健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ダイズ [英]Soybean [学名]Glycine max (L.) Merr.

概要

ダイズは中国東北部からシベリア原産で、世界各地で広く栽培され、利用されている。タンパク質源としても優れており、ダイズの発酵食品なども多く用いられている。近年はダイズイソフラボンの機能性が注目されている。


●有効性
俗に、「コレステロールを低下させる」「動脈硬化を予防する」「ダイエットに効果がある」などと言われているが、脂質異常症、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、乳幼児のガラクトース血症の軽減、メタボリックシンドローム、乳がんの予防、乳児性の急性下痢の期間の短縮、過敏性腸症候群、更年期のホットフラッシュと更年期症状重症度の軽減、骨粗鬆症に有効性が示唆されている。一方、前立腺肥大症、運動による筋肉痛、線維筋症サルコペニア、乳がん手術後のホットフラッシュ、結腸直腸がんに効果がないことが示唆されている。


●安全性
ダイズタンパク質を適切に摂取する場合おそらく安全であり、ダイズ抽出物を短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、長期間、多量に摂取する場合は危険性が示唆されている。妊娠中・授乳中に通常の食事に含まれる程度摂取する場合は、おそらく安全である。ただし、ダイズに含まれるイソフラボンはエストロゲン様活性を示すため、妊娠中の多量摂取は胎児の発育に影響する可能性があり、危険性が示唆されているため、摂取を避けること。 膀胱がんリスクの高い人および膀胱がんの既往歴のある人、腎臓結石の既往歴のある人および結石リスクの高い人、腎不全患者、甲状腺機能低下症患者、糖尿病患者、子どもの嚢胞性線維症患者、乳がん患者、子宮内膜がん患者の摂取は注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントの利用は控えること。



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法規・制度

■食薬区分
・ダイズ (コクダイズ/ダイズオウケン/ダイズ油) 種子、種子油、種皮、葉、花、大豆の特殊発酵品:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■日本薬局方
・ダイズ油が収載されている。

■食品添加物
・既存添加物
  ばい煎ダイズ抽出物:製造用剤
  ダイズサポニン (サポニン):乳化剤
  植物レシチン (レシチン):乳化剤
・天然香料基原物質リスト
 ダイズ (大豆) が収載されている。
・一般飲食物添加物
 ダイズ多糖類 (ダイズヘミセルロース):製造用剤、増粘安定剤

■特定保健用食品
・大豆たんぱく質を関与成分とし、「コレステロールが高めの方に適する」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。
・大豆イソフラボンを関与成分とし、「骨の健康が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・大豆ペプチドを関与成分とし、「血圧が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・ベータコングリシニンを関与成分とし、「中性脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

■海外情報
・ドイツのコミッションE (ドイツの薬用植物の評価委員会) では、メディカルハーブに該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・タンパク質を約35%、脂質を約20%含み (101) 、イソフラボン配糖体やサポニン、植物ステロール (94) などを含む。
・タンパク質の内、酸沈殿タンパクは大豆グロブリンと呼ばれ、免疫学的分類によりグリシニン、α-、β-、γ-コングリシニンに分けられる (1980059127) 。

