健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

画面を閉じる

項 目

内 容

名称

オリーブ、オレイフ [英]Olive [学名]Olea europaea L.、Olea sativa Hoffmanns. Et Link

概要

オリーブは、地中海東沿岸、北アフリカ原産で、ヨーロッパを中心に広く栽培されている常緑高木である。果実は、食用、搾油 (オリーブオイル) の原料とされ、葉は、健康食品素材として利用されている。


●有効性
俗に、「抗酸化作用がある」「がんによい」「心血管疾患によい」などと言われ、オリーブオイルは通常治療と併用で高血圧に対して有効性が示唆され、総コレステロール低下、便秘改善、冠状動脈性心疾患、2型糖尿病、乳がんの発症リスク低減に有効性が示唆されているが、その他の有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
オリーブオイルを通常の食事として適切に摂取する場合おそらく安全である。妊娠中・授乳中の摂取に関する信頼できる十分な情報は見当たらないため、多量摂取は控えること。胆石患者が多量にオリーブオイルを摂取する場合、胆管疝痛を起こす可能性がある。



オリーブ葉抽出物の情報はこちらを参照

▼他の素材はこちら



法規・制度

■食薬区分
・葉、花、果肉油:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■日本薬局方
・オリブ油が収載されている。

■食品添加物
・一般飲食物添加物
 オリーブ茶:着色料、苦味料等
・天然香料基原物質リスト
 オリーブが収載されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・オリーブオイルは、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸を含む (94) 。
・果実に、マスリン酸を含む (PMID:25636872)
・果実と果皮に、オレウロペイン、ヒドロキシチロソール、ルチン、ルテオリン、クロロゲン酸などのフェノール化合物を含む (PMID:31572584)

分析法

・フェノール化合物を、UV検出器付HPLC (PMID:12659724) (PMID:31572584) (101) 、HPLC-MS/MSにより分析した報告がある (PMID:31572584) (102) 。
・脂肪酸を、GC-FIDにより分析した報告がある (101) 。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・オリーブオイルは、通常治療と併用で高血圧に対して有効性が示唆されている (94) 。
・オリーブオイルは、高コレステロール血症に対して有効性が示唆されている (94) 。
・オリーブオイルは、冠状動脈性心疾患の発症リスク低減に対して有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2015年6月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験30報 (検索条件:年齢≧19歳、期間≧4週) について検討したメタ分析において、オリーブオイルの摂取は、炎症マーカー (CRP (15報) 、IL-6 (7報) 、sE-セレクチン (2報) 、sICAM-1 (7報)) の低下、血流依存性血管拡張反応の上昇 (8報) と関連が認められたが、炎症マーカーについては試験によるばらつきが大きかった。一方、炎症マーカー (アディポネクチン (6報) 、TNF-α (5報) 、sVCAM-1 (8報)) に影響は認められず、sP-セレクチン (4報) の上昇と関連が認められた (PMID:26378571)
・2013年12月までを対象に、5つのデータベースで検索できた研究9報 (症例対照研究3報、コホート研究5報、無作為化比較試験2報) について検討したメタ分析において、オリーブオイルの摂取は循環器疾患 (冠動脈心疾患+脳卒中) (9報) および脳卒中 (3報) のリスク低下と関連が認められた。一方、冠動脈心疾患 (7報) リスクとの関連は認められなかった (PMID:24775425)
RCT
・健康な成人男性36名 (平均32±2歳、スペイン、デンマーク、フィンランド、イタリア、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、食事の油と置き換えて、高フェノール類含有オリーブオイル25 mL (フェノール類629 mg/L含有) /日を3週間摂取させたところ、酸化ストレスマーカー (酸化LDL、ヒドロキシ脂肪酸) の低下が認められた。一方、酸化ストレスマーカー (共役ジエン) 、LDLの組成 (ApoB、コレステロール、TG) に影響は認められなかった (PMID:20089783)
・健康な成人13名 (22〜37歳、スペイン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、高ヒドロキシチロソール含有ビスケット30 g (ヒドロキシチロソール5.25 mg含有) を単回摂取させたところ、摂取30分後と4時間後の酸化LDLの低下が認められた。一方、抗酸化マーカー (FRAP、ORAC、ABTS) に影響は認められなかった (PMID:27006237)
・健康な男子学生18名 (平均24歳、フィンランド) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、食事の油と置き換えてオリーブオイル50 g/10 MJを平均15.4 MJ/日、3週間摂取させたところ、なたね油摂取時と比較して血中脂質 (TG、TC、HDL-C) に影響は認められなかった。また、血中脂質 (VLDL-C、LDL-C、LDL-C/HDL-C比、TC/HDL-C比) の上昇が認められた (PMID:11108723)


