり、試験責任医師により、試験食品との関連性はすべて「なし」と判断された。一部の検査項目の平均値で有意な変動がみられたものの、いずれも軽度な変動であり、臨床上の問題はないと試験責任医師により判断された (1) 。 研究2: 血清コレステロールが高めの方100名を対象に、2つの群に割り当て二重盲検並行群間比較試験を行った。被験食品群は申請食品14 g (内、関与成分セサミン77.8 mg、セサモリン28.7 mg) を12週間摂取させた。 その結果、試験期間中にいくつかの自覚症状の訴えがみられたが、重篤な有害事象は見られなかった。試験食品との関連性について、被験食品群の「胸やけ」は試験食品との関連性は「多分なし」、プラセボ群の「ヘモグロビンの変動」について、摂取前検査から低値であったが摂取後さらに低下したため有害事象とし、自覚症状の発現と併せて試験食品との関連性は「なし」と試験責任医師により判断された (2) (2016175586) 。
(1) 社内資料 (2) 社内資料 (2016175586) 薬理と治療. 201543(10);1473-1480.
研究1: Crl:CD (SD) 系ラットの雌雄40匹を対象に、純正ごま油を (2,000 mg、1,000mg、500 mg/kg/日) プラセボ油 (0 mg) の4群に分けて各群雌雄各10匹のラットに91日間反復投与した。その結果、毒性学的に意義のある変化は認められなかったことより、純正ごま油の無毒性量は、雄雌ともに2,000 mg/kg/日以上と試験責任者によって判断された。
(1) 社内資料
研究1: LDLコレステロールが高め (LDLコレステロール120~160 mg/dL) の成人男女100名を対象に、プラセボ群 (脂肪酸組成を申請食品に近似させて調合した植物油) と被験食品群 (純正ごま油、内、セサミン77.8 mg、セサモリン28.7 mg) の2群に分けて各々1日14 gを12週間連続摂取させた。その結果、摂取後のLDLコレステロールの変化量はプラセボ群と比較して、被験食品群は8週目及び12週目ともに低下した (2016175586) 。 研究2: 血清コレステロールが高め (LDLコレステロール120~160 mg/dL) の成人男女108名を対象に、プラセボ群 (脂肪酸組成を申請食品に近似させて調合した植物油14 g) と低用量群 (プラセボ油4 gと純正ごま油10 gの調合油、内、セサミン55.8 mg、セサモリン19.8 mg) 高用量群 (純正ごま油14 g、内、セサミン77.8 mg、セサモリン28.7 mg) の3群に分けて各々1日14 gを12週間連続摂取させた。その結果、プラセボ群の血清コレステロール濃度と比較して、低用量試験食群と高用量試験食群の8週及び12週目の検査値において対象者の血清低比重リポタンパク (LDL) コレステロール濃度は低下した (2016026427) 。
(2016175586) 薬理と治療. 201543(10);1473-1480. (2016026427) 薬理と治療. 2015:43(5);687-696.
研究1: ラットを対象にリグナンを添加した飼料を摂取させたところ、リグナン添加飼料群では血清中及び肝臓中のコレステロール濃度が低下した。その程度は、血清中のコレステロール濃度についてセサミン0.6 g/kg、セサミン2 g/kg、セサモリン2 g/kg及びセサミン1.4 g/kg+セサモリン0.6 g/kgの摂取で 低下した。なお、肝臓中のコレステロール濃度についてリグナン添加飼料群のうちいずれの飼料でも低下した。 研究2: ラットを対象にリグナン (セサミン又はセサモリン) を添加した飼料を摂取させたところ、対照群と比較して、セサミン添加飼料群では血清中のコレステロール濃度が低下した。なお、肝臓中コレステロール濃度についていずれのリグナン添加飼料群でも低下していた。
(PMID17217563) British Journal of Nutrition. 2007:97;85-95. (PMID:19352061) Journal of Nutritional Science and Vitaminology. 2009:55;31-43.