分析法

・イソフラボンあるいはサポニン含量の流通品規格が設けられている (103) 。
・ダイズイソフラボン類をHPLC (PMID:12822960)(PMID:9848519)、GC/MS (PMID:9784181) 、キャピラリーゾーン電気泳動法 (PMID:9848520) により分析した報告がある。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・大豆ペプチドを関与成分とし、「血圧が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・大豆たんぱく質を関与成分とし、「コレステロールが高めの方に適する」保健用途が表示できる特定保健用食品が許可されている。
・ベータコングリシニンを関与成分とし、「中性脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・ダイズタンパク質は、脂質異常症に有効性が示唆されている。米国では食品医薬品局 (FDA) が、飽和脂肪酸とコレステロールが少ない食事と組み合わせた場合、ダイズ製品にコレステロールを低減する効果があることを表示することを承認している (94) 。
・ダイズタンパク質もしくは黒ダイズペプチドは、高血圧に有効性が示唆されている (94) 。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では、食事療法が不十分な脂質代謝異常 (高コレステロール血症) に対するダイズレシチンの使用が承認されている (58) 。
メタ分析
・2017年1月までを対象に4つのデータベースで検索できた介入研究2報について検討したメタ分析において、ダイズの摂取は、血管内皮機能マーカー (血流依存性血管拡張反応) との関連は認められなかった (PMID:29478408)
・2015年12月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験18報 (検索条件:年齢≧18歳、期間>4週) について検討したメタ分析において、ダイズ製品またはイソフラボンの摂取は、ホモシステインとの関連は認められなかった (PMID:27214197)
・2015年5月までを対象に2つのデータベースで検索できた観察研究11報 (症例対照研究6報、コホート研究5報) について検討したメタ分析において、症例対照研究ではダイズ製品摂取量が多いと脳卒中 (4報) 、冠動脈性心疾患 (3報) のリスク低下と関連が認められたが脳卒中は試験によるばらつきが大きかった。一方、コホート研究 (脳卒中3報、冠動脈性心疾患5報) ではいずれの発症リスクとも関連は認められなかった (PMID:26974464)
・2014年2月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験35報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、ダイズ製品の摂取は、血中脂質 (LDL-C、TC、TG) の低下、血中脂質 (HDL-C) の増加と関連が認められたが、いずれも試験によるばらつきが大きかった (PMID:26268987)
・2009年8月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、単離イソフラボンもしくはイソフラボン含有ダイズ製品の摂取は、血管内皮機能マーカー (血流依存性血管拡張反応) との関連は認められなかった (PMID:20709515)
RCT
・普段、ダイズ製品を摂取しない脂質異常症患者 (TC≧5.5 mmol/L) 91名 (18〜80歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質24g/日とダイズイソフラボン70〜80 mg/日を6週間摂取させたところ、乳タンパク質24 g/日を摂取させた場合と比較して血中脂質 (TC、TG) の減少が大きかった。一方、血中脂質 (LDL-C、HDL-C、TC/HDL-C比) に影響は認められなかった (PMID:18689364)
・高コレステロール血症の閉経後女性62名 (試験群35名、平均53±6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質25 g/日を1年間摂取させたところ、血中脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、TG、ApoA、ApoB) に影響は認められなかった (PMID:20215976)
・糖尿病前症の閉経後女性180名 (48〜70歳、試験群120名、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質15 g/日とダイズイソフラボン100 mg/日の併用もしくはダイズイソフラボンを単独で6ヶ月間摂取させたところ、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TG) 、炎症マーカー (CRP、尿酸) に影響は認められなかった (PMID:21429720)
・アンドロゲン抑制療法中の前立腺がん患者33名 (試験群17名、平均69.2±2.5歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質20 g/日 (イソフラボン160 mg含有) を12週間摂取させたところ、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TG) 、糖代謝マーカー (血糖、グルカゴン、C-ペプチド、HOMA) 、肥満・炎症マーカー (レプチン、レジスチン、アディポネクチン、TNF-α、sTNF-αRI、sTNF-αRII、spg130、CRP、IL-6) に影響は認められなかった (PMID:20798386)
・健康な成人352名 (平均46.7〜48.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質40 g/日を8週間摂取させたところ、乳タンパク質と比較して血中脂質 (HDL-C) の増加、TC/HDL-C比の低下が認められた。一方、血中脂質 (TC、LDL-C、TG) に影響は認められなかった(PMID:21952693)
・血圧が高めでエクオール産生者の閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ粉40 g/日 (90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、ダイズ粉摂取群において血中脂質 (LDL-C、LDL-C/HDL-C比) の低下が認められた。一方、ダイゼイン摂取群ではLDL-Cへの影響は認められず、いずれの群においても血中脂質 (TG、TC、HDL-C、遊離脂肪酸) 、炎症マーカー (高感度CRP) 、糖代謝マーカー (空腹時血糖) 、血管内皮機能マーカー (頸動脈内膜中膜厚、血流依存性血管拡張反応) 、血圧 (自由行動下24時間血圧) に影響は認められなかった (PMID:24273218)(PMID:25782428)
・健康な成人102名 (平均46歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質40 g/日を8週間摂取させたところ、炎症マーカー (レプチン) の低下が認められた。一方、その他の炎症マーカー (CRP、IL-6、TNF-α、ICAM-1、VCAM-1、E-セレクチン、トロンボモジュリン、高分子アディポネクチン、レジスチン) に影響は認められなかった (PMID:23187956)
・閉経後女性325名 (試験群162名、平均60.8±7.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質25 g/日 (イソフラボンアグリコン91 mg/日含有) を2.7年間摂取させたところ、頸動脈内膜中膜複合体厚の進展に影響は認められなかった (PMID:21903957) 。また、このうちの300名 (試験群150名、平均61±7歳) を対象とした解析において、一般的知性項目の低下が認められた。一方、尿中イソフラボン排泄量と認知機能の全体評価に影響は認められなかった (PMID:24617349)
・閉経後女性60名 (試験群20名、平均52.9±3.5歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質24 g/日 (イソフラボン90 mg/日含有) を16週間摂取させたところ、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TC/HD-C比、LDL-C/HDL-C比、TG) 、糖代謝マーカー (血糖) に影響は認められなかった (PMID:25099464)
・高血圧患者 (収縮期血圧130〜159 mmHg) 91名 (試験群45名、平均46.8±11.83歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、黒ダイズペプチド4.5 g/日を8週間摂取させたところ、血圧 (収縮期、脈圧) 、酸化関連マーカー (MDA、NO、SOD活性、尿中8-epi-PGF2α) の改善が認められた。一方、糖代謝マーカー (血糖、インスリン、HOMA-IR) に影響は認められなかった (PMID:23924691)
・LDLコレステロールが高めの成人男女243名 (カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ粉マフィン (ダイズタンパク質12.5 g/個含有) 1個/日 (80名、平均55.0±9.0歳) または2個/日 (82名、平均56.0±9.2歳) を6週間摂取させたところ、いずれの群においても、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、TC/HDL-C比、TG) 、糖代謝マーカー (空腹時血糖、インスリン、HOMA-IR) 、炎症マーカー (CRP) 、血圧、冠動脈疾患リスク指標 (フラミンガムリスクスコア) に影響は認められなかった (PMID:26446482)
・正常高値血圧者および軽症高血圧者132名 (試験群68名、平均47.7±10.7歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ発酵調味液配合減塩しょうゆ8mL (ダイズペプチド380 mg含有) を12週間摂取させたところ、収縮期血圧と拡張期血圧の低下が認められた。一方、脈拍、体重、体脂肪率、BMI、体温に影響は認められなかった (2008373444) 。


消化系・肝臓

一般情報
・ダイズ繊維は、乳児性の急性下痢期間の短縮に有効性が示唆されている (94) 。
・ダイズイソフラボンは、過敏性腸症候群に有効性が示唆されている (94) 。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・ダイズは、糖尿病に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2015年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報について検討したメタ分析において、2型糖尿病患者またはメタボリックシンドロームの人によるダイズタンパク質の摂取は、糖代謝マーカー (空腹時血糖 (4報) 、空腹時インスリン (3報) 、HOMA-IR (2報)) 、拡張期血圧 (4報) 、血中脂質 (LDL-C (7報) 、TC (7報)) 、炎症マーカー (CRP (3報)) の低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。一方、体重 (4報) 、収縮期血圧 (4報) 、HDL-C (7報) 、TG (8報) との関連は認められなかった (PMID:26996569)
・2010年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験24報 (検索条件:期間≧4週) について検討したメタ分析において、ダイズの摂取は、糖代謝マーカー (空腹時血糖 (19報) 、インスリン (19報) 、HOMA-IR (6報) 、HbA1c (4報)) との関連は認められなかった (PMID:21367951)
・2010年までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、2型糖尿病患者によるダイズの摂取は、血中脂質 (TC (7報) 、TG (7報)) の減少、HDL-C (6報) の増加との関連が認められたが、TC、TGは試験によるばらつきが大きかった。一方、LDL-C (6報) 、糖代謝マーカー (空腹時血糖 (4報) 、インスリン (3報) 、HbA1c (5報)) との関連は認められなかった (PMID:22094845)
RCT
・閉経後の糖尿病前症の女性180名 (試験群120名、平均56歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質15 g/日とダイズイソフラボン100 mg/日の併用もしくはダイズイソフラボン単独で6ヶ月間摂取させたところ、糖代謝マーカー (血糖、インスリン、HOMA-IR) (PMID:20335543)、血圧、炎症マーカー (sICAM-1、sVCAM-1、E-セレクチン) (PMID:23203140) に影響は認められなかった。

