健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

プラセンタ、胎盤 [英]Placenta [学名]-

概要

プラセンタは、哺乳類の胎盤で、母体の子宮内腔に形成され母体と胎児の臍帯を連絡する器官である。呼称が類似した成分として、魚の卵巣膜より抽出した『海洋性プラセンタ』『マリンプラセンタ』、植物の胎座(placenta)より抽出した『植物性プラセンタ』などがあるが、ここでは哺乳類の胎盤について扱う。
プラセンタは母体から胎児へ酸素や栄養素を供給し、胎児からの老廃物を母体へわたすほか、造血、タンパク質合成、ホルモン分泌などの機能も担う。
ヒト由来のプラセンタは「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」であるため食品には使えない。健康食品の素材としては、ブタ、ヒツジ、ウマのプラセンタから成分を抽出したエキスおよびそれを凍結粉末化したエキス純末が使用されている。


●有効性
俗に、「更年期障害を和らげる」「冷え性を改善する」「貧血を改善する」「美容によい」「強壮・強精に効く」などと言われているが、ブタ、ヒツジ、ウマ由来プラセンタの人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない。


●安全性
プラセンタエキスには、様々な成分が含まれているとされているが、活性成分の本体は明確になっていない。プラセンタエキスに含まれている成分の中には摂取して消化管で分解されるものもある。摂取により、アレルギーを起こした事例が報告されている。また、プラセンタエキスは、感染のない健康な家畜から採取して衛生的に製造加工されていることなど、原材料や製品としての衛生管理に留意する必要がある。



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法規・制度

■食薬区分
・胎盤 (シカシャ) ヒト胎盤:「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に該当する。
・胎盤 (ウシ/ヒツジ/ブタ) ウシ、ヒツジ、ブタの胎盤:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

・サプリメントの原材料として以前はウシの胎盤が使用されていたが、日本国内でウシ伝達性海綿状脳症 (BSE) が確認されたことから安全性が問題視され (101) (102) 、現在ではウシの胎盤は使用されていない。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・プラセンタエキスは、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸等の生理活性成分を含むとされている。しかし、ホルモン、酵素、成長因子、サイトカイン等の大きなタンパク質は、摂取した場合に消化・分解されるため、生理活性はないとされている (PMID:24313619)
・プラセンタエキスには、プラセンタの構造体であるタンパク質の加水分解物としてのペプチド、アミノ酸が豊富に含まれており、これらのペプチド中には生理活性を示すものもあるとされている (2021210615) 。

分析法

・豚プラセンタのアミノ酸を高速アミノ酸分析計により、性ホルモン (エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン) を125I RIA測定キットにより、残留抗生物質をシンチレーションカウント法により測定した報告がある (104) 。
・医薬部外品原料規格2021では、医薬部外品原料としてのブタまたはウシのプラセンタエキスに含まれる窒素 (N:14.01) 量を、セミミクロケルダール法、アルカリフォスファターゼ力価を比色法により規定している (106) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・健康な女性19名 (20歳以上、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、プラセンタ抽出物200 mg/日を4週間摂取させたところ、睡眠の質 (ピッツバーグ睡眠質問票) 、気分の評価 (POMS) 、慢性疲労症候群 (Cancer Fatigue Scale) に影響は認められなかった (2019266132) 。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

