難消化性デキストリンは、でん粉由来の水溶性食物繊維であり、低粘性・低甘味で水溶液はほぼ透明、耐熱性・耐酸性に優れており、様々な食品に応用しやすい。ミネラルの吸収阻害はなく、FDA (米国食品医薬品局) のGRAS (Generally Recognized As Safeの略称。米国における食品安全性に関する審査制度) にリストされた安全性の高い素材である。
経口摂取された難消化性デキストリンは、小腸粘膜酵素に対しては活性を阻害せず (1994027466) 、二糖類の消化により生じたグルコースの吸収を抑制すると報告されている (1993044655) 。
(1994027466) 日本栄養・食糧学会誌. 1993:46(2);131-137. (1993044655) 日本内分泌学会雑誌. 1992:68(6);623-635.
1.酵素処理液の調製:各種酵素により炭水化物およびたんぱく質の消化を行う。2.高速液体クロマトグラム用溶液の調製:イオン交換樹脂によりイオン性不純物質 (たんぱく質、有機酸、無機塩類等) の除去を行い、難消化性デキストリン溶液を濃縮する。3.高速液体クロマトグラムで定量:得られた高速液体クロマトグラムより三糖類以上の画分中の難消化性デキストリン画分を求める。
(1) 日本農芸化学会誌 1990 64(3) 539. (PMID 2993226) J Assoc Off Anal Chem. 1985:68(4);677-679. (2) 衛新第13号 別添 (平成11年4月26日)
研究1: 難消化性デキストリン (食物繊維として) 5 g配合した清涼飲料水を、健常成人男女10名を対象に食事とともに1日3回、12週間摂取させ、長期及び過剰摂取時の安全性を評価した結果、一部の臨床検査値で有意な変動が見られたが正常範囲内での変動であり、臨床上問題となる所見は認められなかった (1) 。 出典: (1) サントリー報告書. 2004
研究1: 健常成人男女34名を対象とし、難消化性デキストリン5 g配合清涼飲料水あるいは難消化性デキストリンを含まないプラセボ飲料を、カレーライス(米飯300 gとレトルトカレー210 g)と同時に摂取させ、摂取後の血糖値の経時的変化を比較した。その結果、難消化性デキストリン配合飲料摂取時の食後血糖の上昇は、難消化性デキストリンを含まない飲料摂取時と比較して低い値であった (1) 。 出典: (1) 日本食品新素材研究会誌. 2004:7(1);63-67.