健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ベニコウジ [英]Red yeast rice、red rice、red leaven [学名]Monascus purpureus Went.、Monascus albidus K.Sato、Monascus anka K.Sato

概要

ベニコウジは、米に紅麹菌を植菌して発酵させたもので、深紅色を呈する。食品の着色料として、ハムやソーセージ、かまぼこなどに使用されてきた。


●有効性
俗に、「コレステロールを下げる」「血圧を下げる」などと言われており、高コレステロール血症におそらく有効である。一方、高血圧に効果がないことが示唆されている。


●安全性
適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、モナコリンK (医薬品成分名:ロバスタチン) を含み、肝毒性、横紋筋融解を生じる可能性があるため、肝機能や筋肉への影響を注意深くモニターする必要がある。モナコリンKは胎児骨格の催奇形性が示されているため、妊娠中の摂取は避けること。授乳中は信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること。肝不全患者およびそのリスクのある人、肝機能検査で異常が見られた人は使用を避けること。



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法規・制度

■食薬区分
・麹米:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■食品添加物
・既存添加物
 ベニコウジ黄色素 (モナスカス黄色素/紅麹/紅麹色素/モナスカス/モナスカス色素):着色料
 ベニコウジ色素 (モナスカス色素/紅麹/モナスカス):着色料

■その他
・EUは、Monascus属紅麹由来のサプリメント中のシトリニン (カビ毒) の基準値を100μg/kgと定めている (104) 。
・米国では、スタチン様成分を多量に含む製品は未承認医薬品に該当する (94) 。
・ドイツでは、モナコリンKを5 mg/日含むベニコウジ製品は医薬品に該当する (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・医薬品成分 (ロバスタチン) と同一のポリケチド化合物であるモナコリンモナコリンK (別名:メビノリン、6α-メチルコンパクチン) を含む (94) 。
・市販のベニコウジ12製品 (アメリカ) について測定したところ、4製品からはシトリニン (カビ毒) が検出されたという報告がある (PMID:20975018)

