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安全性
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危険情報
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<一般>
・通常の食事に含まれる量を摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・良性消化管狭窄がある患者の摂取は、腸閉塞のリスクを高める可能性がある (94) 。
・血糖値に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい(94) 。
・種子と油は高エネルギーなので、肥満者には勧められない (20) 。
・高コレステロール血症の男性 (12名、日本) にセサミン32.4 mg/日を3回に分けて4週間、その後64.8 mg/日を3回に分けて4週間の計8週間摂取させた条件で、有害事象は認められなかった (PMID:8724120) 。
・正常高値および軽症高血圧者 (日本) に、ゴマ蛋白質分解物 (ゴマペプチド含有) を500 mg含有する茶飲料 (35名) 、または1,000 mg含有するカプセル (14名) を1回/日12週間摂取させた条件で、有害事象は認められなかった (101) (2004222712) 。
・アトピー性皮膚炎患児126名 (日本) のゴマアレルギーの頻度を調査したところ、生後6ヶ月〜1歳未満児で21%、1歳〜1歳6ヶ月未満児で44%、2歳児および3歳以上では約50%であり、ゴマアレルギーの陽性率は食物中で卵に次いで高かった (2001239143) 。
<その他>
・ゴマの摂取に伴う過敏症が報告されている (特に喘息の既往歴がある場合、またはアナフィラキシーの場合) (22) 。
<被害事例>
・44歳女性が (日本) 、ゴマ入り調味料を5日程度多量に摂取したところ、水様性下痢、心窩部痛、腹部膨満感を訴え、ゴマ特異的IgEが高値だったため、調味料中のゴマによる好酸球性胃腸炎と診断された (1999199689) 。
・66歳男性 (日本) が、8ヶ月間にわたって毎日ゴマ油で鼻うがいを行っていたところ、空咳を生じ、発症3ヶ月後の検査で肺の陰影、捻髪音、肺胞洗浄液に脂質を含むマクロファージの浸潤が認められた。ゴマ油の吸入を原因とする外因性リポイド肺炎と診断され、加療によって回復した (PMID:26518258) 。
・38歳女性 (日本) が、6ヶ月間にわたって毎日ゴマ油でうがいを行っていたところ、息切れを繰り返し経験し、健康診断で肺に陰影が認められた。肺胞洗浄液に脂質を含むマクロファージの浸潤がみられ、ゴマ油の吸入を原因とする外因性リポイド肺炎と診断され、うがいの中止によって回復した (PMID:26518258) 。
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禁忌対象者
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調べた文献の中に見当らない。
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医薬品等との
相互作用
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<動物・試験管内>
・in vitro試験において、セサミノールはCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4の活性を阻害した (PMID:22894606) 。
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、セサミンはCYP2C9、CYP2C19、CYP3Aを阻害した (PMID:15285849) 。
・in vitro試験 (HepG2細胞) において、セサミンはPXR活性化を阻害することにより、CYP3A4の活性、遺伝子、タンパク質発現を阻害した (PMID:22645625) 。
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、セサミンはCYP2C9、CYP3A4活性を阻害した (2014241383) 。
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、エピセサミンはCYP2C9によるワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4) の代謝に影響しなかったが、セサミンはCYP2C9によるワルファリンの代謝を阻害した (PMID:29353070) 。
・in vitro 試験 (LS-180V細胞) において、セサミンはP糖タンパク質活性を阻害したが、セサミンによる48時間事前処理はP糖タンパク質活性に影響を及ぼさなかった (PMID:20118549) 。
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム、スーパーソーム) において、セサミンの同時および事前処理はS-ワルファリン (CYP2C9基質) の代謝を阻害した (PMID:32601017) 。
<理論的に考えられる相互作用>
・糖尿病治療薬、血糖低下作用をもつハーブやサプリメントとの併用により、効果を増強する可能性がある (94) 。
・降圧剤、血圧低下作用をもつハーブやサプリメントとの併用により、効果を増強する可能性がある (94) 。
・CYP2C9、P糖タンパク質で代謝される薬物の代謝を阻害する可能性がある (94) 。
・タモキシフェン (抗がん剤:CYP2D6、CYP3A4基質) の効果を減弱させる可能性がある (94) 。
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動物他での
毒性試験
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調べた文献の中に見当らない。
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AHPAクラス分類
及び勧告
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・種子:クラス1 (22)。

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総合評価
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安全性
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・適切に使用する場合、安全に摂取することができる。
・ゴマの摂取に伴う過敏症が報告されており、特に喘息の既往歴がある場合は注意する必要がある。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。
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有効性
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(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、人での有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。
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参考文献
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(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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