食経験豊富なイワシを原料としており、安全で苦み、魚臭を減じた食品素材である。
レニン-アンジオテンシン系のアンジオテンシンIからアンジオテンシンIIに変換するアンジオテンシン変換酵素 (ACE) を阻害する作用を有し血圧降下作用を示す。
(1) Agric Biol Chem. 198246(5);1393-4.
バリルチロシン量:HPLC法 ACE阻害活性:Cushmanの変法 (1)
(1) Agric Biol Chem. 198246(5);1393-4.
研究1 1日摂取目安量の5倍量の関与成分をドリンクの形態で、軽症高血圧者および正常高値血圧者34名に4週間摂取させた。飲用前後の血液検査および尿検査値、医師による問診、自覚症状に異常はなく、安全性に問題ないことが示された。また、正常血圧者12名に対する降圧効果の有無をドリンク飲用前後とプラセボ飲用群との間で比較し、血圧値に差は認められなかった (1) 。
(1) 仙味エキス株式会社 社内報
研究1: 10,000 mg/kgのイワシ由来短鎖ペプチドをSD系雄ラットに単回経口投与試験を行った。死亡例は認められず、一般状態・体重推移・病理学的検査でイワシ由来短鎖ペプチドに起因すると思われる変化は認められなかった (1) 。 研究2: 1,250~5,000 mg/kgのイワシ由来短鎖ペプチドをSD系雄ラットに28日間反復経口投与試験を行った。一般状態・体重・摂取量・飲水量・尿検査・血液生化学的検査・病理学的検査においてイワシ由来短鎖ペプチドに起因すると思われる変化は認められなかった (2) 。
(1) 試験報告書 (株式会社実生研, 試験番号B9214-1). 1992 (2) 試験報告書 (株式会社実生研, 試験番号:B9214-2). 1992
研究1 軽症高血圧症群10名及び正常高値血圧群9名に対し、ペプチドドリンクとプラセボドリンクを用いた二重盲検法による比較対照試験を実施し、ペプチドドリンク飲用群はプラセボドリンク群に比べて降圧が認められた (飲用開始4週間後で収縮期血圧-17.8±2.5 mmHg、拡張期血圧-11.0±2.0 mmHg) 。また、軽症高血圧症群10名に対し、前後期各4週間の比較対照交叉試験を実施し、ペプチドドリンク前期飲用群では飲用開始1週間目で血圧低下作用が認められた (収縮期、拡張期血圧の変化率-6.9%、-5.8%) 。ペプチドドリンク後期飲用群では収縮期血圧で飲用開始3週後 (変化率-6.7%) に、拡張期血圧で飲用開始2週後 (変化率-6.0%) にそれぞれ降圧が認められた (2016139796) 。
(2016139796) 健康・栄養食品研究. 19981(2);62-71.
研究1: SHRにバリルチロシンを静注したところ (dose 20、50 mg/kg) 、血圧変化率 (%) は収縮期血圧で-3.9~-9.9%、拡張期血圧で-22.6~-28.0%であった (PMID:7549089) 。 研究2: SHRにイワシタンパク質由来ペプチドおよび関与する成分バリルチロシンを経口投与した結果、血圧降下作用が認められた。イワシタンパク質由来ペプチドを10、100、1,000 mg/kg投与した群は4時間後に血圧が低下した。 バリルチロシンを1、10 mg/kg投与した群は2時間後に血圧が低下し、投与8時間後まで降圧作用は持続した (2000102508) 。
(PMID7549089) Biosci Biotechnol Biochem. 1995:59(8);1398-401. (2000102508) 日本栄養・食糧学会誌. 1999:52(5);271-277.