健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

トウガラシ属 (赤唐辛子、パプリカ、ピーマンなど) [英]Capsicum (Red Pepper、 Paprika、 Green Pepper) [学名]Capsicum annuum L. など

概要

トウガラシ属は中南米原産で、少なくとも25種の野生種と5種の栽培種があり、世界中でスパイスとして栽培、利用されてきた。日本で栽培されている品種のほとんどはCapsicum annuum L.であり、赤トウガラシやパプリカ、ピーマンなどが含まれる。通常の食品として摂取する他、カプサイシノイドやカプシノイドを多く含むものはサプリメントとして利用される。俗に、「体脂肪を燃やす」「代謝を高める」「便秘を解消する」「美肌づくりに役立つ」「発がんを抑制する」などと言われているが、これらの有効性に関するヒトでの信頼できる十分なデータは見当たらない。安全性については、通常の食事に含まれる量の摂取はおそらく安全であるが、過剰量を長期にわたって摂取する場合、危険性が示唆されている。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・トウガラシの果実、果皮は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・シマトウガラシの果実は、「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・「既存添加物」として、トウガラシの色素は着色料、水性抽出物は製造用剤、抽出物は苦味料等の香辛料抽出物である (78) 。
・米国ではGRAS (一般的に安全と見なされた物質) に認定されている (94) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・トウガラシは、辛味成分 (カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン)、カロテノイド (α-クリプトキサンチン、β-クリプトキサンチン、カプサンチン、カプシアノシドA、カプソクロム、カプソルビン) 、ジテルペン (カプシアノシドII、III、VI、VIII〜勝XIII〜XVII) などを含む (101) 。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

RCT
・胃食道逆流症、過敏性腸症候群ではない機能性消化不良患者30名 (試験群15名、平均40.2歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシ0.5 g配合カプセルを食事15分前に (朝食1粒、昼食2粒、夕食2粒/日) 5週間摂取させたところ、消化器症状の8項目中、総症状、痛み、満腹感、吐き気の評価で改善が認められた (PMID:12030948)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

メタ分析
・1つのデータベースで検索できた症例対照研究10報について検討したメタ分析において、カプサイシンの摂取は、少量摂取 (9報) で胃がんの発症リスク低下との関連が認められたが、中〜多量摂取 (10報) ではリスク上昇との関連が認められ、いずれも試験によるバラツキが大きかった (PMID:24756832)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・BMI25〜35の成人75名 (試験群37名、平均43±8歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カプシノイド (トウガラシ抽出物) 6 mg/日を12週間摂取させたところ、腹部体脂肪率の低下が認められた。一方、体重、体脂肪率、安静時エネルギー消費量に影響は認められなかった (PMID:19056576)
・血清CRPが高値を示す過体重または肥満の女性31名 (平均57.7±1.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシ1 g/日を4週間摂取させたところ、体重、体脂肪、血圧、心拍、血糖値、炎症マーカー (CRP、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α) 、酸化ストレスマーカー (F2-イソプロスタン、酸化LDL) に影響は認められなかった (PMID:23150126)
・健康な男女20名 (試験群10名、平均20.7±1.2歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、カプシノイド4.5 mg×2回/日を8週間摂取させたところ、鎖骨上領域の総ヘモグロビン濃度の上昇が認められた。一方、体重や体脂肪量、血圧や心拍数に影響は認められなかった (PMID:27135066)

