健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

カルニチン [英]Carnitine [学名]-

概要

カルニチンは、生体内に存在する遊離アミノ酸の一種であり、筋肉や肝臓など、各組織に広く存在する。ミトコンドリア内への脂肪酸の運搬に関与し、脂質代謝に必須であることから、俗に、「ダイエットに効果がある」「脂肪を燃やす」と言われているが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータは見当たらない。一方、循環器への効果が期待され、慢性安定狭心症患者の運動耐性向上、うっ血性心不全患者の症状改善に有効性が示唆されているが、効果は限定的であったとする報告もある。また、効果があるのはL-カルニチンであり、D-カルニチンはL-カルニチンの作用を阻害するため、L-カルニチン欠乏を引き起こすことがある。安全性については、適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、妊娠中の安全性については信頼できる十分なデータがないので使用を避ける。血液透析、無尿症、尿毒症、慢性肝疾患の場合にはDL体の使用を避ける。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。
アセチル-L-カルニチンの情報については、こちらを参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C7H16NO3、分子量 (MW) 162.21 (32) 。生体内の各組織に存在し、ヒトの体内ではリジンとメチオニンから合成される (103) 。

分析法

・示差屈折率検出器を装着したHPLC (102) 、誘導体化後に紫外可視検出器 (検出波長235、254 nm) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:10536831) (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・狭心症に対して有効性が示唆されている (94) 。
・うっ血性心不全に対して有効性が示唆されている (94) 。
・ジフテリア性心筋炎の発症率や死亡率を低減するのに有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年9月までを対象に8つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、慢性心不全患者によるL-カルニチンの摂取は、心機能 (12報) 、左室駆出分画 (12報) 、排気量 (3報) 、心拍出量 (4報) 、拡張能 (E/A; 5報) の増加と、脳性ナトリウム利尿ペプチド (3報) 、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド (5報) 、左室収縮末期径 (5報) 、左室拡張末期径 (5報) 、左室収縮末期容積 (2報) の減少と関連が認められたが、全死亡率 (4報) 、6分間歩行 (2報) には影響は認められなかった (PMID:28497060)
・2015年11月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、L-カルニチンの摂取は血漿中リポ蛋白 (a) 濃度の低下と関連が認められた (PMID:26754058)
・2013年11月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験5報 (検索条件:≧18歳) について検討したメタ分析において、心筋梗塞患者におけるL-カルニチンの摂取は、総死亡率 (5報) および心不全、不安定狭心症、再梗塞の発生リスク (各2報) に影響は認められなかった (PMID:25044037)
・2013年7月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、18歳以上の血液透析患者によるL-カルニチンの摂取は、LDLコレステロール (8報) の低下と関連が認められたが、総コレステロール (12報) 、HDLコレステロール (8報) 、VLDLコレステロール (2報) 、トリグリセリド (10報) に影響は認められなかった (PMID:24525835)
・2013年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験25報について検討したメタ分析において、血液透析患者によるL-カルニチンの摂取は、血清のCRP (6報) 、アルブミン (11報) 、ヘモグロビン (9報) 、コレステロール (11報) 、トリグリセリド (9報) や患者のQOL (3報) 、副作用リスク (3報) に影響は認められなかった (PMID:24535997)
・2012年12月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験31報について検討したメタ分析において、透析を受けている末期腎臓病患者によるL-カルニチンの摂取は、血清LDLコレステロール (11報) 、CRP (8報) の低下と関連が認められたが、トリグリセリド (19報) 、総コレステロール (19報) 、HDLコレステロール (14報) 、ヘモグロビン (14報) 、ヘマトクリット (9報) 、エリスロポエチン (8報) 、アルブミン (11報) に影響は認められなかった (PMID:24368434)
・2012年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた臨床試験13報について検討したメタ分析において、L-カルニチンの摂取は、全死亡率 (11報) 、心室性不整脈 (5報) 、狭心症 (2報) のリスク低減と関連が認められたが、心不全 (6報) 、心筋梗塞 (4報) のリスクに影響は認められなかった (PMID:23597877)
RCT
