健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

果糖、フルクトース [英]Fructose [学名]-

概要

果糖 (フルクトースまたはフラクトース) はケトン基をもつ六単糖 (ケトヘキソース) でケトースに属する。グルコースと共にショ糖の構成成分となる。甘味はショ糖の1.3〜1.7倍で、果物やハチミツなどに含まれる。俗に、「スタミナを持続させる」「血糖値の上昇を緩やかにする」などと言われているが、果糖の有効性に関する信頼できる十分な情報は見当たらない。安全性については、通常の食事として食品に含まれている量を適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、摂取による食後血糖値の上昇はグルコースやショ糖を摂取した場合に比べて少ないものの、過剰摂取は脂質異常症 (高トリグリセリド血症や高コレステロール血症) 、インスリン抵抗性、内臓脂肪の増加などの原因となりうる。また、浸透圧性の下痢を引き起こす可能性がある。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・略号Fru。C6H12O6、分子量 (MW) 180.16、融点:102〜104℃ (32) 。
・還元力をもち (32) 、甘味はショ糖の1.3〜1.7倍 (103) と糖類中でもっとも強い (32) 。
・甘い果実、ハチミツなどに含まれる単糖で、二糖のショ糖の成分、三糖、多糖のフルクタンなどの成分である (32) 。

分析法

・示差屈折率検出器 (RI) を装着したHPLCにより分析されている (PMID:15330094)

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2015年7月までを対象に4つのデータベースで検索できた介入試験 (検索条件:期間≧7日) 43報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食では血中脂質 (LDL-C (24報) 、HDL-C (24報) 、non-HDL-C (25報) 、TG (41報)) およびApoB (7報) に影響は認められず、高エネルギー食ではTG (7報) 、ApoB (2報) の上昇が認められた (PMID:26358358)
・2014年11月までを対象に4つのデータベースで検索できたコホート研究3報について検討したメタ分析において、果糖を含む糖甘味飲料の摂取は高血圧 (3報) のリスク増加と関連が認められた (PMID:26269365)
・2014年2月までを対象に4つのデータベースで検索できたコホート研究1報 (3試験) について検討したメタ分析において、食事からの果糖の摂取は、高血圧リスク増加との関連は認められなかった (PMID:25144126)
・2013年5月までを対象に6つのデータベースで検索できた介入試験15報について検討したメタ分析において、果糖の摂取は空腹時血糖 (9報) 、TG (13報) 、収縮期血圧 (6報) の上昇、HDL-C (9報) の低下と関連が認められた (PMID:24698343)
・2013年9月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験11報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食ではTG (11報) と関連は認められず、高エネルギー (+25%添加) 食 (2報) ではTGの増加と関連が認められた (PMID:24401226)
・2012年12月までを対象に5つのデータベースで検索できた介入試験 22報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、血中脂質 (TC (20報) 、LDL-C (17報) 、HDL-C (22報)) との関連は認められなかった (PMID:23825185)
・2012年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験11報 (検索条件:7日以上、成人) について検討したメタ分析において、普通エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、拡張期血圧 (10報) 、平均動脈圧 (10報) の低下と関連認められたが、収縮期血圧 (10報) との関連は認められなかった (PMID:22331380)
・2006年6月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験14報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食の炭水化物の一部を果糖 (100 g以下) に置き換えた場合、空腹時TG (10報) 、体重 (14報) との関連は認められなかった (PMID:18996880)


消化系・肝臓

メタ分析
・2013年9月までを対象に4つのデータベースで検索できた介入試験8報 (検索条件:期間7日以上、健康な人) について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食では肝細胞内脂質 (3報) 、ALT (4報) に関連は認められず、高エネルギー (+21〜35%) 食では肝細胞内脂質 (5報) 、ALT (4報)の上昇と関連が認められた (PMID: 24569542)

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2016年9月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験29報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食では、肝インスリン感受性 (3報) の上昇が認められたが、空腹時のインスリン濃度 (19報) 、HOMA-IR (10報) 、インスリン刺激性グルコース処理能 (3報) との関連は認められず、高エネルギー (+〜25%) 食では、空腹時のインスリン濃度 (13報) 、肝インスリン感受性 (4報) の上昇が認められたが、HOMA-IR (8報) 、インスリン刺激性グルコース処理能 (4報) との関連は認められなかった (PMID:27935520)
・2016年6月までを対象に4つのデータベースで検索できたコホート研究9報 (15試験) について検討したメタ分析において、果糖 (5報) の摂取は2型糖尿病リスクとの関連は認められなかった (PMID: 28536126)
・2016年4月までを対象に5データベースで検索できた無作為化比較試験47報を対象としたメタ分析において、普通エネルギー食のブドウ糖の一部を果糖に置き換えた場合、血糖値 (44報) 、インスリン濃度 (39報)、 血糖値上昇曲線下面積 (10報) の低下と関連が認められたが、TG (10報) との関連は認められなかった。普通エネルギー食のショ糖の一部を果糖に置き換えた場合、血糖値上昇曲線下面積 (4報) の低下と関連が認められたが、TG
(4報) との関連は認められなかった (PMID:28592611)
・2016年4月までを対象に5データベースで検索できた無作為化比較試験11報 (検索条件:期間2週間以上) を対象としたメタ分析において、普通エネルギー食のブドウ糖もしくはショ糖の一部を果糖に置き換えた場合、空腹時血糖 (11報) の低下が認められたが、血糖値 (11報) 、空腹時インスリン濃度 (11報) 、HOMA-IR (6報) 、空腹時TC (7報) 、空腹時LDL-C (6報) 、空腹時HDL-C (7報) との関連は認められなかった (PMID:28592603)
・2012年3月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験16報 (検索条件:期間7日以上) について検討したメタ分析において、糖尿病患者による普通エネルギー食の炭水化物の一部の果糖への置き換え、糖化血液タンパク (11報) の低下と関連が認められたが、空腹時血糖 (14報)、空腹時インスリン濃度 (7報) との関連は認められなかった (PMID:22723585)
・2011年11月までを対象に4つのデータベースで検索できた介入試験32報 (41試験) (検索条件:7日以上) について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食 (28報) では体重との関連は認められなかったが、高エネルギー (+18〜97%) 食では (9報) 体重増加が認められた (PMID: 22351714)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

