健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]-

概要

メラトニンは松果体で分泌されるホルモンであり、アミノ酸のトリプトファンからセロトニンを経由して合成される生理活性アミン誘導体である。メラトニンの合成は昼間 (明期) に抑制され、夜間 (暗期) は促進されるというように明暗サイクルと関連している。このことからメラトニンは、睡眠・覚醒周期などの生体の日内リズムや内分泌系を制御する働きをもつと考えられている。またメラトニンは視床下部でのゴナドトロピン放出ホルモンの分泌抑制を介して結果的に性腺刺激ホルモン合成を抑制し、生殖腺の機能や発育を抑制する。海外ではサプリメントとして市販されているが、日本では食品として製造、輸入、販売することは法律で認められていない。俗に、「眠りを助ける」「時差ボケによい」「若返り効果がある」「免疫力を高める」「ストレスを軽減させる」「抗がん作用がある」などと言われているが、睡眠障害などに対して有効性が示唆されているものの、医薬品に区分される成分であり、作用が強いため、医療従事者の管理下で使用する必要がある。安全性については、適切に短期間摂取した場合おそらく安全であるが、妊娠中の摂取は危険性が示唆されており、授乳中の摂取は十分な情報がないため避ける。また小児では生殖腺の発達に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要である。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・メラトニン (松果体ホルモン) は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・N-acetyl-5-methoxytryptamine (94) 。
・C13H16N2O2、分子量232.28 (32) 。

分析法

・LCECとLC/MS/MSにより分析した報告がある (102) 。
・HPLCFD (励起波長285 nm、蛍光波長348 nm) とMSにより分析した報告がある (PMID:12726883)
・GC/MSにより分析した報告がある (PMID:10191939) (PMID:10477902)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・高血圧や血小板減少症に対して、有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2010年12月までを対象に1つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験7報について検討したメタ分析において、メラトニンの摂取 (5報) は夜間の血圧に影響を与えなかったが、徐放性メラトニン剤 (3報) のみの解析においては夜間血圧の低下が認められた (PMID:21966222)
RCT
・心臓手術を受ける患者50名 (試験群26名、平均66±10歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、手術中にメラトニン50 mgを静脈点滴し、手術後3日間、メラトニン10 mg/日を摂取させたところ、血中の酸化・炎症指標 (マロンジアルデヒド、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、CRP) の濃度に影響は認められなかった (PMID:20638874)


消化系・肝臓

RCT
・メサラジン2 g/日を服用中の寛解期の左側潰瘍性大腸炎患者60名 (試験群30名、平均35.6±11.4歳、ポーランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、メラトニン5 mg/日を12ヶ月間併用させたところ、症状の悪化 (The Mayo Clinic Disease Activity Index) や血中CRP濃度の上昇を抑制した (PMID:21893693)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

一般情報
・子宮内膜症に対して、有効性が示唆されている (94) 。
・不妊症に対して、効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2013年4月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、不妊治療を受けている女性による調節卵巣刺激中のメラトニン摂取は、妊娠率 (5報) 、採卵数 (5報) に影響を与えず、また、流産 (2報) および卵巣過剰刺激症候群 (1報) のリスクにも影響を与えなかったが、いずれも試験の質が低かった (PMID:24182414)
RCT
・更年期障害のある閉経後女性240名 (試験群120名、平均52.85±4.26歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日を3ヶ月間摂取させたところ、更年期障害指標 (Greene Climacteric Scale) の改善が認められた (PMID:26060703)
・子宮内膜症の患者40名 (試験群20名、平均36.76±6.4歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン10 mg/日を8週間摂取させたところ、痛みの自覚症状 (慢性骨盤痛、月経、性交、排便、排尿時痛) および睡眠の質の改善、鎮痛剤使用頻度の減少、血清BDNF (brain-derived neurotrophic factor: 脳由来神経栄養因子) 濃度の低下が認められた (PMID:23602498)

