関与成分は茶カテキンであり、1日当たり540~590 mgの茶カテキン継続摂取により、対照群に比べ体脂肪低減効果が認められた (2002162116) (2003087072) (2005254988) 。
【関与成分の構造式】 茶カテキンの代表的化合物名: エピガロカテキンガレート |
動物及びヒト試験において、茶カテキン継続摂取により、エネルギー消費量や脂質燃焼量が増加すること (PMID:16286857) (2006219529) (2006219532) から、脂質代謝の亢進が茶カテキンの体脂肪低減効果の作用機序であると推察された。in vitro 試験及び動物試験において、茶カテキンが脂肪分解酵素の遺伝子発現及び活性を高め (PMID:25849890) (PMID:19390166) 、またβ酸化関連酵素の遺伝子発現やβ酸化活性を高めることが認められた (PMID:12439647) (PMID:15563575) 。以上、茶カテキンは脂肪の分解と消費に働く酵素の活性を高め、脂肪をエネルギーに変換する主要な代謝の過程である脂肪細胞内における脂肪の分解反応、及びミトコンドリア内における脂肪酸の燃焼反応の両者を促進することにより、脂肪の代謝を効率的に高めて、エネルギーとして脂肪を消費すると推察された。
(2002162116) J Oleo Sci. 200150(9);717-728. (2003087072) Prog Med. 2002:22(9);2189-2203. (2005254988) Prog Med. 2005:25(7);1945-1957. (PMID:16286857) Med Sci Sports Exerc. 2005:37(11);1884-1892. (2006219529) J Health Sci. 2005:51(2);233-236. (2006219532) J Health Sci. 2005:51(2);248-252. (PMID:25849890) Biochem Biophys Res Commun. 2015:461(1);1-7. (PMID:19390166) Ann Nutr Metab. 2009:54(2);151-157. (PMID:12439647) Int J Obes. 2002:26(11);1459-1464. (PMID:15563575) Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2005:288(3);R708-R715.
高速液体クロマトグラフィー (逆相系、グラジエント溶出、UV検出) により、カテキン類8成分 [エピガロカテキンガレート (EGCg) 、ガロカテキンガレート (GCg) 、エピガロカテキン (EGC) 、ガロカテキン (GC) 、エピカテキンガレート (ECg) 、カテキンガレート (Cg) 、エピカテキン (EC) 、カテキン (C) ] を一斉分析し、総量を茶カテキン量として求める (1) 。
(1) 社内報告書
研究1: 3倍量過剰摂取試験 健常成人男女20名を対象に、試験飲料350 mLまたは市販緑茶飲料350 mLを1日あたり3本 (試験飲料の場合;茶カテキン1,890 mg/日) 摂取する過剰摂取試験を実施した。いずれかの飲料を4週間連続し、4週間のウォッシュアウト後、摂取飲料を入れ替え、更に4 週間の飲料摂取を行った (クロスオーバー試験) 。その結果、被験者の体調変化や自覚症状等に関する日誌及び試験期間中の血液学・血清生化学検査値に関して、試験飲料摂取と市販緑茶飲料摂取の間に統計学的な差を認めなかった。このことから、試験飲料の3倍量過剰摂取に関しては安全性に問題のないものと考えられた (1) 。 研究2: 摂取期間12週・回復期間12週 長期摂取試験 BMI24~30 kg/m2の健常男性43名と閉経後女性37名を対象に茶カテキン588 mgを含む容量340 mLの緑茶飲料を1日当たり1本、12週間連続して摂取する試験を行った。血液学及び血清生化学検査値、尿検査及び医師による問診を行ったところ、関与成分による異常値や随伴症状は認められなかった (2003087072) 。
(1) 社内報告書 (2003087072) Prog Med. 200222(9);2189-2203.
研究1: 単回投与毒性試験 7週齢の雄マウスに3,000~6,221 mg/kgの茶カテキンを主成分とする茶抽出物を経口投与する単回投与毒性試験を行った。経口投与後14日間にわたり一般臨床所見を観察した結果、LD50値は4,647 mg/kgであった (2000040772) 。 研究2: 反復投与毒性試験 SD系ラットを用い、茶カテキンを主成分とする茶抽出物を500、1,000、2,000 mg/kgの用量で6ヶ月間投与する反復投与毒性試験を行った結果、最大無作用量は1,000 mg/kg/day であった (2000110660) 。
(2000040772) 薬理と治療. 199927(9);1479-1481. (2000110660) 薬理と治療. 1999:27(11);1701-1707.
