健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ナットウ (納豆)、ナットウ菌 [英]Fermented soybeans、Hay bacillus、Glycine max (L.) MERR. [学名]Bacillus subtilis

概要

ナットウは、ダイズをナットウ菌により発酵させたもので、ビタミン類などの栄養素を豊富に含んでいる。ナットウに含まれるナットウキナーゼという酵素が健康食品の素材として使用されている。


●有効性
俗に、「ダイエットに良い」「免疫力を高める」「血液をサラサラにする」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
ナットウを通常の食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼをサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。妊娠、授乳中のサプリメントなど濃縮物の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断での摂取は控えること。出血性疾患患者、低血圧患者におけるナットウキナーゼの摂取は注意が必要であるため、自己判断での摂取は避けること。


●摂取してはいけない人 (禁忌)
ワルファリン (抗凝固薬) を投与されている患者



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法規・制度

■食薬区分
・納豆菌の発酵ろ液:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■食品添加物
・既存添加物
 納豆菌ガム (納豆菌粘質物/ポリグルタミン酸):増粘安定剤、製造用剤
・天然香料基原物質リスト
 ナットウ (納豆) が収載されている。

■特定保健用食品
・ビタミンK2 (ナメキノン-7) を関与成分とし納豆菌の働きにより、「骨タンパク質の働きを高める」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

脂質、タンパク質、ビタミン類、ナットウキナーゼを含む。

分析法

調べた文献の中に見当たらない。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
【機能性表示食品】 正常高値血圧またはI度高血圧の成人73名 (20〜80歳、試験群39名、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ナットウキナーゼ2,000 FU (フィブリン分解ユニット) /日を8週間摂取させたところ、拡張期および収縮期血圧、血漿レニン活性の低下が認められた。一方、血中ACE活性に影響は認められなかった (PMID:18971533)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

一般情報
・ビタミンK2 (メナキノン-7) を関与成分とし、納豆菌の働きにより、「骨タンパク質の働きを高める」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・ナットウを通常の食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼをサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
<妊婦・授乳婦>
・ナットウを通常の食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼをサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらないため、自己判断での摂取は控えること。
<小児>
・ナットウを通常の食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼをサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
<病者>
・出血性疾患患者におけるナットウキナーゼの摂取は、出血のリスクを高める可能性があるため、注意が必要である (94) 。
・低血圧患者におけるナットウキナーゼの摂取は、血圧が下がり過ぎる可能性がある (94) 。
・ナットウキナーゼは、過度の出血を引き起こす、もしくは血圧に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。

<被害事例:国内>
【ナットウ摂取によるアレルギーに関する被害事例】
・小児喘息の既往歴がある27歳男性 (日本) が、全身の蕁麻疹、呼吸困難、意識消失を2回経験し、ナットウを含む食事を摂取 (摂取量不明) した約9時間後に、頸部掻痒、全身の潮紅、蕁麻疹、呼吸困難、吐き気を生じて意識消失し、意識回復後に受診。経過観察中にナットウを含む食事を摂取し、8時間後に同症状が出現したことから、ナットウ摂取によるアナフィラキシーと診断された (2005068188) 。
・気管支喘息、エビ、サバのアレルギーがある22歳男性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した数時間後のアナフィラキシー症状 (蕁麻疹、呼吸困難、胸痛) 発症を3回経験し、経口食物負荷試験によりナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (2006260952)。
・アトピー性皮膚炎の既往歴がある12歳男児 (日本) が、ナットウを100 g以上摂取した1〜14時間後のアナフィラキシー症状 (全身蕁麻疹、口唇および顔面浮腫、血圧低下、下痢、発赤) の発症を4回経験した。プリックテストにより、ダイズや他のダイズ製品による反応は認められなかったが、ナットウおよびナットウ抽出物で陽性であったため、ナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:20958875)
・熱性けいれんの既往歴がある7歳男児 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した翌日のアナフィラキシー症状 (掻痒、蕁麻疹、意識低下、血圧低下) の発症を3回経験した。プリックテストおよび経口食物負荷試験により、製造後時間が経過したナットウの摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (2011281178) 。
・頻回の蕁麻疹発症経験があり、アニサキスアレルギーにより抗アレルギー剤 (詳細不明) を服用中の58歳男性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した10、15時間後の蕁麻疹発症を2回経験し、プリックテストと特異的IgE検査により、ナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (2008338488) 。
・42歳男性 (日本) が、夕食にナットウを摂取 (摂取量不明) した翌日のアナフィラキシー症状 (蕁麻疹、呼吸困難、意識消失) の発症を繰り返し経験した。プリックテストでナットウの豆、粘質物、抽出液、培養ナットウ菌に陽性であったことから、ナットウ摂取によるアナフィラキシーと診断された (2010068141) 。
・花粉症の既往歴がある29歳男性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した数時間後のアナフィラキシー症状 (蕁麻疹、悪心、嘔吐) の発症を2回経験した。プリックテストおよび負荷試験により、ナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (2010176459) 。
・胃潰瘍の既往歴、ブチルスコポラミン臭化物の服用によるアナフィラキシー経験がある72歳女性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した30分後に全身の掻痒、心窩部痛、吐き気を生じ、ナットウ摂取による即時性アナフィラキシーと診断された (PMID:25156557)
・26歳男性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) した数時間後のアナフィラキシー症状 (蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下) の発症を2回経験した。プリックテストにより、ナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:25201569)
・高脂血症の既往歴があり、魚、ナットウ摂取後の蕁麻疹発症経験がある34歳男性 (日本) が、ナットウを摂取 (摂取量不明) し、スキューバダイビングを反復して行っていたところ、摂取約8時間後にアナフィラキシー (蕁麻疹、意識消失、血圧低下) を生じた。プリックテストおよび既往歴より、ナットウ摂取による遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:26380912)