一般情報
・ヒト由来の胎盤 (紫河車<シカシャ>) は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない。理論上、食肉由来の人獣共通感染症リスクが否定できないため、感染のない家畜から採取された胎盤が使用され、衛生的に製造加工されていることが重要である (105) 。
・ウシ伝達性海綿状脳症(BSE)の問題から、反芻動物 (ウシ・ヒツジ) の胎盤は安全性が懸念される (101) (102) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例:国内>
・小児ぜんそくとアトピー性皮膚炎の病歴があり、掻痒性皮疹を治療中の22歳男性 (日本) が、症状緩和のため牛プラセンタエキスを含む製品を摂取したところ (詳細不明) 、皮疹が悪化。プラセンタエキスのスクラッチパッチテストおよび内服誘発試験が陽性であったため、プラセンタエキスを含む健康食品が増悪因子の一つとなった成人型アトピー性皮膚炎と診断された (2002185402) 。
・41歳女性 (日本) が、プラセンタエキスを20 mg×2回/日、10日間摂取したところ、眼瞼に紅斑が出現した後、プラセンタエキス摂取量を40 mg×2回/日に増量し、併せてプラセンタエキスを含む美容液を外用したところ、全身の紅斑および下腿の浮腫が出現。5ヶ月後に摂取および外用を中止したところ、症状が軽快した。パッチテストにおいてプラセンタエキスが陽性であったため、プラセンタエキスによる接触皮膚炎と診断された (1999153699) 。
・70歳女性 (日本) が、3年前より若返りを目的としてプラセンタエキスを摂取 (摂取量等の詳細不明) および1回/週の皮下注射を行っていたところ、初診の2ヶ月前より両下腿に皮膚硬化が生じ、次いで腹部、胸部、腰部、上肢まで拡大した。皮下注射部位には皮膚硬化は見られなかったが、プラセンタエキスの摂取および注射を中止し、薬物治療により回復したため、プラセンタエキスの関与が疑われる全身性斑状強皮症と診断された (2009349680) 。
・52歳女性 (日本) が健康増進目的で豚プラセンタエキス含有サプリメントを2年前より摂取していたところ (摂取量不明) 、湿性咳嗽、微熱が1ヶ月間継続したため受診。クラリスロマイシン (抗生物質) と解熱鎮痛剤を服用したが改善せず、1ヶ月後に検査を行ったところ肺に炎症が認められた。DLSTの結果、プラセンタが陽性を示したためプラセンタによる薬剤性好酸球性肺炎と診断され、摂取中止により回復した (2016072325) 。
・61歳女性 (日本) がプラセンタサプリメントを摂取したところ (期間、摂取量不明) 、呼吸困難感を訴え受診。検査所見より自己免疫性肺胞蛋白症と診断され、摂取中止により改善した (2016383214) 。
・45歳女性 (日本) が、滋養強壮のために豚プラセンタエキス含有サプリメントを約1年間摂取していたところ (摂取量不明) 、健康診断で腫瘍マーカー (CA19-9) が異常高値を示し、サプリメントの摂取中止により改善した (2018029422) 。

<被害事例:海外>
・新生児 (アメリカ) が、早期型B群溶血性連鎖球菌に感染し、抗生物質によって完治したが、5日後に再感染が確認された。母親が、自身の胎盤を加熱乾燥処理したカプセルを業者に依頼して調製し、出産3日後より2個×3回/日摂取しており、当該品からB群溶血性連鎖球菌が検出され、摂取中止と加療によって改善した (PMID:28662016)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・調べた文献に十分なデータが見当たらないが、アレルギーを起こした事例が報告されている。
・ヒト由来の胎盤 (紫河車<シカシャ>) は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(1999153699) 日本皮膚科学会雑誌. 2001;109:197-198.
(2009349680) 皮膚科の臨床.2009;51(9):1137-40
(2002185402) 皮膚 2001;43 Suppl.23:53-57.
(101)平成13年10月16日 医薬審発第1434号 ウシ等由来成分を原料として製造される医薬品、医療用具等の 品質及び安全性確保の強化に係る承認申請等の取扱いについて
(102)平成十五年五月二十日 厚生労働省告示第二百十号
(104) J Food Sci Nutr. 2007;12:89-94.
(105) 厚生労働量ウェブページE型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A
(PMID:24313619) Climacteric. 2014 Aug;17(4):370-6.
(2016072325) 日呼吸誌. 2015;4 (6):464-7.
(PMID:28662016) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2017 Jun 30;66(25):677-678.
(2016383214) 気管支学. 2016;05(0287-2137)38巻Suppl:S333.
(2018029422) 日本女性医学学会雑誌. 2017;25(suppl):215.
(2021210615) 日本補完代替医療学会誌. 2020;17(2):99-104.
(106) 厚生労働省医薬食品局 医薬部外品原料規格2021
(2019057572) 薬理と治療. 2018;46(6):1023-1034.
(2019266132) 新薬と臨牀. 2019;68(6):781-93.

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