健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ツボクサ [英]Gotu kola、Indian pennywort [学名]Centella asiatica (L.) Urban (Hydrocotyle asiatica L.、Centella coriacea Nannfd.)

概要

ツボクサは、インドの伝統医学 (アーユルヴェーダ) で利用されてきたハーブのひとつである。現在では皮膚への効果が特に注目されている。俗に、「傷跡を薄くする」「下肢循環不全を軽減する」「美肌効果がある」などと言われている。このように皮膚の健康に対する効果を期待して、医療や化粧品などにも利用されている。ヒトでの有効性については、慢性の静脈不全症に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。安全性については、適切に用いれば、経口摂取、外用ともに安全性が示唆されている。妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる十分なデータがないため、使用は避けたほうがよい。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・全草は「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アシアチコシド (asiaticoside) 、オキシアシアチコシド (oxyasiaticoside) 、ブラーモシド (brahmoside) 、マデカシン酸 (madecassic acid) 、アシアチン酸 (asiatic asid) などの、不定量のトリテルペノイドサポニン類、多種のサポゲニン類、精油、配糖体などを含む。
・薬用部分は全草 (積雪草<セキセツソウ>) 。弱い芳香のある匍匐性 (ほふくせい;ツル状に延びて地面をはう性質) の多年草。葉は円形、腎臓形で直径4 cmになる。全草を採集し乾燥する。本州関東地方南部、新潟県以西-沖縄および朝鮮半島、台湾、中国に広く分布。水辺や湿地、700 mまでの湿った岩地に育つ。花期は5〜8月。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・静脈機能不全に対して有効性が示唆されている (94) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・認知症や神経疾患のない高齢男女90名 (65〜84歳、試験群44名、アメリカ) を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、イチョウ葉サプリメント (1日分としてイチョウ葉160 mg、ツボクサ68 mg、DHA 180 mg) を4ヶ月間摂取させたところ、認知機能、QOL、血小板機能に影響は認められなかった (PMID:17324660)

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。カナダでは規制により、非医薬品原料として経口製剤に使用することは禁止されている (22) 。
・有害事象として、胃腸の不調や吐き気 、肝毒性を生じる可能性がある 。
・過剰摂取で頭痛、一時的な意識障害を起こす (20) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる十分なデータがないので、使用は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<その他>
・肝炎などの肝疾患患者では症状を悪化させる可能性がある (94) 。
・中枢神経に影響を与える可能性があるため、手術の少なくとも2週間前には摂取を中止した方がよい (94) 。
<被害事例>
ツボクサを含む製品を塗布したことによる皮膚炎の事例が多数報告されている。
・38歳男性と42歳および59歳女性 (スペイン) が、ツボクサクリーム (市販品) を局所に塗布したところ、湿疹や重度の皮膚炎を発症した (PMID:8706410) (PMID:1387057)
・55歳女性 (イタリア) がツボクサを含むクリームを2回/日塗布したところ、肥厚性瘢痕がおこった (PMID:2931243)
・男性2名と女性2名 (43〜68歳、イタリア) が、ツボクサクリームを2回/日、10〜15日間塗布したところ、小疱性皮膚炎を発症した (PMID:2946520)
・18〜33歳女性 (3名、韓国) が、ツボクサを含む軟膏を塗布した4日〜数週間後、痒みを伴う紅斑や肥厚性瘢痕が出現した (PMID:2936544)
・39歳女性 (イタリア) が、ツボクサクリーム (市販品) を2回/日塗布したところ、局所性強皮症 (皮膚の一部が腫れ、硬くなる症状) を発症した (PMID:7821029)
・22歳女性 (イタリア) が、レーザー療法の後にツボクサクリームを塗布した5日後、浸出性の小胞反応や掻痒 (かゆみ) 、胸の線状萎縮をおこした (PMID:2931243)
・42歳女性 (ポルトガル) がツボクサを含む軟膏を、首の手術後の傷跡に塗布したところ、首と胸郭上部に重度の湿疹が出現した。パッチテストによりツボクサが陽性であったため、ツボクサによる接触皮膚炎と診断された (PMID:20136880)
・54歳女性 (スペイン) が、下腿潰瘍の治療を目的にツボクサ抽出物やラベンダー精油などを含む軟膏を2回/日、2日間塗布したところ、かゆみと小胞反応が生じた。当該製品、ツボクサ抽出物、ラベンダー精油がパッチテストで陽性であったため、ツボクサおよびラベンダー精油によるアレルギー性接触皮膚炎と診断された (PMID:8766746)

・49〜61歳女性 (3名、アルゼンチン) が、体重減少を目的としてツボクサ錠 (詳細不明) を20〜60日摂取したところ、右季肋部痛、黄疸、黄疸尿、無力、食欲不振、掻痒などの症状が生じ、ツボクサによる肝毒性と診断された (PMID:15801887)
・リメサイクリンでニキビ治療中の15歳女児 (イギリス) が、ニキビ治療を目的としてツボクサ含有ハーブ薬をインターネットで購入し20 mg/日、6週間摂取したところ、急性肝不全を起こした (PMID:21334992)
・2000年〜2007年を対象に5つのデータベースで検索できたハーブ製品による肝毒性報告について検討したレビューにおいて、減量を目的とした製品 (N-ニトロソフェンフルラミン、ウスニン酸、エフェドラアルカロイドを含むもの) やテルペノイドを含むハーブ (ニガクサ属、スカルキャップ、ツボクサ、ブラックコホシュ) による肝毒性の危険性が指摘されている (PMID:18318821)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

