健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

キャッツクロー [英]Cat's claw [学名]Uncaria tomentosa (Willd.) DC. 、Uncaria guianensis (Aubl.) J.F.Gmel.

概要

キャッツクローは、中南米を産地とする蔓性常緑木である。樹皮の切れ目から出る樹液が飲用されてきた。


●有効性
俗に、「痛風やリウマチによい」「免疫力を高める」「がんによい」と言われている。変形性関節症やリウマチに有効性が示唆されているが、その他の人における有効性は、信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
短期間、適切に摂取する場合は、安全性が示唆されているが、妊娠中は危険性が示唆されているため使用を避ける。授乳中は信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用を避ける。


●使用してはいけない人 (禁忌)
妊娠中または妊娠を望む女性は、医療従事者監督下以外での使用を禁止。



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法規・制度

■食薬区分
全草:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アルカロイド (リンコフィリン (rhynchophylline) 、五環系オキシインドールアルカロイド (pentacyclic oxindole alkaloid:POA) 、pteropodine、isopteropodine、uncarine Eなど) 、キノブ酸グリコシド (quinovic acid glycosides) 、タンニンなどを含む (21) (94) 。

分析法

・アルカロイド類をUV検出器 (245 nm) 付HPLC-MSにより分析した報告がある (PMID:11488460) (PMID:14979528)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・リウマチに有効性が示唆されている (94) 。

骨・筋肉

一般情報
・変形性関節症に有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年5月までを対象に12個のデータベースで検索できた無作為化プラセボ比較試験2報について検討したメタ分析において、キャツクロー抽出物の摂取は変形性関節症の安静時および夜間の痛み軽減との関連は認められなかった (PMID:28872719)
RCT
・膝の変形性関節症に罹患している成人45名 (45〜75歳、試験群30名、ペルー) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、キャッツクロー抽出物を100 mg/日、4週間摂取させたところ、膝を動かした際の痛みの軽減が認められた。一方、安静時の痛みや膝の腫れに影響は認められなかった (PMID:11603848)
・6ヶ月以上スルファサラジン (炎症性腸疾患治療薬) またはヒドロキシクロロキンを服用しているリウマチ罹患者40名 (試験群21名、平均53.1±13.4歳、オ−ストリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、キャッツクロー根酸抽出物20 mg/カプセルを含む特定の製品を3回/日、24週間摂取させたところ、関節痛の軽減が認められた(PMID:11950006)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT
・健康な成人女性48名 (試験群24名、平均46.4±4.2歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、キャッツクロー熱水抽出物125 mg含有飲料50 mL/日を12週間摂取させたところ、皮膚の状態 (頬角層水分量、シワ平均深度、シワ最大深度、シワ最大幅、シワ個数、シワ体積率) に影響は認められなかった (2017174349) 。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。



安全性

危険情報

<一般>
・短期間の適切な摂取は安全性が示唆されている (94) 。
・摂取により、頭痛やめまい、嘔吐、一時的な下痢、便秘、消化不良、リンパ球増加症、赤血球増加症、座瘡の悪化を起こす可能性がある (94) (79) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中は危険性が示唆されているため、使用を避ける (94) 。
・授乳中は信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・多発性硬化症や全身性エリテマトーデス (SLE) など自己免疫疾患患者は、使用を避ける (94) 。
・出血性疾患患者は、出血のリスクを高める可能性がある (94) 。
・低血圧患者は、血圧を下げ、悪化させる可能性がある (94) 。
・白血病患者は、疾患活動性が悪化する可能性がある (94) 。
・血圧に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。
<被害事例>
・坐骨神経痛および椎間板ヘルニア患者の15歳女性 (日本) が、キャッツクローを主成分とするサプリメント (キャッツクロー、ワイルドローズフォルテ、ノニ、マカ、カロチノイドを含有) を1日約30錠およびクロレラを1日約12錠、処方鎮痛薬と2ヶ月間併用したところ、薬剤性肝機能障害を発症した (リンパ球刺激試験ではクロレラのみ陽性) (2005222152) 。
・全身性エリテマトーデスの既往歴があり、プレドニゾン (副腎皮質ホルモン製剤) 、アテノロール (β遮断薬) などの医薬品を服用していた35歳女性 (アメリカ) が、関節炎の改善を目的に、キャッツクロー抽出物を1カプセル×4回/日併用したところ (摂取期間不明) 、血清クレアチニン値の上昇、タンパク尿、血尿などを生じ、急性アレルギー性間質性腎炎と診断された。キャッツクローの摂取中止により症状が改善した (PMID:9375835)

