健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビタミンA (レチノール) [英]Vitamin A (Retinol) [学名]Vitamin A (Retinol)

概要

ビタミンAは、動物性食品に含まれている脂溶性ビタミンの1つであり、植物性食品に含まれるカロテンからも体内で生成される。上皮、器官、臓器の成長・分化に関与することから、妊婦や授乳婦にとっては特に必要なビタミンである。一般に、「目や粘膜を正常に保つ」「夜盲症を防ぐ」「がんのリスクを軽減する」などと言われている。ヒトでの有効性については、ビタミンA欠乏(眼球乾燥症や夜盲症を含む)の予防や治療に対して有効性が示されている。しかし、がん患者 (頭部や頸部、肺) の2次がんの再発リスクの減少に対しておそらく効果がない。適切に使用する場合はおそらく安全であるが、過剰に摂取した場合には危険性が示唆されている。妊婦が過剰摂取した場合は奇形のリスクがあるため注意が必要である。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。基礎的な解説は「ビタミンA解説」を参照。

法規・制度

・「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「栄養機能食品」の対象成分である (下限値:135μg (450 IU)、上限値:600μg (2,000 IU)) 。→通知文1 (PDF) 通知文2 (PDF)

成分の特性・品質

主な成分・性質

・all trans retinol:分子量 (MW) 286.5、融点 (mp) 62〜64℃、水に不溶、エーテル・エタノールに可溶、酸・空気・光・熱・金属イオンに対して極めて不安定。

分析法

・試料をケン化した後、酢酸エチル-n-ヘキサン混液 (1:9 V/V) でビタミンAを抽出し、紫外可視 (UV) 検出器 (325 nm) を装着したHPLCにより分析する方法が一般的である (105) 。
・レチノール (ビタミンA) とα-トコフェロール (ビタミンE) の同時分析を順相液体クロマトグラフィー (HPLC) で検討した報告がある (2001123243) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・発展途上国に住む小児の肺炎の重症度を減少させるのにおそらく効果がない (94) 。
メタ分析
・2012年11月までを対象に6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験50報について検討したメタ分析において、ビタミンや抗酸化物質 (ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、β-カロテン、セレン) のサプリメント摂取は心血管疾患 (心筋梗塞、狭心症、脳卒中、一過性虚血発作) の発症および心血管関連死、心突然死のリスクに影響を与えなかった (PMID:23335472)
RCT
・HIV感染者を含む肺結核患者154名 (試験群77名、平均30歳、南アフリカ) を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、レチニルパルミテート (パルミチン酸レチノール) 200,000 IU/日と亜鉛15 mg/日を8週間摂取させたところ、治療成績や体重増加に影響は認められなかった (PMID:21068353)


消化系・肝臓

メタ分析
・2011年1月までを対象に、6つのデータベースで検索できた無作為化比較試験20報について検討したメタ分析において、肝臓病患者によるβ-カロテン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレンなどの抗酸化物質の摂取は、全死亡率や肝臓疾患による死亡率に影響を与えなかった (PMID:21412909)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