ヒト
・うつ病の35歳女性 (ポルトガル) が、体重減少目的でツボクサ、ヒバマタを1年摂取していたが、3ヶ月前よりベンラファキシン (抗うつ薬:CYP2D6、CYP3A4基質) 服用を開始したところ、呼吸困難、筋痛、空咳が出現、症状が持続したため受診。Naranjo Adverse Drug Reaction Probability Scale (有害事象と被偽薬物の因果関係評価指標) によりベンラファキシンによる間質性肺炎、急性心筋症の同時発症と診断された。ツボクサ、ヒバマタの併用によりCYP2D6が阻害され、ベンラファキシンおよびその代謝物のO-デスメチルベンラファキシンが毒性レベルまで蓄積したことが原因と考えられた (PMID:25029655)
<試験管内・動物>
・動物実験では、血糖値や血清コレステロール値へ影響を及ぼすという報告がある (94) 。
・in vitro試験において、ツボクサのエタノール抽出物にはCYP2C19の阻害作用が認められ、ジクロロメタン抽出物はCYP2C19活性をわずかに阻害した (PMID:21093571)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ツボクサのメタノール抽出物はCYP3A4の活性を阻害し、エタノール抽出物はCYP2D6の活性を阻害した (PMID:25684704)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ツボクサのエタノール抽出物はCYP1A2、CYP2C9の活性を阻害した (PMID:25938222)
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、ツボクサ水抽出物およびエタノール抽出物はCYP3A4活性を阻害した (PMID:28539725)
・in vitro試験 (肝ミクロソーム) において、ツボクサはCYP3A4、CYP2D6、CYP2C9、CYP1A2活性を阻害した (PMID:27030208)
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、ツボクサの水抽出物はCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4活性に影響を与えなかった。メタノール抽出物はCYP1A2、CYP2A6、CYP2C8、CYP 2C9、CYP2D6活性に影響を与えなかったが、CYP2B6、CYP2C19、CYP2E1、CYP3A4活性を阻害した (PMID:20218935)
<理論的に考えられる相互作用>
・鎮静作用のあるハーブやサプリメント、医薬品との併用で、鎮静効果や副作用を強めることが考えられる (94) 。

動物他での
毒性試験

・0.1%アシアチコシド (ツボクサの成分) をベンゼンに溶解した溶液をマウスに週2回塗布したところ、弱い発がん性を示した (94) 。
・テンジクネズミを用いた動物実験において、ツボクサとその成分 (アシアチコシド、アシアチン酸、マデカシン酸) の抽出液が弱い感作物質であった (PMID:8281778)

AHPAクラス分類
及び勧告

・全草:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に用いれば、経口摂取、外用ともに安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる十分なデータがないため、使用は避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・慢性の静脈不全症に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。

参考文献

(20) ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
(21) グリーンファーマシー 健康産業新聞社 James A.Duke
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:17324660) J Am Diet Assoc. 2007 Mar;107(3):422-32.
(PMID:8706410) Contact Dermatitis. 1995 Dec;33(6):435-6
(PMID:1387057) Contact Dermatitis. 1992 Mar;26(3):192-3.
(PMID:2931243) Contact Dermatitis. 1985 Jul;13(1):39.
(PMID:2946520) Contact Dermatitis. 1986 Aug;15(2):108-9.
(PMID:2936544) Contact Dermatitis. 1985 Nov;13(5):310-3.
(PMID:7821029) Contact Dermatitis. 1994 Sep;31(3):201.
(PMID:20136880) Contact Dermatitis. 2010 Jan;62(1):54-5.
(PMID:15801887) Rev Esp Enferm Dig. 2005 Feb;97(2):115-24.
(PMID:8766746) Allergol Immunopathol (Madr). 1996 May-Jun;24(3):132-4.
(PMID:21334992) Dig Liver Dis. 2011 Jun;43(6):500.
(PMID:18318821) J Gastroenterol Hepatol. 2008 Mar;23(3):366-73.
(PMID:21093571) J Ethnopharmacol. 2011 Jan 27;133(2):881-7.
(PMID:25684704) Phytother Res. 2015 May;29(5):785-90.
(PMID:25938222) Drug Metabol Personal Ther. 2015 Jun;30(2):137-41.
(PMID:8281778) Contact Dermatitis. 1993 Oct;29(4):175-9.
(94) Natural medicines
(PMID:28539725) Pharmacogn Mag. 2017 Apr-Jun;13(50):300-308.
(PMID:27030208) J Sci Food Agric. 2017 Jan;97(1):333-340.
(PMID:25029655) J Bras Pneumol. 2014 May-Jun;40(3):313-8
(PMID:20218935) Xenobiotica. 2010 Apr;40(4):245-54

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