難消化性デキストリンは、でん粉由来の水溶性食物繊維であり、低粘性・低甘味で水溶液はほぼ透明。耐熱性・耐酸性に優れており、様々な食品に応用しやすい。ミネラルの吸収阻害はなく、FDA (米国食品医薬品局) のGRAS (Generally Recognized As Safeの略称.米国における食品安全性に関する審査制度) にリストされた安全性の高い素材である。
難消化性デキストリンは、上部消化管における消化吸収を免れて大腸に到達し、一部は腸内細菌に資化されて短鎖脂肪酸となり大腸内pHを低下させ、残る一部は糞便用量の増加に寄与すると考えられる。大腸内を酸性に維持することは糞便用量の増加と相まって腸管を刺激し腸管運動を賦活化すると考えられており、これによりお通じ改善効果が現れるものと推察される。
(1994001855) 栄養学雑誌. 1993:51(1);31-37.
酵素-HPLC法
(1) 消食表第259号 別添3 (平成26年10月30日) (2) 消食表第139号 別添 (平成27年3月30日)
研究1: 健常成人男子10名を対象に難消化性デキストリンを1日3回毎食前に10 g (1日30 g) を、4週間連続で投与した結果、投与前と比較して、血圧、脈拍数等の生理学的検査値は異常を認めず、血液学的検査値についても有意な変化は認められなかった。血液生化学的検査値に関しては、耐糖能、電解質、タンパク質代謝、腎機能、膵機能並びに肝機能に関連する検査項目はいずれも正常域内での変動であった。また、下痢などの胃腸症状をはじめ、臨床上問題となる症状は観察されなかった。
(1993003350) 臨床栄養 1992:80(2);167-172.
研究1: 健常成人84名を対象に、難消化性デキストリン4.9 gを配合する飲料を1日1本、2週間摂取させた結果、非摂取期の排便回数が1週間に6回以下の被験者27名において、対照食品摂取時と比較して排便回数が増加した。
(2016139877) 健康・栄養食品研究. 2000:3(4);31-38.