健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

カンナビジオール、CBD [英]Cannabidiol (CBD) [学名]2-[(1R,6R)-6-isopropenyl-3-methylcyclohex-2-en-1-yl]-5-pentylbenzene-1,3-diol

概要

カンナビジオール (CBD) はアサ (大麻草) から得られるカンナビノイドの一種。アサに含まれるカンナビジオール酸の非酵素的脱炭酸によって生成される。同じカンナビノイドであるテトラヒドロカンナビノール (THC) とは異なり、向精神作用を有さない。CBDを含むオイル、カプセル、菓子などの製品が健康食品や嗜好品として販売されている。


●有効性
俗に、「リラックス効果がある」「美肌によい」「ウイルス感染症対策によい」などと言われているが、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
成人が適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。妊娠中・授乳中の摂取は、危険性が示唆されている。肝機能障害患者、パーキンソン病患者の摂取は、注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントの摂取は控えること。



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法規・制度

■大麻取締法
・大麻草 (Cannabis sativa L.) の成熟した茎又は種子以外の部位 (葉、花穂、枝、根等) から抽出・製造されたCBD製品は大麻に該当し、輸出入、所持、譲受・譲渡等は原則禁止されている (101) 。
・テトラヒドロカンナビノール (THC) を含有するCBD製品は大麻に該当しないことが確認できないため、原則として輸入できない (101) 。
・大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたCBDを含有する製品、化学的に合成されたCBD製品は規制対象とされていない (101) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C21H30O2、分子量 (MW) 314.46。
・酸性条件下での加熱で環化反応によりTHC (Δ9-THC、Δ8-THC) に変換される (102) (103) 。

分析法

・市販のCBDオイル中のCBD、THCその他カンナビノイドをLC-MS/MSで分析した報告がある (103) 。
・市販のCBD関連製品のカンナビノイド (THC、CBD、CBN) をHPLC、LC-QTOF/MSおよびGC-MSで分析した報告がある (2021194542) 。
・生体試料中のCBD濃度は分光光度法、LC-MS/MS、HPLC-MS/MS、GC-MSなどによって分析される (102) 。

有効性








循環器・
呼吸器


RCT:海外
・健康な男性26名 (試験群13名、平均26.3±5.6歳、イギリス) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、CBD 600 mg/日を1日または7日間摂取させ、摂取後に3分間のハンドグリップストレス負荷を行ったところ、収縮期血圧の上昇抑制が認められた。一方、1日または7日間摂取のいずれにおいても、安静時の収縮期血圧および拡張期血圧に影響は認められなかった (PMID:32128848)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

RCT:海外
・運動習慣のない男性13名 (平均21.85±2.73歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、肘屈筋エキセントリック運動トレーニング日から4日間、CBD 75 mg×2回/日を摂取させたところ、筋肉痛、腕周囲径、関節角度、最大トルクに影響は認められなかった (PMID:33481484)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価






安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている (94) 。
・摂取により、眠気、下痢、食欲減退、口渇、疲労感、発熱、嘔吐、体重減少、肝機能障害、まれに肝炎、呼吸抑制、肺炎を生じる可能性がある (94) 。
・健康な成人16名 (中央値29歳) を対象としたオープンラベル試験において、CBDを9日間かけ段階的に増量し、10日目より750 mg×2回/日を16日間摂取させたところ、7名において肝機能マーカー (ALT) の上昇が認められ、うち5名が薬剤性肝障害であった (PMID:33022751)
<妊婦・授乳婦>
・危険性が示唆されている。CBD製品にはTHCやその他の有害成分が混入している可能性があるため、妊婦は使用を避ける (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない (94) 。
<病者>
・肝障害患者は、CBDの血中濃度が上昇しやすいため、摂取量に注意を要する (94) 。
・パーキンソン病患者は、摂取により症状が悪化する可能性がある (94) 。