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・過剰量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されているが、長期摂取は危険性が示唆されている。高血圧、肝臓や腎臓が損傷する可能性がある (94) 。
・有害事象として、胃腸の炎症、上部消化管の不調、発汗やほてり、催涙、鼻水、頭痛、めまいを引き起こす可能性がある。過剰量の摂取は、血液凝固能を低下させる可能性がある (94) 。
・過剰量のカプサイシンの摂取は、胃腸炎を起こしたり、肝臓や腎臓に障害を与える可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中に通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。ただし過剰量の摂取は、安全性に関する十分なデータが見当たらない (94) 。
・授乳中の摂取は、危険性が示唆されている。乳児が皮膚炎を起こす可能性がある (94) 。
<小児>
・小児の摂取に関する十分なデータが見当たらない (94) 。
<その他>
・出血性疾患の人は、出血のリスクを増加させる可能性がある (94) 。
・糖尿病の人は、血糖に影響を与える可能性があるため、監視と薬の調整を要するおそれがある (94) 。
・高血圧の人は、症状を悪化させる可能性がある (94) 。
・過剰な出血を起こす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。
・痔核切除後の患者60名 (試験群30名、平均46.6±10.6歳、インド) 、もしくは裂肛手術後の患者56名 (試験群28名、平均31±10.6歳、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験、急性裂肛の患者43名 (平均27歳、インド) を対象としたクロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシパウダー3 g/日を7日間摂取させたところ、痔の再発、痛み、灼熱感が増加した (PMID:17647055) (PMID:17785979) (PMID:19149363)
・痔症状のある成人48名(中央値50歳、イタリア)を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、赤トウガラシパウダー10 mgを単回摂取させたところ、摂取48時間後までの自覚症状に影響は認められなかった (PMID:16708161)
<被害事例>
・51歳男性 (日本) が数種類のトウガラシソース (主成分はトウガラシ・塩・酢) を大量に飲用し、2日後、嘔吐と激痛を伴う食道粘膜下血腫を発症した (2004112063) 。
・17ヶ月齢の男児 (アメリカ) が、シカ肉のマリネを摂取し、数分後に蕁麻疹、結膜炎、顔の膨張を生じ、マリネに使用されていたトウガラシと黒コショウによるアレルギーと診断された (PMID:21748999)
・鼻炎、喘息、ラテックスアレルギーがあるが、花粉アレルギーはない33歳女性 (スペイン) が、生ピーマン摂取後に蕁麻疹、呼吸困難などを経験した後、様々な食品摂取でアナフィラキシー症状を呈するようになり、プリックテストにて緑および赤ピーマンに陽性を示し、ラテックス-果物症候群の交差反応と診断された (PMID:23537591)
・19歳男性 (イタリア) が、コショウと赤トウガラシを多量に摂取し (摂取量不明) 、血圧上昇を呈し、カプサイシンによる高血圧と診断された (PMID:19168246)
・41歳男性 (トルコ) が、減量目的に赤トウガラシ錠剤を3ヶ月間摂取し (摂取量不明) 、胸の痛みを呈し、急性心筋梗塞と診断された (PMID:22527825)
・ヨモギ花粉症をもつ30歳女性 (日本) が、ライチを摂取したところ (摂取量等不明) 、口腔アレルギー症候群、全身蕁麻疹、呼吸困難、腹痛、下痢、下血を生じ、2年後に市販のカレールー2種を用いたカレーを摂取したところ (摂取量等不明) 、同様の症状を生じたため受診。プリックテストの結果、ライチおよびカレールーに含まれていた複数のスパイス (クミン、ディル、パセリ、セロリ、コリアンダー、フェンネル、アジョワン、Bマスタード、パプリカ) に対して陽性を示し、これらを原因とするアナフィラキシーショックと診断された (2007119508) 。
・47歳男性 (アメリカ) が、コンテストの一環でゴーストペッパー入りハンバーガーを摂取したところ、激しい吐き気、嘔吐、腹痛、胸痛を呈し、食道破裂と診断された (PMID:27693067)
・2型糖尿病、脳出血の既往があり、脳梗塞後遺症 (左片麻痺) のため寝たきりであった92歳女性 (日本) が、下肢の疼痛治療目的でトウガラシを塗った湿布を貼付し、潰瘍、壊疽を生じた (2001088955) 。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト>
・健康な若い女性10名 (18〜35歳、タイ) を対象とした無作為化クロスオーバー試験において、凍結乾燥したトウガラシ4.2 g (没食子酸として25 mgのポリフェノールを含む) を鉄強化魚醤とともに摂取させたところ、強化された鉄の吸収が38%抑制された (PMID:17116705)
<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、カプサイシンの6日間経口投与は、ガランタミン (アセチルコリンエステラーゼ阻害薬:CYP2D6、CYP3A基質) の血中濃度 (AUC、Cmax) を低下させた (PMID:22668071)
・カプサイシンとジヒドロカプサイシンには、in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) においてCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4/5の阻害作用が、in vivo試験 (ラット) においてCYP2E1活性の増加が認められた (PMID:22375877)
・動物実験 (ラット) において、カプサイシンの7日間経口投与は、シンバスタチン (抗脂質異常症薬、CYP3A4基質) の血中濃度 (AUC、Cmax) を低下させた (PMID:23220613)
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、カプサイシンはCYP1A2、CYP2C9、CYP3A4活性を強く阻害し、CYP2D6活性をわずかに阻害し、ピペリンはCYP1A2、CYP3A4を強く阻害し、CYP2C9、CYP2D6をわずかに阻害した (PMID:27821437)
<理論的に考えられる相互作用>
・ワルファリン、その他の抗凝固薬、抗血小板薬、抗凝固作用をもつハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスクを増加させる可能性がある (94) 。
・コカやコカインとの併用は、コカインの副作用を増悪させる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬や血糖降下作用を持つハーブやサプリメントとの併用は、低血糖のリスクを増加させる可能性がある (94) 。
・鉄との併用は、鉄の利用効率を減少させる可能性がある (94) 。
・抗血圧剤との併用は、薬効を低下させる可能性がある (94) 。
・アスピリンやシプロフロキサシンとの併用は、バイオアベイラビリティに影響を与える可能性がある (94) 。
・テオフィリンやセファゾリンとの併用は、吸収を促進させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・オレオレジン・カプシカムを投与:ラット経口 >3 g/kg (91) 。
2. TDLo (最小中毒量)
・パプリカヘキサン抽出物を投与:ラット経口 (継続的) 67.5 g/kg/13週、37.7 g/kg/13週、872 g/kg/52週 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・経口摂取:クラス1 (22)
・外用:クラス2d (22) 。

総合評価

安全性

・通常の食事に含まれる量の摂取は、おそらく安全である。
・過剰量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されているが、長期摂取は危険性が示唆されている。高血圧、肝臓や腎臓が損傷する可能性がある。
・妊娠中に通常の食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、過剰量の摂取は、安全性に関する十分なデータが見当たらない。
・授乳中の摂取は、危険性が示唆されている。乳児が皮膚炎を起こす可能性がある。
・小児の摂取に関する十分なデータが見当たらない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

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(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
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