健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

クコ 、ゴジベリー [英]Goji、Chinese wolfberry、Wolfberry、Duke of Argyll's tea-tree、Chinese box thorn、matrimony vine. [学名]Lycium chinense Mill.、Lycium barbarum Linne

概要

クコは本州〜沖縄、朝鮮半島、中国、台湾に分布するナス科の多年生木本。高さ1〜2 mに生長する。若芽をお浸しや和え物、天ぷらなど、果実をドライフルーツなどで食してきた。俗に、「眼によい」「皮膚によい」「美容によい」などと言われているが、食品として流通しているクコのヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。適量を短期間摂取する場合、安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらないため、摂取を避ける。なお、日本薬局方では果実が生薬の枸杞子 (クコシ) 、根皮が地骨皮 (ジコッピ) の原料とされ、枸杞子は虚労、心病に、地骨皮は解熱に使用されているが、食品のクコと混同しない。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実、葉が「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・根皮 (ジコッピ) が「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・果実、根皮にベタイン、β‐シトステロールを含む (94) 。
・根皮にkukoamineを含む (94) 。

分析法

L. chinenseのリシウモシド、ルチン、クロロゲン酸、ケルセチン-3-O-ソホロシド、ケンフェロール-3-O-ソホロシドをUV検出器を装着したHPLCで分析した報告がある (101) (1998137902) 。
L. chinenseの揮発性中性成分として、カロテノイド由来と考えられる化合物 (ジヒドロアクチニジオリド、サフラナール、β-イオノン、メガスティグマトリエノン、3-ヒドロキシ-β-イオノン) 14種を検出したという報告がある (1984171674) 。

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2017年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験7報について検討したメタ分析において、クコ (L. barbarum、果実4報、多糖2報、部位不明1報) の摂取は空腹時血糖 (4報) の低下と関連が認められたが試験によるばらつきが大きく、体重 (5報) 、血圧 (拡張期、収縮期 (各6報)) 、血中脂質 (TC、TG (各3報)) との関連は認められなかった (PMID:28401234)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

