専門家に聞きました 【第2回】セルフケアの中で保健機能食品を利用するために

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専門家に聞きました
【第2回】
セルフケアの中で保健機能食品を利用するために
 

独立行政法人 国民生活センター
理事 宗林さおり

もくじ
1.セルフメディケーション
2.保健機能食品
3.課題
4.購入方法にあたって



1.セルフメディケーション
セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とWHOで定義されています。この中には普段の食生活や運動等も含まれますが、自分で判断して補足的に使用するビタミン等の栄養機能食品や、機能性成分が分かっている機能性表示食品、そして最終製品で国の審査を受けた特定保健用食品等これらを合わせて何等か機能性の根拠があるものとして「保健機能食品」があります。

さらに、医師の出す処方箋がないと入手できない医療用医薬品をドラックストア等で購入できるよう一般用医薬品にスイッチ化することが閣議決定(令和2年7月17日)されており、ますます消費者は自身の健康をケアするために武器が増える方向で進んでいます。例えば、アレルギー、過敏性大腸炎や口の周りにできるヘルペス等、再発する場合が多いような薬はドラックストアで薬剤師と相談すれば購入できるものが増えてきています。このようなことは利便性が向上し薬を購入して自分でケアできることにつながります。



2.保健機能食品
セルフメディケーションの中でも、保健機能食品等食品はセルフケアに該当していきますが、それぞれの特徴をよく知ることが大切です。

特定保健用食品は、最終的な製品について事業者から希望する表示とその根拠データを提出し、その内容が合致しているかについて、国が有効性・安全性両面から審査し判断しているものです。商品としては血圧、血糖、脂質代謝、お腹の調子に関わるものが多く、生活習慣病に係るものも多いですが、「食後における一時的効果」や、利用する消費者にとって「血圧が気になる方へ」とされるのが正しい表現です。

次に2015年からスタートした機能性表示食品ですが、特定保健用食品と同程度の機能性表示ができます。事業者の責任においてその根拠等を消費者庁へ届け出、消費者庁は必要な書類が整っているか確認し受理していくという流れです。特定保健用食品と比較すると短期間で機能性表示食品を取得できるため特定保健用食品をはるかに超え大変多くの商品が機能性表示食品となっています。機能性成分とその含有量が記載され、事業者の問い合わせ先がパッケージに記載されているので消費者が直接問い合わせできる仕組みです。また、機能性表示食品の一覧は消費者庁のホームページに一覧のデータベースとなっているため届け出の資料を見ることができ透明性の高い制度です。

ビタミンやミネラルを一定以上の幅で含有している製品は栄養機能食品として販売されています。主にビタミンやミネラルの補給に使用するのが良いでしょう。
また、葉酸については、妊娠の極めて初期に胎児の脊椎の奇形を防ぐ効果があることがわかっており、妊娠の可能性がある女性には欠かせない栄養素です。


3.課題
(1)特定保健用食品の表示される機能性は、健常者(疾病者でない)境界域までの人が12週間摂取目安量を摂り続けた際のデータで判断されています。利用する消費者側はきちんと認識しているでしょうか。特定保健用食品の摂取対象者が正しく利用しているでしょうか。併せて、医師にかかる必要がないか、また、日々の食生活への関心や注意もより一層するようになったでしょうか。

(2)機能性表示食品の中には機能性成分について「●●という成分は××の機能性が報告されています」との記載も多いのが実態です。機能性成分が同じであればその商品に含有されている量が異なっても、同じ表示をすることが(根拠資料次第ではありますが)認められています。こうなると、利用する機能性表示食品の成分量を自分で見極める必要が実はあるのを知っていましたか。簡単に言えば、同じ機能性成分を含む商品を選ぶ際にはあまり少ない商品は避けた方が機能性効果は期待しやすいということです。

また、機能性表示食品は、目のピント調節や、すっきりとした目覚め、認知機能が気になる方へと、特定保健用食品にはない機能性や、ドラックストアで購入できる一般用医薬品にもない効果が数々見られるので、利用した側が事業者に問い合わせながら自分で利用して実感が持てるかどうかということが判断基準になるのではないでしょうか。たくさんの種類がありますからおのずと選ぶ力が必要だということです。


4.購入方法にあたって
通信販売での健康食品の「定期購入」のトラブルが大変多く、最近の傾向として10〜20歳代の若者にも増えています。

通信販売にはクーリング・オフ制度はなく、一旦注文すると簡単に契約をなかったことにすることはできません。

2022年4月からは成年年齢が引き下げられ18歳でも大人として契約することができるようになります。これまでは未成年の契約で親権者の同意がないということで契約を取り消すことができましたが、それはできなくなるということです。ネット通販で購入する方も多いと思いますが、端から端までよく読んで、他のサイトも見比べて慎重に購入するようにしましょう。

出典:令和3年6月17日国民生活センター公表 健康食品の「定期購入」のトラブル


宗林さおり(そうりん さおり)
1981年東京理科大学卒業後国民生活センター入所
平成24年7月消費者庁消費者安全課長 復興庁参事官併任
平成27年1月国民生活センター理事 
厚生労働省で医薬品の承認等審議会委員、内閣府消費者委員会食品表示部会委員他



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