植物性ステロールは全ての植物性食品に含まれており、その構造はコレステロールと類似している。 植物性ステロールには遊離型とエステル型が存在するが、本品には遊離型植物性ステロールを使用している。また、本品に含まれる植物性ステロールは、β‐シトステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、カンペステロール等の混合物である。
【関与成分の構造式】 |
植物性ステロールはコレステロールと同様に小腸内腔でミセル化される。ミセルへのステロール溶解量は限られており、小腸内腔で植物性ステロールがコレステロールと共存すると相対的にコレステロールのミセル溶解率が低下する。コレステロールのミセルへの溶解は消化管からの吸収に必須である。そのため、コレステロールの吸収は低下する。植物性ステロール自身は小腸上皮細胞のABCトランスポーターなどの働きによって体外に排出されるため、ほとんど吸収されない。
(1) 食品・食品添加物研究誌. 2005:210(6);504-511.
ガスクロマトグラフ法
研究1: 健康な男女24名を対象に、1日あたり8.6 g 遊離型植物性ステロールを含むマーガリン を21または28日間与えたところ、腸内細菌叢、腸内細菌の代謝活性の増加には影響しなかった。 研究2: 健康な成人15名を対象に、1日あたり45 gの「キユーピーディフェ」 (植物性ステロール2,400 mg入り) を4週間毎日摂取させた結果、血液学検査、肝機能、腎機能の指標に異常はみられなかった。また、血清ビタミンAおよびビタミンE濃度にも変化はみられなかった。加えて血清β-シトステロール濃度は1 mg/dL未満を維持していた。
(PMID10654588) Food Chem Toxicol. 1999:37(12);1127-38. (2006309244) Journal of Oleo Science. 2004:53(1);17-27.
研究1: ddY系マウスおよびWistar系ラットに投与可能な最高濃度で、大豆不ケン化物 (植物性ステロール40~50%) を投与した結果、死亡例は無く、LD50は8,000 mg/kg以上と極めて安全性の高いものであった。なお、投与後の中毒症状、行動は正常群と相違はみられなかった。 研究2: Wistar系ラットに植物性ステロールの脂肪酸エステルを8.1%含有する食餌 (遊離型ステロールとして4.1 g/kg/日) を90日間経口投与した結果、投与中ならびに死体解剖所見ともに毒性的影響は認められなかった。
(1) 月刊薬事. 1974:16(9);77-78. (PMID:10456681) Food Chem Toxicol. 1999:37(5);521-32.
研究1: 日本人成人男性50名 (血清総コレステロール≧200 mg/dLかつLDLコレステロール≧120 mg/dL) を対象に、植物性ステロール含有マヨネーズを12週間摂取させた結果、摂取前およびプラセボマヨネーズに比べ、血清総コレステロール、LDLコレステロールおよびApoB濃度の低下を認めた。血清HDLコレステロールおよび中性脂肪濃度に変化は認められなかった。 研究2: 日本人成人男女60名 (血清総コレステロール 200~260 mg/dL) を対象に、植物性ステロール含有マヨネーズを12週間摂取させた結果、摂取前およびプラセボと比較し、摂取4週目以降に血清総コレステロール、LDLコレステロールおよびApoB濃度の低下が認められた。血清HDLコレステロールおよび中性脂肪濃度に変化は認められなかった。
(2005237085) 日本病態栄養学会誌. 2005;8(2);139-148. (2007236075) 人間ドック 2007:21(6);29-34.
研究1: ゴールデンシリアンハムスターに0.25%コレステロール食及びこれに0.01、0.2、1%植物性ステロールを含む食餌を45日間与えたところ、植物性ステロール濃度0.2%以上で血清および肝臓コレステロール濃度の低下がみられた。 研究2: Wistar系ラットに0.5%コレステロール食及びこれに0.5%植物性ステロールを含む食餌を3週間与えたところ、血清および肝臓コレステロール濃度の低下がみられた。
(PMID9487145) Biochim Biophys Acta. 1998:1390(3);237-44. (2006115180) Journal of Oleo Science. 2004:53(2);67-72.