・健常成人30名 (平均30±8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン2 g/日を3週間摂取させたところ、高脂肪食 (脂質エネルギー比84%) 摂取後の血流依存血管拡張反応 (FMD) は増加したが、その他の炎症、酸化ストレスマーカー (IL-6、TNF-α、マロンジアルデヒド) の血中濃度に影響は認められなかった (PMID:18993165)
・慢性透析患者31名 (試験群20名、平均48.4±13.8歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、透析時 (1日おき) にL-カルニチン1,500 mgを1ヶ月間摂取させたところ、血流依存血管拡張反応 (FMD) や頸動脈内膜中膜複合体厚に影響は認められなかった (PMID:23626603)
・慢性安定狭心症の男性44名 (平均53.4歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン1 g×2回/日を4週間摂取させたところ、自転車エルゴメーターにおける最大出力量、狭心症発症までの出力量の増加と運動負荷時のST低下が認められた (PMID:3905631)
・急性心筋梗塞の疑いのある患者101名 (試験群51名、平均49.2±5.5歳、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン660 mg×3回/日を28日間摂取させたところ、クレアチンキナーゼ、MBクレアチンキナーゼ、QRS スコア、狭心症リスクの低下が認められたが、心不全、左心室拡張、心室期外収縮、不整脈、低血圧、総心血管死、非致命的再梗塞、総心血管イベントのリスクに影響は認められなかった (PMID:8746285)
・過体重の多嚢胞性卵巣症候群女性60名 (試験群30名、平均24.8±5.5歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン250 mg/日を12週間摂取させたところ、空腹時血糖、インスリン濃度、HOMA-IR、DHEAS濃度の低下が認められたが、HOMA-B、QUICKI、血中脂質に影響は認められなかった (PMID:2666519)
・透析患者36名 (試験群18名、平均48±10歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン1,000 mg/日を12週間摂取させたところ、血清中フィブリノーゲン、CRPの減少量が大きかったが、凝血因子V、VII、IX、Cタンパクの活性やPAI-1/tPAに影響は認められなかった (PMID:20863217)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・バルプロ酸の毒性軽減に対して有効性が示唆されている (94) 。
・甲状腺機能亢進症に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験4報について検討したメタ分析において、II型糖尿病患者によるL-カルニチンの摂取は、空腹時血糖値 (4報) 、LDLコレステロール値 (4報) 、ApoB-100 (2報) の低下と関連が認められたが、その他の血中脂質 (4報) 、HbA1c (3報)、リポ蛋白 (a) (2報) には影響は認められず、ApoAI (3報) の低下と関連が認められた (PMID:23430574)
RCT
・オリルスタットを服用中のII型糖尿病患者258名 (試験群132名、平均51±4歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン2 g/日を12ヶ月間併用させたところ、体重、HbA1c、空腹時血糖、HOMA-IR、LDLコレステロールの低下が認められたが、BMI、食後血糖、空腹時インスリン濃度、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、レジスチン、RBP-4、ビスファチン、高感度CRPに影響は認められなかった (PMID:20683173) (PMID:21077943)
・II型糖尿病患者254名 (試験群129名、平均54±5歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、20〜30分間のウォーキング3〜5回/週、カロリー調整食、シブトラミン服用とともにL-カルニチン2 g/日を12ヶ月間併用させたところ、体重、HbA1c、空腹時インスリン濃度、HOMA-IR、RBP-4の低下が認められたが、BMI、空腹時血糖、食後血糖、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、レジスチン、ビスファチン、高感度CRPに影響は認められなかった (PMID:20720348)
・II型糖尿病患者75名 (試験群38名、平均52.1±8.1歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、シンバスタチン服用とともにL-カルニチン2 g/日を4ヶ月間併用させたところ、血糖、トリグリセリド、ApoB、リポ蛋白a、Apo(a) の低下とHDLコレステロールの上昇が認められたが、BMI、HbA1c、総コレステロール、LDLコレステロール、ApoAIに影響は認められなかった (PMID:19618992)
・II型糖尿病患者81名 (試験群41名、平均49±13歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン1 g×2回/日を3ヶ月間摂取させたところ、HbA1c、総コレステロール、LDLコレステロール、酸化LDLコレステロール、apoA1、apoB-100、TBARS、共役ジエンの低下とHDLコレステロールの上昇が認められたが、体重、BMIに影響は認められなかった (PMID:19056606)
・レボチロキシンを服用中の甲状腺機能低下症患者60名 (試験群30名、平均49.0±8.2歳、韓国) を対象にとした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン990 mg×2回/日を12週間摂取させたところ、精神疲労の自己評価の改善が認められたが、疲労の程度および身体疲労には影響は認められなかった (PMID:27432821)