生殖・泌尿器

一般情報
・ダイズタンパク質とダイズイソフラボンは、更年期のホットフラッシュと更年期症状重症度の軽減に有効性が示唆されている (94) 。
・ダイズタンパク質は、慢性腎臓病に有効性が示唆されている (94) 。
・ダイズイソフラボンは、前立腺肥大症に効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験62報について検討したメタ分析において、ダイズ、ダイズイソフラボン、レッドクローバー、その他の植物エストロゲンの摂取は、ホットフラッシュの頻度 (18報) 、膣の乾燥 (3報) の軽減と関連が認められた。一方、寝汗 (2報) との関連は認められなかった (PMID:27327802)
・2014年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験9報について検討したメタ分析において、透析を受けていない慢性腎臓病患者によるダイズタンパク質の摂取は、腎機能マーカー (血清クレアチニン (8報) 、リン (5報)) の低下と関連が認められた。一方、血中脂質 (TG (7報) 、TC (7報)) 、カルシウム (4報) との関連は認められなかった (PMID:24939439)
・2009年3月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験19報 (検索条件:期間≧12週) について検討したメタ分析において、更年期女性によるダイズイソフラボン濃縮物、ダイズ抽出物、ダイズサプリメントの摂取は、ホットフラッシュ頻度の減少との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:20464785)
RCT
・更年期症状のある女性351名 (45〜55歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、マルチ植物サプリメント (1日量としてブラックコホシュ200 mg、アルファルファ400 mg、チェストツリー200 mg、ザクロ400 mgをそれぞれ含む) とともにダイズ食品 (ダイズタンパク質として12〜20 mg/日) を1年間摂取させたところ、膣症状、月経周期、ホルモン状態に影響は認められなかった (PMID:18257142)
・高血圧前症でエクオール産生者の閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ粉40 g/日 (90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、更年期症状に影響は認められなかった (PMID:24149925)

脳・神経・
感覚器

RCT
・線維筋痛症の患者28名 (平均53.9歳、試験群12名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ飲料 (ダイズタンパク質20 g、ダイズイソフラボン160 mg含有) を6週間毎日摂取させたところ、線維筋肉症の評価指標 (FIQ) 、うつ病評価指標 (CES-D) に影響は認められなかった (PMID:18990724)
・不眠症の成人101名 (試験群51名、平均40.9歳、フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ油260 mg、麻油173 mg、ホップ50 mg、ダイズレシチン6 mgを含むサプリメント製品を1ヶ月摂取させたところ、睡眠評価指標 (睡眠の質、睡眠効率、メラトニン代謝) の評価に影響は認められなかった (PMID:20569455)

