健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ナットウ (ナットウ菌) [英]Hay bacillus (Glycine max (L.) MERR.) [学名]Bacillus subtilis

概要

ナットウは、大豆をナットウ菌により発酵させたもので、ビタミン類などの栄養素を豊富に含んでいる。ナットウそのものや発酵ろ液にふくまれる酵素ナットウキナーゼが、俗に、「血栓の溶解に関与する」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータがない。ビタミンK2は骨たんぱく質の働きや骨形成を促進安全性については、抗凝血薬 (ワルファリン) を投与されている患者では禁忌。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ナットウ (ナットウ菌/納豆菌の発酵ろ液) は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・納豆菌粘質物 (納豆菌ガム) は既存添加物としての使用が認められている (78) 。
・ビタミンK2を関与成分とし「骨タンパク質の働きを高める」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

脂肪、タンパク質、ビタミン類、ナットウキナーゼ。

分析法

調べた文献の中に見当たらない。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・脂質異常症患者46名 (平均53.7±10.0歳、試験群36名、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ナットウキナーゼ200 mg/日を単独もしくはベニコウジ1,200 mg/日と併用で6ヶ月間摂取させたところ、併用群でのみ、血中総コレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比の減少が認められたという予備的な報告がある (PMID:19786378)
・高血圧予備群の男女86名 (試験群44名、平均47.6±1.78歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ナットウキナーゼ2,000 FU (フィブリン分解ユニット) /日を8週間摂取させたところ、拡張期および収縮期血圧、血漿レニン活性の低下が認められたが、血漿ACE活性に影響は認められなかった (PMID:18971533)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

一般情報
・ビタミンK2を関与成分とし「骨タンパク質の働きを高める」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
その他
・48名の健康な人で行った臨床試験の結果、ビタミンK2を含むナットウを14日間摂取したところ、1,295μg/100g、1,730μg/100g (ビタミンK2/ナットウ) を摂取した群では、骨の形成を助けるオステオカルシンの血中濃度が有意に上昇していたという報告がある (65) 。
・更年期前の健康な女性73名 (平均33.5歳、試験群55名、日本) を対象に、ビタミンK2を270μg含むナットウ30 gを月1回〜週3回、昼食時に1年間摂取させたところ、骨剛性指数に差は認められなかったが、週3回摂取すると、Ca/Cr比が改善し、骨形成マーカー減少の危険が低下した (2005139553) 。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれる量で使用する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性は十分な情報が見当たらない。
<妊婦・授乳婦>
・通常の食品に含まれる量で使用する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性は十分な情報が見当たらない。
<小児>
・通常の食品に含まれる量で使用する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性は十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・小児喘息の既往歴がある27歳男性 (日本) が、全身の蕁麻疹、呼吸困難、意識消失を2回経験し、経過観察中にナットウを含む昼食を摂取し、8時間後に同症状が出現したことから、ナットウによるアナフィラキシーと診断された (2005068188) 。
・気管支喘息やエビ、サバのアレルギーがある22歳男性 (日本) が、夕食にナットウを摂取し翌朝にアナフィラキシー症状が出現したことが3回あり、食物負荷テストによりナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (2006260952)。
・アトピー性皮膚炎の既往歴がある12歳男児 (日本) が、夕食にナットウを100 g以上摂取したことがそれぞれ別の日に4回あり、4回とも摂取1〜14時間後に蕁麻疹の頻発およびアナフィラキシーを発症した。プリックテストにより、大豆や他の大豆製品による反応は認められなかったが、ナットウおよびナットウ抽出物で陽性であったため、ナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:20958875)
・アレルギーの家族歴のある7歳男児 (日本) が、ナットウを摂取した (摂取量不明) 翌日にアナフィラキシーを起こしたことが3回あった。プリックテストにより、大豆や製造早期のナットウでは反応は認められなかったが、製造後時間が経過したナットウの摂取で膨疹径が大きく、負荷試験により、ナットウ遅発性アナフィラキシーと診断された (2011281178) 。
・58歳男性 (日本) が、2年前より膨疹を繰り返し、朝食にナットウを摂取した日の夕方から夜に蕁麻疹が出現したことが2回あったこととプリックテストによりナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (2008338488) 。
・数年前より夕食にナットウを摂取した翌日に蕁麻疹、呼吸苦、意識消失を経験していた42歳男性 (日本) がプリックテストを行ったところ、ナットウの豆およびネバネバした部分が強陽性、ナットウ抽出液、ナットウ菌をブドウ糖寒天培地で培養したものが陽性、ダイズおよびナットウ菌は陰性であった。ナットウの摂取中止により症状が出現しなくなったため、ナットウによるアナフィラキシーと診断された (2010068141) 。
・花粉症の既往歴がある29歳男性 (日本) が、運動後に膨疹、悪心、嘔吐が出現し、医療機関を受診。アレルゲンは特定できなかったが、ナットウ摂取後のアナフィラキシーまたは蕁麻疹を数回経験しており、プリックテストにおいてナットウで陽性、負荷試験においてナットウ摂取6時間後に血圧低下を伴うアナフィラキシーが生じたため、ナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (2010176459) 。
・胃潰瘍およびブチルスコポラミン臭化物の服用によるアナフィラキシー歴のある72歳女性 (日本) が、ナットウを摂取し30分後に全身の痒み、心窩部痛、吐き気を伴う即時性アナフィラキシーを発症した (PMID:25156557)
・26歳男性 (日本) が、朝食にナットウを摂取したところ、7時間以上後にアナフィラキシーを生じ、ナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:25201569)
・34歳男性 (日本) が、朝食にナットウを摂取し、スキューバダイビングを反復して行っていたところ、アナフィラキシーを生じた。プリックテストの結果および既往歴より約8時間前に摂取したナットウによる遅発性アナフィラキシーと診断された (PMID:26380912)
・脳卒中歴があり、抗高血圧薬、アスピリン (100 mg/日) 、抗パーキンソン薬を摂取していた52歳の女性 (台湾) が、ナットウキナーゼ400 mg/日を7日間摂取し、小脳の急性出血を再発した (PMID:18310985)
・薬疹、蕁麻疹の既往歴のある38歳女性 (日本) がナットウキナーゼ含有製品を2日間摂取したところ、倦怠感、肝機能障害を生じた。薬物リンパ球刺激試験 (DLST) にて擬陽性を示したが、薬物肝障害診断スコア (DDW-J 2004 score) は6点であり、ナットウキナーゼが原因の薬物性肝障害と考えられた。摂取中止、加療を行ったが、蔓延、再燃し、自己免疫性肝炎と診断された (R421500009) 。