生殖・泌尿器

一般情報
・男性の不妊症に対して有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2000年までを対象に1つのデータベースで検索できた、長期透析を受けている末期腎臓病患者を対象としたプラセボ比較試験7報について検討したメタ分析において、カルニチン8週間以上の摂取は、痙攣 (6報) や低血圧 (5報) のリスクに影響は認められなかった (PMID:18706751)
RCT
・多嚢胞性卵巣症候群の女性170名 (試験群85名、試験群24.6±3.2歳、エジプト) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クロミフェンによる治療とともに、L-カルニチン3 g/日を併用摂取させたところ、排卵率、妊娠率、成熟卵胞数、子宮内膜厚、血清エストラジオール、プロゲステロンの増加が認められた (PMID25015747) 。

脳・神経・
感覚器

RCT
・ナルコレプシー (過眠症) 患者28名 (平均41.2±15.9歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン510 mg/日を8週間摂取させたところ、日中の居眠り時間の減少が認められたが、居眠り、脱力発作、睡眠麻痺の回数や、日中の眠気評価 (JESS) 、健康関連QOL (SF-36) に影響は認められなかった (PMID:23349733)
・多嚢胞性卵巣症候群女性60名 (試験群30名、平均27.1±5.2歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン250 mg/日を12週間摂取させたところ、気分の評価 (BDI、GHQ、DASS) の改善、総抗酸化能の増加、血中マロンジアルデヒドの減少が認められた (PMID:28277138)
・若年女性12名 (平均21.3±0.2歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン300 mgを単回摂取させたところ、満腹感の自己評価に影響は認められなかった (2008127691) 。
・自閉症スペクトラム障害の小児27名 (試験群16名、平均6.3±2.4歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン50 mg/kg体重を3ヶ月間摂取させたところ、症状の専門家による評価3項目中2項目、親による評価7項目中1項目でのみ、改善が認められた (PMID:21629200)

免疫・がん・
炎症

RCT
・血液透析患者36名 (試験群18名、平均48±10歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン1,000 mg/日を12週間摂取させたところ、血清アミロイドA濃度の低下が認められたが、他の炎症マーカー (sICAM-1、sICAM-2、sVCAM-1、sE-selectin、sP-selectin、酸化LDL) に影響は認められなかった (PMID:21439850)
・浸潤性がん患者376名 (18歳以上、試験群189名、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、L-カルニチン2 g/日を4週間摂取させたところ、倦怠感や抑うつ、痛みなどの評価に影響は認められなかった (PMID:22987089)
・膵臓がん患者72名 (試験群38名、平均64.4±1.67歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン4 g/日を12週間摂取させたところ、BMI、体脂肪量、体細胞量の増加が認められたが、疲労、生存率、入院期間に影響は認められなかった (PMID:22824168)
・カルニチン欠乏の認められるがん患者29名 (試験群17名、平均66.5±12.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン0. 5g/日を2日間、その後1 g/日を2日間、次いで2 g/日を10日間日摂取させたところ、貧血評価 (FACT) 、疲労 (KPS) 、精神状態 (MMSE) 、QOL (LASA) に影響は認められなかった (PMID:18809275)
・末期HIV/AIDS患者35名 (試験群18名、平均48.9±8.8歳、イスラエル) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチンを2週間 (0.5 g/日×2日間、1.0 g/日×2日間、2.0 g/日×2日間、3.0 g/日×8日間) 摂取させたところ、血中乳酸濃度の低下が認められたが、疲労 (Brief Fatigue Inventory) 、QOL (Linear Analog Scale-Anemia、Functional Assessment Cancer Therapy) 、身体および精神状態 (Memorial Symptom Assessment Scale-Short Form) 、認知機能 (Mini Mental Status Examination) 、抑うつ (Clinical Evaluation Scale of Depression) に関する指標に影響は認められなかった (PMID:25733927)
・膝関節炎の女性患者69名 (試験群33名、平均51.63±5.69歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン250 mg×3回/日を8週間摂取させたところ、血清中IL-1β、MMP-1の低下、痛み (VAS) の減少が認められたが、高感度CRP、MMP-13 (PMID:26933897) 、マロンジアルデヒド、総抗酸化能、血中脂質 (PMID:26149189) に影響は認められなかった。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