免疫・がん・
炎症

<がん>
一般情報
・ダイズを多く含む食品は、乳がんの予防に有効性が示唆されているが、多くはアジア人女性の研究であり、西洋人では関連が認められていない (94) 。
・ダイズ抽出物は、乳がん手術後のホットフラッシュに、効果がないことが示唆されている (94) 。
・ダイズイソフラボンを含むダイズタンパク質は、結腸直腸がんに効果がないことが示唆されている (94) 。
・アメリカ心臓協会 (AHA:American Heart Association) では、22の無作為化比較臨床試験の結果から、ダイズタンパク質やイソフラボンの乳がん、子宮内膜がん、前立腺がんの予防に対する効果や安全性は確立されていないため、ダイズタンパク質やイソフラボンのサプリメントとしての摂取は推奨しないとしている (PMID:16418439)
メタ分析
・2017年5月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験および観察研究30報 (コホート研究8報、症例対照研究15報、コホート内症例対照研究7報) について検討したメタ分析において、ダイズ (16報) の摂取量が多いと前立腺がん発症リスクの低下との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。一方、イソフラボン (6報) の摂取量との関連は認められなかった (PMID:29300347)
・2017年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向きコホート研究16報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、ダイズ製品 (6報) の摂取量が多いと乳がん発症リスクの低下との関連が認められた。一方、イソフラボン (11報) の摂取量との関連は認められなかった (PMID:29277346)
・2016年12月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向き観察研究22報 (コホート研究21報、コホート内症例対照研究1報) について検討したメタ分析において、ダイズの摂取量と胃がん、大腸がんの発症 (各8報、7報) および死亡 (各7報、2報) リスクとの関連は認められなかった (PMID:28642459)
・2015年11月までを対象に4つのデータベースで検索できた観察研究17報 (症例対照研究13報、コホート研究4報) について検討したメタ分析において、イソフラボン (8報) またはダイズ製品 (14報) の摂取量が増加は大腸がんリスク低下との関連が認められた (PMID:27170217)
・2015年8月までを対象に7つのデータベースで検索できた観察研究10報 (症例対照研究8報、コホート研究2報) について検討したメタ分析において、ダイズ製品の摂取量の増加は子宮内膜がんリスク低下との関連が認められた (PMID:26683956)
・2014年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた観察研究24報 (コホート研究3報、症例対照研究21報) について検討したメタ分析において、韓国人の豆腐、豆乳、ダイズ製品の摂取量の増加は、胃がん (各4報、2報、4報) および乳がん (各3報、2報、3報) リスク低下との関連が認められた (PMID:25339056)
・2014年5月までを対象に5つのデータベースで検索できた観察研究40報 (症例対照研究22報、コホート研究18報) について検討したメタ分析において、ダイズ (18報、16報) の摂取量が多いと消化管がんのわずかなリスク低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。また、食事からのイソフラボン (5報、5報) 摂取量の増加は、消化管がんリスク低下との関連が認められた (PMID:25547973)
・2013年6月までを対象に6つのデータベースで検索できた観察研究22報 (症例対照研究21報、コホート研究1報) について検討したメタ分析において、中国人女性のダイズの摂取量 (15報) の増加は、乳がんリスク低下との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:25784976)
・2013年6月までを対象に8つのデータベースで検索できた観察研究22報 (症例対照研究20報、コホート研究2報) について検討したメタ分析において、中国人女性のダイズの摂取量 (13報) の増加は、乳がん発症リスク低下との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:24606455)
・2013年2月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、前立腺がん患者 (6報) もしくは前立腺がんリスクの高い男性 (2報) によるダイズまたはダイズイソフラボンの摂取は、前立腺がんの発症リスク低下 (2報) と関連が認められた。一方、前立腺特異抗原 (7報) 、性ホルモン (性ホルモン結合グロブリン (7報) 、テストステロン (4報) 、ジヒドロテストステロン (3報) 、エストラジオール (5報)) との関連は認められなかった (PMID:24053483)
・2012年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた観察研究11報 (症例対照研究7報、コホート研究4報) について検討したメタ分析において、ダイズタンパク質の摂取量と肺がんリスクに関連は認められなかったが、非喫煙者のみを対象とした2次解析 (7報) では、リスク低下との関連が認められた (PMID:23859029)
・2011年2月までを対象に3つのデータベースで検索できた観察研究11報 (症例対照研究8報、コホート研究3報) について検討したメタ分析において、女性、非喫煙者、アジア人のダイズ製品の摂取量増加は、肺がん発症リスク低下との関連が認められた (PMID:22071712)
・2010年11月までを対象に1つのデータベースで検索できた観察研究11邦 (症例対照研究7報、コホート研究4報) について検討したメタ分析において、ダイズまたはダイズイソフラボンの摂取量の増加は、肺がん発症リスク低下との関連が認められた (PMID:23097255)
・2008年7月までを対象に2つのデータベースで検索できたプラセボ対照試験15報について検討したメタ分析において、男性によるダイズタンパク質やイソフラボンの摂取と、アンドロゲン抑制作用 (前立腺がんの予防に有益と考えられる) との関連は認められなかった (PMID:19524224)
・2007年10月までを対象に8つのデータベースで検索できた観察研究13報 (コホート研究5報、症例対照研究8報) について検討したメタ分析において、全ダイズ製品と豆腐の摂取量の増加は、前立腺がんの発症リスク低下と関連が認められたが、豆乳、納豆、みその個々の食品摂取量との関連は認められなかった (PMID:19838933)
・3つのデータベースで検索できた日本人もしくは韓国人を対象とした観察研究26報 (コホート研究10報、症例対照研究16報) について検討したメタ分析において、胃がん発症リスクは、非発酵ダイズ食品 (17報) の摂取量が多いと低下し、発酵ダイズ食品 (20報) の摂取量が多いと増加した (PMID:21070479)
RCT
・高悪性度の前立腺上皮細胞内腫瘍の男性303名 (試験群156名、平均62.8歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質40 g、ビタミンE 800 IU、セレン200μg/日を3年間摂取させたところ、前立腺がんへの進行率に影響は認められなかった (PMID:21537051)
・アンドロゲン抑制療法中の前立腺がん患者33名 (試験群17名、平均69.2±2.5歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質20 g/日 (イソフラボン160 mg/日含有) を12週間摂取させたところ、認知能、QOL、睡眠の質、ほてりなどの血管運動性の症状に影響は認められなかった (PMID:19758646)
・前立腺がんのため前立腺切除を受け、再発リスクの高い患者159名 (試験群81名、平均61.3±7.2歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質20 g/日を最長2年間摂取させたところ、再発リスクに影響は認められなかった (PMID:23839751)
・閉経後女性224名 (試験群121名、平均60.9±7.0歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質25 g/日 (イソフラボン91 mg/日含有) を3年間摂取させたところ、子宮内膜厚、子宮内膜過形成や子宮内膜がん発症リスクに影響は認められなかった (PMID:23422867)
・アンドロゲン抑制療法中の前立腺がん患者120名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質20 g/日 (イソフラボン160 mg含有) 単独 (30名、中央値71歳) またはベンラファキシン (うつ病治療薬) 75 mg/日と併用 (30名、69歳) で12週間摂取させたところ、ダイズタンパク質摂取により、精神面、機能面のQOL、がん患者QOL 、前立腺がん患者QOLの改善が認められた。一方、ホットフラッシュの頻度、重症度に影響は認められなかった (PMID:24081940)
・血管運動性症状のある閉経後女性80名 (試験群40名、平均55.1±6.0歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ抽出物250 mg/日 (イソフラボン100 mg/日含有) を10ヶ月間摂取させたところ、乳がん検診における胸部マンモグラフィ密度や胸部組織に影響は認められなかった (PMID:23481125)

<炎症>
メタ分析
・2012年6月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験25報について検討したメタ分析において、ダイズの摂取は、炎症マーカー (TNF-α (6報) 、IL-6 (7報)) との関連は認められなかった (PMID:23471810)
RCT
・軽症もしくは中等症のアレルギー性鼻炎症状がある健康な成人49名 (試験群25名、平均45.6±13.7歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ発酵多糖類サプリメント2.28 g (麹発酵大豆由来の食物繊維93 mg含有) /日を12週間摂取させたところ、アレルギー性鼻炎症状の重症度分類、日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査の自覚症状6項目中1項目 (目のかゆみ) と眼・鼻症状における自覚症状の総合評価に改善が認められた。一方、鼻閉スコアやくしゃみ発作または鼻漏スコア、ストレス状態 (POMS) に影響は認められなかった (2018265749) 。