脳・神経・
感覚器

<睡眠>
一般情報
・視覚障害者における概日リズム睡眠障害に対して、おそらく有効である (94) 。米国のFDA (食品医薬品局) はこの目的での使用をオーファンドラッグとして承認している (94) 。
・睡眠周期障害や睡眠相後退症候群に対して、おそらく有効である (94) 。
・不眠症やβ-ブロッカー誘発性不眠症に対して、有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2010年10月までを対象に6つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験5報について検討したメタ分析において、自閉症スペクトラム障害児のメラトニン摂取により、睡眠時間の増加と入眠潜時の減少が認められたが、夜間覚醒の減少は認められなかった (PMID:21518346)
・2003年12月までを対象に1つのデータベースで検索できた二重盲検無作為化プラセボ比較試験17報について検討したメタ分析において、メラトニンの摂取は睡眠潜時 (11報) の減少と睡眠効率 (7報) 、総睡眠継続時間 (8報) の増加に関連が認められた (PMID:15649737)
RCT
・睡眠障害のある少年男女21名 (14〜19歳、スウェーデン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン1 mg/日を16:30〜18:00に6日間摂取させたところ、平日の睡眠開始時間、起床時間が早まり、睡眠時間の増加、夕方の眠気の減少が認められた (PMID:23005039)
・睡眠障害を訴える透析患者67名 (試験群33名、平均65.5±11.7歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、QOL (MOS-SF) 、睡眠の質 (睡眠潜時、睡眠効率、睡眠時間) に影響は認められなかった (PMID:23432361)
・慢性疾患や不眠症の高齢者12名 (平均76±8歳、イスラエル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン2 mg/日を就寝2時間前に3週間摂取させたところ、睡眠効率の増加と客観的中途覚醒時間の減少が認められたが、睡眠潜時や総睡眠時間に影響は認められなかった (PMID:7658780)
・50歳以上の不眠症患者 (15名、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、就寝30分前にメラトニン0.1 mg/日、0.3 mg/日、3.0 mg/日を1週間摂取させたところ、全ての摂取量で睡眠効率に改善が認められたが、その他の睡眠の指標には影響は認められなかった (PMID:11600532)
・睡眠相後退症候群の青年40名 (ノルウェー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日摂取 (試験群10名、平均21.2±2.7歳) または高照度の光照射条件下での摂取 (試験群10名、平均20.3±3.3歳) で2週間摂取させたところ、メラトニン摂取による眠気、疲労度、α波減衰率、認知機能への影響は認められなかった (PMID:24132057)
・アルツハイマー病患者41名 (平均82.9±7.0歳、試験群24名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン (即効型8.5 mg、遅効型1.5 mg) を毎晩10時に10日間摂取させたところ、睡眠時間、概日リズム、興奮症状などに影響は認められなかった (PMID:19155748)
・健康な中年男女15名 (平均53.9歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、就寝2時間前にメラトニン0.3 mg、1 mgを単回摂取させたところ、1 mg摂取群で実質睡眠時間、睡眠効率、レム睡眠潜時の増加が認められたが、0.3 mg群では影響は認められなかった (PMID:8856838)
・統合失調症患者19名 (平均42±5歳、イスラエル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン2 mgを3週間摂取させたところ、安静時睡眠効率の改善が認められたが、睡眠の指標5項目全てに影響は認められなかった (PMID:10847313)
<その他>
一般
・時差ぼけに対して、有効性が示唆されている (94) 。
・痴呆やベンゾジアゼピン離脱症候群に対して、効果がないことが示唆されている (94) 。
・うつに対して、おそらく効果がない (94) 。
RCT
・白内障手術を受ける患者60名 (試験群30名、平均63.50±15.28歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mgを手術の60分前に摂取させたところ、術前、術中、術後の主観的な不安感 (VAS) が減少し、手術後の状態の評価が上昇したが、術中、術後の主観的な痛み (VPS) 、心拍数、血圧、眼圧に影響は認められなかった (PMID:23552356)
・慢性の耳鳴りがある患者61名 (平均57.8±10.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日を就寝前に30日間摂取させたところ、耳鳴り症状の抑制および睡眠の質の向上が認められた (PMID:21859051)
・高齢者145名 (平均84.5±6.1歳、試験群72名、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン0.5 mg/日を毎晩14日間摂取させたところ、せん妄の発症リスクが低下した (PMID:20845391)
・股関節手術のため入院した65歳以上の患者378名 (試験群186名、平均84.1±8.0歳、オランダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日を入院初日から5日間 (手術の施行は入院初日または2日目) 摂取させたところ、入院8日目までの、せん妄発症リスク、せん妄症状の持続期間、3ヶ月間追跡後の認知・運動機能、および死亡率に影響は認められなかった (PMID:25183726)
・抗精神病薬およびベンゾジアゼピン服薬中の統合失調症または双極性障害の患者80名 (試験群40名、平均47.4±8.6歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ベンゾジアゼピン服薬量の減量とともにメラトニン2 mg/日を24週間摂取させたところ、認知機能 (BACS) 、幸福感 (WHO、SWN) 、心理社会的機能 (PSP) に影響は認められなかった (PMID:27400927)
・男女20名 (28〜68歳、ニュージーランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、26時間フライトの3日前、フライト中、3日後にメラトニン5 mg/日を摂取させたところ、フライト10日後の睡眠パターン、日中の疲労度、エネルギーレベルに改善が認められた (PMID:2496815)
・国際航空便の客室乗務員52名 (平均34.9歳、ニュージーランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン5 mg/日を到着3日前から着後5日間まで (試験群14名:早期群) 、着後5日間のみ (試験群15名:後期群) 摂取させたところ、後期群では、時差ぼけや疲労感、睡眠尺度、活発な活動に改善が認められたが、早期群では影響は認められなかった (PMID:8513037)
・群発性頭痛の患者20名 (試験群10名、平均38.37歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、夕食時にメラトニン10 mgを14日間摂取させたところ、頭痛頻度および二週目における鎮痛剤の消費量の減少が認められた (PMID:8933994)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・固形がんに対して、有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2011年11月までを対象に5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報について検討したメタ分析において、固形がんに対する化学療法および放射線療法とメラトニン20 mg/日摂取の併用は、腫瘍寛解 (8報) や1年生存率 (5報) の増加、放射線化学療法による副作用 (血小板減少、神経毒性、疲労:各5報) の減少と関連が認められた (PMID:22271210)
RCT
・乳がん既往歴のある閉経後女性95名 (試験群48名、中央値58歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン3 mg/日を4ヶ月間摂取させたところ、乳がんバイオマーカー (エストラジオール、IGF-I、IGFBP-3、IGF-I/IGFBP-3比) に影響は認められなかった (PMID:22370698)
・食欲不振と体重減少が認められた肺または消化器がん患者73名 (試験群38名、平均62歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン20 mg/日を28日間摂取させたところ、食欲、体重、QOL、生存率に影響は認められなかった (PMID:23439759)
・緩和ケアを受け、疲労を訴えている進行性がん患者50名 (33〜89歳、デンマーク) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン20 mg/日を1週間摂取させたところ、疲労度の評価 (MFI-20、EORTC QLQ-C15-PAL) に影響は認められなかった (PMID:26178160)