【ナットウキナーゼ摂取による被害事例】
・薬疹、蕁麻疹、卵巣嚢腫、子宮筋腫の既往歴があり、ノルエチステロン (性ホルモン製剤) ・エチニルエストラジオール (性ホルモン製剤:CYP3A4基質) 配合剤を服用中の38歳女性 (日本) が、ナットウキナーゼ含有製品を2日間摂取したところ (摂取量不明) 、倦怠感、肝機能障害を生じた。DLSTにて擬陽性を示したが、DDW-J2004薬物性肝機能障害ワークショップのスコアリングは6点であり、ナットウキナーゼによる薬物性肝障害の可能性が高いと考えられた。摂取中止と加療により一時改善したが再燃し、薬剤起因性自己免疫性肝炎と診断され、加療により改善した (2018112045) 。
・脳卒中の既往歴、高血圧、パーキンソニズムのためアスピリン (抗血小板薬) 、高血圧治療薬 (詳細不明) 、パーキンソン病治療薬 (詳細不明) を服用中の52歳の女性 (台湾) が、脳卒中の再発予防のため、ナットウキナーゼ400 mg/日を7日間摂取したところ、めまい、歩行障害を生じて搬送され、小脳の急性出血が認められた (PMID:18310985)

禁忌対象者

・ナットウはワルファリン (抗凝固薬) を投与されている患者では禁忌である (101) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト試験>
・健康な成人13名 (平均28.5±5.1歳、日本) を対象としたクロスオーバー試験において、ナットウ (1g中ビタミンK1 369 ng、ビタミンK2 (MK-416 ng+MK-7 10,893 ng) 含有) 10 gもしくは30 gを単回摂取させたところ、いずれにおいても摂取4、24、48時間後の血中ビタミンK2濃度が上昇した。一方、トロンボテストの結果、プロテインC、血液凝固因子VII、IX、Xに影響は認められなかった (1998049621) 。

<理論的に考えられる相互作用>
・ナットウはビタミンKを多く含むため、ワルファリン (抗凝固薬) との併用は、ワルファリンの作用を減弱する可能性がある (101) 。
・サプリメントなど濃縮されたナットウキナーゼと、ワルファリンなどの抗凝固薬や、アスピリンなどの抗血小板薬、抗凝固または抗血小板凝集作用があるハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスク高める可能性がある (94) 。
・サプリメントなど濃縮されたナットウキナーゼと、降圧薬、血圧低下作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、血圧を低下させ過ぎるおそれがある (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・ナットウを通常の食品として摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼをサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。
・妊娠、授乳中、ナットウを通常の食事に含まれる量摂取する場合はおそらく安全であるが、ナットウキナーゼサプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらないため、自己判断での摂取は控えること。
・出血性疾患患者、低血圧患者におけるナットウキナーゼの摂取は注意が必要であるため、自己判断での摂取は避けること。
・ワルファリンを投与されている患者は使用禁忌。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(65) Cochran Library
(1998049621) 医薬ジャーナル.1997;33(10):2559-64
(2005068188) 皮膚科の臨床.2004;46(12):1865-9
(2005139553) Journal of Nutritional Science and Vitaminology.2004;50(2):114-20
(2006260952) アレルギー.2006;55(7):832-6
(PMID:19786378) Asia Pac J Clin Nutr. 2009; 18(3):310-7.
(PMID:18310985) Intern Med. 2008;47(5):467-9.
(PMID:20958875) Pediatr Int. 2010 Aug;52(4):657-8.
(2008338488) アレルギーの臨床. 2008; 28(11):963-6.
(2011281178) 小児科臨床. 2011; 64(7):1659-62.
(2010068141) Pharma Medica.2009;27(12):31-4.
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(PMID:25156557) J Dermatol. 2014 Sep;41(9):857-8.
(PMID:25201569) J Dermatol. 2014 Oct;41(10):940-1.
(PMID:18971533) Hypertens Res. 2008 Aug;31(8):1583-8.
(PMID:26380912) Arerugi. 2015 Jun;64(6):816-21.
(2018112045) 高知赤十字病院医学雑誌. 2016; 21(1): 39-44.
(101) Warfarinの適正使用情報 第3版 エーザイ株式会社

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