健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

センナ、アレキサンドリアセンナ、チンネベリセンナ [英]Senna、 Alexandria SennaあるいはTinnevelly Senna [学名]Cassia acutifolia Delile. (和名:アレキサンドリアセンナ) あるいはCassia angustifolia Vahl. (和名:チンネベリセンナ)

概要

センナはアフリカ原産でアラビアからインドに分布するマメ科の常緑低木である。豆果は偏平で長楕円形、暗褐色であり、中に8〜9個の偏平倒卵形の種子を生じる。中国では番瀉葉 (バンシャヨウ、fan xie ye) といい、チンネベリセンナを狭葉番瀉、アレキサンドリアセンナを尖葉番瀉といい、小葉を生薬として用いる。生薬のセンナは有効成分としてセンノシドを含み、古くから下剤として便秘の改善とそれに伴う頭痛、のぼせ、肌荒れ、痔の改善などに使用されてきた。果実・小葉・葉柄・葉軸は医薬品に該当し、食品に使用可能な部位は茎のみである。食品として違法に葉を含有し、ダイエット効果を謳った商品 (茶類) が販売された事例がある。センノシドを含む葉を腹痛また下痢の場合、妊娠中・授乳中に使用する場合は医療従事者に相談し、長期に使用してはならない。ヒトでの安全性・有効性については、医薬品として用いられる葉についての情報であり、食品としての利用が許可されている茎についての情報は見当たらない。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・茎が「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・果実、小葉、葉柄および葉軸が「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・センノシドA、Bが含まれる。センナ葉 (葉軸・葉柄を含む) 、センナ鞘・花・緑の外皮のある茎にはセンノシドが含まれ、センナ種子・根・ 木化した茎にはセンノシドがほとんど含まれないという報告がある (112) 。

分析法

・センノシドAおよびBを、C18カラムを用いてHPLCにより分析した報告がある (PMID:12093522)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

一般情報
・葉および莢 (さや) は便秘に対しておそらく有効である (94) 。臨床データに裏付けられた用途として、葉および果実を慢性でない便秘に短期間用いる (61) (103) (104) 。コッションEでは、葉および莢の便秘への使用が承認されている (58) 。
・治療指針に、不定期の便秘への葉や莢の短期的な使用があげられている (67) (101) 。
RCT
・慢性便秘の3〜12歳の小児 (アメリカ) を対象とした無作為化比較試験において、センナと濃縮鉱物油を比較したところ、6ヶ月でセンナは鉱物油と比べて不随意な大便失禁の減少に影響は認められなかった (25) (PMID:6310075)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・マウスを用いた実験で、水性エキスは経口投与した場合は有効であるが、静脈投与および腹腔内投与した場合は無効である。また、センノシドは投与後、胃および小腸から吸収されることなく、作用部位である大腸にそのまま達して緩下作用を発現する (106) 。