骨・筋肉

一般
・顎関節症に対して、有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・骨減少症の閉経後女性81名 (試験群40名、平均62.4±3.5歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン1 mg/日または3 mg/日を12ヶ月間摂取させたところ、起立姿勢保持、筋力、QOL、睡眠の質、身体活動、血圧、心拍に影響は認められなかった (PMID:26424587)
・顎関節症の女性32名 (試験群16名、平均32.27±4.65歳、ブラジル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン5 mg/日を4週間摂取させたところ、筋膜疼痛の軽減、鎮痛薬服用量の減少、圧痛閾値と睡眠の質の上昇が認められた (PMID: 23195393)
献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般
・運動パフォーマンス、作業障害、悪液質に対して、効果がないことが示唆されている (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に短期間摂取した場合、おそらく安全である (94) 。
・適切に長期間摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
・摂取により、日中の嗜眠、頭痛、めまい、一過性のうつ症状、軽度の震え、軽度の不安、疝痛、イライラ、錯乱、吐き気、嘔吐、低血圧が起こる可能性がある (94) 。
・メラトニン摂取後4〜5時間は車の運転や機械の操作は避けるべきである (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取は、危険性が示唆されている (94) 。
・授乳中の摂取は、信頼できる情報が十分でないため避ける (94) 。
<小児>
・複数回摂取する場合、危険性が示唆されている (94) 。
・生殖腺の発達に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要である (94) 。
<その他>
・出血性疾患の人は、出血を悪化させる可能性がある (94) 。
・うつ病の人は、精神的不安感が悪化する可能性がある (94) 。
・糖尿病の人は、インスリン抵抗性を増加させる可能性ある (94) 。
・高血圧の人は、血圧が上昇する可能性がある (94) 。
・発作性疾患の人は、偶発発作が増加する可能性がある (94) 。
・移植患者は、免疫抑制治療を妨げる可能性があるため、避ける (94) 。
・ビタミンB12、カフェイン、・セントジョーンズワートとの併用は、血中メラトニン濃度を減少させる可能性がある (94) 。
・ベンゾジアゼピンの長期投与は、内因性のメラトニン濃度を減少させる可能性がある (94) 。
・メラトニンは薬物代謝酵素CYP1A2、CYP2C19で代謝されるため、これらのCYPで代謝される薬物との併用は血中メラトニン濃度を増加させる可能性がある (94) 。
・健康な成人男女7名 (21〜44歳、スウェーデン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、フルボキサミン (抗うつ薬) 50 mgの単回投与は血中メラトニン濃度を増加させたが、シタロプラム (抗うつ薬) 40 mgの単回投与は、血中メラトニン濃度に影響を与えなかった (PMID:10877005)

