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安全性
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危険情報
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<一般>
・日本人の食事摂取基準2015年版における上限量は成人で10 mg/日 (3) 。
・肝硬変 (28) 、消化器の障害 (28)、嘔吐 (3) 、吐き気 (3) が起きることがある。銅経口摂取の有害事象としては胃腸の不調(腹痛、痙攣、吐き気、下痢、嘔吐)がよく知られている (28) (3) 。
・慢性中毒はウィルソン病で肝と脳に銅が蓄積し機能的形態学的変化をもたらす (3) 。
<病者>
・銅の摂取はペニシラミン (リウマチ治療薬) の効果を阻害するので、併用は避けること (PMID:1869762) 。
・抗HIV薬のジドブジン服用患者において、血漿中銅レベルの低下することが報告されている (PMID:1941528) 。
<その他>
・エタンブトールとその活性代謝物は銅をキレート化することにより組織中の銅レベルの低下を起こすおそれがある (PMID:7257959) 。網膜の銅キレート化により眼神経障害を引き起こすことがある (PMID:52087) (PMID:9554173) 。
<被害事例>
・食道狭窄の報告がある (2001269397) 。
・6歳男児の双子 (アメリカ) が、チョコレートミルク (銅3,488μg/日含有) とともにエナジードリンクを8サービング/日 (銅1,600μg /日含有)、ビタミン剤2粒/日 (銅4,000μg/日含有) を8ヶ月以上摂取し、肝臓に銅が蓄積、このうち1人は急性肝不全を起こし、肝移植を受けた (PMID:22688507) 。
・ウィルソン病の既往歴があり、D-ペニシラミン治療で症状が安定していた21歳女性 (日本) が、ダイズ由来サプリメントを1ヶ月間摂取したところ、摂取開始2ヶ月後に黄疸を伴う劇症肝炎、溶血性貧血を生じ、肝臓移植を受けた。摂取したサプリメントに大量の銅 (0.8〜2.5 mg/日) と鉄 (23.4 mg/日) が含まれていたため、当該製品が原因と診断された (PMID:26192177) 。
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禁忌対象者
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調べた文献の中に見当たらない。
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医薬品等との
相互作用
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<理論的に考えられる相互作用>
・多量の亜鉛は銅の吸収を妨げ、銅欠乏症になることが考えられる (PMID:2094240) (PMID:7879727) (PMID:9794697) 。亜鉛の毒性量を摂取した場合は貧血を伴う有意な銅欠乏を起こす (PMID:2094240) 。
・銅の摂取はペニシラミン (リウマチ治療薬) の吸収を阻害するので、2時間以上あけて摂取する (PMID:1869762) ((PMID:52087) (PMID:9554173) 。
・若い男性が日常的に1,500 mgのビタミンCを摂取していると銅および銅依存性酵素 (セルロプラスミン) 活性が著しく低下することがある (PMID:6837490) 。
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動物他での
毒性試験
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・コラゲナーゼ処理されたヒト培養臍帯静脈血管内皮細胞と胎児肺組織由来ヒト培養線維芽細胞への硫酸銅の影響を検討したところ、生存能、増殖能、DNA合成能に対する銅の細胞毒性は血管内皮細胞により大きな作用を示した (1993209666) 。
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AHPAクラス分類
及び勧告
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総合評価
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安全性
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・適切に摂取すればおそらく安全である。耐容上限摂取量未満ならば安全であるが、それ以上はおそらく危険である。
・小児、妊娠中・授乳中においても適切に摂取すればおそらく安全である。
・幼児の場合、鉄の摂取量が多いと銅の吸収を阻害することがある。成人においても多量の亜鉛は銅の吸収を妨げ、銅欠乏症になることがある。
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有効性
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(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・銅欠乏症、および銅欠乏による貧血に対して、おそらく有効である。
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参考文献
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(3) 日本人の食事摂取基準 (2015年版) 第一出版
(28) 最新栄養学 第9版 (建帛社) 木村修一ら 翻訳監修
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添1、別添2、一部改正について)
(53) The Health Benefits of Vitamins and Minerals ERNA(European Responsible Nutrition Alliance)K.H.bassler et al.
(55) Harper's Biochem 23th.ed.
(56) Textbook of Biochemistry with Clinical Correlations by Thomas M.Devlin John Wiley & Sons
(2001269397) 日本臨床救急医学会雑誌. 2001;4(3):308-15.
(PMID:14684406) Am J Clin Nutr. 79(1):111-5, 2004.
(PMID:15161212) J Agric Food Chem. 52(11):3441-5, 2004.
(PMID:15098084) Anal Bioanal Chem. 379(3):512-8, 2004.
(PMID:11225672) Fresenius J Anal Chem. 366(3):273-82, 2000.
(PMID:1869762) J Am Diet Assoc. 1991, 91(1):66-70, 73.
(PMID:52087) Lancet. 1975, 2(7937):711.
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(PMID:1941528) J Acquir Immune Defic Syndr. 1991, 4(12):1218-26.
(PMID:1507261) J Natl Med Assoc. 1992 Aug;84(8):697-706.
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(PMID:2094240) JAMA. 1990 Sep 19;264(11):1441-3.
(PMID:6837490) Am J Clin Nutr. 1983 Apr;37(4):553-6.
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(PMID:26192177) Clin J Gastroenterol. 2009 Apr;2(2):119-24.
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