健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ナンコツ (サメ軟骨、鶏軟骨など) [英]Cartilage [学名]-

概要

軟骨とは、骨とともに脊椎動物の骨格系をつくる支持組織で、軟骨細胞と軟骨基質からなる結合組織のことである。健康食品には、主にサメ、サケ、鶏の軟骨から抽出したコラーゲンコンドロイチンプロテオグリカンなどが使用されている。ここでは軟骨または軟骨抽出物 (混合物) として評価した情報を示し、個別の成分に関する情報については、それぞれの素材のページを参照のこと。


●有効性
俗に、「丈夫な骨を保つ」「関節の痛みを和らげる」「がんに効く」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
通常の食事として摂取する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。妊娠中・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取は控えること。サメ軟骨は、高カルシウム血症患者、自己免疫疾患患者 (多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ) では摂取に注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取は控えること。



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法規・制度

■食薬区分
・爬虫類・哺乳類の軟骨抽出物:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に該当する。
・サメ (サメナンコツ、フカヒレ) の軟骨、ヒレ、ヒレのエキス:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・サメ軟骨は、約40%がタンパク質で、5〜20%がグルコサミノグリカン、他にカルシウム塩を含む (94) 。
・サケ鼻軟骨は、コンドロイチン硫酸、プロテオグリカン、コラーゲンなどを含む (1999022128) (2017326979) 。
・鶏軟骨は、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸などを含む (PMID:31221944)

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・サメ軟骨は、がん治療に対しておそらく効果がないことが示唆されている (94) 。

骨・筋肉

RCT:国内
【機能性表示食品】膝に痛みやこわばりの自覚症状がある成人54名 (40〜75歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サケ鼻軟骨抽出物50 mg (非変性況織灰蕁璽殴20 mg、非変性プロテオグリカン15 mg含有、18名) もしくはグルコサミン塩酸塩1,500 mg (18名) を6週間摂取させたところ、サケ鼻軟骨抽出物群で関節炎QOL評価 (WOMAC) 3項目中1項目 (痛みに関する評価) 、膝の痛み (VAS) 6項目中3項目 (安静時、通常歩行時、階段昇降時の左膝の痛み) のスコア低下、グルコサミン塩酸塩群で膝の痛み (VAS) 6項目中1項目 (階段昇降時の左膝の痛み) のスコア低下が認められた。一方、いずれの群もWOMAC総合スコアに影響は認められなかった (2017009615) 。
【機能性表示食品】膝関節に違和感のある成人60名 (平均51.7±6.9歳、試験群30名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、サケ鼻軟骨抽出物 (プロテオグリカン複合体40 mg含有) /日を12週間摂取させたところ、関節機能 (JOA、JKOM、KSS) の改善、膝の痛み (VAS) 8項目中5項目 (椅子から立ち上がるとき、正座するとき、起床時、就寝前の安静時、ふだんより長時間もしくは長距離を歩行したとき) の改善が認められた (2017326979) 。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT:海外
・肌の衰えのある健康な成人女性113名 (試験群58名、平均51.15±5.32歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、鶏胸骨軟骨抽出物500 mg (況織灰蕁璽殴鷁耽緤解物300 mg、コンドロイチン硫酸100 mg、グルコサミノグリカン100 mg、ヒアルロン酸50 mg含有) ×2回/日を12週間摂取させたところ、肌の状態 (VAS) の4項目中1項目 (顔軸とシワ) と肌の硬さの減少、肌の弾力と肌のコラーゲン含有量の増加が認められた。一方、肌の乾燥、紅斑、経表皮水分蒸散量に影響は認められなかった (PMID:31221944)





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・通常の食事として摂取する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。
・サメ軟骨を適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
・サメ軟骨の摂取により、味覚障害、吐き気、嘔吐、消化不良、便秘、低血圧、めまい、高血糖、高カルシウム血症、意識変容、動作強度の減退、意気消沈、虚弱、疲れが知られている。また、急性肝炎の症状である微熱、黄疸、眼球黄変、右上腹部痛を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。
・サメ軟骨の妊娠中・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
<病者>
・サメ軟骨は、高カルシウム血症患者では症状を増悪させる可能性があるため自己判断での摂取を避けること (94) 。
・サメ軟骨は、自己免疫疾患患者 (多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ) では、症状を増悪させる可能性があるため、自己判断での摂取を避けること (94) 。
<被害事例:海外>
・57歳男性 (アメリカ) がサメ軟骨サプリメントを10週間摂取したところ、摂取を中止した数日後に悪心、嘔吐、下痢、食欲不振が3週間継続し受診。微熱、皮膚および強膜の黄疸、軽度の圧痛、肝機能マーカー (AST、ALT、ALP、総ビリルビン) の上昇が認められ、薬剤性肝機能障害と推定され、加療により改善した (PMID:8929024)
・右前頭頂側頭葉に未分化神経外胚葉性腫瘍のある9歳女児 (カナダ) が、化学療法や放射線療法など科学的根拠のある医療を受けずにサメ軟骨製品を摂取したところ (摂取量等の詳細不明) 、腫瘍が顕著に進行し、4ヶ月後に死亡した (PMID:9750078)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・サメ軟骨と免疫抑制剤との併用は、薬効を減弱させる可能性がある (94) 。
・サメ軟骨とカルシウムサプリメントとの併用は、高カルシウム血症を生じる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食事として摂取する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。
・妊娠中・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること。
・サメ軟骨の摂取により、味覚障害、吐き気、嘔吐、消化不良、便秘、低血圧、めまい、高血糖、高カルシウム血症、意識変容、動作強度の減退、意気消沈、虚弱、疲れが知られている。また、急性肝炎の症状である微熱、黄疸、眼球黄変、右上腹部痛を起こす可能性がある。
・サメ軟骨は、高カルシウム血症患者、自己免疫疾患患者 (多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ) の摂取に注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントの摂取は控えること。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(101) Proceedings of Amer Soc Clinical Oncol 1998;17:A240
(PMID:8929024) Ann Intern Med. 125(9):780-1. 1996
(94) Natural Medicine
(PMID:9750078) N Engl J Med. 1998 Sep 17;339(12):846-7.
(2017009615) 新薬と臨床. 2016;65:1507-21.
(1999022128) 日本栄養・食糧学会誌. 1998;51(4):213-217.
(2017326979) 薬理と治療. 2017;45(2):255-70.
(PMID:31221944) Altern Ther Health Med. 2019 Sep;25(5):12-29.

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