禁忌対象者

・妊娠中または妊娠を望む女性は、医療従事者監督下以外での使用禁止 (22) 。

医薬品等との
相互作用

<動物・試験管内>
・動物実験 (マウス) において、キャッツクロー粉末はジアゼパム (抗不安薬:CYP2C19、CYP3A4基質) の薬効を増強した (PMID:21928376)
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク) において、キャッツクローはCYP3A4活性を阻害した (PMID:10969720)
・in vitro試験 (L-MDR1細胞、P388/dx細胞) において、キャッツクローのエタノール抽出物はP糖タンパク質活性に影響を及ぼさなかった (PMID:30602711)
・in vitro試験 (MDCKII細胞) において、キャッツクローのエタノール抽出物はBCRP活性に影響を及ぼさなかった (PMID:30602711)
・in vitro試験 (HEK293細胞) において、キャッツクローのエタノール抽出物はOATP1B1、OATP1B3活性に影響を及ぼさなかった (PMID:30602711)
・in vitro試験 (測定キット) において、キャッツクローのエタノール抽出物はCYP1A2、CYP2B6、CYP2C19活性に影響を及ぼさなかったが、CYP3A4活性を抑制した (PMID:30602711)
・in vitro試験 (LS180細胞) において、キャッツクローのエタノール抽出物はCYP1A1、CYP1A2、CYP3A4、MRP2、ABCC2遺伝子発現に影響を及ぼさなかったが、CYP2J2、UGT1A3、UGT1A9、ABCB1、SLCO1B1遺伝子発現を誘導した (PMID: 30602711)
<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝固薬や抗血小板薬、血小板凝集作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスクを高める可能性がある (94) 。
・降圧剤や降圧作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、低血圧をおこす可能性がある (94) 。
・カルシウムチャネル遮断薬との併用は、低血圧をおこす可能性がある (94) 。
・免疫抑制剤との併用は、治療を妨げる可能性がある (94) 。
・薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される医薬品 (ロバスタチン (脂質異常症治療薬) やケトコナゾール (外用抗真菌薬) 、プロテアーゼ阻害薬など) の代謝を抑制し、それらの医薬品濃度が上昇する可能性がある (PMID:10969720) (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・キャッツクロー根水抽出物 (五環系オキシインドールアルカロイド35 mg/kg含有) を投与:マウス経口16 g/kg以上 (79) (81) 。
・キャッツクロー樹皮水抽出物を投与:ラット経口126.8 g/kg (79) 。
2.LDLo (最小致死量)
・キャツクロー抽出物を投与:マウス経口 16 g/kg (91) 。
・キャッツクロー根水抽出物を投与:マウス経口 16 g/kg (91) 。
3.TDLo (最小中毒量)
・キャッツクロー根水抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 28 g/kg/28日 (91) 。
・キャッツクロー樹皮水エタノール抽出乾燥物を投与:マウス経口 (間欠的) 400 mg/kg/8日、1.05 g/kg/21日、2.1 g/kg/21日、8.4 g./kg/21日 (91) 。
・キャッツクロー樹皮水エタノール抽出凍結乾燥物を投与:マウス経口 (間欠的) 1.6 g/kg/8日 (91) 。
・キャッツクロー樹皮水抽出物を投与:マウス経口 (連続的) 12 g/kg/24日 (91) 。
・キャツクロー抽出物を投与:ラット経口 (間欠的) 28 g/kg/28日、0.14 g/kg/14日 (91) 。
・キャツクロー抽出物を投与:マウス経口 (間欠的) 0.9 g/kg/9日、0.8 g/kg/4日 (91) 。
4.その他
・交尾後72時間の妊娠マウスにキャッツクロー抽出物を摂取させたところ、異常胚の増加が認められた (101) 。
・雌マウスにキャッツクローのタンニンフリー抽出物を摂取させたところ、妊娠が阻害された (102) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根皮、茎皮:クラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・短期間の適切な摂取は安全性が示唆されている。
・妊娠中の摂取は危険性が示唆されているので使用を避ける。
・授乳中の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定の製品や抽出物の摂取で、変形性関節症、関節リウマチに対して有効性が示唆されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:11488460) Planta Med. 2001; 67(5); 447-50.
(PMID:14979528) Phytochem Anal. 2004;15(1):55-64.
(PMID:10969720) Phytomedicine. 2000 Jul;7(4):273-82.
(PMID:11950006) J Rheumatol. 2002 Apr;29(4):678-81.
(21) グリーンファーマシー 健康産業新聞社 James A.Duke
(PMID:11603848) Inflamm Res. 2001 50:442-448
(2005222152) 小児科. 2005; 46(6):1061-5
(79) The Essential Guide to Herbal Safety Elsevier (2005)
(81) Herbal Medicines Third edition (Pharmaceutical Press)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:9375835) Nephron. 1997;77(3):361.
(PMID:21928376) Phytother Res. 2012 Mar;26(3):458-61.
(94) Natural Medicines
(101) Bol. Soc. Biol. Concep. 1998 69:141-145
(102) PCT Int. Appl. WO 1982. 821130 A1
(PMID:30602711) Molecules 2018;24(1):137.
(103) 学名でひく食薬区分リスト
(104) 基原植物事典
(2017174349) 応用薬理. 2016; 91(1/2): 19-24.
(PMID:28872719) Phytother Res. 2017; 31(11): 1676-85.

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