消化系・肝臓

一般情報
・オリーブオイルは、便秘に対して有効性が示唆されている (94) 。

糖尿病・
内分泌

一般情報
・オリーブオイルは、2型糖尿病の発症リスク低減に対して有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた前向きコホート研究または無作為化比較試験4報 (コホート研究3報、無作為化比較試験1報、検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、オリーブオイルの摂取は2型糖尿病発症リスクの低下と関連が認められた (PMID:28394365)
・2016年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化比較試験29報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、2型糖尿病患者におけるオリーブオイルの摂取は、糖代謝マーカー (HbA1c (22報) 、空腹時血糖 (25報)) の低下との関連が認められた (PMID:28394365)

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

一般情報
・オリーブオイルは、乳がんの発症リスク低減に対して有効性が示唆されている (94) 。

骨・筋肉

RCT
・健康な高齢者36名 (試験群17名、平均72.7±1.4歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、レジスタンス運動とともに朝食後にオリーブ果実抽出物ゼリー20 g/日 (マスリン酸60 mg/日含有) を12週間摂取させたところ、骨格筋量、右腕、左腕、体幹の筋肉量増加、変形性膝・股関節炎評価 (WOMAC) 4項目中1項目 (右ひざの痛み) の改善が認められた。一方、身体能力 (握力、5メートル歩行、椅子立ち上がり、運動機能スコア) に影響は認められなかった (PMID:31138956)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・オリーブオイルは、通常の食事として適切に摂取する場合はおそらく安全である (94) 。
・オリーブオイルの摂取により吐き気を生じる可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・信頼できる十分な情報が見当たらないため、多量摂取は控えること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・胆石患者が治療目的でオリーブオイルを摂取した場合、胆管疝痛を起こす可能性がある (58) (104) 。
・オリーブオイルは、血糖値に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい (94) 。

<被害事例>
【アレルギーに関する被害事例】
・オリーブ花粉症のある28歳男性 (トルコ) が、オリーブの実を摂取した約1時間後に全身性蕁麻疹と口蓋のかゆみを発症した (PMID:20128426)
・花粉症のある25歳女性 (スイス) が、オリーブの実やオリーブオイルを摂取し、アナフィラキシーを起こした (PMID:20945621)
・花粉症と喘息があり、花粉抽出物 (オリーブ、ホソムギ、ノハラヒジキ含有) による皮下免疫療法を受けていた16歳男性 (スペイン) が、オリーブの実を摂取した20分後に腕部のそう痒性発疹、胸部の激痛および呼吸困難を伴うアナフィラキシーを起こした (PMID:21462812)
・気管支腫瘍による左肺切除の既往歴と、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎、喘息があり、舌下免疫療法を受けていた21歳女性 (スペイン) が、タマネギ、トウガラシ、オリーブを含むスナックを摂取後に起こる喉の痒み、咳、呼吸困難を3回経験し、プリックテストによりオリーブの実によるアナフィラキシーと診断された (PMID:21920658)
・鼻結膜炎と喘息があり、5年前にオリーブ花粉アレルギーと診断された48歳女性 (チュニジア) が、オリーブの実を摂取した数分後に口腔の掻痒感と全身性蕁麻疹を生じることを数回経験し、経口試験によりオリーブの実による口腔アレルギー症候群と診断された (PMID:26578052)
・季節性鼻結膜炎があり、桃の皮に対する接触性蕁麻疹、ヒマワリの種に対する口腔アレルギー症候群、ナッツに対するアナフィラキシー症状を生じたことがある20歳男性 (スペイン) が、2度にわたってオリーブ摂取後に全身性蕁麻疹、顔面の血管性浮腫、血圧低下を経験した。検査の結果、オリーブ中の脂溶性タンパク質を原因とするアナフィラキシーと診断された (PMID:21470240)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<動物・試験管内>
・in vitro試験 (ヒト肝ミクロソーム) において、実から抽出したマスリン酸はCYP2E1活性に影響を及ぼさなかったが、CYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP3A4の活性を阻害した (PMID:25636872)
・in vitro試験 (ラット肝ミクロソーム) において、実から抽出したマスリン酸はCYP1A2、CYP2C11、CYP2D1、CYP2E1、CYP3A2の活性を阻害した (PMID:25636872)
<理論的に考えられる相互作用>
・オリーブオイルと抗凝固薬、抗凝固作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスクを増大する可能性がある (94) 。
・高血圧治療薬や降圧作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、降圧作用を増大させる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬や血糖降下作用のあるハーブやサプリメントとの併用は、血糖降下作用を増大させる可能性があるため、血糖値のモニタリングが必要である (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・オイルを投与:ラット経口10 mL/kg (91) 。
・Olea europaea L var. europaea果実オイルを投与:マウス経口 (連続的) 29.4 g/kg/14週、58.8 g/kg/14週、88.2 g/kg/14週 (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・オリーブオイルは通常の食事として適切に摂取する場合、おそらく安全である。
・妊娠中・授乳中の摂取は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、多量摂取は控えること。
・オリーブオイルの摂取により吐き気を生じる可能性がある (94) 。
・胆石患者が治療目的でオリーブオイルを摂取した場合、胆管疝痛を起こす可能性がある。
・オリーブオイルは、血糖値に影響をおよぼす可能性があるため、外科的手術の2週間前までに摂取を中止した方がよい。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・オリーブオイルは、通常治療と併用で高血圧に対して有効性が示唆されている。
・オリーブオイルは、便秘改善および、高コレステロール血症、冠状動脈性心疾患、2型糖尿病、乳がんの発症リスク低減に有効性が示唆されている。