一般情報
・栄養失調の女性に対して、妊娠に関連した死亡率を減少するのに有効性が示唆されている (94) 。
・栄養失調の女性での妊娠に伴う夜盲症や産後の下痢と熱の発症を減少させるのに、有効性が示唆されている (94) 。また夜盲症を患う亜鉛欠乏症の妊娠中の女性において、亜鉛のサプリメントがビタミンAの作用を増強するといういくつかの知見がある (94) 。
・栄養失調の女性の胎児や早期の乳幼児の死亡率を減少させるのに、効果がないことが示唆されている (94) 。
・栄養失調の妊娠中の女性において、血中のヘモグロビンとエリスロポエチンを増加させるのに、効果がないことが示唆されている (94) 。貧血の患者が多い発展途上国において、鉄および葉酸と併用したビタミンAと等価の3000μgのレチノールは、鉄および葉酸のみ摂取した場合と比べて、ヘモグロビンとエリスロポエチンの量をより増加させることはなかった (94) 。
・妊娠中の胎児および初期の授乳期間中新生児へのHIVの母子感染リスクを減少させるのに、効果がないことが示唆されている (94) 。予備的な臨床研究の結果より、HIV感染した妊娠女性へのビタミンAのサプリメント投与は、授乳を通しての乳児へのHIV感染のリスクを増加させる可能性がある (94) 。
メタ分析
・2011年6月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験17報について検討したメタ分析において、妊娠中のビタミンAまたはβ-カロテンの摂取は、妊娠中の貧血リスク低下 (6報) と関連が認められたが、胎内発育遅延児 (2報) 、低出生体重児 (5報) 、極低出生体重児 (2報) 、早産 (34週未満:2報、37週未満:7報) 、母体死亡 (3報) 、新生児死亡 (4報)、乳児および新生児死亡 (5報) 、HIV母子感染 (3報) のリスクに影響は認められたかった (PMID:22742601)
RCT
・栄養失調の妊娠の可能性のある女性44,646名 (12〜45歳、試験群29,841名、ネパール) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、妊娠前からレチノール7000μg等量/週のビタミンA (レチニル酢酸23,300IU/週) またはβ-カロテン (42 mg/週) を約3年間摂取させたところ、両群において妊娠による母体の死亡率 (PMID:10037634) 、産後の下痢と発熱の発症率 (PMID:11053506) の低下が認められたが、胎児や24週齢までの乳児の死亡率に影響は認められず (PMID:10837300) 、ビタミンA摂取群でのみ、妊娠中の夜盲症の発症率の低下(PMID:9732305)、子どもの9〜13歳時における肺活量 (FEV(1)、FVC) の増大 (PMID:20463338) が認められた。
・栄養失調の妊娠中の女性59,666名 (13〜45歳、試験群39,804名、バングラデシュ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、妊娠中から出産後12週まで、レチノール7,000μg/週またはβ-カロテン42 mg/週を摂取させたところ、母体、胎児、乳児の死亡率に影響は認められなかった (PMID:21586714)
その他
・1,228名 (症例535名) を対象とした症例対照研究において、母親の妊娠初期のビタミンA摂取量が多い (1,257μg/日以上) 群では少ない群 (32.0〜833.5μg/日) よりも、口唇裂の発症リスクが低かった (PMID:18343877)

脳・神経・
感覚器

一般情報
・ビタミンA欠乏症 (眼球乾燥症<ドライアイ>や夜盲症を含む) の予防と治療に効果がある (94) 。
・核白内障の発生を減少させるのに対して、有効性が示唆されている (94) 。ヒトでの大規模な人口集団を基にした研究で、食事中のビタミンA摂取は核白内障の発症リスク減少と相関があった (94) 。
・ビタミンEと併用により、レーザー屈折矯正角膜切除術後の治癒を促進するのに有効性が示唆されている (94) 。近視の治療でレーザー手術を受けている患者において、レチノールパルミテートの形での高用量 (50,000〜75,000 IU) をビタミンE (αトコフェニルニコチネート) 230 mgとともに毎日摂取した場合、角膜の再生を促進し、視力を向上させると思われる (94) 。
メタ分析
・2013年4月までを対象に2つのデータベースで検索できた疫学研究8報について検討したメタ分析において、ビタミンA (3報) 、α-カロテン (2報) 、β-カロテン (6報) 、β-クリプトキサンチン (3報) 、ルテイン (4報) 、リコピン (3報) の摂取量はパーキンソン病リスクに影響を与えなかった (PMID:24356061)
・2007年2月までを対象に7種のデータベースで検索出来た無作為化臨床試験 (RCT) および前向きコホート試験12報についてのメタアナリシスにおいて、抗酸化物質 (ビタミンA、C、E、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチン、αカロテン、βカロテン、βクリプトキサンチン) の食事摂取量と早期加齢性黄斑変性症の発症の間には相関がなかった (PMID:17923720)