分析法

・市販のベニコウジ製品中のモナコリン、シトリニンをHPLC-MS/MSで分析した報告がある (PMID:20975018)
・市販のベニコウジ製品中のモナコリンKをHPLC-DAD-QTOF-MSで分析した報告がある (PMID:28641460)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・高コレステロール血症におそらく有効である (94) 。
・高血圧に効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2014年11月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験36報 (20試験、検索条件:期間≧4週間) について検討したメタ分析において、ベニコウジの摂取は血中脂質 (TC (12試験) 、LDL-C (12試験) 、HDL-C (12試験) 、TG (12試験)) の改善と関連が認められたが、コレステロールについては試験によるばらつきが大きかった (PMID:25897793)
・2013年8月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験13報 (検索条件:期間≧4週間) について検討したメタ分析において、脂質異常症患者におけるベニコウジ摂取は、血中脂質 (TC (13報) 、TG (11報) 、LDL-C (13報)) 低下との関連が認められたが、TC、LDL-Cは試験によるばらつきが大きかった。一方、血中脂質 (HDL-C (12報)) との関連は認められなかった (PMID:24897342)
RCT:日本
・LDLコレステロールが高めの成人67名 (日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ベニコウジ100 mg (モナコリンK 2 mg含有) /日 (21名、平均53.5±9.5歳) またはベニコウジ200 mg (モナコリンK 4 mg含有) /日 (23名、平均52.4±11.8歳) を8週間摂取させたところ、いずれの群も血中脂質 (LDL-C、TC) の低下が認められ、100 mg群と200 mg群間に差は認められなかった (2008301695) 。
RCT:海外
・高コレステロール血症であるが薬物治療を受けていない83名 (試験群42名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、ベニコウジ2.4 g/日を12週間摂取させたところ、血中脂質 (TC、LDL-C) の低下が認められた。一方、血中脂質 (TG、HDL-C) に影響は認められなかった (PMID:9989685)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、医薬品 (ロバスタチン:HMG-CoA還元酵素阻害剤) と同一化合物であるモナコリンKを含み、肝毒性、横紋筋融解を生じる可能性があるため、肝機能や筋肉への影響を注意深くモニターする必要がある (94) 。
・摂取により、腹部不快感、下痢、胸やけ、鼓腸、頭痛、めまい、ミオパチー、吐き気を引き起こす可能性がある。
・シトリニン (カビ毒) を含む製品の摂取は腎毒性を、緑茶抽出物やポリコサノール等との併用は胸痛、頻脈、かすみ目を、その他、軽い掻痒や発疹、脱毛、食欲不振、勃起不全、好酸球性食道炎を引き起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取はおそらく危険である。モナコリンKは、胎児骨格の催奇形性が示されているため、摂取は避けること (94) 。
・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して、信頼できる十分な情報は見当たらない (94) 。
<病者>
・肝不全患者およびそのリスクのある人、肝機能検査で異常が見られた人は使用を避けること (94) 。
<被害事例>
・シンバスタチン (脂質異常症治療薬) 40 mg/日の使用による筋障害の経験を有する脂質異常症の61歳女性 (アメリカ) が、ベニコウジのハーブ製剤を1,200 mg/日、約3ヶ月間摂取したところ、激しい広範囲の筋痛と血清クレアチンキナーゼの上昇を示した (PMID:16983142)
・62歳女性 (アメリカ) がモンテルカスト (アレルギー治療薬) とフルオキセチン (うつ病治療薬) を併用し、さらにベニコウジ1,200 mg/日を4ヶ月程度摂取したところ、吐き気、嘔吐、下痢、悪寒、発熱などの症状を10週間呈した後、肝炎と診断され、ベニコウジの摂取中止により改善した (PMID:18838736)
・60歳男性 (イギリス) が、高コレステロール血症のためにベニコウジを4〜6年間摂取し、同時に消化管間質腫瘍のためにイマニチブを3年間服用したところ、末梢性神経障害 (スタチン系薬の副作用) を発症し、ベニコウジの摂取中止により改善した (PMID:23563686)
・53歳女性 (オランダ) がベニコウジサプリメントを4ヶ月間摂取したところ、筋肉痛、食物の逆流、食欲不振、疲労、心窩部痛を生じ、摂取中止により改善した (PMID:26810781)
・39歳男性 (中国) が、血中脂質を低下させるため、自己判断でベニコウジを平均3.95 g/日摂取していたところ、1週間後より性機能不全を呈し、徐々に症状の悪化が見られたが、摂取中止により改善した (PMID:29356231)
・悪性貧血のため毎月ビタミンB12注射を受けていた64歳女性 (アメリカ) が、スタチン (脂質異常症治療薬) の代わりにベニコウジサプリメント1,200 mg/日を4週間摂取したところ、倦怠感、腹部膨満感、早期満腹感が出現し、5週間目には暗色尿、淡色便、6週間目には黄疸を呈した。検査所見、服薬および食品摂取歴から摂取したベニコウジサプリメントが関与した薬物性肝機能障害と診断され、摂取中止と加療により改善した (PMID:30910808)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・高コレステロール血症、甲状腺機能低下症、高血圧、パーキンソン病、うつ病のためロスバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、BCRP基質) 、レボチロキシン (甲状腺ホルモン製剤) 、ペリンドプリル (ACE阻害薬) 、インダパミド (降圧剤) 、プラミペキソール (パーキンソン病治療薬)、セルトラリン (うつ病治療薬:CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4基質) を服用中の70歳女性 (イタリア) が、ベニコウジ200 mgを含むサプリメントを約15日間摂取したところ、急性筋肉痛、筋力低下、四肢の運動性低下を生じ、横紋筋融解症と診断され、薬物相互作用の評価DIPSにて5 (probable) であったことから、セルトラリンとロスバスタチンとベニコウジの相互作用によるものと考えられた。ロスバスタチンとサプリメントの摂取中止、およびセルトラリンをエスシタロプラムへ変更したことにより改善した (PMID:26830519)
<動物・試験管内>
・in vitro試験 (Caco-2細胞) において、ベニコウジ抽出物はP糖タンパク質活性を増強、CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4活性を阻害し、動物実験 (ラット) において、ベラパミル (カルシウム拮抗薬:CYP1A2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、P糖タンパク質基質) の代謝を抑制した (PMID:22389767)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ロバスタチンを含む市販ベニコウジ製品は、純粋なロバスタチン (脂質異常症治療薬:CYP3A4、BCRP基質) よりもCYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、P糖タンパク質活性を阻害した (PMID:23227093)
<理論的に考えられる相互作用>
・シクロスポリン (免疫抑制剤:CYP3A4、P糖タンパク質基質) 、ゲムフィブロジル (脂質異常症治療薬) 、多量のナイアシンとの併用は、ミオパチーや横紋筋融解症の発症リスクを高める可能性がある (94) 。
・CYP3A4阻害剤、グレープフルーツとの併用は、ベニコウジ由来のモナコリンの血中濃度を高める可能性がある。
・肝毒性のある薬剤、ハーブやサプリメントとの併用は肝機能障害のリスクを高める可能性がある (94) 。
・HMG-CoA還元酵素阻害薬 (スタチン系薬剤) との併用は、薬剤の副作用のリスクを増加させる可能性がある (94) 。
・モナコリン等の成分により、コエンザイムQ10の血中、筋肉中濃度を低下させる可能性がある (94) 。
・セイヨウオトギリソウとの併用は、モナコリンKの血中濃度を低下させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ベニコウジ抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 117.6 g/kg/14週 (91) 。
2.その他
・雌雄ラット50匹を、1.25%〜2.5%紅麹色素を含む餌で108週間飼育したところ、自然発生腫瘍の頻度には差がなかった (1999066872) 。
・in vitro試験において、ベニコウジからメタノール抽出にて分離した15成分中、monacolin Q、monacolin R、α,β-dehydrodihydromonacolin K、dehydromonacolin K、monacolin Kの5成分で細胞毒性が認められた (PMID:26920293)