研究1: 用量依存性試験 茶カテキン摂取量が内臓脂肪低減効果に及ぼす影響の検証するために、 (試験1) 普通体重から肥満 (1度) の健常男性27名 (8~10名×3群) と (試験3) BMIが24.3~34.6 kg/m2の健常男性38名 (12~13 名×3群) での試験を実施した。 試験飲料は、試験1では茶カテキン101.5 mg/340 mL、555.4 mg/340 mL、901.9 mg/500 mL 含有飲料を用い、試験3では茶カテキン130.3 mg/340 mL、541.0 mg/340 mL、541.9 mg/340 mL含有飲料を用いた。 方法は、試験1では被験者を3群に分け、茶カテキンを101.5 mg (対照群) 、555.4 mg あるいは901.9 mg含む飲料をそれぞれ1日1本、12週間継続摂取させ、4週毎に身体測定及びCT撮影による腹部脂肪面積の測定を行った。試験3では、被験者を3群に分け、茶カテキンを130.3 mg (対照群) 、541.0 mgあるいは541.9 mg含む、容量340 mLの飲料をそれぞれ1日1本、12週間継続摂取させた。0週及び12週目に、身体測定及びCT撮影による腹部脂肪面積の測定を行った。 結果は、試験1では対照群と比較して、茶カテキン555.4 mg及び901.9 mg摂取群では、腹部内臓脂肪面積が低減した。試験3では、対照群と比較して、茶カテキン541.0 mgおよび541.9 mg摂取群で、腹部内臓脂肪面積の初期値に対する相対値が小さかった (2002162116) 。 研究2: 長期摂取有効性確認試験 BMIが24~30 kg/m2の健常男性43名及び閉経後の健常女性37名の参加者を2群に分け、126 mg (対照飲料) あるいは588 mg (試験飲料) の茶カテキンを含む340 mLの飲料を1日1本、12週間摂取し、摂取終了後12週間の事後観察を行うダブルブラインド並行群間比較試験を実施した。その結果、試験飲料摂取群は対照飲料摂取群と比べ、体重、BMI、体脂肪率、ヒップ周囲長、体脂肪量、腹部脂肪面積 (初期値からの変化量) が低かった。また、層別解析の結果、初期の腹部内臓脂肪面積が高い男性被験者において、試験飲料摂取群は対照飲料摂取群と比べ、12週目の腹部内臓脂肪面積実測値が低かった。更に、摂取終了後12週目までにおいて、リバウンドは認められなかった (2003087072) 。
(2002162116) J Oleo Sci. 200150(9);717-728. (2003087072) Prog Med. 2002:22(9);2189-2203.
研究1: 食餌性肥満マウスにおける茶カテキン4週間投与の内臓脂肪低減効果 茶抽出物の継続摂取 (4週間) による内臓脂肪低減効果の検証を目的とした。 対象は、C57BL/6Jマウス (食餌性肥満マウス、7週齢、雄性) 、5匹×4群。 方法は、マウスを4群に分け、低脂肪食、高脂肪食 (対照群) 、茶抽出物 (茶カテキン含有率72.9%) を0.1%または0.5%添加した高脂肪食で4週間飼育し、体重、内臓脂肪量を測定した。 結果は、対照群と比較して、茶抽出物を0.1%添加した高脂肪食群では、体重、内臓脂肪量は低減しなかったが、0.5%添加した高脂肪食群では、体重、内臓脂肪量 (副睾丸脂肪、腸間膜脂肪、後腸間膜脂肪、全内臓脂肪) の増加が抑制された (2002162112) 。 研究2: 食餌性肥満マウスにおける茶カテキン長期投与の内臓脂肪低減効果確認試験 茶抽出物の継続摂取 (11ヶ月間) による内臓脂肪低減効果の検証を目的とした。 対象は、C57BL/6Jマウス (食餌性肥満マウス、7週齢、雄性) 、5匹×5群。 方法は、マウスを5群に分け、低脂肪食、高脂肪食 (対照) 、茶カテキンを主成分とする茶抽出物 (茶カテキン含有率73%) を0.1%、0.2%、0.5%添加した高脂肪食を与え、11ヶ月後に体重及び各内臓脂肪重量 (副睾丸周囲脂肪、後腹膜脂肪、腎周囲脂肪) を測定した。 結果は、対照群においては、低脂肪食群に対し、体重、内臓脂肪重量が増加していることを確認した。一方、茶抽出物の0.2%摂取群及び0.5%摂取群においては、対照群に対し、体重、内臓脂肪重量のいずれも、用量依存的に低下した (PMID12439647) 。
(2002162112) J Oleo Sci. 200150(7);593-598. (PMID:12439647) Int J Obes. 2002:26(11);1459-1464.