<被害情報>
・35歳男性 (イタリア) が時差ぼけ防止のためメラトニン3 mgを含むサプリメントを摂取したところ、亀頭に紅斑小水疱性斑が出現し来院。メラトニン1 mg摂取試験を行ったところ、再度、斑が出現したため、メラトニンが原因の発疹と診断された (PMID:9498035) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健康な成人男性12名 (27〜36歳、中国) を対象とした試験において、メラトニン21 mg摂取の1時間前に、ヨロイグサ抽出物1 gを摂取させたところ、メラトニンの代謝を阻害、血中濃度 (AUC、Cmax) 、最高血中濃度到達時間を増加させ、全身クリアランスを低下させた (PMID:27588415)
・健康な成人男性5名 (34〜55歳、ドイツ) を対象とした試験において、メラトニン5 mg摂取の3時間前に、フルボキサミン (抗うつ薬) 50 mg摂取させたところ、メラトニンの代謝を阻害、血中濃度 (AUC、Cmax) を増加させたが、半減期に影響は与えなかった (PMID:10668847)
・ニフェジピン (血管拡張薬:CYP3A4基質) を服用中の高血圧患者50名 (38〜65歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、メラトニン5 mg/日を4週間併用させたところ、収縮期血圧および拡張期の上昇、心拍の増加が認められた (PMID:10792199)
・自動車事故による脳震盪で認知障害を生じた42歳女性 (アメリカ) が、事故数ヶ月後より、うつ病のためフルオキセチン、ブスピロンを服用し始め、イチョウ抽出物、メラトニン、セイヨウオトギリソウ (摂取量不明) を数週間併用したところ、パニック症状の発症、不安、うつ症状の悪化を生じて軽躁病と診断された。イチョウ、メラトニン、セイヨウオトギリソウの使用中止と加療により改善した (PMID:11953006)
<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ダイオウ、紫根、アロエ、Rhizoma Polygoni Cuspidatiは、メラトニンの代謝を阻害した (PMID:27633141)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ジャショウシ、サイシン、ボウフウ、ヨロイグサ、タンジン、Radix Notopterygii、Radix Rubiae Cordifoliae、トウドクカツ、サンシン、ゼンコなどの生薬はメラトニンの代謝を阻害した (PMID:27588415)
<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝血薬、糖尿病治療薬、ベンゾジアゼピン類、中枢神経抑制薬、免疫抑制薬など併用に注意を要する医薬品が多く知られている。
・ワルファリンなどの抗凝血剤や抗血小板薬、抗凝血作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスクを増強させる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬との併用は、インスリン抵抗性を増大させる可能性があるため注意が必要である (94) 。
・アルコールやベンゾジアゼピンなどの中枢神経抑制薬や鎮静作用のあるハーブ、サプリメントとの併用は、治療効果あるいは副作用を増強させる可能性がある (94) 。
・免疫機能を亢進する可能性があるため、免疫抑制剤との併用は、効果を阻害する可能性があるため避ける (94) 。
・抗高血圧薬や血圧低下作用のあるハーブ、サプリメントとの併用は、効果の減弱や血圧を低下させる可能性がある (94) 。
・けいれん閾値低下剤や低下作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、発作リスクが増加する可能性がある (94) 。
・セキナセアとの併用は、免疫機能に悪影響を及ぼす可能性がある (94) 。
・セイヨウニンジンボクとの併用は、メラトニン濃度を上昇させる可能性がある (94) 。
・フルマゼニル (ベンゾジアゼピン拮抗薬) との併用は、メラトニンの作用を阻害する可能性がある (94) 。
・メタンフェタミン (精神神経系用薬) との併用は、副作用を増強させる可能性がある (94) 。
・ベラパミル (血管拡張薬) との併用は、メラトニンの排泄を増加させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・メラトニンを投与:ラット経口3,200 mg/kg以上、マウス経口1,250 mg/kg (91) 。
2. TDLo (最小中毒量)
・メラトニンを投与:ラット経口 200 mg/kg、10 mg/kg、27 mg/kg (91) 。
・メラトニンを投与 (継続的) :ラット経口35.5 mg/kg/91日、300 mg/kg/30日、29165.5 ng/kg/5週 (91) 。
・メラトニンを摂取:ヒト経口0.043 mg/kg 、 (間欠的) ヒト経口0.6 mg/kg/21日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に短期間摂取した場合はおそらく安全であり、長期間摂取した場合は安全性が示唆されている。
・妊娠中の摂取は、危険性が示唆されている。
・授乳中の摂取は、信頼できる情報が十分でないため避ける。
・小児では複数回摂取する場合、危険性が示唆されている。また、生殖腺の発達に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
メラトニンは作用が強いことから、自己判断で利用せず、医療従事者の管理下で使用する必要がある。
・視覚障害者における概日リズム睡眠障害、睡眠周期障害、睡眠相後退症候群に対して、おそらく有効である。
・高血圧、血小板減少症、不眠症、β-ブロッカー誘発性不眠症、時差ぼけ、顎関節症、固形がんに対して、有効性が示唆されている。
・痴呆、ベンゾジアゼピン離脱症候群、運動パフォーマンス、作業障害、悪液質に対して、効果がないことが示唆されている。
・うつに対して、おそらく効果がない。

参考文献

(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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