<被害事例:海外>
・貧血、甲状腺機能低下症、片頭痛の既往歴があり、便秘のためサイリウムサプリメントを使用していた75歳女性 (アメリカ) が、腰痛緩和を目的にCBDオイルを摂取していたところ (摂取量不明) 、摂取開始後から約1年間継続する下痢を生じて医療機関を受診し、顕微鏡的大腸炎と診断された。CBDオイルの中止により改善したが、再摂取による再発を2回経験し、完全な摂取中止によって改善した (PMID:33094069)
・てんかんのためラコサミド、クロバザムを服用していた23歳女性 (アメリカ) が、医薬品のCBD 2.9 mL (290 mg含有) ×2回/日を7日間、その後5.8 mL/日×2回/日に増量し4週間服用していたところ、体幹と四肢の発疹、その後息切れと下痢を生じ、CBDの服用中止と加療により改善した (PMID:32729550)
・56歳男性 (アメリカ) が、背中の痛みの緩和を目的に、CBDグミ2袋 (CBD 370 mg含有、サービングサイズ:30 mg) を一度に摂取したところ、約3時間後に異常行動、嘔吐、言語障害を生じて救急搬送された。意識混濁、白血球およびCK上昇、その後血圧および酸素飽和度低下、洞性徐脈となったが、加療により改善した (PMID:32431968)
・尿崩症、甲状腺機能低下症、農政片麻痺、くも膜嚢胞の既往歴があり、繰り返してんかん発作を経験している9歳男児 (アメリカ) が、母親がインターネットで購入したCBDオイルを1滴/日、日常的に使用していたが (摂取期間不明) 、誤って〜5 mL (推定CBD摂取量〜113 mg) を一度に摂取したところ (推奨量0.3 mL/日) 、意識消失し救急搬送され、加療により改善した。患者の尿からTHC代謝物が検出されたが、販売業者および米国FDAによる同バッチ製品の分析ではTHC含有量は微量であった (PMID:31767538)

