健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

レイシ(霊芝)、マンネンタケ、ロッカクレイシ [英]Reishi [学名]Ganoderma lucidum. Karst

概要

レイシは、北半球の温帯広葉樹林に見られる担子菌類で、中国では紀元前200年から記述がみられる歴史の古い漢方素材のひとつであり、一般に食用とはしない。古来より、6種のレイシが記録され用いられてきたが、現在では赤レイシと紫レイシの2種類のみが使われている。一般的にはサルノコシカケの一種であるマンネンタケのことをレイシと呼んでいる。別名としてマンネンタケ/ロッカクレイシがある。近年レイシの多糖類が注目され、俗に、「抗腫瘍活性がある」と言われているが、ヒトでの有効性については調べた文献中に信頼できる十分なデータが見当たらない。安全性については、血小板減少症の人では出血傾向、血圧低下作用がある医薬品との併用により低血圧を起こす可能性があるため注意が必要である。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・レイシ (マンネンタケ/ロッカクレイシ) 子実体は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・「既存添加物」レイシ抽出物は苦味料。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・トリテルペノイド (triperpenoide) 60種以上、多糖類:フコフルクトグリカン、ペプチドグリカン、アラビノキシルグリカン、β-グルカン (β-glucan) など、その他マンニトール、種々の脂肪酸などを含む (18) (23) 。
・レイシの品質は、同一産地、同一品種であっても栽培条件や収穫時期により異なるという報告がある (1988146660) 。

分析法

・レイシは他のキノコ製品・酵母製品と同様にβ-D-グルカンを含有する。β-D-グルカンの構造特性や分子量分布はキノコの種類により大きく異なり、その構造と活性の関連については一致した見解が得られていない。特異検出キットによるキノコ中のβ-グルカン総量が測定されている (101) 。
・レイシ子実体中のガノデリック酸類 (トリテルペン類) をHPLCにて分析した報告がある (PMID:9810695) (PMID:10923835)
・レイシ中のエルゴステロール (ビタミンD前駆物質) をガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)にて分析した報告がある (PMID:9872771)
・レイシ由来のガノデリン酸 (ganoderic acid A) を酵素免疫測定法で分析した報告がある (2002095002) 。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・血圧またはコレステロール値が高めの成人23名 (平均43.5歳、中国) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、レイシ抽出物1.44 g/日を12週間摂取させたところ、血中HDLコレステロールの増加とトリグリセリドの減少が認められたが、その他の血中脂質、酸化ストレスマーカー、リンパ球サブセット、糖代謝、血圧、体格、尿中カテコールアミン、コルチゾールなどに影響は認められなかった (PMID:21801467)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当らない。

糖尿病・
内分泌

メタ分析
・2014年6月までを対象に22のデータベースで検索できた臨床試験3報について検討したメタ分析において、II型糖尿病患者によるレイシの摂取はHbA1c (2報) 、総コレステロール (2報) 、LDLコレステロール (2報) 、BMI (2報) に影響を与えなかった (PMID:25686270)
RCT
・メタボリックシンドロームのII型糖尿病患者84名 (試験群54名、平均60.2±10.0歳、オーストラリア) を対象とした多重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レイシ3 g/日またはレイシ+トウチュウカソウ3 g/日を16週間摂取させたところ、HbA1c、空腹時血糖、血中脂質、CRP、apoA、apoB、腹囲、BMI、血圧、QOL (SF-36) に影響は認められなかった (PMID:27511742)

生殖・泌尿器

RCT
・下部尿路症状のある男性50名 (50歳以上、試験群38名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レイシ (0.6 mg、6 mg、60 mg/日) を8週間摂取させたところ、6 mg/日、60 mg/日摂取群において、国際前立腺症状スコア(IPSS)とQOLの改善が認められたが、最大尿流率 (Q(max)) 、前立腺の大きさ、残尿、血中前立腺特異抗原 (PSA) レベルに影響は認められなかった (PMID:18097503)
・下部尿路症状のある男性88名 (平均64.0±7.4歳、試験群44名、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レイシ6 mg/日を12週間摂取させたところ、国際前立腺症状スコア (IPSS) の改善が認められたが、QOL、最大尿流率 (Q(max)) 、尿流量、残尿、前立腺の大きさ、血中前立腺特異抗原 (PSA) レベル、テストステロン濃度に影響は認められなかった (PMID:18097505)

