健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ビフィズス菌 [英]Bifidobacteria [学名]Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum など

概要

ビフィズス菌は、人や動物の腸内に生息するグラム陽性細菌で、発酵により主に乳酸と酢酸を生産する。宿主の健康維持に大きく関わる菌群であり、乳酸菌とともにプロバイオティクスの一つとなっている。プレバイオティクスシンバイオティクスの情報については、それぞれの素材のページを参照のこと。


●有効性
俗に、「整腸作用がある」「美肌効果がある」「免疫力をあげる」などと言われているが、便秘、呼吸器感染症予防に有効性が示唆されており、加齢に伴う認知機能の低下、早産児の敗血症予防に効果がないことが示唆されている。そのほかの有効性については情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
適切に摂取する場合、おそらく安全である。妊娠中・授乳中にBifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longumを短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、そのほかの菌株については、信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること。免疫不全患者の摂取は注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること。



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法規・制度

■食薬区分
・ビフィズス菌 (Bifidobacterium属) 菌体:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

■特定保健用食品
・「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・人や動物の腸内に生息するグラム陽性細菌 (103) 。

分析法

・腸内フローラのビフィズス菌を、菌属・菌種特異的プライマーを用いた定量的PCR法により分析した報告がある (PMID:8837422)

有効性








循環器・
呼吸器


<呼吸器>
一般情報
・呼吸器感染症の予防に有効性が示唆されている (94) 。
RCT:海外
・健康な成人465名 (オーストラリア) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Bifidobacterium animalis subsp. lactis Bl-04 2.0×10(9) cfu/日 (Bl-04群161名、平均36±12歳) またはLactobacillus acidophilus NCFM+Bifidobacterium animalis subsp. lactis Bi-07の均等混合 1.0×10(10) cfu/日 (NCFM+Bi-07群155名、平均36±11歳) を150日間摂取させたところ、Bl-04群では上気道感染症の発症リスクの低下が認められたが、罹患者数、総罹患数、症状の重症度、持続期間、医療機関の受診率、医薬品の利用率、消化管障害の罹患者数に影響は認められなかった。NCFM+Bi-07群では、いずれの項目にも影響は認められなかった (PMID:24268677)
・健康な大学生581名 (アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Lactobacillus helveticus R0052 (145名、平均20.0±0.1歳) 、Bifidobacterium bifidum R0071 (142名、平均19.8±0.1歳) 、Bifidobacterium longum ssp. Infantis R0033 (147名、平均19.8±0.1歳) (それぞれ3×10(9) cfu含有) を6週間摂取させたところ、Bifidobacterium bifidum R0071群で、風邪やインフルエンザ様症状の累積罹患率の減少が認められたが、健康な日には影響は認められなかった。一方、いずれの群も風邪やインフルエンザ様症状の期間に影響は認められなかった (PMID:25604727)


消化系・肝臓

一般情報
・乳酸菌またはビフィズス菌を関与成分とし、「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・Bifidobacterium animalis subsp. lactisは、便秘に対して有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2014年3月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験14報 (検索条件:≧18歳) について検討したメタ分析において、成人におけるBifidobacterium lactisの摂取は、排便回数の増加 (6報) 、便の硬さの改善 (4報) との関連が認められたが、いずれも試験によるばらつきが大きかった (PMID:25099542)
RCT:国内
【特定保健用食品】健康な女子大学生41名 (平均21.0±1.1歳、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、ビフィズス菌含有発酵乳 (Bifidobacterium lactis Bb-12 1.0×10(9) cfu以上含有) 100 g/日を2週間摂取させたところ、ビフィズス菌不含発酵乳に比較し、排便回数の増加が認められた。一方、排便量、便性状に影響は認められなかった (2005292875) 。
・一時的な胃腸の不調を自覚する健康成人79名 (試験群39名、平均41.1±10.1歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Bifidobacterium bifidum YIT 10347 3×10 (7) cfu以上/mL+Streptococcus thermophilus YIT 2021 1×10 (7) cfu以上/mL含有発酵乳100 mL/日を4週間摂取させたところ、逆流性食道炎症状評価指標 (m-FSSG) 14項目中1項目 (食後の心窩部痛) の改善が認められた。一方、消化器症状評価指標 (GSRS) のスコアに影響は認められなかった (PMID:29573807)
RCT:海外
・慢性便秘の小児59名 (5〜15歳、ブラジル) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験において、ヤギ乳ヨーグルト1 mL (Bifidobacterium longum 10(9) cfu/mL含有) /日を5週間摂取させたところ、排便頻度の増加、排便時の痛みや腹痛の減少が認められた (PMID:22025880)

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・加齢に伴う認知機能の低下に、効果がないことが示唆されている (94) 。
RCT:国内
・記憶力の低下を自覚する中高年121名 (試験群61名、平均61.5±6.83歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、食後にBifidobacterium breve A1を2.0×10(10) cfu以上/日、12週間摂取させたところ、認知機能評価 (RBANS) の総スコアに影響は認められなかった (PMID:31090457)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・クロストリジウム・ディフィシル感染症の予防に効果がないことが示唆されている (94) 。
メタ分析
・2016年6月までを対象に2つのデータベースで検索できた無作為化比較試験3報について検討したメタ分析において、健康な高齢成人におけるBifidobacterium animalis ssp. lactis HN019の摂取は、多形核細胞の貪食能向上 (3報) 、NK細胞の殺腫瘍活性上昇 (2報) との関連が認められた (PMID:28245559)
RCT:海外
・健康な高齢者25名 (試験群13名、62〜83歳、カナダ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Bifidobacterium lactis HN019を1.5×10(11) cfu×2回/日を6週間摂取させたところ、炎症マーカー (IFN-α、多形核細胞細胞の貧食能力) の増加が認められた。一方、PMN細胞の殺菌作用に影響は認められなかった (PMID:10713750)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