禁忌対象者

医薬品等との
相互作用

<ヒト症例>
・間質性腎炎のためタクロリムス (免疫抑制剤:CYP3A4、CYP3A5基質) 5 mg×2回/日、てんかんのため複数の治療薬 (ラモトリギン. (UGT1A4基質) 、ルフィナミド、メスキシミド、ガバペンチン、エスシタロプラム (うつ病治療薬:CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4基質) 、クエチアピン (抗精神病薬:CYP3A4基質) 、トラゾドン (うつ病治療薬:CYP2D6、CYP3A4基質) 、各服用量不明) を服用中の32歳女性 (アメリカ) が、てんかん発作に対するオープンラベル試験においてCBD 2,000 mg/日を摂取し始めたところ、血中クレアチニン濃度上昇が認められたためタクロリムスの服用を一時中止した。血中クレアチニン濃度の改善が認められたため、タクロリムスの服用を再開したところ、血中濃度がCBD摂取前の約3倍に上昇し、CBD摂取量の増加 (最大2,900 mg/日) に伴う上昇が認められた(PMID:31012522)
<ヒト試験>
・健康な男女16名 (平均32.6±12.9歳、イギリス) を対象としたオープンラベル試験において、CBDを徐々に増量して25日間 (250 mgを1日、250 mg×2回/日を2日、500 mg+250 mg/日を2日、500 mg×2回/日を2日、750 mg+500 mg/日を2日、750 mg×2回/日を試験終了まで) 摂取させ、24日目にカフェイン 200 mgを摂取させたところ、カフェインの血中濃度 (Cmax、AUC) の上昇、パラキサンチン (カフェイン代謝物) のCmax低下およびAUC上昇が認められた。一方、カフェインのtmax、半減期、パラキサンチンのtmaxに影響は認められなかった (PMID:33951339)
<動物・試験管内>
・動物実験 (ラット) において、ナノエマルジョン化CBDの摂取はエリスロマイシン (抗生物質:CYP3A基質) 代謝産物の血中濃度 (AUC) を減少させた (PMID:33381645)
・動物実験 (マウス) において、アサ抽出物 (57.9% CBD含有) の摂取は肝臓のCYP2C65、CYP2D22、CYP2E1遺伝子発現およびグルタチオン合成に影響を与えなかった。一方、CYP1A2、CYP2B10、CYP2C29、CYP2C66、CYP3A4、CYP3A11遺伝子発現を増加させた (PMID:33096940)
・in vitro試験 (ヒトCYPタンパク質) において、CBDはCYP1A1活性を阻害した (PMID:23811569)
・in vitro試験 (スーパーソーム) において、CBDはCYP1A2、CYP2D6活性に影響を与えなかった。一方、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4活性を阻害した (PMID:34181150)
<理論的に考えられる相互作用>
・CBDと抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系薬、モルヒネ、三環系抗うつ薬との相互作用が報告されている (PMID:33515191)
・ブリバラセタム (抗てんかん薬) 、カフェイン (中枢神経刺激薬:CYP1A2、CYP2E1、CYP3A4基質) 、カルバマゼピン (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 、シタロプラム (うつ病治療薬:CYP2D6、CYP3A4基質) 、エスリカルバゼピン (抗てんかん薬) 、エベロリムス (抗がん剤:CYP3A4、P糖タンパク質基質) 、メサドン (鎮痛薬) 、ルフィナミド (抗てんかん薬) 、シロリムス (免疫抑制剤) 、スチリペントール (抗てんかん薬) 、タクロリムス (免疫抑制剤:CYP3A4基質) 、トピラマート (抗てんかん薬:CYP3A4基質) 、ワルファリン (抗凝固薬:CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4基質) 、ゾニサミド (抗てんかん薬) 、グルクロン酸抱合で代謝される薬剤との併用は、薬剤の血中濃度が高まる可能性がある (94) 。
・クロバザム (抗てんかん薬) との併用は、クロバザムの血中濃度が高まり、傾眠の発生が増加する可能性がある (94) 。
・中枢神経抑制薬との併用は、中枢神経抑制作用を増強する可能性がある (94) 。
・リチウムとの併用は、副作用を増強する可能性がある (94) 。
・タモキシフェン (抗がん剤:CYP2D6、CYP3A4基質) との併用は、タモキシフェン代謝物質の血中濃度が低下する可能性がある (94) 。
・バルプロ酸 (抗てんかん薬) との併用は、肝毒と血小板減少症を生じるリスクが高まる可能性がある (94) 。
・CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C19、CYP2C8、CYP2C9、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4によって代謝される薬剤との併用は、薬剤の血中濃度が高まる可能性がある (94) 。
・鎮静作用を持つハーブやサプリメントとの併用は、作用を増強させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・ラット経口5 mg/kg (鎮痛、炎症) (91) 。
・サル経口 (間欠的) 27 g/kg/90日 (肝臓、腎臓) (91) 。
・雄性マウス経口 (交配15日前) 750 mg/kg (不妊、胎児毒性) (91) 。
・雌性マウス経口 (受胎後12日) 50 mg/kg (胎児毒性) (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・摂取により、眠気、下痢、食欲減退、口渇、疲労感、発熱、嘔吐、体重減少、肝機能障害、まれに肝炎、呼吸抑制、肺炎を生じる可能性がある。
・妊娠中・授乳中の摂取は危険性が示唆されている。
・肝機能障害患者、パーキンソン病患者の摂取は、注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントの摂取は控えること。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(94) Natural Medicines
(101) 厚生労働省「CBDオイル等のCBD製品の輸入を検討されている方へ(2020年5月版)」
(2021194542) 広島県立総合技術研究所保健環境センター研究報告. 2020;28:13-23.
(102) Expert Committee on Drug Dependence: Cannabidiol (CBD) - Critical review report. World Health Organization 2018
(2019205936) 保健医療学雑誌. 2018;9(2):112-126.
(103) Chem Pharm Bull. 2022;70:169–174.
(PMID:33481484) Med Sci Sports Exerc. 2021 Jul 1;53(7):1460-1472.
(PMID:32128848) Br J Clin Pharmacol. 2020 Jun;86(6):1125-1138.
(PMID:33094069) Cureus. 2020 Sep 18;12(9):e10528.
(PMID:32729550) Epileptic Disord. 2020 Aug 1;22(4):511-514.
(PMID:32431968) Cureus. 2020 Apr 16;12(4):e7688.
(PMID:31767538) J Am Pharm Assoc (2003). Jan-Feb 2020;60(1):248-252.
(PMID:33381645) Cannabis Cannabinoid Res. 2020 Dec 15;5(4):318-325.
(PMID:33096940) Int J Mol Sci. 2020 Oct 21;21(20):7808.
(PMID:31012522) Am J Transplant. 2019 Oct;19(10):2944-2948.
(PMID:33951339) Clin Pharmacol Drug Dev. 2021 Nov;10(11):1279-1289.
(PMID:23811569) Biol Pharm Bull. 2013;36(7):1197-203.
(PMID:34181150) AAPS J. 2021 Jun 28;23(4):91.
(PMID:33022751) Clin Pharmacol Ther. 2021 May;109(5):1224-1231
(PMID:33515191) J Gen Intern Med. 2021 Jul;36(7):2074-2084

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