禁忌対象者

・ワルファリンを投与されている患者では禁忌である (101) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健常者13名 (22〜37歳、日本) に、ナットウ (ビタミンK1 369 ng/g、MK-7 10,893 ng/g含有) 10 gもしくは30 gを単回摂取させたところ、10 g摂取、30 g摂取共に血中ビタミンK2 (MK-7) 濃度が4時間後から上昇し、48時間後でも高値を維持していたため、ワルファリン凝固療法中はナットウの摂取を制限する必要がある (1998049621) 。

<理論的に考えられる相互作用>
・ビタミンKを含むため、ワルファリンなどの抗凝固薬の作用を減弱する可能性があるので注意する。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれる量で使用する場合はおそらく安全であるが、サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性は十分な情報が見当たらない。
・ワルファリンを投与されている患者では禁忌である。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他、ヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(65) Cochran Library
(1998049621) 医薬ジャーナル.1997;33(10):2559-64
(2005068188) 皮膚科の臨床.2004;46(12):1865-9
(2005139553) Journal of Nutritional Science and Vitaminology.2004;50(2):114-20
(2006260952) アレルギー.2006;55(7):832-6
(PMID:19786378) Asia Pac J Clin Nutr. 2009; 18(3):310-7.
(PMID:18310985) Intern Med. 2008;47(5):467-9.
(PMID:20958875) Pediatr Int. 2010 Aug;52(4):657-8.
(2008338488) アレルギーの臨床. 2008; 28(11):963-6.
(2011281178) 小児科臨床. 2011; 64(7):1659-62.
(2010068141) Pharma Medica.2009;27(12):31-4.
(2010176459) 西日本皮膚科.2010;72(2):180-1.
(PMID:25156557) J Dermatol. 2014 Sep;41(9):857-8.
(PMID:25201569) J Dermatol. 2014 Oct;41(10):940-1.
(PMID:18971533) Hypertens Res. 2008 Aug;31(8):1583-8.
(PMID:26380912) Arerugi. 2015 Jun;64(6):816-21.
(R421500009) 高知赤十字病院医学雑誌. 2016; 21(1): 39-44.
(101) Warfarinの適正使用情報 第3版 エーザイ株式会社

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