安全性

危険情報

<一般>
・短期間、適切に摂取した場合はおそらく安全である (94) (102) が、下剤依存症、肝毒性などの有害事象が生じる可能性があるため、長期摂取または過剰摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・摂取により腹痛、頭痛、嘔吐、イライラ、不安、血圧上昇もしくは降下、てんかん様発作、アレルギー、尿貯留、痙攣、鼓腸、下痢などが生じる可能性がある (94) (107) (108) 。また、過剰摂取によりテタニーやばち状指、カリウム枯渇、電解質異常、悪液質、血清グロブリン濃度低下、心疾患、筋力低下、骨軟化症、関節鼠、肝炎、昏睡、神経障害、喘息、鼻炎などが生じる可能性がある (94) 。
・慢性的に摂取すると、結腸直腸腺腫やがんのリスク増加には関連せず、摂取中止により回復する偽性大腸黒色症 (腸粘膜にシミができること) が生じる可能性がある (94) 。
・緩下薬を毎日使用しなければならない場合は検査が必要。長期使用は避け、2週間以上にわたる場合は医療従事者に相談すること (67) 。
・果実、小葉、葉柄および葉軸は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) ため、食品に使用することは認められていない。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中に葉および莢を使用して有害事象が生じたという報告はない。しかしアントラノイド類 (anthranoids) のいくつかは遺伝毒性が知られているので、妊娠初期の摂取は避ける (67) 。妊娠中の葉および果実の摂取は、食事内容の変更および繊維性の緩下剤が効かない場合に限る (58) (61) 。
・授乳中の葉、莢、果実の摂取はおそらく安全でないため、摂取は避ける (61) (67) (103) 。乳児への緩下作用は報告されていないという報告もあるが (58) (61) (103) (67) 、アントラキノン類は乳汁中に移行し、乳児で軟便が起きるという報告もある (102) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
センナを含む製品による薬疹が報告されている。
・59歳女性 (日本) が、便秘のためにセンナ茶を不定期に摂取していたところ (摂取量等不明) 、皮疹が出現、摂取中止および加療により軽快していたが、再摂取 (摂取量不明) により皮疹が再燃したため、センナ茶による苔癬型薬疹と診断された (2004010268) 。
・18歳女性 (日本) が、6年ほど前から便秘症のためにセンナ末を摂取していたところ、全身の掻痒感、皮疹が生じて医療機関を受診。DLSTにてセンナ末が陽性であったため、センナ末によるGibert型薬疹と診断された (2001233681) 。
・49歳女性 (日本) が約13年前からセンナを煎じて摂取していたところ、体幹および四肢に掻痒感を伴う小紅斑が出現し医療機関を受診。摂取中止後も1ヶ月程度症状が持続し、また、DLSTおよびパッチテストにおいてセンナは陰性であったが、内服試験により再発および血中好酸球数増加が認められたため、センナによる薬疹と診断された (2011185873) 。

・14歳女児 (日本) が1ヶ月前より痩身目的でセンナ茎末・茎エキス、キダチアロエなどを含む錠剤を1日3錠服用し、前日夕食後に1回10錠を服用たところ、急性腹症 (虫垂炎のように痛みや圧痛を伴い、緊急の手術が必要となるような腹部の重篤な急性疾患) を発症した (2006274130) 。
・おしめかぶれのあるヒルシュスプルング病の14ヶ月齢男児 (アメリカ) が、便秘症の治療にセンナ2.125 mL/日を摂取したところ (摂取期間不明)、排便後、発疹がひどく悪化し、陰嚢、会陰、臀部などの皮膚の剥離や浸食を呈し、センナ含有下剤による皮膚炎と診断された (PMID:22431792)
・3歳男児 (アメリカ) が、チョコレート味のセンナ含有下剤 (ex-lax) を飴と間違えて摂取し (摂取量不明)、おしめをして就寝したところ、臀部に水泡や皮膚の浸食をおこした (PMID:22431792)
・CYP2D6遺伝子変異をもつ28歳女性 (ドイツ) が3〜4 L/週のビールおよびセンナ葉を含むハーブティー (摂取量不明) を摂取したところ、倦怠感、筋肉痛、上腹部痛、胸焼け、吐き気、黄疸、褐色尿が生じて医療機関を受診、血中ALT値およびAST値の上昇が認められた。ビールおよびハーブティーの摂取中止により回復、ハーブティーの再摂取により悪化したため、CYP2D6遺伝子変異のために生じたセンナによる肝炎と診断された (PMID:15492352)
・52歳女性 (ベルギー) が便秘改善を目的に、乾燥チンネベリセンナ果実70 gを含むティーバッグを煮出して作成した茶を1L/日、3年以上摂取したところ、全身虚弱、食欲減退が生じて医療機関を受診。血中肝酵素値およびINR値の上昇、タンパク尿が認められたため、センナの長期摂取による腎機能障害を伴う急性肝機能障害と診断された (PMID:15956233)
・62歳女性 (カナダ) が慢性便秘のためにセンナを含む緩下剤を定期的に使用していたところ、結腸粘膜が黒くワニ皮様になる結腸メラノーシスを生じ、摂取中止により改善した (PMID:26758346)

禁忌対象者

・葉、莢、果実は腸管の閉塞、狭窄、アトニー (無緊張) 、大腸炎 (クローン病、潰瘍性大腸炎など) 、虫垂炎、原因不明の腹痛、重篤な脱水症状、下痢、軟便がある場合には使用禁忌 (22) (58) (61) (67) (94) 。
・葉、莢、果実は10歳以下の小児には使用禁忌 (61) (67) 。葉および莢は12歳以下の小児には使用禁忌 (58) 。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) を服用していた45歳女性 (タイ) が便秘解消のためセンナを含む緩下剤を1〜2錠/回、1〜2回/週摂取し、3週間前から便通が2日以上なかった場合に1回に多量に摂取したところ、腹痛、血便のため医療機関を受診、INR値の上昇が認められた。緩下剤を中止したところ、回復した (PMID:18313506)