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、医薬品成分 (ロバスタチン) と同一の化合物であるモナコリンKを含むため、肝毒性、横紋筋融解を生じる可能性がある。
・摂取により、腹部不快感、下痢、胸やけ、鼓腸、頭痛、めまい、ミオパチー、吐き気を引き起こす可能性がある。
・シトリニン (カビ毒) を含む製品の摂取は腎毒性を、緑茶抽出物やポリコサノール等との併用は胸痛、頻脈、かすみ目を、その他、軽い掻痒や発疹、脱毛症、食欲不振、勃起不全、好酸球性食道炎を引き起こす可能性がある。
・妊娠中の摂取はおそらく危険である。モナコリンKは胎児骨格の催奇形性が示されているため、摂取は避けること。
・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること。
・肝不全患者およびそのリスクのある人、肝機能検査で異常が見られた人は、使用を避けること。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・高コレステロール血症におそらく有効であるが、その他、人での有効性については、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(PMID:9989685) Am J Clin Nutr. 1999 Feb;69(2):231-6.
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(PMID:16983142) Ann Intern Med. 2006 Sep 19;145(6):474-5.
(1999066872) Journal of Toxicologic Pathology.1997;10(4):187-92
(PMID:18838736) Ann Intern Med. 2008 Oct 7;149(7):516-7
(PMID:20975018) Arch Intern Med. 2010 Oct 25;170(19):1722-7.
(PMID:22389767) Sci Rep. 2012;2:298.
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(94) Natural Medicines
(PMID:26920293) Food Chem. 2016 Jul 1;202:262-8.
(PMID:26810781) Drug Test Anal. 2016 Mar-Apr;8(3-4):315-8.
(PMID:25897793) Atherosclerosis. 2015 Jun;240(2):415-23.
(PMID:29356231) Phytother Res. 2018 May;32(5):953-954.
(PMID:24897342) PLoS One. 2014 Jun 4;9(6): e98611.
(PMID:30910808) BMJ Case Rep. 2019 Mar 25;12(3). pii: e227961.
(PMID:26830519) Curr Drug Saf. 2016;11(3):264-6.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(101) 新櫻井総合食品事典
(102) 基原植物事典
(103) 学名で引く食薬区分リスト
(104) COMMISSION REGULATION (EU) 2019/1901
(2008301695) 日本臨床栄養学会雑誌 2008 29(4) 425-33.
(PMID:28641460) Eur J Prev Cardiol. 2017 Sep;24(13):1431-1434.

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