参考文献

(101) Food Chem. 2003; 80: 331-6.
(102) Anal Lett. 2001; 34(6): 1033-51.
(2003115331) 岐阜県立岐阜病院年報 2001;22:127-8.
(PMID:12659724) Food Chem Toxicol. 2003; 41(5): 703-17.
(PMID:10737284) Arch Intern Med. 2000 Mar 27;160(6):837-42.
(PMID:11108723) J Lipid Res. 2000 Dec;41(12):1901-11.
(PMID:10495532) Aust Fam Physician. 1999 Aug;28(8):817, 828.
(PMID:9232040) Arch Pediatr Adolesc Med. 1997 Jul;151(7):675-8.
(PMID:10426917) J Am Acad Dermatol. 1999 Aug;41(2 Pt 2):312-5
(104) Herb Contraindications and Drug Interactions.2nd ed.(1998)
(PMID:20128426) J Investig Allergol Clin Immunol. 2009;19(6):497-9.
(PMID:20945621) J Investig Allergol Clin Immunol. 2010;20(5):454.
(PMID:21462812) J Investig Allergol Clin Immunol. 2011;21(2):160-1.
(105) Herbs and Natural Supplements an evidence-based guide 3rd edition. Elsevier .(2010)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(106) Nutr Res. 2007; 27(8):470-7.
(PMID:21920658) Allergol Immunopathol (Madr). 2012 May-Jun;40(3):198-200.
(PMID:24775425) Br J Nutr. 2014 Jul;112(2):248-59.
(PMID:26078902) Case Rep Pediatr. 2015;2015:402926.
(PMID:25636872) Phytomedicine. 2015 Jan 15;22(1):56-65.
(PMID:26378571) Nutrients. 2015 Sep 11;7(9):7651-75.
(PMID:26578052) Tunis Med. 2015 May;93(5):326-7.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(94) Natural Medicines
(PMID:21470240) Allergy. 2011 May;66(5):701-2
(PMID:28394365) Nutr Diabetes. 2017 Apr 10;7(4):e262.
(58) The Complete German Commission E Monographs
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(PMID:20089783) J Nutr. 2010 Mar;140(3):501-8.
(107) 基原植物辞典
(108) 学名で引く食薬区分リスト
(PMID:31138956) J Clin Biochem Nutr. 2019 May;64(3):224-230.
(PMID:31572584) Food Sci Nutr. 2019 Aug 10;7(9):2907-2920.

© National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition. All Rights Reserved.