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当らない。

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・2016年2月までを対象に10のデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、がん患者によるレイシの経口または注入による利用は、免疫細胞のCD3 (4報) 、CD4 (4報) 、CD8 (4報) 陽性細胞数およびCD4/CD8比 (4報) の増加、QOL (Karnofsky scale score; 3報) の上昇と関連が認められたが、症状のWHO診断基準 (2報) 、NK細胞活性 (2報) に影響は認められず、生存率についての報告は見当たらなかった。また、いずれの試験も質が低く、試験によるバラツキが大きかった (PMID:27045603)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

調べた文献の中に見当らない。

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

・血小板凝集阻害、血管拡張、血中脂質、血糖値降下、物質合成代謝促進、利尿、中枢神経系抑制、抗アレルギー活性、抗男性ホルモン作用、免疫機構の刺激、抗炎症作用、抗酸化作用、抗疲労作用、抗菌、抗ウイルス活性、肝臓保護作用、抗腫瘍作用などが期待されている (29) (18) (23) 。
・レイシ子実体の多糖は、ヒトマクロファージのIL-1β、TNF-α、IL-6産生を増強、ヒトT細胞のIFN-γ産生を増強、HL-60およびU937白血病細胞株の増殖を抑制した (102) 。
・老齢 (24ヶ月齢) マウスにGanoderma polysaccharides (GL-B) を腹腔内投与したところ、alloantigenに対する脾臓細胞のIL-2産生と増殖応答が若齢マウスのレベルまで復帰した (103) 。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
・有害事象として、3〜6ヶ月にわたり連続的に摂取した場合、口・喉・鼻の渇き、かゆみ、胃の不快感、鼻血、血便が知られている (22) (23) 。
・健康な成人15名 (平均38歳、中国) 、アテローム硬化症患者33名 (平均64歳) を対象とした試験において、レイシの水抽出物1 g×3回/日、2週間摂取させたところ、血小板凝集速度の低下、血小板凝集能の抑制を示した (PMID:2098581)
・健康な成人40名 (試験群20名、平均26.5歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、レイシ1.5 g/日を4週間摂取させたところ、血液凝固能 (血小板機能、フィブリノーゲン濃度など) に影響はなかった (PMID:16037156)
・16名 (平均36.0±9.4歳、アメリカ) を対象としたプラセボ比較試験において、レイシ2 g×2回/日を10日間摂取させたところ、心電図、血球数、血液生化学検査に影響はなかった (PMID:17597499)
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないため、使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・レイシワインの摂取による、皮膚発疹が1例報告されている (22) (PMID:7553247)
・胞子により呼吸器系アレルギーが起こる可能性がある。プリックテストにて、呼吸器系アレルギー患者172名 (平均35歳、インド) 中、28.4%が胞子に、17.4%が子実体に陽性反応を示した (PMID:7553247)
<被害事例>
・高血圧でフェロジピンを2年間服用している78歳女性 (中国) が、レイシ粉末製品を4週間摂取 (摂取量不明) したところ、不調、食欲不振、全身のかゆみ、褐色尿、黄疸などの症状を伴う肝機能障害を起こし、摂取中止により改善した (PMID:15464254)
・リンパ腫 (ステージIV) に罹患している49歳男性 (タイ) が、レイシ粉末製品を摂取していたところ (量、期間不明) 、摂取後2〜3日間激しい下痢を起こす慢性下痢が断続的に6ヶ月間継続し、レイシの胞子による偽寄生虫症と考えられた (PMID:17333761)
・統合失調症でリチウム、ペルフェナジン、トリヘキジフェニジルを長期間服用している47歳女性 (タイ) が、レイシ粉末カプセル400 mg/日を2ヶ月間摂取したところ、黄疸、急性肝炎を起こし、肝不全により死亡した (PMID:17621752)
・胃がんまたは大腸がんの化学療法中の男女5名 (64歳男性、77歳男性、61歳女性、56歳男性、59歳女性、中国) が、レイシサプリメントを摂取したところ (3名は1.8 g/日、2名は摂取量不明) 、腫瘍マーカー (CEA、CA72-4) の急上昇が認められ、摂取中止により改善した (PMID:24282100)
・健康な夫婦 (63歳と56歳、韓国) が、山で採取したレイシ (Ganoderma neojaponicum Imazeki) 約100 gを2〜3 Lの水で煮出して、水の代わりに1〜2 L/日を10日間飲用したところ、6日目より女性は咽喉炎および発熱、男性は発熱を呈したため受診。両者とも可逆性の汎血球減少症と診断されたが、加療および摂取中止により11日後には回復した (PMID:21370949)
・33歳男性 (韓国) が、山で採取したレイシ (G. lucidum) 、葛の根、甘草、ナツメ、人参、ツルニンジンを含む自家製ワイン約500 mLを2週間前に摂取したところ、両手の水疱、表皮剥脱、脱毛、発熱、悪寒を呈して受診。骨髄の生検により汎血球減少症と診断された。加療より症状発生から4〜5週間後に回復した。同じ自家製ワインを摂取した家族 (父65歳、母63歳、弟31歳) にも同様に汎血球減少症が認められ、500 mL 以上を摂取した父は発熱と意識混乱を呈して入院3日後に死亡、100 mL程度を摂取した母と弟は加療により回復した (105) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (マウス) において、6週齢よりレンチナン(β-D-グルカン製剤)1または4 mg/kgをシスプラチン (抗がん剤) 2 mg/kgと併用で10回、腹腔内投与したところ、レンチナン単独投与に比較し心筋障害の増強が認められた (2005052247) 。
<理論的に考えられる相互作用>
・抗血小板・抗血液凝固作用のあるハーブや医薬品と併用すると出血傾向が高まると考えられるため、血小板減少症の人は注意 (94) 。
・血圧低下作用のあるハーブや医薬品と併用とすると、その作用を強め低血圧を引き起こすと考えられるため、低血圧症の人は注意 (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・水抽出物を投与:マウス経口(間欠的)840 mg/kg/2週、1,680 mg/kg/2週、240 mg/kg/3日、ラット経口 (間欠的) 240 mg/kg/3日 (91) 。
・30%エタノール抽出物を投与:マウス経口 (間欠的) 14,000 mg/kg/4週 (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・レイシの浸出液投与:マウス経口22 g/kg(91)、マウス腹腔内38.3土1.04 g/kg (23) 。
3.その他
・ラットにレイシのアルコール抽出液1.2 g/kg/日もしくは12 g/kg/日を30日間経口投与した慢性毒性試験において、成長発育、肝臓・腎臓機能、心電図および主要臓器の組織病理検査に異常は認められなかった (104) 。
・動物実験 (マウス) において、6週齢よりレンチナン(β-D-グルカン製剤)1または4 mg/kgを10回、腹腔内投与したところ、投与量依存的に拡張型心筋症を発症し、胸腹水発生により生存期間が短縮した (2005052247) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・子実体、菌糸体:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中、授乳中の安全性については十分なデータがないので、使用を避ける。
・血小板減少症の人では出血傾向、血圧低下作用のある医薬品との併用で低血圧を起こすことがあるため注意が必要。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献中に信頼できる十分なデータが見当たらない。