骨・筋肉

一般情報
・ダイズイソフラボンを関与成分とし「骨の健康が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・ダイズイソフラボンを含むダイズ抽出物やダイズタンパク質は、骨粗鬆症に有効性が示唆されている (94) 。
・イソフラボンを含むダイズタンパク質は、サルコペニアに効果がないことが示唆されている (94) 。
・ダイズタンパク質とダイズイソフラボンの混合物は、繊維筋痛症に効果がないことが示唆されている (94) 。
・ダイズイソフラボンは、運動による筋肉痛に効果がないことが示唆されている (94) 。

発育・成長

一般情報
・ダイズタンパク質は、乳幼児のガラクトース血症の軽減に有効性が示唆されている (94) 。

肥満

一般情報
・ダイズタンパク質は、メタボリックシンドロームに有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年8月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験22報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、ダイズの摂取は体重 (19報) 、ウエスト径 (14報) 、体脂肪量 (9報) との関連は認められなかった (PMID:28916571)
RCT
・平成12年厚生労働省国民栄養調査結果の状況に近い食生活を送る女性28名 (平均41.4±12.8歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ対照試験において、β-コングリシニンを含むタブレット8粒/日 (β-コングリシニン6 g/日含有) を8週間摂取させたところ、体脂肪率の上昇抑制が認められた (2003303916) 。
・過体重または肥満の成人73名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質 (25名、平均53±9歳) または乳清タンパク質 (23名、平均49±9歳)約56 g/日を23週間摂取させたところ、ダイズタンパク質群で糖代謝マーカー (インスリン) の低下が認められた。一方、糖代謝マーカー (血糖、グレリン) 、体重、脂肪量、腹囲に影響は認められなかった (PMID:21677076)
・過体重の男女86名 (20〜50歳、試験群57名、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ葉抽出物またはガルシニア・カンボジア抽出物を2 g/日、10週間摂取させたところ、体重に影響は認められなかった (PMID:21936892)
・血圧が高めの閉経後女性270名 (中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズ40 g/日 (90名、平均57.6±5.3歳) またはダイゼイン63 mg/日 (90名、平均57.7±5.0歳) を6ヶ月間摂取させたところ、いずれにおいても、体重、BMI、腹囲、腰囲、ウエスト/ヒップ比、体脂肪率、体脂肪量、徐脂肪量に影響は認められなかった (PMID:23984051)
・健康な女子大学生120名 (試験群62名、平均18.3±0.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質20 g/日+イソフラボン161 mg/日を16週間摂取させたところ、体重、体脂肪量、体脂肪率、腹囲に影響は認められなかった (PMID:24418248)