<理論的に考えられる相互作用>
・センナ葉、莢、果実を長期間摂取すると、カリウムが枯渇することにより強心配糖体の作用が増強されたり、抗不整脈薬の作用に影響を与えることがある (58) (61) (94) (67) 。低カリウム血症を起こす他の医薬品と併用すると電解質バランスが崩れることがある (58) (67) 。
・利尿剤と併用すると低カリウム血症のリスクが増加する可能性がある (94) 。
・センナ摂取により下痢が生じる可能性があるため、ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) と併用すると、ワルファリンの作用が増強し、INR値が上昇して出血のリスクが増加する可能性がある (94) 。
・スギナやカンゾウと併用するとカリウム枯渇のリスクが増加する可能性がある (94) 。
・葉、莢、果実の摂取により尿が変色 (ピンク、赤、紫、オレンジ、赤褐色) し、臨床検査に影響することがある (61) (105) (94) 。

動物他での
毒性試験

.TDLo (最小中毒量)
・センナ葉エキスを投与:ラット経口3,360 mg/kg/2年 (91) 。
・センナを投与:ヒト小児経口0.75 mg/kg、ラット経口20 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉、果実(さや):クラス2d (22) 。

危険情報、禁忌対象者 参照

総合評価

安全性

・果実・小葉・葉柄・葉軸は医薬品に該当し、食品に使用可能な部位は茎のみである。食品として違法に葉を含有し、ダイエット効果を謳った商品 (茶類) が販売された事例がある。ヒトに対する安全性については、医薬品として用いられる葉についての情報であり、食品に利用が許可されている茎についての情報は見当たらない。
・果実、小葉、葉柄および葉軸は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ヒトに対する有効性については、医薬品として用いられる葉についての情報であり、食品に利用が許可されている茎についての情報は見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(25) クリニカル・エビデンス日本語版 日経BP社 日本クリニカル・エビデンス編集委員会(30) 「医薬品の範囲に関する基準」別添3 (平成16年3月31日 薬食発第0331009号 厚生労働省医薬食品局長)
(58)The Complete German Commission E Monographs
(61) WHO monograph on selected medicinal plants WHO
(67) ESCOP Monographs 2nd ed Thieme
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:6310075) J Pediatr Gastroenterol Nutr, 1982;1:223-6.
(PMID:12093522) J Pharm Biomed Anal. 2002 Jul 31;29(5):881-94.
(101) Tentative Final Monograph. Federal Register 1985;50(10):2124,2151-8.
(102) Handbook of Nonprescription Drugs. 11th ed. Washington, DC: Am Pharmaceutical Assn, 1996
(103) Coordinated review of monographs on herbal remedies. Brussels, European Commission, 1994
(104) British Herbal Compendium, vol.1. Bournemouth, British Herbal Medicine Association, 1992.
(105) US pharmacopeia, drug information. Rockville, MD, US Pharmacopeial; Convention, 1992.
(106) 第14改正日本薬局方解説書、廣川書店、2001年、D-657
(107) 医療用医薬品集、2006、(財)日本医薬情報センター
(108) 現代中薬薬理事典
(109) 臨床皮膚科 58: 635-637, 2004
(2004010268) 皮膚の科学. 2003;2(3):179-82.
(2001233681) 皮膚科の臨床 2001;43(4): 570-1.
(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(112) 東京都薬用植物園ホームページ
(2006274130) 小児科臨床.2006;59(6):1081-7
(PMID:22431792) Arch Dermatol. 2012 Mar;148(3):402-4.
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(PMID:15492352) Ann Intern Med. 2004 Oct 19;141(8):650-1.
(PMID:15956233) Ann Pharmacother. 2005 Jul-Aug;39(7-8):1353-7.
(PMID:18313506) Lancet. 2008 Mar 1;371(9614):784.
(94) Natural medicines
(PMID:26758346) J Gastroenterol Hepatol. 2016 Jun;31(6):1069.

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