コエンザイムQ10について (Ver.200903)

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コエンザイムQ10について



もくじ(リーフレット版はこちら
はじめに
コエンザイムQ10ってきくの?
コエンザイムQ10は安全なの?
からだに悩みがあるときは
まとめ

▼もっと詳しく知りたい方はこちら
コエンザイムQ10とはどんなもの?
コエンザイムQ10に摂取基準はあるの?
医薬品と健康食品は何が違うの?
アドバイザリースタッフとは?




 はじめに

 「コエンザイムQ10」や「還元型コエンザイムQ10」「CoQ10」といった健康食品が、疲れを回復する、肥満を解消する、アンチエイジングなど、さまざまな効果がうたわれて販売されています。中高年をターゲットに魅力的な宣伝をしている商品が多いようですが、このような商品をドラッグストアやインターネットで見かけたことはありますか?
 コエンザイムQ10は体内でエネルギー産生に働くだけでなく、老化(体のサビ)の原因と言われている酸化ストレスから体を守る働きなどが期待されているようです。また、コエンザイムQ10は医薬品として用いられているため、医薬品と同じような有効性や安全性があると思う方もいるようです。
 そこで、コエンザイムQ10の効果・安全性・注意点について今分かっていることをお知らせします。



 コエンザイムQ10ってきくの?

 コエンザイムQ10製品は、疲労を回復する、肥満を解消する、美容によいなどの効果がうたわれています。そこで、私たちがコエンザイムQ10を摂ったときの効果について調べたところ、身体の疲労度を表す指標を見た研究2報では、いずれも改善効果が認められていませんでした。また、肥満や肌への影響を検討した研究は見当たらず、コエンザイムQ10の働きとして期待される酸化ストレス (老化(体のサビ)の原因と言われている) の軽減については、健康な成人または肥満の人で検討した研究が3報見つかりましたが、いずれも効果が認められていませんでした。現時点では、肥満や美容などへの効果の根拠は十分でないようです。
 最近では、還元型コエンザイムQ10が一過性の疲労を軽減する可能性が考えられ、機能性表示食品としても販売されています。機能性表示食品は、メーカーの責任のもとで効果の根拠となるデータを調べ、製品化されたものですが、コエンザイムQ10がどの程度、効くかは、摂取する人の体の具合や、体質、食・生活習慣、製品の形態などによって異なります。
 そもそも、コエンザイムQ10は人の体内でつくり出すことができます。現時点において、本当に健康食品からコエンザイムQ10を摂った方が良いのか、またどれくらい摂ったら良いかは明確になっていません。また、健康食品は含有量や品質などにばらつきがあり、医薬品と同じように判断することはできません。



 コエンザイムQ10は安全なの?

  コエンザイムQ10は、適切に摂取すれば安全性が高いと考えられますが、摂取により吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状を生じる可能性があり、サプリメントの摂取によって薬剤性肺炎を発症したという被害の報告もあります。
 また、医薬品と併用すると、薬のききめに影響したり、副作用がでる場合もあります。例えば、血圧を下げる薬との併用は薬のききめが強くなる可能性があり、反対に、ワルファリンという血管の中に血のかたまりができるのを防ぐためのお薬と併用した場合、薬のききめが弱くなった症例が報告されています。医薬品を服用中の方は、必ず医師や薬剤師などのアドバイスを受けてください。
 授乳中の方については、信頼できる十分な情報が見当たらないため自己判断での摂取を控えてください。ひとりひとりの体質にもよりますので、コエンザイムQ10製品を利用する場合は体調の変化に十分気をつけてください。



 からだに悩みがあるときは

 日常の生活でからだに悩みがあるときは、コエンザイムQ10の健康食品を試してみる前に、お近くの病院で医師の診断を受け、指示に従ってください。健康食品はあくまでも日ごろの食事の補助的なもので、病気の治療に用いるものではありません。健康維持のために、バランスのとれた栄養、適切な運動、十分な睡眠を心がけましょう。

● どうしてもコエンザイムQ10の健康食品を利用したい場合
 「食品や体内に存在する」や「医薬品で使われている成分」と聞くと、安全で効果がありそうな印象を受けるかもしれませんが、人によっては悪い影響を起こす可能性があります。コエンザイムQ10の健康食品を使用する前に必ず医師や薬剤師、管理栄養士、健康食品・サプリメントのアドバイザリースタッフなど専門の知識を持った方にご相談ください。健康食品を利用する際は「利用メモ」をつける、製品の箱や容器を写真に残しておくなどし、体調の変化に注意するようにしてください。