免疫・がん・
炎症

<がん>
・がんの発生率や死亡率との関連についての報告があるが、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在している。個々の情報は下記のとおり。

≪がんの発生率や死亡率の抑制効果が示唆されたという報告≫
一般情報
・乳がんの予防に対して有効性が示唆されている (94) 。疫学調査により、食事からのビタミンAの十分な摂取は、乳がんの家族歴のある更年期前の女性の乳がん発生リスクを下げることが示されている。ただしビタミンAのサプリメントで同じ効果があるかどうかは不明である (94) 。
RCT
・内視鏡ポリープ切除術を受けた患者330名 (試験群164名、中央値57.5歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、セレン200μg/日、亜鉛30 mg/日、ビタミンA 2 mg/日、ビタミンC 180 mg/日、ビタミンE 30 mg/日を5年間摂取させたところ、中央値4年後までの腺腫再発率の低下が認められた (PMID:23065023)
その他
・2,030名 (症例966名、平均64.9歳、イギリス、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン) を対象としたコホート内症例対照研究において、前立腺がん診断の平均約4年前の血漿中のカロテノイド、レチノール、α-トコフェロール、γ-トコフェロール濃度と発症率との間に相関は見られなかったが、リコピンおよび総カロテノイドが高いと進行疾患リスクは低かった (PMID:17823432)

≪がんの発生率や死亡率の抑制効果は限定的であったたという報告≫
メタ分析
・2013年1月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向きコホート研究24報について検討したメタ分析において、カルシウム(8報) 、ビタミンA (2報) サプリメントの摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンC (3報) 、ビタミンE (5報) 、ビタミンD (5報) 、ニンニク (2報) サプリメントの摂取は関連が認められなかった。また、ビタミンE (5報) 、カルシウム (6報) 、葉酸 (3報) サプリメントの摂取量が多いと結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (2報) 、ビタミンC (3報) 、ビタミンD (4報) サプリメントの摂取量は関連が認められなかった (PMID:25335850)

≪がんの発生率や死亡率の抑制効果がみられなかったという報告≫
一般情報
・頭部や頸部や肺がんの患者において2次がんや腫瘍の再発リスクを減少させるのに、おそらく効果がない (94) 。大規模ランダム介入試験でもビタミンA摂取の補給の有無で、患者の生存期間およびevent free survival (= 再発を含む特別な出来事がなく生存していた期間 ) に有意差はなかった。
・悪性黒色腫に対するレチノイド補助療法の有益性は、いくつかの小規模な無作為割付臨床試験 (RCT) からは見出せなかった (25) 。この用途に関するレチノイドの適切な評価は行われていない (25) 。
メタ分析
・2016年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験5報について検討したメタ分析において、ビタミンAサプリメントの摂取は膀胱がんリスクに影響を与えなかったが、試験によるバラつきが大きかった (PMID:28244289)
・2014年4月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究47報について検討したメタ分析において、葉酸 (22報) 、ビタミンD (14報) 、ビタミンB6 (11報) 、ビタミンB2 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスク低下と関連が認められたが、ビタミンA (6報) 、ビタミンC (9報) 、ビタミンE (10報) 、ビタミンB12 (5報) の摂取は結腸直腸がんのリスクに影響を与えなかった (PMID:25491145)
・2009年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験11報 (10試験) について検討したメタ分析において、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、isotretinoin、acitrein などのビタミン類の単独摂取または数種の併用は皮膚がんの発症率や再発率に影響は与えなかった (PMID:21846961)
・2007年10月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験31報 (22試験) について検討したメタ分析において、抗酸化サプリメント (β-カロテン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、セレン) の摂取はがんの発症もしくは再発率に影響を与えず、サブグループの分析 (4試験) においては膀胱がんのリスク増加を示した (PMID:19622597)