メタ分析
・2015年5月を対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、L-カルニチンの摂取 (摂取期間:≧30日) は体重 (6報) 、BMI (5報) の低下と関連が認められたが、いずれも試験によるバラツキが大きかった (PMID:27335245)
RCT
・多嚢胞性卵巣症候群の過体重の女性60名 (試験群30名、24.8±5.5歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カルニチン250 mg/日を12週間摂取させたところ、体重、BMI、腹囲、ヒップ囲、空腹時血糖値、HOMA-IR、DHEAS値が低下した。一方、HOMA-B、QUICKI、血中脂質濃度 (トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、VLDLコレステロール) 、遊離テストステロン値に影響は与えなかった (PMID:26666519)
・過体重の成人35名 (試験群18名、平均48.3±6.0歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン200 mg/日+共役リノール酸700 mg/日含有製品を8週間摂取させたところ、心理症状スコアの「怒りっぽい」の改善が認められたが、その他の心身症状、体格 (体重、体脂肪率、BMIなど) 、糖代謝 (空腹時血糖値、HbA1c、インスリン濃度など) 、血中脂質濃度に影響は認められず、尿中過酸化脂質マーカー (イソプラスタン生成速度、イソプラスタン/CRE) の増加が認められた (2009175519) 。
・過体重の女性36名 (平均27.2±9.6歳、試験群18名、オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、30分間のウォーキング4日間/週とともに、L-カルニチン2 g×2回/日を8週間摂取させたところ、体重、脂肪量、除脂肪量、皮下脂肪厚、呼吸商、安静時エネルギー消費量に影響は認められなかった (PMID:10861338)
・過体重の成人115名 (25〜65歳、試験群58名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン500 mg/日を16週間摂取させたところ、体重、BMI、体脂肪率、脂肪量、腹囲、ヒップ囲、腹部脂肪面積、血清脂質 (トリグリセリド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、RLPコレステロール、遊離脂肪酸) に影響は認められなかった (2008020887) 。
・BMI 18.5〜30の成人45名 (20歳以上、試験群22名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン500 mg×3回/日を4週間摂取させたところ、体重、BMI、体脂肪率、腹囲、ヒップ囲、血清脂質 (トリグリセリド、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、RLPコレステロール、遊離脂肪酸) 、脈拍に影響は認められなかった (2008136849) 。
・若年女性20名 (試験群10名、平均21.4±0.2歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カロリー低減食とともにL-カルニチン300 mg/日を4週間摂取させたところ、体重減少量、体脂肪減少量に影響は認められなかった (2008107766) 。

その他

RCT
・末梢動脈疾患のため、シロスタゾールを服用中の患者145名 (試験群74名、平均65.8±9.39歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン1 g×2回/日を180日間摂取させたところ、最大歩行時間、歩行距離、身体機能評価に影響は認められなかった (PMID:22615190)
・健常成人35名 (試験群18名、平均48.6±6.0歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ガルシニア・カンボジア500 mg/日とL-カルニチン600 mg/日を主成分としたサプリメントを8週間摂取させたところ、めまいの訴えが減少したが、その他の体調不良、体格、血圧、血中脂質に影響は認められなかった (PMID:18385825)
・プロフットボール選手26名 (平均18.42±0.50歳、トルコ) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ比較試験において、運動の1時間前にL-カルニチン3 gまたは4 gを摂取させたところ、走力テスト結果が向上した (PMID:24263659)
・健康な成人男性10名 (平均25.1±1.0歳、イタリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、L-カルニチン2 gを単回摂取させたところ、90分後の運動負荷試験による最大負荷量、最大酸素摂取量の増加が認められた (PMID:2127744)





試験管内・
動物他での
評価

・カルニチンをヒト単球の初代培養にLPSとともに添加すると、TNF-α、IL-12産生を抑制した。一方、グルココルチコイドレセプターαを活性化した (PMID:12824292)
・あらかじめL-カルニチンに順応させたMark3ハイブリドーマ細胞をL-カルニチンで処理するとモノクローナル抗体生産の有意な促進が認められたが、順応していない場合にL-カルニチンで処理するとモノクローナル抗体の放出がわずかに減少した。パルミトイルカルニチンも順応させることによりモノクローナル抗体生産の促進がみられたが、酢酸DLカルニチンではモノクローナル抗体の放出が減少した (PMID:7764849)
・2〜6週齢のニワトリにL-カルニチン含有飼料を投与した。牛血清アルブミンを2回免疫した時の抗原特異IgM、IgG、IgA、および総Ig濃度を測定した。L-カルニチン投与により、1回目および2回目の免疫後の抗原特異的な総IgおよびIgG抗体価が増加したが抗原特異的なIgM抗体価は変化しなかった。L-カルニチンの投与は体重増加を促進した (PMID:10743495)