その他

RCT
・健康な高齢女性97名 (60〜93歳、試験群75名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ダイズタンパク質18 g/日とダイズイソフラボン (イソフラボンアグリコンとして105 mg/日) を1年間、単独摂取もしくは併用させたところ、ダイズタンパク質摂取は炎症マーカー (IL-6) を低下させた。一方、高感度CRP、血中脂質 (TC、HDL-C、LDL-C、TG) (PMID:24267042) 、骨密度 (PMID:19474141) に影響は認められなかった。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・ダイズタンパク質を適切に摂取する場合おそらく安全である (94) 。
・ダイズ抽出物を短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、長期間、多量に摂取する場合は危険性が示唆されている (94) 。
・摂取により、消化器不良 (便秘、下痢、膨満感、吐き気) 、アレルギーなどを起こす可能性がある (94) 。
・健康な成人37名 (22〜76歳、日本) を対象に、酢ダイズ30 g/日を1ヶ月または3ヶ月間摂取させたところ、いずれも甲状腺ホルモン値に変化はなかったが、甲状腺刺激ホルモンの増加は用量依存的で、甲状腺の腫大が見られ、甲状腺機能が軽度に抑制された (1993044553) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中に通常の食事に含まれる程度摂取する場合は、おそらく安全である (94) 。
・ダイズに含まれるイソフラボンはエストロゲン様活性を示すため、妊娠中の多量摂取は、胎児の発育に影響する可能性があり、危険性が示唆されているため、摂取を避けること (94) 。
<小児>
・通常の食事に含まれる程度摂取する場合は、おそらく安全である (94) 。ただし、重篤な牛乳アレルギーのある乳幼児はダイズタンパク質に対しても過敏である可能性があるため、牛乳の代わりに摂取するのは危険性が示唆されている (94) 。
・アレルギーの家族歴を持つ乳児620名 (オーストラリア) を対象としたコホート研究において、乳児期のダイズ調製乳の摂取と2歳時でのピーナッツアレルギーの発症リスクには関連が認められなかった (PMID:18436294)
・694名の女児 (3〜24ヶ月齢、イスラエル) を対象とした横断研究において、ダイズ調製乳を3ヶ月間以上摂取した経験のある13〜24ヶ月齢の女児は、母乳または乳製品のみの摂取児に比べ、乳房芽 (breast bud) の発症リスクが高かった (PMID:18223379)
・乳児101名 (アメリカ) を対象としたコホート研究において、生後12ヶ月までのダイズ調製乳 (34名) の摂取は、母乳 (35名) および牛乳調製乳 (32名) 摂取児と比較して、5歳時での乳房芽の大きさ、性器 (卵巣、子宮、精巣、前立腺) の大きさおよび形状、女児における卵巣嚢胞発生率、数、大きさ、子宮内膜発生率に影響は認められなかった (PMID:25761499)
<病者>
・膀胱がんリスクの高い人および膀胱がんの既往歴のある人は、ダイズ製品の摂取により膀胱がん発症リスクを高める可能性があるため、摂取を避けること (94) 。
・腎臓結石の既往歴のある人および結石リスクの高い人は、ダイズ製品の摂取により腎臓結石のリスクを増大させる可能性があるため、ダイズ製品の多量摂取を避けること (94) 。
・腎不全患者は、ダイズのフィトエストロゲンの血中濃度上昇により、症状が悪化する可能性がある (94) 。
・甲状腺機能低下症患者は、ダイズ製品の摂取により症状が悪化する可能性がある (94) 。
・糖尿病患者は、空腹時血糖を低下させる可能性があるため、多量のダイズ製品を摂取する場合は投薬の調整が必要である (94) 。
・子どもの嚢胞性線維症患者は、低タンパク質血症を発症する可能性がある (94) 。
・乳がん患者は、ダイズイソフラボンの弱いエストロゲン作用によりリスクを高める可能性があるため、自己判断でのサプリメントの利用は控えること (94) 。
・子宮内膜がん患者は、ダイズイソフラボンの摂取により、リスクを高める可能性があるため、慎重に摂取する必要がある (94) 。
<その他>
・喘息や鼻炎などアレルギー性疾患患者は、ダイズ皮アレルギーを起こす可能性がある。ダイズの多量摂取により、アレルギーの発症リスクおよび重症度が高まる (94) 。
・牛乳アレルギーのある人は、ダイズにも過敏である可能性があるため、慎重に摂取するか、摂取を避けること (94) 。
・シラカバ花粉IgEが陽性の口腔アレルギー症候群患者167名 (日本) のうち10%に豆乳による口腔アレルギーがみられ、シラカバCAP (特異的lgE抗体価) クラスの増加とともに有症率が上昇したが、豆乳口腔アレルギー患者におけるダイズCAPの陽性率は低かった (PMID:26615663)
<被害事例>
【アレルギーに関する被害事例】
・45歳男性 (日本) が蕁麻疹をおこし、試食試験より、ダイズ食品が原因と診断された (1986031743) 。
・ハウスダストとスギ花粉症の67歳女性 (日本) が冷やし中華を食べたところ、約1時間後に、眼瞼の浮腫、眼の痒み、鼻閉感、嗄声、蕁麻疹をおこし、摂取したダイズもやしによる過敏症と診断された (2004101549) 。
・スギやシラカバなどによる花粉症の女性2名 (23歳および43歳、日本) が豆乳を摂取した (摂取量不明) ところ、それぞれ約10、60分後に咽頭の違和感、顔面膨張、全身の蕁麻疹などのアナフィラキシーを起こした (2006254165) 。
・シラカバ花粉アレルギーの子ども4名 (10〜14歳、スウェーデン) が花粉の時期に豆乳を摂取後、呼吸困難等の重篤なアレルギー症状を呈した。シラカバ花粉とダイズタンパク質による交差反応と考えられた (PMID:20942860)
・ダイズアレルギーのない17歳女性 (クロアチア) がダイズ入りツナを摂取し、1.5時間後にバスケットボールの練習を行ったところ、アナフィラキシーを起こした。その後のテストで、ダイズ摂取のみでは反応しないがダイズ摂取後に運動を行うとアレルギー反応を起こすことが確認された (PMID:21933643)
・花粉症の59歳女性 (日本) が豆乳200 mLを摂取したところ、20分後に舌の腫脹、痺れ、口腔の閉塞感、呼吸苦、全身の蕁麻疹などのアナフィラキシーを起こした (2012064586) 。
・春季に鼻炎症状のある女性3名 (49歳、61歳、65歳、日本) が豆乳を摂取したところ (摂取量不明) 、顔面腫脹やアナフィラキシー症状を呈した (2008116570) 。
・花粉症と果物、ソバでの口腔アレルギーの36歳女性 (日本) が、豆乳から自身で作成した豆腐を摂取し (摂取量不明) 、アナフィラキシー症状を呈した (2007260931) 。
・花粉症の49歳女性 (日本) が豆腐料理を摂取し (摂取量不明) 、アナフィラキシー症状を呈した。その後、生湯葉、味噌汁の油揚げなどでもアレルギー症状を呈することがあり、プリックテストによりダイズ、ダイズ食品によるアナフィラキシーと診断された (2010344701) 。
・春季に鼻炎症状のある65歳女性 (日本) が豆乳を摂取したところ、直後より顔面腫脹、流涙、鼻閉症状が生じた (2010344702) 。
