健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビオチン [英]Biotin [学名]-

概要

ビオチンは、皮膚炎を予防する因子として発見された水溶性ビタミンの一つである。糖質や脂質、アミノ酸の代謝やエネルギー産生に関わり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素である。腸内細菌によっても合成され、通常欠乏症はまれであるが、生卵白の長期にわたる摂取により欠乏症が生じることがある。


●有効性
俗に、「筋肉痛を緩和する」「皮膚の健康を保つ」「美容効果がある」などと言われており、人においては、ビオチン欠乏症の予防と治療に有効であるが、栄養状態の良好な人がビオチンを摂取した場合の有効性について、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
適切に摂取する場合、おそらく安全である。妊娠中・授乳中も適切に摂取する場合、おそらく安全である。透析患者やビオチニダーゼ欠損症患者は、ビオチン不足になるため、ビオチンの必要量が増加する可能性がある。



基礎的な解説は「ビオチン解説」を参照。

▼他の素材はこちら



法規・制度

■食薬区分
・ビオチン (ビタミンH):「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■食品添加物
・指定添加物:強化剤
・食品衛生法に基づく、「食品、添加物等の規格基準」により、調製粉乳、調製液状乳、母乳代替食品、特定保健用食品及び栄養機能食品以外の食品に使用してはならない。また、母乳代替食品に使用する場合は、その100 kcalにつき、ビオチンとして10μgを超える量を含有しないように使用しなければならない。→使用基準


■栄養機能食品
「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:15 μg、上限値:500 μg) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・分子式 C10H16N2O3S、分子量 (MW) 244.31 (32) 。

分析法

・Lactobacillus plantarumを使用した微生物学的定量法で測定 (101) (102)。
・ビオチン要求性の乳酸菌、酵母、枯草菌、大腸菌の成育度を用いた微生物学的定量法 (バイオアッセイ) により分析されている (32) 。

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・ビオチン欠乏症の予防と治療におそらく有効である (94) 。
・脂漏性皮膚炎に効果がないことが示唆されている (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・喫煙により、ビオチンの必要量が増加する可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<小児>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<病者>
・透析患者やビオチニダーゼ欠損症患者は、ビオチン不足になるため、ビオチンの必要量が増加する可能性がある (94) 。
<被害事例>
・トリメタジジン (冠血管拡張薬) を6年間服用していた76歳女性 (フランス) が、ビオチン10 mg/日、パントテン酸300 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、胸部痛および呼吸困難を生じ受診、血中好酸球増加による胸膜炎および心タンポナーデと診断され、ビオチンおよびパントテン酸の摂取中止により回復した (PMID:11302404)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト試験>
・抗痙攣薬を長期間服用中のてんかん患者404名を対象とした症例対照研究において、血中ビオチン濃度の低下が認められた (PMID:3925859)
・抗痙攣薬を長期間服用中の小児てんかん患者13名を対象とした症例対照研究において、カルバマゼピン (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 、フェニトイン (抗てんかん薬:CYP2C9、CYP2C19基質) 、フェノバルビタール (抗てんかん薬:CYP3A4基質) の服用はビスノルビオチンの排泄を増加させた (PMID:9523856)
<理論的に考えられる相互作用>
・フェニトイン (抗てんかん薬:CYP2C9、CYP2C19基質) 、フェノバルビタール (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 、カルバマゼピン (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 、プリミドン (抗てんかん薬) 、抗生物質はビオチンの血中濃度を低下させる可能性がある (94) 。
・α-リポ酸との併用は、α-リポ酸もしくはビオチンの吸収が低下する可能性がある (94) 。
・パントテン酸との併用は、パントテン酸もしくはビオチンの吸収が低下する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ビオチンを投与:ラット経口 (間欠的) 9 mg/kg/30日、6.3 mg/kg/21日、マウス経口 17 mg/k (91) 。
2. LOAEL (最小毒性量)
・ビオチンを投与:ラット経口79.2 mg/kg/日 (PMID:18071266)
3. NOAEL (無毒性量)
・ビオチンを投与:ラット経口38.4 mg/kg/日 (PMID:18071266)

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合はおそらく安全である。
・妊娠中・授乳中の摂取は、おそらく安全である。
・透析患者やビオチニダーゼ欠損症患者は、ビオチン不足になるため、ビオチンの必要量が増加する可能性がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ビオチン欠乏症の予防と治療に有効であるが、その他の有効性について、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない。

参考文献

(55)  Harper's Biochem 23th ed
(PMID:3925859) Ann N Y Acad Soi. 1985;447:297-313.
(PMID:9523856) J Pediatr Gastroenterol Nutr. 1998 Mar.26(3):245-50
(PMID:15917019) Prev Med. 2005 Jul;41(1):253-9.
(PMID:18071266) Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Dec;71(12):2977-84.
(PMID:11302404) Ann Pharmacother 2001 35(4) 424-6
(94) Natural Medicines
(32) 生化学辞典 東京化学同人
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(102) 日本食品標準成分表2020年版 (八訂)
(101) 消費者庁 食品表示基準について 別添 栄養成分等の分析方法等

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