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・L-カルニチンの安全上限量 (OSL) は2,000 mg/日である (94) 。
・摂取により、悪心、吐き気、嘔吐、胸焼け、急激な腹痛、胃炎、下痢、体臭、痙攣、湿疹、頭痛が知られている (94) 。
・DL-体の摂取により、極度の衰弱、筋肉のるいそう、ミオグロブリン尿症に起因する無色尿などを伴う筋無力症を呈する可能性がある。これはD-体との競合でL-体が欠乏するために起こると考えられる (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の安全性については十分なデータがないため使用を避ける (94) 。
・授乳中は安全性が示唆されている。母乳、調整乳に添加しても副作用は報告されていない (94) 。高用量の影響は不明だが、カルニチンは母乳中に分泌される (94) 。
<小児>
・適切に摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
<その他>
・血液透析、無尿症、尿毒症の場合は、DL体の摂取を避ける (94) 。
・甲状腺機能低下症の症状を悪化させる可能性がある (94) 。
・てんかん発作の既往症がある人では、カルニチン摂取により発作の頻度や重篤度が増大する可能性がある (94) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・人工弁置換術を受け、アセノクマノール (抗凝血剤) を服用中の33歳男性 (スイス) が、ボディビル用L-カルニチン製品を1,000 mg/日、10週間摂取したところ、安定していたINRが上昇、摂取中止により再び安定した (PMID:15340883)
・人工弁置換術を受け、アセノクマノール、フエロセミド、ジゴキシンを服用中の62歳女性 (スペイン) が、L-カルニチンを1 g/日、5日間摂取したところ、安定していたINRが上昇し黒色便を生じ、摂取中止と加療により改善した (PMID:8429297)
<理論的に考えられる相互作用>
・アセノクマロール、ワルファリンとの併用により、抗血液凝固作用が増強される可能性がある (94) 。
・甲状腺ホルモンとの併用により、効果を減弱させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・L-カルニチン塩化物を投与:イヌ経口≧1,600 mg/kg (1989120075) 、ラット経口 (雄) 4,374 mg/kg、6,127 mg/kg、6,900 mg/kg、(雌) 4,578 mg/kg、6,299 mg/kg、6,890 mg/kg (1989216337) (1989120077)、マウス経口 (雄) 8,200 mg/kg、(雌) 8,000 mg/kg、ウサギ経口 (雄) 5,400 mg/kg、(雌) 6,000 mg/kg (1989120083) 。
2.NOAEL (無毒性量)
・L-カルニチン塩化物を投与:イヌ経口≦200 mg/kg/日 (1989120080) 。
3.NOEL (無影響量)
・L-カルニチン塩化物を投与:イヌ経口≦200 mg/kg/日 (1989120079) 、ラット経口450 mg/kg (1989120078) 、272 mg/kg/日 (1989120074) 、妊娠ラット経口 (母体) 547.7 mg/kg/日、 (生殖、胎仔、出生仔の生殖) 3,000 mg/kg/日、 (出生仔の発育・行動) 100 mg/kg/日 (1989107747) 。
4.その他
・L-カルニチン塩化物の変異原性をRecアッセイ法、エイムス試験、染色体異常試験にて検討したところ、変異原性は認められなかった (1989107743) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に用いる場合、おそらく安全である。
・妊娠中における安全性については十分なデータがないため使用を避ける。
・授乳中、小児における摂取は安全性が示唆されている。
・血液透析、無尿症、尿毒症の場合は、DL体 (D-カルニチンとL-カルニチンの混合物) の使用は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・狭心症、うっ血性心不全、ジフテリア性心筋炎の発症率や死亡率の低減、バルプロ酸の毒性軽減、甲状腺機能亢進症、男性の不妊症に対し有効性が示唆されているが、効果は限定的であったとする報告もある。

参考文献

(32) 生化学辞典 第4版 東京化学同人
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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