・花粉症や果物での口腔アレルギーのある3名 (73歳女性、33歳男性、18歳女性、日本) が豆乳を摂取したところ (約200 mLまたは摂取量不明) 、口腔アレルギーおよびアナフィラキシー症状を呈した (2011123309) 。
・32歳男性 (日本) が調整豆乳を摂取したところ (摂取量不明) 、全身の蕁麻疹などを伴うアナフィラキシー症状を呈し、プリックテストで、他のダイズ製品は陰性であったが、カナダ産のダイズにのみ陽性反応を示した (2011059897) 。
・アトピー性皮膚炎や喘息、食物アレルギーの17歳女性 (チェコ) が、アトピー性皮膚炎の症状が悪化し、パッチテストや食物負荷試験でダイズに陽性を示したため、ダイズ食品の摂取を除去したところ、改善した (PMID:23723526)
・食物アレルギーや手湿疹のない30歳女性 (日本) が、23歳時に仕事でダイズ成分含有の化粧品を触るようになり、数ヶ月後から指の痒み、湿疹を生じた。28歳時にダイズ製品を摂取後、全身性蕁麻疹、呼吸困難、低血圧を伴うアナフィラキシーを呈した。プリックテストにより、ダイズ抽出物およびダイズ成分含有の化粧品で陽性を示したため、当該化粧品による経皮的感作により引き起こされたダイズアナフィラキシーと診断された (PMID:26332460)
・57歳男性がダイズ粉末製品を1杯の豆乳に溶かし摂取していたところ、9日目の摂取の30分後に血管性浮腫を生じ、再摂取により同様の症状を呈したことから、因果関係はcertainと判断された (PMID:26948409)
・高血圧、ハウスダストとスギに対するアレルギー性鼻炎があり、リンゴの摂取時に口腔内に違和感を生じた経験のある56歳男性 (日本) が、豆乳 (摂取量等不明) を摂取した1時間後に鼻水、流涙、眼瞼浮腫、口腔粘膜浮腫を生じて医療機関に救急搬送され、その後膨疹が出現し、アナフィラキシー症状と診断され加療により回復した。プリックプリックテストにおいて豆乳、豆腐、リンゴに陽性を示し、特異的IgE検査の結果からシラカンバとダイズの主要抗原に対する交差反応で発症した豆乳による口腔アレルギー症候群と診断された (2014228653) 。
【その他の被害事例】
・閉経後7年の56歳女性 (アメリカ) が更年期症候群をコントロールするために、豆乳 (イソフラボンとして40 g/日相当) を3年間、毎日摂取し、不正出血、子宮ポリープ、増殖性子宮内膜症、子宮平滑筋腫がみられた。ダイズ製品摂取の中止により回復した (PMID:18396257)
・43歳女性 (アメリカ) がダイズ製品 (豆乳、豆腐、ソーセージ) を5年間、毎日多量に摂取し、重症月経困難症、子宮不正出血、子宮内膜症、子宮平滑筋腫を発症。ダイズ製品摂取の中止により改善した (PMID:18396257)
・35歳女性 (アメリカ) が、14歳からダイズ製品 (豆乳、豆腐、ダイズ顆粒、ダイズタンパク質濃縮物) を毎日多量摂取し、重症月経困難症、子宮不正出血、子宮内膜症、子宮平滑筋腫、続発性不妊を発症した。ダイズ製品摂取の中止により改善した (PMID:18396257)
・4歳女児 (日本) がダイズタンパク質を含むプロテイン飲料を毎日少量ずつ、3週間程度摂取したところ、乳房腫大と膣分泌物増加が認められた (2006248863) 。
・60歳男性 (アメリカ) が乳糖不耐症のため豆乳3クオート (=約2.85 L) /日を摂取したところ、両側女性化乳房、勃起障害、血中エストロンとエストラジオールの上昇を呈し、摂取中止により改善した (PMID:18558591)
・1型糖尿病の19歳男性 (アメリカ) が、多量のダイズ製品 (イソフラボン360 mg/日相当) を摂取する完全菜食を約12ヶ月間続けたところ、血中テストステロンの減少を伴う性機能不全を起こし、この食習慣を中止後1年で改善した (PMID:21353476)
・53歳女性 (タイ) が豆乳を2.5〜3 L/日、1年間摂取したところ、原因不明の肝炎を発症し、豆乳の摂取中止により改善した (PMID:23023363)
・肥満の48歳男性 (アメリカ) が、ダイエット目的で食事療法と運動に加えダイズタンパク質サプリメント20 g/日を摂取したところ2ヶ月を経過した頃から黒色尿、便の変色、消化不良を呈し、その後、倦怠感、右上腹部の圧痛、黄疸を訴え受診。薬物性肝機能障害と診断され、摂取していたサプリメントの使用中止と加療により回復した (PMID:26157956)
・白内障の55歳女性 (日本) が、ダイズ抽出物、グルコサミン、マリーゴールド由来ルテインのサプリメントを約6ヶ月間摂取したところ、肝機能マーカー (AST、ALT、γ-GTP) が上昇し、同時に肝臓への鉄沈着を伴う高フェリチン血症を呈した。摂取中止により改善し、サプリメント誘発性肝炎と推定された (PMID:17944940)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・心房細動の治療のためワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4) 3 mg/日を摂取している70歳白人男性 (アメリカ) が、2種の豆乳製品を約240 mLずつ、4週間摂取したところ、豆乳由来のダイズタンパク質によりINRプロトロンビン比が治療域よりも低くなった (PMID:12452752)
<ヒト試験>
・健康な女性18名 (18〜25歳、中国) を対象としたオープンラベル試験において、ダイズ抽出物サプリメント2,000 mg/日を2週間摂取した後、ロサルタン (アンジオテンシンII受容体拮抗薬:CYP2C9基質) 50 mgを単回服用させたところ、ロサルタンの血中濃度 (Cmax、AUC) に影響は認められなかった (PMID:19458107)
<その他>
・甲状腺機能低下症患者110名 (28〜80歳、日本) を対象に検討した症例報告において、甲状腺ホルモンT4製剤100μg/日と酢ダイズ (10 g/日、2ヶ月以上) を併用した患者47名では、甲状腺ホルモンT4が低下し、甲状腺刺激ホルモンが増加した (1992015264) 。
<動物・試験管内>
・動物実験 (ラット) において、ダイズ抽出物 (イソフラボン37%含有) の3日または10日間の摂取は、いずれの摂取期間でも肝臓のCYP1A2、CYP2C6、CYP3A2遺伝子発現には影響を及ぼさなかったが、3日間の摂取ではCYP1A1発現を誘導、CYP3A1、CYP2D2、CYP2E1発現を抑制し、10日間の摂取ではCYP1A1、CYP2D1発現を誘導、CYP3A1、CYP2D2発現を抑制した (PMID:20825053)
・動物実験 (ラット) において、豆乳または味噌の摂取は、シクロスポリン (免疫抑制剤:CYP3A4、P糖タンパク質基質) の血中濃度 (Cmax、AUC) を低下させた (PMID:24295672)
・動物実験 (ラット) において、ダイズ抽出物 (150 mg/kgまたは500 mg/kg) 2回/日×5日間の摂取は、バルプロ酸 (抗てんかん薬) の血中濃度 (Cmax、AUC) を低下させ、半減期を増加させた (PMID:24618639)
・動物実験 (ラット) において、ダイズ抽出物の摂取は、肝臓CYP1A遺伝子発現を増強し、CYP2D2、CYP3A1発現を抑制した。また、肝臓のMdr1a、Mdr1b、Mrp1、Mrp2遺伝子発現を増強し、小腸のMdr1b発現を抑制、Mrp2発現を増強しせた (PMID:25011215)