RCT
・高齢者150名 (試験群75名、平均67±2歳、中国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、クコ (L. barbarum) 果実530 mg/g含有粉末13.7 g/日を90日間摂取させ、30日目にインフルエンザワクチンを接種させたところ、総IgG、インフルエンザ特異的IgGの増加、ワクチン接種後の抗体の陽性化率上昇が認められた。一方、総IgM、特異的IgM、遅延型皮膚反応、炎症マーカー (CRP、オロソムコイド、IL-6、sTNR-R1) に影響は認められなかった (PMID:22352435) 。また、網膜の黄斑色素減少抑制、総抗酸化能上昇が認められたが、軟性ドルーゼン数に影響は認められなかった (PMID:21169874)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適量を短期間摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
・乾燥させた根皮の有害事象として、吐き気、嘔吐を生じる可能性がある (94) 。また、多量の摂取によりめまい、動悸、不整脈を生じる可能性がある (PMID:19844860)
・根皮は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される (30) ため、食品に使用することは認められていない。
<妊婦・授乳婦>
・信頼できる十分な情報が見当たらないため、摂取を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・下痢、発熱、関節炎、重度の炎症症状がある人は民間療法としての果実の摂取を避ける (PMID:19844860)
・食物アレルギー患者は、交差反応を生じる可能性がある (94) 。
<被害事例>
・60歳女性 (スペイン) が、クコ (L. barbarum) 果実の茶 (果実1握り/杯) を3回/日、10日間摂取したところ、無気力、関節痛、下痢、腹痛、黄疸、全身性紅斑、発疹、肝機能マーカー (AST、ALT、LDH、γ-GTP、ビリルビン) 上昇を呈し、摂取中止により改善した (PMID:21621492)
・レタス、トマト、チキン、ツナのサラダ摂取後にアナフィラキシーを起こした経験のある27歳女性 (スペイン) がクコ (L. barbarum) 果実を摂取したところ (摂取量不明) 、1時間以内に手および足の蕁麻疹、唇の腫れ、呼吸困難、急性鼻炎を生じて医療機関を受診。パッチテストにおいて、クコ、桃、トマト、ピーマン、脂質伝達タンパク質が陽性であり、クコにおける特異的IgE抗体値も高値であったため、クコによるアナフィラキシーと診断された (PMID:22312943)
・トマト、ピーマン、桃、アンズ摂取による口腔アレルギー症候群の経験がある13歳女児 (スペイン) がクコ (L. barbarum) 果実を摂取したところ (摂取量不明) 、全身性蕁麻疹、重度掻痒、血管性浮腫、呼吸困難を生じて医療機関を受診。プリックテストにおいてクコ、桃、キウイ、アーモンドなどが陽性であり、クコにおける特異的IgE抗体値も高値であったため、クコによるアナフィラキシーと診断された (PMID:22312943)
・植物性食物アレルギーのある30名 (スペイン) を対象にプリックテストを行ったところ、24名 (77%) がクコ (L. barbarum) に陽性を示した (PMID:23101309)
・ラテックス・フルーツ症候群の40歳女性 (スペイン) が、クコ (L. barbarum) を摂取 (摂取量不明) した直後に、咽頭の痒みを生じ、プリックテストにてクコに陽性を示した (PMID:23548535)
・花粉症の37歳男性 (イタリア) が、運動パフォーマンスと免疫力向上のためにクコ (L. barbarum) を摂取し (摂取量不明) 、約2時間後に運動を開始したところ、直後に気分が悪くなり、全身の蕁麻疹、喘鳴を生じて医療機関を受診、加療にて改善した。プリックテストにてクコが陽性を示したため、クコによる運動誘発性アナフィラキシーと診断された (PMID:25935431)
・53歳男性 (スペイン) がクコを1テーブルスプーン/日で5ヶ月間摂取、キャッツクローを3ヶ月間利用したところ、日光に当たる部位に痒みを伴う発疹を生じ、誘発テストによりクコ摂取が原因の全身性光過敏症と診断された (PMID:21950628)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・高血圧、脂質異常症、三尖弁逆流症のためベナゼプリル、アテノロール、ジゴキシン 、フルバスタチンを服用中で、心房細動の経験があり、ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) によるコントロール良好であった61歳女性 (アメリカ) が、かすみ目のため、乾燥クコ (L. barbarum) 果実の茶1杯 (最大6オンス) ×3〜4回/日を4日間摂取したところINRが上昇し、クコの茶の摂取中止とワルファリン服用量調節により安定した (PMID:11675844)
・脳出血の既往歴があり、糖尿病、高血圧、心房細動のためニフェジピン、グリベンクラミド、メトホルミン、ロラゼパムを服用中で、ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) によるコントロール良好であった80歳女性 (香港) が、クコ (L. barbarum) 果実の茶を2〜3杯 (クコ10 g/杯含有) /日、2日間摂取したところ、INRが上昇し、摂取中止とワルファリン服用量の調節により安定したが、再びクコの茶を4杯摂取した翌日にINRが再度上昇し、摂取中止、投薬量調整により安定した (PMID:18281140)
・高血圧、糖尿病、喘息、関節炎のためエゼチミブ、リシノプリル、ファモチジン、メクリジン、アルプラゾラム、ジフェンヒドラミンを服用中で、膝関節形成術後の静脈塞栓症予防のためワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) を服用していた71歳女性 (アメリカ) が、クコ (L. barbarum) ジュース30 mL×2回/日を4日間摂取したところ、鼻血、紫斑、下血を呈したためクコの摂取を中止して受診。INR上昇のためワルファリンを中止し、加療により改善した (PMID:22392461)
<動物・試験管内>
・in vitro試験 (ヒト酵素) において、クコ (L. barbarum) の生果実の水抽出物はCYP2C19、CYP2D6、CYP3A5を、熱水抽出物はCYP2C19、CYP2D6を、80%エタノール抽出物はCYP2C9、CYP2C19を、乾燥果実の水抽出物はCYP2C19、CYP3A7を、熱水抽出物はCYP2C19、CYP2D6、CYP3A5を、80%エタノール抽出物はCYP2C9、CYP2C19、CYP3A5、CYP3A7を、市販または自家製ジュースはCYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP19、CYP4A11を中〜強度に阻害した (PMID:27352447)
<理論的に考えられる相互作用>
・ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、P糖タンパク質基質) との併用で出血傾向が高まる可能性がある (94) 。
・CYP2C9を阻害する可能性がある (94) 。
・血圧降下作用のあるハーブやサプリメント、血圧降下剤との併用で低血圧のリスクが高まる可能性がある (94) 。
・血糖降下作用のあるハーブやサプリメント、血糖降下剤との併用で低血糖のリスクが高まる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1. TDLo (最小中毒量)
L. barbarum果実の多糖類を投与:ラット経口 (間欠的) 2 g/kg/10日、マウス経口 (間欠的) 750 mg/kg/15日 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根皮:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適量を短期間摂取した場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中は、安全性に関する信頼できる十分な情報が見当たらないため、摂取を避ける。
・根皮は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(18) 和漢薬百科図鑑/II  保育社 難波 恒雄 著
(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社  デニ・バウン
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(101) Nat Med. 1995; 49(2): 133-6.
(92) 現代中薬薬理学
(PMID:11675844) Ann Pharmacother. 2001 Oct;35(10):1199-201.
(24) 漢方薬理学 南山堂 高木敬次郎ら 監修
(1998137902) Natural Medicines. 1997; 51(5):387-91
(1985109034) Chemical & Pharmaceutical Bulletin.1984; 32(9):3584-7
(1984171674) Agricultural and Biological Chemistry. 1983; 47(10):2397-9
(PMID:18281140) Food Chem Toxicol. 2008 May;46(5):1860-2.
(PMID:21621492) Dig Liver Dis. 2011 Sep;43(9):749.
(PMID:22392461) Pharmacotherapy. 2012 Mar;32(3):e50-3.
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(PMID:23548535) Ann Allergy Asthma Immunol. 2013 Mar;110(3):206-7.
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(PMID:21950628) Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2011 Oct;27(5):245-7.
(94) Natural Medicines
(PMID:19844860) Planta Med. 2010 Jan;76(1)7-19.
(PMID:28027641) J Agric Food Chem. 2017 Jan 18;65(2):309-316.
(PMID:27352447) J Complement Integr Med. 2016 Sep 1;13(3):257-265.
(PMID:28401234) Food Funct. 2017 May 24;8(5):1741-1748.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:22352435) Rejuvenation Res. 2012 Feb;15(1):89-97.
(PMID:21169874) Optom Vis Sci. 2011 Feb;88(2):257-62.

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