健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

サンシチニンジン、三七人参 [英]San qi ginseng、 tienchi、Tienchi ginseng、Sanchi ginseng. [学名]Panax notogingseng (Burk.) F.H.Chen

概要

サンシチニンジンは、中国雲南省南部-広東省西南部特産の多年草である。16世紀ごろ中国で初めて漢方書籍に記述が載った。サンシチニンジン (三七人参) の中国語名は「田七人参」「田三七」「金不換」である。また中薬として用いる場合は、「三七」とも呼ばれる。薬用部分は根で、3〜4年生の根を開花前若しくは11月に掘り上げ、水洗後ひげ根と地上部を除き陰干しにする。オタネニンジンとは成分や性質が多少異なる。古くから止血に利用されてきたが、その薬理作用は多彩であり、利用方法や生体の状況に応じて止血あるいは抗凝血という双方向の作用を示すと言われている。俗に、「心臓病に対する作用が期待できる」といわれ、他のハーブと組み合わせた前立腺がんへの臨床研究も報告されているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、口渇、発赤、神経過敏、不眠、吐き気、嘔吐などの有害事象が報告されている。まれに痰血、鼻血、歯茎の出血、月経の量が多くなるなどの出血傾向、皮膚炎が見られることがある。妊娠中・授乳中は使用禁忌とされている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・別名としてデンシチニンジンがある。根は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・サポニン配糖体3〜8%を含み、その主成分はジンセノシドginsenoside Rb1,Rg1,Rg2である。その他少量のginsenosideRa,b2,d,eを含み、Ro はないかあっても極めて微量である。精油成分はオタネニンジンに比べてその種類が少ないが、パナキシノール (panaxynol) ,βシトステロール (β-sitosterol) は同程度認められる。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

その他
・軽度の肝機能障害男性患者18名 (22〜72歳、日本) を対象に、2 gの田七人参末を毎食後、1日3回、3ヶ月間摂取させたところ、5名の血清AST、ALT値が低下し、全患者で有害事象が見られなかったという予備的な報告がある (1995185505) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT
・運動選手20名 (平均28.5±6.4歳、試験群10名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、遅発性筋肉痛を誘発するトレッドミル運動の1時間前と直後にサンシチニンジン4,000 mg/回を摂取させ、その後4,000 mg×2回/日を4日間摂取させたところ、運動負荷24時間後時点でIL-6、TNF-α濃度の増加が認められ、96時間後までの運動パフォーマンスや筋肉痛、血中のIL-1、C反応性蛋白、ミオグロビン、クレアチンキナーゼ濃度に影響は認められなかった (PMID:23642942)
その他
・疲労倦怠・食欲不振などを訴える成人の患者51名 (平均49.9歳、日本) に、2,000 mg/日の三七人参末を、原則として4週間投与したところ、白血球数は変化が見られなかったが、好塩基球と単球の割合は増加し、ストレス度、疲労度が減少し、自覚症状の改善もみられ、発現した有害事象は軽い下痢 (1名で確認) であったが、処置をせずに消失する程度のものであったという予備的な報告がある (2003145834) 。この現象についてはさらなる検証が必要である。