<炎症>
メタ分析
・2018年4月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験13報 (検索条件:試験群20名以上、期間2週間以上) について検討したメタ分析において、普通エネルギー食のブドウ糖の一部を果糖に置き換えた場合、高感度CRP (6報) との関連は認められなかった (PMID:29757229)
・2015年9月までを対象に3つのデータベースで検索できたコホート研究2報について検討したメタ分析において、果糖の摂取は、痛風リスク増加と関連が認められた (PMID:27697882)
・2011年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた介入試験16報について検討したメタ分析において、普通エネルギー食または高エネルギー食の炭水化物の一部を果糖に置き換えた場合、普通エネルギー食 (14報) では血清尿酸値との関連は認められなかったが、高エネルギー (+35%) 食 (2報) では血清尿酸値の上昇が認められた (PMID:22457397)

<がん>
メタ分析
・2005年12月までを対象に11のデータベース、2006年1月から2011年9月までを対象に1つのデータベースで検索できた疫学研究13報について検討したメタ分析において、果糖の摂取 (7報) は、膵臓がんリスク増加と関連が認められ、用量依存性 (6報) が認められた (PMID:22539563)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・正常体重、過体重または肥満の健康な男女24名 (平均36±12歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、8日間、ブドウ糖、果糖または高果糖コーンシロップ (果糖55%+ブドウ糖41%+異性化糖4%) 含有飲料を推定エネルギー必要量の25%相当摂取させた上で食事を自由摂取させたところ、体重、ウエスト径、総エネルギー摂取量に影響は認められなかった (PMID:26537945)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・果糖は細胞内への取り込みの際にインスリンを必要としない (101) 。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食品に含まれている量を適切に摂取する場合はおそらく安全である。
・果糖の過剰摂取は脂肪酸の合成・エステル化を増加させ、コレステロールの合成を促進することが報告されている (101) 。
・摂取による食後血糖値の上昇はグルコースやショ糖を摂取した場合に比べて少ないものの、過剰摂取は脂質異常症 (高トリグリセリド血症や高コレステロール血症) 、インスリン抵抗性、内臓脂肪の増加などの原因となりうる (102) 。
<妊婦・授乳婦>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

1. TDLo (最小中毒量)
・フルクトースを投与:ラット経口 4g/kg、(連続的) 70 g/kg/1週、70 g/kg/3週、42 g/kg/1週、168 g/kg/4週、700 g/kg/35日、605.25 g/kg/8週、140 g/kg/2週、700 g/kg/8週、560 g/kg/8週、840 g/kg/12週、257.6 g/kg/14日、マウス経口 (連続的) 4.37 kg/kg/8週、2.52 kg/kg/6週、882 mg/kg/21日 (91) 。
2.その他
・動物実験 (ラット) において、10%果糖液14日間の投与は、血糖値、インスリン値、リン脂質、TG値を上昇させたが、一晩絶食すると元の値の戻った (1993003167) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・通常の食品に含まれている量を適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、果糖の過剰摂取は中性脂肪の蓄積をまねき、コレステロールの合成を促進するため、注意が必要である。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(101) ハーパー生化学原書30版 丸善出版
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:15330094) J Chromatogr A. 2004 Jul 23;1043(2):211-5
(1993003167) 大和ヘルス財団研究業績集. 1992; 16:173-8
(PMID:26537945) Am J Clin Nutr. 2015 Dec;102(6):1373-80.
(PMID:26358358) J Am Heart Assoc. 2015 Sep 10;4(9):e001700.
(102) EFSA Journal 2011 9(6) 2223 Fructose and reduction of post-prandial glycaemic responses
(32) 生化学辞典 第4版 東京化学同人
(76) 日本食品大事典 医歯薬出版株式会社
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(103) 櫻井総合食品事典
(PMID:29757229) Nutrients. 2018; 12;10(5)
(PMID:28536126) CMAJ. 2017; 189(20):E711-E720
(PMID:27935520) Am J Clin Nutr 2016; 104(6) 1562-76
(PMID:27697882) BMJ Open. 2016; 6(10):e013191
(PMID:26269365) Am J Clin Nutr. 2015; 102(4):914-21
(PMID:24698343) Nutrition 2014; 30(5) 503-10
(PMID:25144126) J Am Coll Nutr 2014; 33(4) 328-39
(PMID:24569542) Eur J Clin Nutr 2014; 68(4) 416-23
(PMID:24401226) Atherosclerosis 2014; 232(1) 125-33
(PMID:23825185) J Nutr 2013; 143(9) 1391-8
(PMID:22723585) Diabetes Care 2012; 35(7) 1611-20
(PMID:22539563) Ann Oncol 2012; 23(10) 2536-46
(PMID:22457397) J Nutr 2012 142(5) 916-23
(PMID:22351714) Ann Intern Med 2012; 156(4) 291-304
(PMID:22331380) Hypertension 2012; 59(4) 787-95
(PMID:28592611) Am J Clin Nutr. 2017; 106(2):506-518
(PMID:28592603) Am J Clin Nutr. 2017; 106(2):519-529
(PMID:18996880) Am J Clin Nutr. 2008; 88(5):1419-37

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