<免疫・炎症>
一般情報
・化学療法を受けている小児における胃腸の副作用の軽減に、効果がないことが示唆されている (94) 。ビタミンAサプリメントは化学療法を受けている小児の下痢や口内痛のような症状の発生率や状態の軽減に対し、効果がみられなかった (94) 。
・妊娠中の胎児および初期の授乳期間中新生児へのHIVの母子感染リスクを減少させるのに、効果がないことが示唆されている (94) 。予備的な臨床研究の結果より、HIV感染した妊娠女性へのビタミンAのサプリメント投与は、授乳を通しての乳児へのHIV感染のリスクを増加させるかもしれない (94) 。
・発展途上国に住む小児の肺炎の重症度を減少させるのにおそらく効果がない (94) 。
・マラリアが風土病の地域で、3歳以下の小児のマラリアの症状を緩和するのに有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・アフタ口内炎の経験者160名 (試験群83名、平均35.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、パントテン酸、葉酸を米国の食事摂取基準値の100%量含有するマルチビタミンを1年間摂取させたところ、アフタ口内炎発生数、症状の持続期間、口内の痛みなどに影響は認められなかった (PMID:22467697)
その他
・麻疹患者78名 (試験群32名、日本) を対象とし、ビタミンA (3,000〜10,000 IUを3〜5日) を第4病日以前から投与したところ、症状の重症化 (38℃以上の高熱持続日数、眼球結膜充血ならびに眼脂の持続日数、胸部レントゲンで肺炎像を認めた率など) に対する予防効果が認められた (2003075551) 。

骨・筋肉

一般情報
・大量摂取により、閉経後女性の骨粗鬆症および骨折の発症率を増加させる可能性がある (PMID:11754708) (PMID:10439632)
メタ分析
・2017年1月までを対象に6つのデータベースで検索できた観察研究8報について検討したメタ分析において、総ビタミンA (3報) 摂取量が多いと全骨折リスクが低下したが、レチノール (5報) 、β-カロテン (2報) 摂取量との関連は認められなかった。総ビタミンA (3報) 、レチノール (4報) 摂取量が多いと臀部骨折リスクが上昇し、β-カロテン (2報) 摂取量との関連は認められなかった (PMID:28891953)

発育・成長

一般情報
・ビタミンA欠乏症の小児のはしかの合併症に対し、有効性が示唆されている (94) 。
・マラリアが風土病の地域で、3歳以下の小児のマラリアの症状を緩和するのに有効性が示唆されている (94) 。
・ビタミンA欠乏症の小児の、HIVおよび下痢による死亡率を減少させるのに補助剤として有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2010年4月までを対象に7つのデータベースで検索できた無作為化比較試験について検討したメタ分析において、6ヶ月齢〜5歳の小児におけるビタミンAの摂取は、全死亡率、下痢、はしか、夜盲症、眼球乾燥症のリスクの低下、摂取48時間以内の嘔吐リスクの増加と関連が認められた (PMID:21868478)
RCT
・新生児44,984名 (試験群22,493名、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、生後72時間以内にビタミンE 9.5〜12.6 IUとともに、ビタミンA 50,000 IUを摂取させたところ、生後4週、6ヶ月、12ヶ月までの死亡率および生後6ヶ月までの入院率に影響は認められず、泉門膨隆のリスク上昇が認められた (PMID:25799546)
・新生児22,955名 (試験群11,474名、ガーナ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、生後72時間以内にビタミンE 9.5〜12.6 IUとともに、ビタミンA 50,000 IUを摂取させたところ、生後4週、6ヶ月、12ヶ月までの死亡率および生後6ヶ月までの入院率に影響は認められなかった (PMID:25499545)
・新生児31,999名 (試験群15,995名、タンザニア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、生後72時間以内にビタミンE 9.5〜12.6 IUとともに、ビタミンA 50,000 IUを摂取させたところ、生後4週、6ヶ月、12ヶ月までの死亡率および生後6ヶ月までの入院率に影響は認められなかった (PMID:25499543)