試験管内・
動物他での
評価

・動物実験の止血作用に加えて凝固時間を短くすること (デンシチニンジンによる) が実証され、止血剤としての使用の正当性が証明された (23) 。
・中枢神経への刺激作用 (パナキサトリオールサポニンによる) がある (23) 。
・煎じ液はNK細胞、マクロファージの働きを刺激した (23) 。
・ラットへの粉末経口投与は過酸化脂質生成を著しく低下させ、脳組織中のSOD活性を大幅に増加したが、他の組織 (心臓、肝臓、肺) では起こらなかった (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・安全性については、十分な情報が得られていない (94) 。
・有害事象として、口渇、発赤、神経過敏、不眠、吐き気、嘔吐が起きることがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・乳がん、子宮がんなどのホルモン感受性が高い女性は、使用を避ける (94) 。
<被害事例>
田七人参の粉末、錠剤などの製品の摂取においては、重大な有害事象が報告されておらず、比較的に安全であると考えられているが、下記のような有害事象や中毒症例が報告されている。
・少数の利用者は悪心、嘔吐、食欲不振、めまい及び頭痛、疲れやすい、情緒不安などの症状が現れる。摂取中止後、上記の症状が次第に消失する。大量摂取の場合は上記の症状がさらにひどく現れる。また火照り、痒みを感じるケースもあった (101) 。
・出血の傾向が見られる。少数の利用者には、痰血、鼻血、歯茎の出血、月経の量が多くなるなどの出血傾向が見られる。さらに血尿が見られる例もある。これらの出血症状は一般的には摂取を中止しなくても軽減あるいは消失する。血尿の場合は摂取中止すると症状が消える (101) 。
・田七人参の摂取に関連するアレルギー性皮膚炎は約10例ほど報告されている。そのうち、アレルギー性ショックが現れる重症例もあった。軽症者では、摂取中止によって回復するが、抗アレルギー剤の治療で回復した例もある (101) 。
・大量摂取によって中毒症状が現れる稀な例が報告されている。また、一回に5 gを摂取することにより、心房から心室へのパルスの伝達が阻害される (101) 。
・56歳女性 (日本) が、視力回復を目的として、サンシチニンジン、鯉の胆嚢、ミカンヒ、小麦胚芽などを含むいわゆる健康食品を1ヶ月前から摂取したところ、2週間程度で乾性咳嗽が出現し、医療機関を受診。摂取中止により改善し、DLSTにおいて当該製品およびサンシチニンジンが陽性であったため、当該製品との因果関係が疑われる薬剤性肺障害と診断された (2012331338) 。
・サンシチニンジン由来のサポニン (PNS) 注射による、全身の膿疱、痒み、発熱、好中球増加が4例 (中国) 報告されている (PMID:25114505) 。50歳女性が400 mg PNSと40 mg スルフォタンシノンナトリウム、89歳男性が500 mg PNSと4 g オキシラセタム、67歳女性が500 mg PNSと80 mg メチルプレドニゾロン、62歳女性が800 mg PNS、6 g オキシラセタム、120 mg メチルプレドニゾロンを注射し、1週間以内に発症した。
・73歳男性 (中国) が脳梗塞の治療目的でサンシチニンジン由来サポニン (PNS) カプセルとアスピリン (抗血小板薬) 錠を2ヶ月間摂取したところ、摂取開始1ヶ月後から全身に紅斑、紫色の丘疹が生じ、摂取中止により改善した。その後、PNS注射を受けたところ、5日後に同様の症状が再発し、PNSによる肉芽腫性間質性薬物反応と診断された (PMID:22449792)

禁忌対象者

・妊娠中・授乳中の使用の安全性についてはおそらく危険と思われ、使用禁忌である (20) (94) 。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、サンシチニンジン由来サポニンの尾静脈投与は、CYP1A2活性を誘導し、CYP2C9、2D6、3A4には影響を与えなかった (PMID:22162298)
・動物実験 (ラット) において、サンシチニンジン由来のノトギンセノシドR1の尾静脈投与は、トルブタミド (血糖降下薬:CYP2C9基質) 、メトプロロール (降圧薬:CYP2D6基質) 、ダプソン (抗菌薬:CYP2E1、CYP3A4基質) の代謝に影響を与えなかったが、カフェイン (向精神薬:CYP1A2基質) の血中濃度 (Cmax、AUC) を増加させ、全身クリアランス (CL/F) を低下させた (PMID:25834921)
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、サンシチニンジン水抽出物はCYP3A4活性を阻害した (PMID:28539725)
・in vitro試験 (ヒト由来癌細胞) において、サンシチニンジン由来サポニンは、シスプラチン (抗がん剤) のギャップ結合の機能を介した細胞毒性 (抗がん作用) を増強した (PMID:22863918)
<理論的に考えられる相互作用>
・アスピリン (抗血小板薬) 、カフェイン (向精神薬:CYP1A2基質) 、CYP1A2基質の薬剤との併用は、薬効に影響を与える可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

・in vitro試験(ラット胚)において、ジンセノシドRb1は催奇形性を示した(PMID:14507839)

AHPAクラス分類
及び勧告

・根:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・妊娠中・授乳中は使用禁忌。
・安全性については、十分な情報が得られていない。
・有害事象として、口渇、発赤、神経過敏、不眠、吐き気、嘔吐が起きることがある 。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(101) 現代中薬薬理学
(1995185505) 診療と新薬.1995; 32(4):913-7
(2003145834) 新薬と臨床. 2002; 51(12):1194-207
(PMID:14507839) Hum Reprod. 2003 Oct;18(10):2166-8.
(94) Natural Medicine
(2012331338) 日本呼吸器学会誌.201;1(58):394-8.
(PMID:22162298) Phytother Res. 2012 Aug;26(8):1113-8.
(PMID:23642942) Complement Ther Med. 2013 Jun;21(3):131-40.
(PMID:25114505) Drug Des Devel Ther. 2014 Jul 16;8:957-61.
(PMID:22449792) Eur J Dermatol. 2012 May-Jun;22(3):419-20.
(PMID:25834921) Pharm Biol. 2016 Feb;54(2):231-6.
(PMID:28539725) Pharmacogn Mag. 2017 Apr-Jun;13(50):300-308.
(PMID:22863918) Biol Pharm Bull. 2012;35(8):1230-7.

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