・動物実験 (卵巣摘出マウス) において、ダイズ抽出物 (イソフラボン51.5%含有) の摂取は肝臓CYP1A2、CYP2C29遺伝子発現に影響を及ぼさなかったが、CYP3A11、CYP3A41遺伝子発現を増強した (PMID:31212773)
・動物実験 (ラット) において、カゼインの摂取と比較し、ダイズタンパク質の摂取は、十二指腸および空腸のCYP4A10遺伝子発現には影響を及ぼさなかったが、肝臓のCYP4A10遺伝子発現を抑制した (PMID:19962299)
・in vitro試験 (ヒトCYPタンパク) において、ダイズのメタノール抽出物はCYP3A5活性を、水抽出物はCYP3A4活性を阻害した (PMID:24934554)
・in vitro試験 (ヒト胎児腎細胞) において、ダイズ抽出物は、OATP2B1活性を阻害した (PMID:16415120)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、豆乳はCYP3A4活性に影響を及ぼさなかった (PMID:16415112)
<理論的に考えられる相互作用>
・ダイズのエストロゲン様作用によってタモキシフェン (抗がん剤:CYP2D6、CYP3A4基質) の効果に影響を与えるおそれがあるので、同薬を使用中の人は食品として以外のダイズ製品を摂取するのは避けた方がよい (94) 。
・ダイズ製品と糖尿病治療薬、血糖低下作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、低血糖のリスクを高める可能性がある (94) 。
・ダイズタンパク質と高血圧治療薬、降圧作用をもつハーブやサプリメントとの併用は、低血圧のリスクを高める可能性がある (94) 。
・加水分解していないダイズ抽出物によりCYP2C9を誘導する可能性がある (94) 。
・利尿薬との併用は、利尿作用を増強する可能性がある (94) 。
・エストロゲンとの併用は、エストロゲンを競合的に阻害する可能性がある (94) 。
・レボチロキシン (甲状腺ホルモン製剤) との併用は、レボチロキシンの吸収を阻害する可能性がある (94) 。
・多量のチラミンを含む発酵ダイズ製品とMAO阻害薬の併用は、高血圧のリスクを高める可能性がある (94) 。
・豆乳はワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4) と相互作用を起こす可能性がある (94) 。
・ダイズタンパク質は食品中の非ヘム鉄の吸収を低下させる可能性がある (94) 。
・フィチン酸を含むダイズ製品とマンガンや亜鉛との併用は、マンガンや亜鉛の吸収を阻害する可能性がある (94) 。
・ダイズイソフラボンと抗生物質との併用は、ダイズイソフラボンの作用を低下させる可能性がある (94) 。
・イソフラボンを含む豆乳と経皮プロゲステロンとの併用は、骨量減少を起こす可能性がある (94) 。
・ダイズタンパク質と緑茶との併用は、カテキン類の生物学的利用能を低下させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1. LD50(半数致死量)
・発酵ダイズ抽出物 (イソフラボンアグリコン420.2mg/g含有) を投与:ラット経口4 g/kg以上 (2003180749) 。
・ダイズ油エポキシ化脂肪酸を投与:ラット経口 40 g/kg (91) 。
2. TDLo (最小中毒量)
・ベジタブルオイル (ダイズ油) 臭素付加物を投与:ラット経口9 g/kg、19 g/kg、27 g/kg (91) 。
・ダイズ油を投与:ラット経口 299.25 g/kg、マウス経口 (継続的) 168 g/kg/20週 (91) 。
・酸化ダイズ油を投与:マウス経口 (継続的) 1,168 g/kg/26週、2,336 g/kg/1年 (91) 。
・可溶化ダイズ繊維を投与:ラット経口 (継続的) 26.67 g/kg/3週、44.45 g/kg/5週、114.3 g/kg/90日、39.06 g/kg/3週、167.4 g/kg/90日、18.9 g/kg/2週、121.5 g/kg/90日、58.8 g/kg/4週、189 g/kg/90日 (91) 。
・ダイズ粗抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 85.3 g/kg/13週、170.6 g/kg/13週 (91) 。
3. その他
・動物実験 (ラット) において、ダイズ抽出物 (イソフラボンアグリコン発酵物420.2mg/g含有) を90日間投与したところ、140 mg/kg以上で体重減少、1,000 mg/kgで雄の腹側前立腺、上皮過形成、分泌液の欠乏、上皮細胞の分泌過多が認められた (2003180749) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・ダイズタンパク質を適切に摂取する場合おそらく安全であり、ダイズ抽出物を短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、長期間、多量に摂取する場合は危険性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中に通常の食事に含まれる程度摂取する場合は、おそらく安全であるが、ダイズに含まれるイソフラボンはエストロゲン様活性を示すため、妊娠中の多量摂取は胎児の発育に影響する可能性があり、危険性が示唆されているため、摂取を避けること。
・膀胱がんリスクの高い人および膀胱がんの既往歴のある人は、ダイズ製品の摂取により膀胱がん発症リスクを高める可能性があるため、摂取を避けること。
・膀胱がんリスクの高い人および膀胱がんの既往歴のある人、腎臓結石の既往歴のある人および結石リスクの高い人、腎不全患者、甲状腺機能低下症患者、糖尿病患者、子どもの嚢胞性線維症患者、乳がん患者、子宮内膜がん患者の摂取は注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントの利用は控えること。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他の有効性については、信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(58) The Complete German Commission E Monographs
(PMID:12822960) J. Agric. Food Chem., 51: 4146-4155, 2003.
(PMID:9848519) Am. J. Clin. Nutr., 68: 1474S-1479S, 1998.
(PMID:9784181) Anal. Biochem., 264: 1-7, 1998.
(PMID:9848520) Am. J. Clin. Nutr., 68: 1480S-1485S, 1998.
(PMID:11573864) Ann Pharmacother 2001;35:1118-21.
(PMID:8092092) Am J Clin Nutr 1994;60:567-72.
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