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・システマティック・レビューは見つからなかったが、複数の無作為割付臨床試験 (RCT) によれば、局所レチノイド (tanzarotene) 摂取はプラセボと比較して、短期間では慢性尋常性乾癬を改善することが見つかった (25) 。
・経口レチノイドにより、少数の尋常性乾癬患者において乾癬が消失したという限定的なエビデンスが見出された (25) 。維持療法としてのレチノイドの効果については、良好なエビデンスは見出されなかった。有害作用および催奇形性のリスクのため、レチノイドは一部の患者には受け入れられていない (25) 。
  
(欠乏症・先天異常)
・ビタミンA欠乏症 (眼球乾燥症<ドライアイ>や夜盲症を含む) の予防と治療に経口摂取で有効である (94) 。
・ビタミンA欠乏症の小児のはしかの合併症に対して、有効性が示唆されている (94) 。
・ビタミンA欠乏症の小児の、HIVおよび下痢による死亡率を減少させるのに経口で補助剤として有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年8月までを対象に、5つのデータベースで検索できた無作為化比較試験12報について検討したメタ分析において、ビタミンAサプリメントの摂取は、総死亡率 (6報) 、心血管疾患死亡率 (2報) 、がん死亡率 (3報) に影響を与えず、がん発症リスク (2報) 上昇と関連が認められた (PMID:28096125)





試験管内・
動物他での
評価

・免疫機構に関わる (13) 。
・欠乏すると免疫能低下を起こす (15) 。
・生殖機能の維持にかかわる (13) (55) 。
・精子形成にかかわる (13) 。
・上皮組織の維持に関わる (13)。
・欠乏すると上皮の角化を亢進する (13) (55) 。
・欠乏すると乾皮症を招く (55) 。 
・ロドプシンの一部を構成し、視覚機能に関わる (3) (13) (55) 。
・味覚の維持にかかわり、欠乏すると味覚異常を招く (13) 。 
・細胞の増殖・分化に関わる (3) (13) 。
・成長作用がある (13) 。
・形態形成に関わる (13) 。