参考文献

(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(101) 東京衛研年報 53,165-168,2002
(103) Yao Xue Xue Bao 1993;28(8):577-82
(104) 「中薬薬理与応用」王浴生編集
(PMID:10923835) Chem Pharm Bull (Tokyo). 2000 Jul;48(7):1026-33.
(PMID:9872771) Appl Environ Microbiol. 1999 Jan;65(1):138-42.
(PMID:2098581) J Tongji Med Univ. 1990;10(4):240-3.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(2002095002) 和漢医薬学雑誌.2001;18(4):154-60
(1988146660) 和漢医薬学雑誌.1986;3(3)238-9
(PMID:16037156) Anesth Analg. 2005 Aug;101(2):423-6.
(PMID:17597499) Am J Chin Med. 2007;35(3):407-14.
(PMID:18097503) Asian J Androl. 2008 Jul;10(4):651-8.
(PMID:18097505) Asian J Androl. 2008 Sep;10(5):777-85.
(PMID:9096652) Int J Cancer 1997 Mar 17;70(6):699-705
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:15464254) J Hepatol. 2004 Oct;41(4):686-7.
(PMID:17333761) Southeast Asian J Trop Med Public Health. 2006 Nov;37(6):1099-102.
(PMID:17621752) J Med Assoc Thai. 2007 Jan;90(1):179-81.
(PMID:21801467) Br J Nutr. 2012 Apr;107(7):1017-27.
(PMID:24282100) Integr Cancer Ther. 2014 Mar;13(2):161-6.
(PMID:21370949) Clin Toxicol (Phila). 2011 Feb;49(2):115-7
(105) Korean J Med. 2015; 88(1): 94-100.
(94) Natural Medicines
(PMID:27045603) Cochrane Database Syst Rev. 2016 Apr 5;4:CD007731.
(PMID:7553247) Clin Exp Allergy. 1995 May;25(5):440-7.
(PMID:27511742) Sci Rep. 2016 Aug 11;6:29540.
(PMID:25686270) Cochrane Database Syst Rev. 2015 Feb 17;2:CD007259.
(2005052247) 日本癌治療学会誌. 2004: 39(2); 426.

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.