健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

セイヨウオオバコ、オニオオバコ、トウオオバコ、プランテーン [英]Plantain、 Common Plantain、 Great Plantain [学名]Plantago major L.

概要

オオバコは、オオバコ科オオバコ属の植物で、世界各国に広汎に分布している。世界には200種ほどのオオバコがあり、地域によって使用するオオバコの種類は異なるが、いずれも古くから民間薬として利用されてきた経緯がある。この項はセイヨウオオバコについて記載する。その他、オオバコ属に関連する情報は (オオバコ属) を参照。セイヨウオオバコは、ヨーロッパ原産で、日本のオオバコよりも大きく、草丈が60 cmに達する植物である。葉菜の一つとして食用に利用されている。日本薬局方では生薬の車前草 (シャゼンソウ) にオオバコの全草が利用されているが、中国や欧米ではセイヨウオオバコも基原植物に含めている。


●有効性
俗に、「咳によい」「尿の出をよくする」などと言われているが、人においては信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
葉を適切に用いた場合、安全性が示唆されているが、多量摂取により下痢や血圧降下を起こす可能性がある。また、オオバコ葉の摂取は子宮収縮を誘発する可能性があり、妊娠中についてはおそらく危険である。オオバコアレルギーを有する人には使用禁忌。



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法規・制度

■食薬区分
・全草:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・全草にはイリドイド配糖体であるオークビン (aucubin) 、フラボノイドであるプランタギニン (plantaginin) 、プランタギン (plantagin) 、ホモプランタギニン (homoplantaginin) のほか、ウルソール酸、ヘントリアコンタン、β-シトステロール、スチグマステロール、アスコルビン酸、クエン酸、ビタミンK、β-カロテン、カルシウムを含む。種子にオークビン、プランテノール酸、プランタサン、アデニン、コリン、コハク酸などを含む。

分析法

・オオバコ属中のイリドイド配糖体をミセル動電クロマトグラフィーにより定量分析した報告がある (PMID:15018047)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・多量摂取により下痢や血圧降下を起こす可能性がある (101) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・理論上、オオバコ属植物の花粉は、メロンアレルギーを持つ人において交差アレルギーをおこす可能性がある (PMID:7545882)

<被害事例>
・2歳女児 (イギリス) が尿路感染症のためにハーブティー (ブッコ、シバムギ、ビロードアオイ、セイヨウオオバコ含有) を摂取したところ (摂取量不明) 、翌日に排尿障害および多尿症を起こした (PMID:23239780)
・36歳男性と45歳女性 (トルコ) が、足にセイヨウオオバコ葉を塗布し、その部位を布で覆ったところ、6〜12時間後にびらんや灼熱感を伴う紅斑、浮腫、水疱形成、表層壊死などを生じ、セイヨウオオバコによる急性の刺激性接触皮膚炎と診断された (PMID:19338603)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・オオバコにはビタミンKが含まれるため、ワルファリンなど抗凝固薬の作用を減弱させる可能性が考えられる (102) 。

動物他での
毒性試験

1. LD50 (半数致死量)
・オオバコ葉抽出物を投与:ラット腹腔内1,350 mg/kg、マウス腹腔内4,700 mg/kg (91) 。
2. TDLo(最小中毒量)
・オオバコジュースを投与:マウス経口 (間欠的) 35mL/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・葉を適切に摂取する場合は安全性が示唆されているが、多量摂取により下痢や血圧降下を起こす可能性がある。また、オオバコ葉の摂取は子宮収縮を誘発する可能性があり、妊娠中はおそらく危険である。
・オオバコアレルギーを有する人には使用禁忌。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献中に信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(7) 中薬大辞典 小学館
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第1版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(101) Newall CA, Anderson LA, Philpson JD. Herbal Medicine: A Guide for Healthcare Professionals. London, UK: The Pharmaceutical Press, 1996.
(102) Brinker F. Herb Contraindications and Drug Interactions. 2nd ed. Sandy, OR: Eclectic Medical Publications, 1998.
(PMID:15018047) Z Naturforsch C J Biosci. 2004 Jan-Feb;59(1-2):27-31.
(PMID:7545882) Allergy. 1995 Mar;50(3):269-73.
(PMID:19338603) Contact Dermatitis. 2009 Apr;60(4):237-9.
(PMID:23239780) BMJ Case Rep. 2012 Dec 13;2012.

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