安全性

危険情報

<一般>
・経口または筋肉注射で適切に使用する場合、おそらく安全である (94) 。米国では、ビタミンAは成人一日10,000 IU(3,000μg/日)以下で安全とされる (94) (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量、耐容上限量を参照 (詳細は「ビタミンA解説」)) 。
・過剰に摂取した場合には、危険性が示唆されている (94) 。過剰量の長期摂取はビタミン過剰症を招くおそれがあり、ビタミンA過剰症リスクは特定の一日の摂取量よりむしろ蓄積に関連する。患者には一日10,000 IU以上摂取しないように指示すべきである (94) 。ビタミンA外用での安全性については、十分な情報が得られていない (94) 。
・2005年10月までを対象に、4種のデータベースで検索可能な無作為化比較試験68報について検討したシステマティックレビューにおいて、成人に対するβ-カロテン、ビタミンA、ビタミンEの投与は、死亡リスクを増加させる可能性がある (PMID:17327526) (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中および授乳中は経口または筋肉注射で適切に投与した場合、おそらく安全である。アメリカでは、ビタミンAは妊娠中および授乳中は一日10,000 IU以下で安全とされる (94) (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量、耐容上限量を参照 (詳細は「ビタミンA解説」)) 。上限量を大幅に超えて摂取することは、致命的な先天性異常を起こす可能性がある (94) 。
・妊婦に関しては過剰症で胎児の催奇形性の危険があるため、日本では上限量が3,000μgRE*/日 (日本人の食事摂取基準2005年版) と定められている (106) 。*RE=レチノール当量
・妊娠中に過剰に摂取した場合、危険性が示唆されている (94) 。一日10,000 IU以上の摂取で、胎児が先天性異常を起こす場合がある。妊娠前期は、頭蓋および顔面異常や中枢神経系の異常のような、ビタミンAによる催奇形性の感受性が高い期間である。妊娠中の女性はすべてのビタミンA源からのビタミンA摂取量をモニターすべきである。ビタミンAは動物性製品を含む幾つかの食品、第一にレバー、強化朝食シリアル、栄養補助食品などに含まれている (94) 。
<小児>
・小児では経口または筋肉注射で適切に投与した場合、おそらく安全である (94) 。米国では、3歳までの小児は一日2,000 IU以下、4〜8歳は3,000 IU以下、9〜13歳は5,700 IU以下、14〜18歳では9,300 IU以下の摂取であれば安全と思われる (日本人には「日本人の食事摂取基準」の推奨量や目安量、耐容上限量を参照 (詳細は「ビタミンA解説」)) 。各年齢でそれ以上の摂取は避けるべきである (94) 。
・ヒトでの急性毒性では、1ヶ月齢の男児が11日間に1,000,000 IUのビタミンAを投与された後死亡した一例が報告されている 。脳脊髄圧上昇 (3) (13) をおこす。
・より一般的な慢性毒性は、小児の場合一日12,000〜600,000 IU (2,000〜60,000 IU/kg/日) 、成人で一日50,000〜1,000,000 IU (700 IU〜15,000 IU/Kg/日) を連日摂取した場合に報告されている。その症状は頭痛 (28) 、頭蓋内亢進 (3)、唇のひび割れ (27) 、皮膚の乾燥とかゆみ (27) (3) 、脱毛 (3) 、肝臓肥大 (27) 、骨と関節の痛み (27) 、筋肉痛 (3) (13) など。
<その他>
・肝疾患があると、ビタミン過剰症や肝毒性のリスクが高まる (94) 。
<被害事例>
・妊娠前と妊娠前期(2〜3ヶ月) に母親 (日本) がトレチノイン (ビタミンA誘導体0.025%) 局所製剤を顔と背中に塗布し、また妊娠中に妊婦用ビタミンを摂取し、さらに父親も妊娠前にイソトレチノインを服用していたところ、妊娠41週で出生した男児 (体重4,090 g) の耳と中枢神経系に奇形を認めた (2000267729) 。
・17歳女性 (イギリス) が、ビタミンAを2,400μg含むマルチビタミンサプリメントとともに複数のサプリメントを約2ヶ月間摂取したところ、頭痛、視力低下、視野狭窄を呈し、偽脳腫瘍と診断された (PMID:25146922)
・27歳男性 (日本) がアラスカメヌケの肝臓を800 g摂取した直後に痺れを生じ、翌日に潮紅、頭痛、吐き気、関節痛のため医療機関を受診。血清レチノール濃度が高値であったため急性ビタミンA中毒と診断され経過観察を行ったところ、摂取4日後に顔面皮膚剥離を生じたが、それ以外の症状は改善した (PMID:25850632)
・母親 (アメリカ) が妊娠中から授乳中にかけてビタミンAを4,000 IU/日、摂取し続けていたところ、母乳哺育の女児が10ヶ月齢時に二度、嘔吐し、さらに5日間、断続的な内斜視を生じて受診。ビタミンAの過剰による偽脳腫瘍と診断された (PMID:26656927)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・59歳男性 (アメリカ) が対面販売で購入した複数のマルチビタミンサプリメント (ビタミンAを計13,000μg含む) を2年間摂取していたところ、最近6ヶ月間体重増加と腹水が出現し、ビタミンA毒性による慢性肝炎と疑われ、ビタミンサプリメントの摂取中止により、腹水と肝機能が改善したという症例報告がある (PMID:18755329)

