健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

チョウセンアザミ 、アーティチョーク [英]Artichoke [学名]Cynara scolymus L.

概要

チョウセンアザミは野菜として主に地中海沿岸地方で食されてきた植物である。日本でも明治以降、食用、観賞用として栽培され、アーティチョークとしてスーパーなどで見かけるようになった食材である。チョウセンアザミに含まれる苦味質は健康に効果があるとされ、俗に、「胆のうや肝臓の機能を高める」「血中コレステロールや中性脂肪を下げる」などと言われている。チョウセンアザミには胆汁分泌促進により、消化不良や脂質異常症に対する有効性が示唆されている。安全性については、妊娠中・授乳中を含め、食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。大量に摂取した場合の安全性については十分なデータがないため、過剰摂取は避ける。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・茎、根、葉、頭花の総苞・花床は、「医薬品的効果効能を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・苦味質[シナリン (cynarin(e)) 、セスキテルペンラクトン (sesquiterpene lactones)]、フラボノイド[ルテオリン (luteolin) 、スコリモサイド (scolymoside)]、イヌリン、シナロピクチン、カフェ酸 (caffeic acid) 、クロロゲン酸 (chlorogenic acid) 、数種の酵素、タラキサステロール、糖類、精油を含む。
・大型のアザミに似た多年生草本。薬用部分は葉、花托と総苞片。開花直前に花托と総苞片をとり、総苞片を一枚ずつとり、残りの総花床、花托は刻んで日干しにするか生のままで使う。タンパク質やビタミンCなどが含まれている。地中海沿岸、アフリカ北部が原産とされ、栽培もされている。高さ60 cm〜2 m。

分析法

・品質の指標として、ケイヒ酸およびフラボノイドが高速液体クロマトグラフィー (HPLC) およびHPLC/MSにより分析されている (PMID:15013149)

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・チョウセンアザミ抽出物は脂質異常症に対し、有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・コレステロール値が高い (総コレステロール6.0〜8.0 mmol/L) 健康な成人75名 (18〜75歳、イギリス) を対象とした二重盲検並行群間無作為化プラセボ比較試験において、チョウセンアザミの葉抽出物 (カフェオイルキナ酸2.5%以上とルテオリン-7-O-グルクロニド0.1%以上の規格品) を1,280 mg/日、12週間摂取させたところ、血漿中TCの低下がみられたが、LDL-C、HDL-C、TGに影響は認められなかった (PMID:18424099)
・過体重で軽度の高コレステロール血症の患者92名 (試験群46名、平均54.2±6.6歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、チョウセンアザミ葉抽出物250 mg×2回/日を8週間摂取させたところ、HDL-Cの増加、TC、LDL-C、TC/HDL-C比、LDL-C/HDL-C比の低下が認められた (PMID:22746542)
・中等度高コレステロール血症の男女45名 (フランス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ベニコウジ抽出物167 mg+サトウキビ抽出物3.70 mg (60%オクタコサノール含有) +乾燥チョウセンアザミ葉抽出物200 mgを含むダイエタリーサプリメントを6個/日 (15名、平均50.8±10.8歳) または3個/日 (15名、平均53.4±9.0歳) 、4週間摂取させたところ、LDL-CおよびTCはいずれの群で、LDL/HDL-C比は3個/日群でのみ低下が認められたが、HDL-C、TG、TC/HDL-C比はいずれの群ともに影響は認められず、試験終了4週間後ではいずれも影響は認められなかった (PMID:23266743)


消化系・肝臓

一般情報
・チョウセンアザミの葉の抽出物は消化不良に対して有効性が示唆されている (94) 。
・ドイツのコミッションE(薬用植物評価委員会)では消化不良に対してのみ治療目的での使用を承認している (58) 。
RCT
・消化不良患者244名 (試験群129名、平均48.5±13.3歳、ドイツ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、チョウセンアザミの葉抽出物640 mg×3回/日を6週間摂取させたところ、症状、全身QOLの改善が認められた (PMID:14653829)
・非アルコール性脂肪性肝疾患患者89名 (試験群49名、平均45.2±11.8歳、イラン) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、の乾燥チョウセンアザミ葉抽出物200 mg×3回/日 (シナリン2 mg×3回/日含有) を8週間摂取させたところ、BMI、腹囲、血中脂質 (TC、LDL-C、HDL-C、non-HDL-C、TG) 、総ビリルビン濃度、尿酸値、収縮期血圧の低下、肝静脈血流の増加、門脈径および肝サイズの縮小、肝機能マーカー (ALT、AST、AST/ALT比、APRI) の改善が認められた。一方、拡張期血圧、抱合型ビリルビン濃度、糖代謝マーカー (血糖、インスリン、HbA1c) に影響は認められなかった-(PMID:29520889)

糖尿病・
内分泌

RCT
・空腹時血糖異常である過体重または肥満の男女55名 (試験群26名、平均54.7±11.6歳、イタリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、食事指導とともにチョウセンアザミ花蕾抽出物200mg×3回/日を8週間摂取させたところ、空腹時血糖値、HOMAindex、血清TC、LDL-C、体組成値 (BMI、肩甲骨下部皮下脂肪厚、上腕周囲長、上腕筋面積、上腕皮下脂肪面積、ヒップ径、ふくらはぎ径) の低下が認められたが、その他の糖代謝マーカー (インスリン、HbA1c、ADAG (HbA1c換算平均血糖値)) 、血中脂質 (HDL-C、TC/HDL-C比、TG) 、上腕部および肩甲骨稜上部皮下脂肪厚、ウエスト径、空腹感に影響は認められなかった (PMID:23440660)