一般情報
・早産児の敗血症予防に効果がないことが示唆されている (94) 。

肥満

RCT:国内
・過体重の成人80名 (試験群40名、平均45.4±9.8歳、日本) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Bifidobacterium breve B-3を2.0×10(10) cfu/日、12週間摂取させたところ、腹部内臓脂肪面積に影響は認められなかった (PMID:30094122)

その他

RCT:海外
・1ヶ月齢の乳児96名 (試験群32名、フィンランド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、Bifidobacterium lactis Bb12を10(10) cfu/日、平均14.9±6.7ヶ月間摂取させたところ、2歳時の口腔内ミュータンス菌レベルが低下した。一方、8ヶ月齢時および2歳時の口腔内 B. lactis Bb12レベル (PMID:22327347) 、4歳時の虫歯発生リスクに影響は認められなかった (PMID:23571819)
・う歯のない小児52名 (8〜10歳、トルコ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、フルーツヨーグルト110 g (Bifidobacterium DN-173 010 (1×10(10) cfu/g) 含有) /日を2週間摂取させたところ、プラーク中のミュータンス菌数に影響は認められなかった (PMID:25571684)





試験管内・
動物他での
評価

-



安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longum以外の菌株については、信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること (94) 。
・妊娠中にビフィズス菌と乳酸菌を併用する場合、妊娠高血圧腎症のリスクを高める可能性がある (94) 。
<小児>
・適切に摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・摂取により、下痢を引き起こす可能性がある (94) 。
<病者>
・腹部手術後に腸閉塞リスクのある小児は、菌血症を生じるリスクがあるため、注意を要する (94) 。
・免疫不全患者は、感染症を生じる可能性があり、注意を要する (94) 。

<被害事例:国内>
・臍帯ヘルニアがあり帝王切開にて誕生した乳児 (在胎期間37週2日、出生時体重2,060 g、日本) が、出生4時間後に臍帯ヘルニアの手術を行い、術後2日目からプロバイオティクス製品 (Bifidobacterium breve含有) を12日間投与されたところ、投与8日目よりB. breveによる敗血症を起こし、投与中止により改善した (PMID:20303445)

<被害事例:海外>
・極低出生体重の早産児3名 (スイス) が、壊死性腸炎予防のためにプロバイオティクス製品 (Bifidobacterium longum、Lactobacillus Acidophilus含有) を6〜14日間投与されたところ、B. longumによる菌血症を起こした (PMID:25402825)
・帝王切開にて誕生した超低体重出生児 (在胎期間27週5日、出生時体重600 g、ドイツ) が、出生9日目からプロバイオティクス製品 (Bifidobacterium. infantis、Lactobacillus. Acidophilus含有) を10日間投与されたところ、Bifidobacterium属による敗血症を起こし、投与中止により改善した (PMID:22058179)
・急性B細胞リンパ芽球性白血病で化学療法を受け、腹部不快感や便秘を訴えていた2歳男児 (スロベニア) が、腹部膨張、疝痛を伴う容体の悪化を生じ、プロバイオティクス製品 (Lactobacillus spp、Bifidobacterium longum含有) の摂取 (摂取量、期間不明) が関連したBifidobacterium breveによる敗血症と診断された (PMID:26291071) 。・2014年4月から2015年8月までにノルウェーで超早産児として出生した290名が、壊死性腸炎予防のためプロバイオティクス製品 (Bifidobacterium longum 10(9) +Lactobacillus acidophilus 10(9) /個含有) を出生1週目より1/2〜1個/日投与されたところ、3名がB. longumを原因とする菌血症を発症した (PMID:27532215) 。個々の症例は以下のとおり。
1) 生後8日の男児が、敗血症、血圧低下を生じ抗菌薬による治療を開始したが翌日より消化器症状 (腹部膨満、消化不良、摂食困難) を発症し、回腸穿孔、腸管壊死が認められた。加療により改善した。
2) 生後12日の男児が、無呼吸、徐脈、体温不安定となり、プロバイオティクスの中止と加療により改善した。
3) Enterococcus faecalisによる菌血症の既往歴がある女児が、治癒後にプロバイオティクスの投与を継続していたところ、生後46日に血圧低下、代謝性アシドーシス、続発性イレウスを発症したが、プロバイオティクスの中止と加療により改善した。

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・抗生物質との併用は、同時に摂取したビフィズス菌を死滅させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD (致死量)
・Bifidobacterium longum BB536を投与:マウス経口 >55 g/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、おそらく安全である。
・妊娠中・授乳中に短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longum以外の菌株については、信頼できる十分な情報が見当たらないため、サプリメントなど濃縮物の自己判断での摂取を控えること。
・妊娠中にビフィズス菌と乳酸菌を併用する場合、妊娠高血圧腎症のリスクを高める可能性がある。
・免疫不全患者の摂取は注意が必要であるため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること。
・特定保健用食品では個別に製品 (菌株) ごとに安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品では個別に製品 (菌株) ごとに有効性が評価されているが、その他の情報においては、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(103) 新櫻井総合食品事典
(94) Natural Medicines
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS).
(104) 乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス 京都大学学術出版会
(PMID:8837422) Appl Environ Microbiol. 1996 Oct;62(10):3668-72.
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(PMID:29573807) J Dairy Sci. 2018 Jun;101(6):4830-4841.

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