<理論的に考えられる相互作用>
・吸収や血中レベルに影響を与えるハーブやサプリメント、食品、医薬品が以下のようにいくつか知られている。
吸収を促進するもの:ビタミンAサプリメント、食事中の脂肪 (101) (102) 。吸収を低下させるもの:鉱油、ネオマイシン、コレスチラミン、オーリスタット (PMID:3881283)(PMID:12996478) (PMID:3673974) (PMID:176876) (PMID:7627696) (PMID:7354970) (PMID:8660081) (PMID:4365953) (PMID:3965864) (PMID:6361299) (PMID: 8844448) (PMID:12126214) (PMID: 9918478) (PMID:9683204) 。血中レベルを低下させるもの:慢性の過剰なアルコール摂取 (PMID:10357725) (PMID:11208727) (102) 。
・消化管感染症や寄生虫によって、摂取したビタミンAの吸収が低下することがある (102) 。
・良性頭蓋内圧亢進症がテトラサイクリンとビタミンA中毒で起こりうるとの報告があり、テトラサイクリンを服用している患者は多量のビタミンAを摂取するべきではない (PMID:2197848) (PMID:6449976) (PMID:6780129)
・ビタミンAの毒性はビタミンKとの拮抗作用によって、出血傾向や低プロトロンビン血症と関連があるので、大量のビタミンAの摂取はワルファリンのリスクを高める危険性がある (104) 。
・経口避妊薬を服用している患者では、服用していないヒトに比べ血清中ビタミンAの濃度の上昇が見られ、安全に用いるためのデータは十分でない (PMID:1764944) (PMID:6481708) (PMID:1130320) (PMID: 7400487)
・亜鉛欠乏したヒトでは、ビタミンA不足になる可能性がある。また、亜鉛とビタミンAを併用すると、それぞれ単独で用いるよりも効果が高い (PMID:11382658) (PMID:11756065)
・エトレチナート、イソトレチノイン、アシトレチン、タザロテン、トレチノイン、ベキサロテンなどのレチノイド (ビタミンA誘導体) 系医薬品は、ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こす (PMID:7752598) (PMID:1617858) (PMID:363444) 。そのためこれらの医薬品とビタミンA含有サプリメントを併用した場合にも、類似した副作用症状の発現が危惧される。

動物他での
毒性試験

・妊娠中の雌性ラットに、1 mg/kgおよび0.1 mg/kgのビタミンAを、妊娠20日に1回または妊娠19日と20日に2回投与し、胎仔の出生後動脈管の剖見をしたところ、0.1 mg/kg、1回の低投与量においても動脈管収縮促進作用が認められた (2000274771) 。
・妊娠中の雌性マウスにレチン酸80 mg/kgを投与したところ、胎児の口蓋裂の形成が認められ、TUNEL法による検討では、アポトーシス (細胞死) を起こした間質細胞数が多かった (2002172444) 。
・雌性マウスにビタミンA添加食 (ビタミンA.950 IU/5 g食) 、700 mg粗肝臓ホモジネート添加食 (ビタミンA.1,029 IU/5 g食) 、その親油性成分添加食 (V.A.950 IU/5 g食) を交尾1週間前から妊娠18日まで25日間させたところ、胎児の外形異常が見られた (2003253732) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・一般的な慢性毒性は、小児の場合1日12,000〜600,000 IU、成人で一日50,000〜1,000,000 IUを連日摂取した場合に報告されている。
・小児、成人、妊娠中および授乳中に適切に使用する場合、おそらく安全である。
・妊婦に関しては、過剰症で胎児の催奇形性の危険があるため、日本では許容上限摂取量が一日5,000 IUと定められている。妊娠中に過剰に摂取した場合、危険性が示唆されている。一日10,000 IU以上の継続摂取で、胎児が先天性異常を起こす場合がある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・ビタミンA欠乏症の予防と治療に有効と判断されている。
・有効性が示唆されているのは、
 1) 3歳以下の小児のマラリア症状の緩和、
 2) ビタミンA欠乏症の小児が補助剤として摂取したときのHIVおよび下痢による死亡率の減少、
 3) 栄養失調の女性の妊娠に関連した夜盲症や死亡率、産後の下痢や発熱の減少、
 4) 核白内障の発生の減少
である。
・効果がないことが示唆されているのは、
 1) 栄養失調の女性の胎児や乳幼児の死亡率の減少、
 2) 栄養失調の妊娠中の女性における血中のヘモグロビンとエリスロポエチンの増加、
 3) 妊娠中の胎児および初期の授乳期間中の新生児へのHIVの母子感染リスクの減少
である。
・頭部や頸部、肺がんの患者における2次がんや腫瘍の再発リスクの減少にはおそらく効果がない。

参考文献

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