生殖・泌尿器

RCT
・閉経前の女性30名 (試験群15名、21〜45歳、平均34.7歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ウコン100 mg、チョウセンアザミ100 mg、ローズマリー100 mg、オオアザミ100 mg、セイヨウタンポポ100 mg、チョウセンゴミシ50 mgを含有するカプセルを4カプセル×2回/日、4月経周期間摂取させたところ、卵胞期初期のデヒドロアンドロステロンが低下したが、他の性ホルモンに影響は認められなかった (PMID:17684134)

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

一般情報
・二日酔いに対しては効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT
・健康な成人15名 (32〜62歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、飲酒の直前または直後にチョウセンアザミの葉抽出物960 mgを摂取させたところ、二日酔いの症状に影響は認められなかった (PMID:14662662)





試験管内・
動物他での
評価

・シナリン、スコリモサイドの2成分は利胆作用があり (23) 、胆汁分泌を促す (94) 。
・複数の成分に抗酸化作用が報告されている (PMID:9194411)
・予備的な報告によると、葉の抽出物は肝細胞の損傷を防御する (PMID:9194411) (PMID:3430163)

安全性

危険情報

<一般>
・通常、食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・適切な量を治療に使用する場合、安全性が示唆されている (94) 。
・チョウセンアザミに対するアレルギーを起こす可能性がある (58) (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・安全性については十分なデータがないため、摂取は避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・チョウセンアザミを素手で扱う職業に2年間従事していた20歳女性 (スペイン) が、全身性蕁麻疹、手や前腕、顔の血管性浮腫、鼻の掻痒感や鼻漏、呼吸困難などのアレルギー症状を発症した (PMID:8621859)
・チョウセンアザミを扱う職業に従事していた44歳男性 (スウェーデン) がチョウセンアザミを摂取したところ、主にまぶたや目の周りに湿疹が出現し、チョウセンアザミによる接触皮膚炎と診断された (PMID:6225611)
・カベイラクサ (Parietaria judaica) に対する花粉症を持ち、2年間野菜問屋に勤務していた29歳女性 (スペイン) が、チョウセンアザミに30分接触後、鼻漏やくしゃみ、呼吸困難などのアレルギー症状を発症した (PMID:12877457)
・チョウセンアザミを取り扱う野菜卸売業者 (2名、スペイン) が鼻炎や気管支喘息、皮膚炎を発症した (PMID:12877457)
・41歳男性がチョウセンアザミを摂取したところ (摂取量不明) 、10分後にアナフィラキシー症状を呈し、チョウセンアザミとの因果関係はprobableと判断された (PMID:26948409)
・45歳女性 (ギリシャ) が、チョウセンアザミを素手で採取し調理していたところ、掌から指にかけて発赤、浮腫、水疱性発疹を生じ、チョウセンアザミによる一次刺激性接触皮膚炎と診断された (PMID:19236426)

禁忌対象者

・胆管閉鎖症の患者には使用禁忌 (23) (58) 。胆石患者には原則使用禁忌 (23) 。胆石の患者は医師の指導のもとに摂取するべきである (58) 。
・キク科アレルギーの人は使用禁忌 (23) 。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・妊娠中・授乳中を含め、食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。ただし治療目的の量での安全性においては十分なデータがないため、摂取は避けたほうがよい。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・チョウセンアザミの抽出物および葉の抽出物は脂質異常症、消化不良、また胆のう疾患に由来する消化不良、過敏性腸症候群とその関連症状に対する有効性が示唆されている。
・二日酔いに対して有効でないことが示唆されている。

参考文献

(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(58) The Complete German Commission E Monographs
(PMID:15013149) J Pharm Biomed Anal. 2004 Feb 4;34(2):349-57.
(PMID:9194411) Toxicol Appl Pharmacol. 1997 Jun;144(2):279-86.
(PMID:3430163) J Nat Prod. 1987 Jul-Aug;50(4):612-7.
(PMID:12137691) Cochrane Database Syst Rev. 2002;(3):CD003335.
(PMID:14662662) CMAJ. 2003 Dec 9;169(12):1269-73
(94) Natural Medicines
(PMID:8621859) J Allergy Clin Immunol. 1996 Feb;97(2):710-1
(PMID:6225611) Contact Dermatitis. 1983 Jul;9(4):314
(PMID:12877457) Ann Allergy Asthma Immunol. 2003 Jul;91(1):92-5
(PMID:9732368) J Pharmacol Exp Ther. 1998 Sep;286(3):1122-8.
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(PMID:18424099) Phytomedicine. 2008 Sep;15(9):668-75.
(PMID:17684134) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2007 Aug;16(8):1601-9.
(PMID:22746542) Int J Food Sci Nutr. 2013 Feb;64(1):7-15.
(PMID:23440660) Phytother Res. 2014 Jan;28(1):33-41.
(PMID:23266743) Eur J Nutr. 2013 Dec;52(8):1843-52.
(PMID:26948409) Phytother Res. 2016 Mar 7. doi: 10.1002/ptr.5604.
(PMID:19236426) Clin Exp Dermatol. 2009 Jun;34(4):534-5.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:29520889) Phytother Res. 2018 Jul;32(7):1382-1387.

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