健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

レシチン [英]Lecithin [学名]Phosphatidylcholine (ホスファチジルコリン)

概要

レシチンは卵黄、大豆、酵母、カビ類などに含まれるリン脂質である。人の体内のリン脂質としては最も多く、細胞膜などの生体膜や脳、神経組織の構成成分として重要である。厳密にはホスファチジルコリンを意味する。しかし、健康食品の分野ではホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール (いずれもリン脂質の仲間) の他、トリグリセリド、脂肪酸、炭水化物などを含むものをレシチンと呼んでいる。その含有成分比は原料によって異なる。例えば、卵黄レシチンはホスファチジルコリンを69%、ホスファチジルエタノールアミンを24%含み、大豆レシチンはホスファチジルコリンが24%、ホスファチジルエタノールアミンが22%と19%のホスファチジルイノシトールを含む。レシチンは食品や医薬品の添加物、乳化剤、抗酸化剤などとして幅広く用いられている。俗に、「血中コレステロールや中性脂肪を低下させる」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。安全性については、下痢、吐き気、腹痛などの悪影響が報告されている。また、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できるデータが十分ではないことから、通常の食物中の含有量を超える摂取は避けるべきである。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・別名として大豆レシチン/ホスファチジルコリン/卵黄レシチンがある。レシチンは「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」乳化剤。米国ではGRAS (一般的に安全と見なされた物質) 認定。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ホスファチジルコリン (phosphatidylcholine) 、ホスファチジルエタノールアミン (phosphatidylethanolamine) 、ホスファチジルセリン (phosphatidylserine) 、ホスファチジルイノシトール (phosphatidylinositol) の他、トリグリセリド、脂肪酸、炭水化物など。

分析法

・品質の指標として,phosphatidylcholine (PC) and phosphatidylethanolamine (PE) が逆相カラム付きHPLCにより分析されている (PMID:1618980) 。HPLC-MSを用いて測定した食品中の総choline (choline、glycerophosphocholine、phosphocholine、phosphatidylcholine、sphingomyelin) 濃度は、牛肝臓 (418 mg/100 g) 、鶏肝臓 (290 mg/100 g) 、鶏卵 (251 mg/100 g) 、麦芽 (152 mg/100 g) 、ベーコン (125 mg/100 g) 、乾燥大豆 (116 mg/100 g) 、豚肉 (418 mg/100 g) (PMID:12730414)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・健常者では20〜30 g/日のレシチン摂取がコレステロールを低下させる報告が数例あるが、脂質異常症患者ではLDLコレステロール値や総コレステロール値に対する影響が認められなかった (94) 。


消化系・肝臓

一般情報
・経管栄養を長期間施している患者における脂肪肝の改善に、レシチンの経口摂取の有効性が示唆されている (94) 。
・胆のう疾患の治療に用いられているが、経口摂取で効果がないことが示唆されている (94) 。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・レシチン1.2〜45 g/日の単独または治療薬との併用は、アルツハイマー病などの認知機能改善におそらく効果がない (94) 。
・予備的な報告では、レシチンの単独またはリチウムとの併用は、錐体外路性終末欠陥症候群の症状を改善しなかった (94) 。
・予備的な報告では、レシチン10 mg×回/日の摂取は、躁病の妄想や支離滅裂な発言、幻覚の症状を改善するが、有効性について信頼できる情報は十分とはいえない (94) 。
RCT
・妊婦99名 (試験群49名、平均30.2±3.8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較において、ホスファチジルコリン750 mg/日を、妊娠18週から出産後90日まで摂取させたところ、子どもが10ヶ月および12ヶ月齢時の認知発達機能 (global development index、言語発達、短期視空間記憶、長期エピソード記憶) に影響は認められなかった (PMID:23134891)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・レシチンの水和物は皮膚炎と乾燥肌の保湿剤として利用されており、事例報告では皮膚炎と乾燥肌への有効性は示されているが、臨床研究は見当たらない。皮膚炎と乾燥肌の有効性ついて信頼できる情報は十分ではない (94) 。
RCT
・婦人科の開腹手術を受ける女性57名 (試験群29名、平均42歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、手術前夜と術中にそれぞれレシチン10 gを摂取させたところ、血漿中TNF濃度や術後の痛みに影響は認められなかった (PMID:23568851)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・食品中に含まれる量の摂取であればおそらく安全である (94) 。
・有害事象として、下痢、吐き気、腹痛、肥満が起きることがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分でないので、食物中の含有量を超えての摂取はさける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

・他のハーブやサプリメントとの相互作用については信頼できるデータが十分でない (94) 。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・食品中に含まれる量の摂取であればおそらく安全であるが、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる情報が十分でないので、食物中の含有量を超えての摂取はさける。有害事象として、下痢、吐き気、腹痛、肥満が起きることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・脂質異常症患者ではLDLコレステロール値や総コレステロール値に対する影響が認められなかった。
・アルツハイマー病などの認知機能改善におそらく効果がない。

参考文献

(PMID:1618980) J Chromatogr. 1992 May 15;598(2):209-18.
(PMID:12730414) J Nutr. 2003 May;133(5):1302-7.
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:23134891) Am J Clin Nutr. 2012 Dec;96(6):1465-72.
(PMID:23568851) Br J Anaesth. 2013 Aug;111(2):249-55.
(PMID:12730414) J Nutr. 2003 May;133(5):1302-7.
(94) Natural Medicines

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