● コエンザイムQ10の健康食品を利用して体調の異常を感じた場合
 すぐに利用をやめて、症状に応じた診療所を受診してください。その際には、必ず、コエンザイムQ10の健康食品を利用していたことをお伝えください。病院に行くほどの体調不良でない場合は、お近くの保健所へ相談してください。体調不良を感じた時の対応方法については、こちらのページもご覧ください。


まとめ

 コエンザイムQ10を含む健康食品が、疲れにくくなる、美容に良いといった魅力的なうたい文句で販売されています。しかし、私たちがコエンザイムQ10製品を摂ったときにこのような望ましい効果があるかどうかは今のところわかっていません。
 コエンザイムQ10は医薬品として用いられていますが、健康食品は、品質や含有量にばらつきがあるため、医薬品と同じような効果や安全性が期待できるとは限りません。効果を期待してすぐに飛びつくのではなく、まずは生活習慣を見直して本当に必要かどうかを冷静に判断し、利用するときには薬剤師や管理栄養士、健康食品・サプリメントのアドバイザリースタッフなどに相談しましょう。



■有効性と安全性に関する研究情報をまとめている「素材情報データベース」もあわせてご覧ください。
コエンザイムQ10
ビタミンについて

その他のコラム、研究報告

■「健康食品」の安全性・有効性情報のトップページ



▼もっと詳しく知りたい方はこちら

 コエンザイムQ10とはどんなもの?

 コエンザイムQ10は、肉類や魚介類、ナッツ類などの食品に含まれている脂溶性の物質です。ユビキノンともいわれ、ビタミン様物質として知られています。食事から補給するほか、体内で合成することもでき、主に、体内でのエネルギー (ATP) 産生に関与しています (1)。血中に存在するコエンザイムQ10の60%は、体内で合成されたものに由来するという報告もあります(1) 。

 コエンザイムQ10に摂取基準はあるの?

 日本において、コエンザイムQ10の医薬品(一般名 ユビデカレノン)は、「基礎治療施行中の軽度及び中程度のうっ血性心不全症状」の効能・効果 (代謝性強心剤)としての一日摂取量が30mgと定められていますが、健康食品においてはビタミンのように推奨量や上限量などの食事摂取基準が設定されていません。そのため、食品として流通している健康食品の中には、海外メーカーの製品だけでなく日本製の製品でも医薬品として用いられる量を超える量のコエンザイムQ10が含まれるものがあり (2) 、適切な摂取目安量を設定するため、食品安全委員会で専門家による検討が行われましたが、現時点ではデータが不足しているため、コエンザイムQ10の安全な摂取上限量を決めることは困難という結論となっています。これを受けて、厚生労働省は食品中の成分が、医薬品として用いられる量を超えないように指導するとともに、個別の製品の安全性については、事業者により適切に確保されるように注意を呼びかけています (3) 。市場には医薬品の一日摂取量(30mg)を超えた量を含む製品が数多くありますので、一日摂取目安量を確認し、摂取による体調の変化には気を付けるようにしてください。

 医薬品と健康食品は何が違うの?

 コエンザイムQ10は、医薬品として用いられてきた経緯があることから、健康食品でも医薬品と同じように安全性や有効性が保証されていると思われがちです。しかし、たとえ同じ成分を含んでいても、健康食品では、成分の量が表示の通りに含まれていなかったり、不純物が混入していたりなど、品質に問題がある製品もあります。また、摂取したときの体内吸収量といった特性は、医薬品と同じではありません。そのため、「医薬品として利用されている」という言葉のみで、健康食品の情報が「医薬品と同じである」と判断することはできません。
 詳しくは、基礎知識「健康食品は薬の代わりにはなりません」を参照してください。



 アドバイザリースタッフとは?

 アドバイザリースタッフとは、健康食品やサプリメントについての正しい知識を持ち、身近で気軽に相談を受けてくれる、民間の資格をもった言わば健康食品の専門家です。主な資格として、NR・サプリメントアドバイザー(一般社団法人日本臨床栄養協会)、食品保健指導士(公益財団法人日本健康・栄養食品協会)、健康食品管理士(一般社団法人日本食品安全協会)などがあります。アドバイザリースタッフの中には、講演会などを通じて、健康食品の適切な利用や、利用による健康被害の防止のための活動をしている方もいます。
 身近なところでは、薬局や薬店、病院などで活躍している人も多いので、健康食品を購入・利用する際には、是非、アドバイザリースタッフに相談しましょう。




参考文献
1.Melanie Johns Cupp、 Dietary Supplements: Toxicology and Clinical Pharmacology、2003、p53-85、Humana press
2.コエンザイムQ10の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について(厚生労働省)
3.コエンザイムQ10を含む食品の取扱いについて(厚生労働省)




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